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マウザー、ウェアラブル形状のマキシム社製MAXREFDES101 ヘルスセンサプラットフォーム 2.0の販売を開始

ネット販売商社のマウザー・エレクトロニクスは、マキシム・インテグレーテッド社のMAXREFDES101 ヘルスセンサプラットフォーム 2.0の取り扱いを開始した。
MAXREFDES101は、Maximの幅広い製品を内蔵した高速プロトタイプ作成/評価/開発プラットフォームで、体温、心拍数、心電図(ECG)を精密に監視する医療用アプリケーションに最適とのこと。

Maxim MAXREFDES101ヘルスセンサプラットフォーム 2.0は、ディスプレイ、バッテリ、マイクロボード、センサーボードを収納した腕時計型の筐体で提供される。マイクロボードには、Maxim MAX32630 Arm Cortex-M4Fマイクロコントローラ、MAX20303パワーマネージメントIC、デュアルモードBluetooth® 技術、および6軸加速度計/ジャイロスコープが内蔵されており、センサーボードには、MAX86141光学センサ、MAX30001生体電位/生体インピーダンスAFE(アナログフロントエンド)、MAX30205温度センサ、およびMAX32664生体センサハブが内蔵されている。MAX32664生体センサハブは、組み込まれたファームウェアおよびアルゴリズムにより、開発プロセスを簡素化し、光学センサとのシームレスな通信を実現するという。

ニュースリリースサイト:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000050.000034430.html

ISA、IoTセンサデバイス用長期回路評価ボードEB100の提供開始。

(株)アイエスエイは、IoTデバイスの要の技術、LPWA(省電力遠距離無線通信)を採用するセンサデバイス開発用として、長期間間欠動作するための塩化チオニル・リチウム電池を利用した電源回路開発評価キットEB100を、12月1日から(株)エムネットを通して販売する。

EB100(塩化チオニル・リチウム電池評価用ボード)は、LPWAで注目を浴びるLoRa無線方式センサデバイスやSigfoxセンサデバイスで塩化チオニル・リチウム電池を有効に用い、間欠動作で10年以上稼働する電源回路を開発するためのキットである。
通常は数年で電池交換が必要な機器も、本キットを利用することで稼働時間を飛躍的に延ばす電源回路の開発ができる。 本キットは、同社が6月に発売を開始した「ももことあやか」WD100シリーズの電源回路を設計をもとにしていて、既に市場で実績のあるものだとのこと。

■EB100(塩化チオニル・リチウム電池 評価ボード)の特長
1. 塩化チオニル・リチウム電池と電気二重層キャパシタの組合せ使用を想定した回路が、すでに同社市販製品のWD100開発時のものが搭載されている。
2. 間欠動作を実現するため、キャパシタへの効率的充電回路と、その制御回路を内蔵。
3. メインのCPUから回路を制御するためのインターフェース内蔵。
4. 超低電流計測のためのデジタル表示計測モジュールが付属していて、動作を確認できる。
5. 評価用の塩化チオニル・リチウム電池が付属。
6. LPWA送信デバイスによる間欠送信時の消費電力を詳細に把握できる。
7. フリースペースが設けてあり、ターゲットデバイスや周辺回路の開発・実験が容易。
8. 各種計測装置を利用して開発を行う場合を想定し、数多くのテストポイントが用意されている。

■価格と付属品
・EB100 塩化チオニル・リチウム電池 評価キット 168,000円

本キットには次の物が付属。
● 超低電流計測モジュール(1個)
● 塩化チオニル・リチウム電池(A3タイプ) (3本)
● ACアダプタ(1個)
● 接続用ハーネス(3本)
● USBインターフェースケーブル(1本)
● 回路図および説明書(各1冊)

ニュースリリースサイト:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000027.000006131.html

サン電子、「おくだけセンサーソリューション」を発売

サン電子(株)はおくだけでIoT化/遠隔管理を実現する「おくだけセンサーソリューション」を、2018年11月27日より販売開始した。

この製品は利用方法が簡単でセンサー子機の電源を入れて、センシングしたい場所に“おくだけ”ですぐ使用できる。おくだけセンサー親機と子機間のペアリングを実施した状態で出荷するため、電源を入れ設置すればセンサーデータを自動で取得できる。

センサー子機に、温度・湿度・照度・加速度・磁気の5種類のセンサーが内蔵されており、子機筐体は、防水防塵対応(IP65)のため、屋外でも使用可能。
センサー子機は、サブギガ(920MHz帯)及びBluetooth(2.4GHz帯)の2種類の無線通信が可能。ケーブル敷設は不要のため、センサー追加も簡単にできる。

親機~子機間の通信は暗号化され、高度な通信セキュリティ(AES256bit)に対応。 電源としてはコイン電池(CR2450)を使用し、約1年間のバッテリー稼働が可能(*バッテリー寿命は使用環境・設定条件による)。また、USB給電にも対応している。

利用プランとしては、基本セット(オンプレミスタイプ)とスターターセット(クラウドタイプ)の2種類のセットプランがある。
基本セットでは、プリインストール済のおくだけ設定ツール(ビューワ機能付き)、もしくはオープンソースIoTプラットフォーム:ThingsBoardが使用できる。オンプレミス環境で利用することで、インターネットにセンサーデータを出さずに運用が可能となる。
スターターセットでは、同社のIoTプラットフォーム:Bacsoft IoT Platformが使用できる。パソコン、スマートフォン、タブレットでデータ閲覧、複数拠点の一括監視・管理が可能。 オンプレミス、クラウド上の両方のIoT見える化プラットフォームに対応している。

ニュースリリースサイト:
https://www.sun-denshi.co.jp/sc/press/newsrelease/181127_okudake.html

亀山電機、キヤノンITS、toor、サイバネット、IoTを活用したベルトコンベアの予知保全システム

株式会社亀山電機(以下「亀山電機」)、キヤノンIT ソリューションズ株式会社(以下「キヤノンITS」)、株式会社toor(以下「toor」)、サイバネットシステム株式会社(以下「サイバネット」)の4社は、ベルトコンベアに取り付けられた温度、振動などのセンサー情報に加え、ベルトの状態の2D、 3D 画像をIoTで取得、分析し、正常運用時との変化を可視化したMAPをモニタリングすることで、故障に繋がる予兆をいち早く検知する予知保全システムのPoCを実施する。

今回のPoC では、センサ情報と画像の特徴データを合わせ200 以上の要素数となる多変量データを統合し、機器全体の稼働状況を俯瞰する事ができる新たなMAP 化手法を取り入れた。対象とするのは、資材や生産物の運搬など屋内外問わず様々な環境で利用されているベルトコンベア。ベルトコンベアの日々のメンテナンスは現場担当者の目視を中心に行われているが、頻度は少ないものの故障発生時はベルトの破断など重大なトラブルにつながることが多い。

さらに、この手法により日々の機器の状態監視だけでなく、経年劣化に伴う状態の変化も可視化できるため、機器の区別なく一定周期で行っていたメンテナンスを、個々の機器の状態に応じて必要な時期に実施でき、故障発生リスクの低減、メンテナンスコストの最適化につなげる事が可能となるという。
亀山電機では、今回ベースとなる各社の技術を利用した、機器の故障予知保全サービスを2019年度より開始する予定。

各社の役割としては亀山電機は「PoC主体、事業化検討」、キヤノンITSは「画像取得、分析、特徴抽出」、toorは「多変量データMAP化エンジンtoorPIAの提供」、サイバネットは「ビッグデータ可視化/分析システムBIGDAT@Viewerの提供」を行うとのこと。

※注:PoC(Proof of Concept):新たな概念やアイデアが実現可能か、効果や技術的な観点から検証する行程。

ニュースリリースサイト:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000330.000004714.html

ST、センサ・フュージョン、音声入力、Bluetooth 5.0メッシュ通信に対応したコイン型開発ボード

STマイクロエレクトロニクス(NYSE:STM、以下ST)は、オールインワンの新しいIoT端末開発ボードであるBlueNRG-Tileを発表した。コイン型で超小型サイズの同開発ボードは、STのBluetooth Low Energy 5.0シングル・モード・システム・オン・チップ(SoC)であるBlueNRG-2を中心に構築されており、このSoCがすべてのセンサ制御およびデータ処理を行う。また、iOSまたはAndroid用の無償のデモ・アプリを使用した近くにあるスマートフォンとBluetooth経由で接続することも可能。 Arm(R) Cortex(R)-M0プロセッサとFlashメモリ(最大256KB)を搭載するBlueNRG-2 は、最大32767台の複数ノードを接続するメッシュ・ネットワークに対応できるため、スマート・ホームから大規模な産業インフラに至るあらゆるニーズに対して、センシングおよびリモート・モニタリングの範囲を大幅に拡張することができるという。

BlueNRG-Tileは、BlueNRG-2を中心に、加速度センサ、ジャイロ・センサ、地磁気センサ、大気圧センサ、温湿度センサ、MEMSマイクロフォン、ToF測距センサ(FlightSense)などの超低消費電力センサを集積している。高度に最適化されたセンサ・アーキテクチャを有するBlueNRG-2は、スリープ時(全データを保持)の消費電流をわずか900nA、システム全体のスタンバイ電流を25uAにまで抑えることができる。さらに、超高速ウェークアップをサポートし、9軸慣性センサ・フュージョンの高効率な実行(Arm(R) Cortex(R)-M0向けに最適化されたセンサ・フュージョン・コードのST MotionFXで動作)、低消費電流(25Hzでわずか1.4mA)で遅延が少ないリアルタイム・データ通信機能を実現しているとのこと。

ニュースリリースサイト:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000920.000001337.html

LIFULL、奈良先端大と住環境センシングの共同研究を実施

株式会社LIFULL(ライフル)は、2018年11月26日(月)より奈良先端科学技術大学院大学先端科学技術研究科ユビキタスコンピューティングシステム研究室(以下「NAISTユビ研」)の諏訪博彦助教と、住宅における環境センシングに関する共同研究を実施する。

この共同研究は、あらゆるデバイスがネットワークでつながるユビキタス社会における次世代型サービスの研究を進めているNAISTユビ研と連携して、環境センシング技術を活用して居住環境の品質を可視化することを目指している。これまでは物件ごとの室温や日当たり、騒音など実際に住んでみなければわからなかった居住環境の品質が、この研究によって、同一の基準で数値化、可視化されることで消費者が比較検討しやすくなると同時に、物件価値の適正な評価も可能となるという。

■共同研究の概要
今回の実証実験は、11月26日(月)~12月17日(月)(予定)に東京都内の約50軒の賃貸空室物件の室内外に環境センサーを設置して、気温や湿度、照度、騒音、紫外線などのデータを収集し、下記の観点からデータ分析を行う。
 ・収集する項目や収集期間等のデータ収集基準についての検証
 ・環境データに基づく居住環境の品質評価のための指標策定、スコアリング等についての検証
 ・環境データ収集実験によって得られた各種知見の分析

こうした取り組みの一環として、今後は、関連企業とのパートナーシップなども検討し、研究規模の拡大、さらには実用化を目指すとのこと。

ニュースリリースサイト:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000046.000033058.html

非冷却赤外線イメージセンサ④

立命館大学 理工学部特任教授
木股雅章

新応用で代表的な製品は、スマートフォン用赤外線カメラである。従来の赤外線カメラの価格帯は安いものでも数十万円であり、スマートフォンのアクセサリーとしての製品を実現するのは難しいと考えられていた。この状況は、画素ピッチが小さい小画素数の非冷却赤外線イメージセンサが開発されたことで大きく変化し、2014年には最初のスマートフォン用赤外線カメラの販売が始まった。

図6にスマートフォン用赤外線カメラの市場投入推移を示した5)。最初のスマートフォン用赤外線カメラはFLIR SystemsのFLIR ONEである。このスマートフォン用赤外線カメラはiPhoneに装着して使用する赤外線カメラで、画素数は80×60画素である。FLIR Systems社に続き、イスラエルのOpgalと米国のSeek Thermalが1年以内にこの市場に参入した。Seek Thermalの製品は、北米では$199で販売され、個人が赤外線カメラを購入できる時代が始まった。現在では、少なくとも6社がスマートフォン用赤外線カメラを製造販売している。

図6 スマートフォン用赤外線カメラ市場参入推移

数量の多いスマートフォンへの搭載が始まったことで、新市場としてスマートフォン用赤外線カメラ分野が脚光を浴びている。しかし、赤外線カメラがスマートフォンに標準搭載されるまでにはかなりの時間を要すると考えるのが妥当であり、直近の急拡大は期待薄である。そうした状況を考慮すると、スマートフォン用赤外線カメラを製造しているメーカの当面の狙いは、スマートフォン用赤外線カメラの市場を拡大してゆくことではなく、その中に使われている小型のカメラコアを販売することで、赤外線イメージングシステムを事業とする企業を増やし、パイを広げることにあると思われる。

赤外線カメラコアとして代表的なものにFLIR Systemsが FLIR ONEに使用した赤外線カメラコアLeptonがある。この赤外線カメラコアのサイズと質量は、それぞれ8.5×8.5×5.9 mm3と 0.5 gで、 2枚のシリコンレンズと14 bitのA/D変換器を含んだ信号処理用ICが集積化されている5)。この赤外線カメラコアの発売開始当初の価格は$250であったが、現在はさらに低下しているものと思われる。補正機能まで集積化した赤外線カメラコアが利用できるようになったことで、赤外線カメラに関する技術障壁が大幅に低減され、赤外線技術の経験のない企業の参入が増え、市場の活性化が進んでいる。

5.おわりに

非冷却イメージセンサの性能改善は着実に進み、画素ピッチは回折限界に近づいてきた。解像度がフルハイビジョンに対応する素子も既に開発されている。高性能化と並行して、低コスト化の努力の成果が現れており、車載赤外線ナイトビジョンシステムやこれまでになかった新市場で急速な伸びが予測されている。非冷却赤外線イメージセンサビジネスの今後の発展を注視したい。

参考文献

5) M. Kimata, IEEJ Trans, Vol. 13, pp. 4-12 (2018).

芝浦工大、柔軟性素材に低温で水素薄膜センサを形成する技術を開発

芝浦工業大学の大石知司教授(応用化学科)は、光エネルギーを利用することで従来よりも低温環境で、水素を検知する薄膜を柔軟性がある素材に形成できる技術を開発した。

次世代型の燃料電池自動車などに使われるエネルギー源として注目されている水素エネルギーは、環境にやさしい反面、爆発性が高くその取り扱いが難しい問題がある。安全に扱うためには、空気中の少量の水素濃度の変化を選択的かつ簡便に検知することが必要となる。本技術は、光エネルギーとセンサ原料塗布膜を組み合わせることで水素感応性薄膜を柔軟性のある素材上に簡便につくることを実現するもので、これにより、たとえば水素ステーションや工場などで大気中のわずかな水素濃度を検知するセンサとして活用することが可能にとなる。またこの技術は、貼付する場所や形状を選ばないフレキシブルセンサとしてフレキシブルエレクトロニクスの分野でも活用されることが期待されるという。

今回の成果としては、光エネルギーを利用し低温形成を可能としたことにより、
・厚さサブミクロンレベルの薄膜を低温形成することができる。
・通常は加熱処理により溶けてしまう有機フィルム上にもセンサを形成できる。
・センサー構成の工夫による高性能化を実現。
・形成された薄膜は、目視で色の変化を確認するとともに定量的に検知することが可能。
・また水素が無くなると元の色(無色透明)に戻る可逆性も持ち、繰り返し利用できる。
等の点を挙げている。

今回開発された技術を利用することにより、より安全に水素エネルギーを利用し、水素補填が容易にできるスタンドをより多くの場所に設置できる助けとなり。水素エネルギーを扱う工場内の水素タンクや配管に貼付することで、水素漏れを検知し、工場内の安全性を高めることへの利用も想定されるとしている。

ニュースリリースサイト:https://www.shibaura-it.ac.jp/news/2018/40180170.html

非冷却赤外線イメージセンサ③

立命館大学 理工学部特任教授
木股雅章

3.画素ピッチ縮小

抵抗ボロメータ方式とSOIダイオード方式では画素ピッチ縮小が進んでいる。画素ピッチを縮小して、より多くの画素を集積化することで高解像度化が可能になる。また、従来の画素数の素子ではチップサイズを縮小できるので、素子コストが下がる。さらに、チップサイズ(画面サイズ)が小さくなるとカメラサイズが小さくできる。カメラサイズの縮小により、レンズが小さくなり、レンズコストが低減できるという効果もある。こうした事情を背景に、過去25年間、画素ピッチ縮小技術の開発に多大のリソースが投入されてきた。

図4に非冷却赤外線イメージセンサの画素ピッチ縮小の推移を示す。1992年に発表されたHoneywellの抵抗ボロメータの画素ピッチは50 µmであったが、画素ピッチは2001年には25 µm、2007年には17 µm、2013年には12 µmに縮小され、2016年には10 µmの画素ピッチを実現する技術も開発されている1)

図4 画素ピッチ縮小の推移

この間、画素面積は1/25まで縮小されたことになるが、非冷却赤外線イメージセンサの性能指標である雑音等価温度差は50 mK (F値1の光学系を用いた場合) を維持しており、感度は少なくとも25倍向上されたことになる。第1章で述べたように、熱型赤外線イメージセンサの感度は、熱コンダクタンスと温度センサの感度で決まる。これまで報告されている非冷却赤外線イメージセンサの画素ピッチと熱コンダクタンスの関係をみると、1992年からこれまでの感度改善は、熱コンダクタンスの低減によって成し遂げられてきたことが分かる3)

画素ピッチ縮小により高解像度化も可能になった。画素ピッチ50 µmの非冷却赤外線イメージセンサの画素数は320×240画素であったが、25 µm画素が実現されると画素数は640×480画素に増加し、17 µm画素の技術で1024×768画素非冷却赤外線イメージセンサが開発されている1)。さらに、最近12 µm画素の2048×1080画素のフルハイビジョン対応赤外線イメージセンサも報告されている。

4.ビジネス動向

非冷却赤外線イメージセンサを搭載した赤外線カメラの全世界の出荷台数は、現状では100万台程度と推定される。テクノ・システム・リサーチは、2025年には出荷台数が650万台近くまで急増すると予測している2)。この急増を牽引するのは、自動車応用と新応用である。ここでは、注目される2つの応用を中心にビジネス動向を概観する。

赤外線カメラの自動車応用として注目されているのは、夜間の視覚を補助するナイトビジョンシステムである。車載赤外線ナイトビジョンシステムの歴史は比較的古く、非冷却赤外線イメージセンサの開発が盛んになってから数年後の2000年にはGMがCadillacへの搭載を開始し、2004年には本田技研工業が採用している。しかし、この2社が使用していた非冷却赤外線イメージセンサはMEMS技術以前の古いタイプの素子で、抵抗ボロメータを使った車載赤外線ナイトビジョンシステムが登場したのは2005年である。

図5に抵抗ボロメータ方式の非冷却赤外線イメージセンサを用いた車載赤外線ナイトビジョンシステムの搭載状況の推移を示す。この図で示されている全ての自動車メーカは、Veoneer(Autolivのグループ会社で、最近Autoliv本体から分離された)の車載赤外線ナイトビジョンシステムを使用している。このシステムに使用されている赤外線カメラはFLIR SystemsのPath FindIRで、非冷却赤外線イメージセンサもFLIR Systemsが製造している。Veoneerの第1世代システムは、赤外線画像を表示するだけのものであったが、第2世代では歩行者検知ができるようになり、第3世代のシステムでは、動物検知の機能も追加された。第3世代は、画素ピッチ17 µmの非冷却赤外線イメージセンサが用いられているが、第4世代では画素ピッチ12 µmの素子が採用されると報道されている。また、これまでの解像度は320×240画素であったが、640×480画素の車載赤外線ナイトビジョンシステムの開発も進められているという4)

図5 車載赤外線ナイトビジョンシステムの搭載状況推移

参考文献

1) 木股, “赤外線センサ 原理と技術”(科学情報出版)(2018).

2) 2105-2016年度版非冷却赤外線イメージング市場のマーケティング分析(株式会社テクノ・システム・リサーチ)(2016).

3) 木股, 応用物理, Vol. 87, No. 9, pp. 648-654 (2018).

4) 木股, 光アライアンス, 掲載予定 (2018).

次週へつづく―

凸版印刷、居住者の見守りや家族の健康管理などでIoT建材事業へ参入

 凸版印刷株式会社は、従来展開してきた建装材に各種センサなどIoT機器を組み合わせることで、居住者の見守りや健康管理など社会課題解決に貢献する新しい建装材を提供する「トッパンIoT建材」事業に着手するとのこと。

本事業の製品化第1弾として、床材と圧力センサーを組み合わせることで位置検出を可能とする「ロケーションフロア™」を開発。2018年12月より、不動産事業者や住宅メーカー、医療・介護業界、自治体などに向け本格的な販売を開始する。
今後は、床材と体組成計を組み合わせることで日常的な健康管理ができる製品や、壁材とディスプレイを組み合わせることで情報を表示できる製品などを順次開発し、そのラインアップを強化していくという。

■ 「ロケーションフロア」の特長
・居住者のさりげない見守りが可能
位置情報を測定するセンサーは床材と一体化しており、踏んだ感触も通常の床材と変わらないため、従来見守りサービスで主に使われているカメラや赤外線センサーと比較してより自然に、ストレスフリーな見守り機能を提供できる。この特長が最大限活かせる場として、脱衣場やトイレなど、ヒートショックが起きやすいプライベート空間での活用が可能。
・自己発電による省エネルギーの実現
本製品は、センサーが踏まれた圧力で自己発電するため、居住者は日常生活の中で床を歩いているだけでその位置情報をクラウドサーバに発信できる。
・短納期、低コストでの施工が可能
自己発電により特別な配線工事などが不要で、通常の床材と同様の施工が可能なため、短納期・低コストで利用できる。新規物件だけでなく、リノベーションなどの用途でも活用できる。

■ 「ロケーションフロア」の価格
約25万円~
(※脱衣場やトイレなどプライベート空間での見守りが可能な床材一式。システム構築費などは別途見積)

■ 今後開発する「トッパンIoT建材」のラインアップについて
(1) 日常的な健康管理ができる床材
体組成計を組み込んだ床材により、日常生活の中で自然に体重・体脂肪率などの身体情報を取得できる。管理ツールを組み合わせて、同居する家族それぞれのデータを管理することも可能。
(2) 情報を表示できる壁材
ディスプレイと化粧シートを組み合わせた壁材で、生活情報や地域情報などを受信し、表示することができる。ディスプレイを非表示にすることも可能なため、日常生活において空間デザインを損なうことが無い。

■ 今後の目標
凸版印刷は、「トッパンIoT建材」の開発を進めラインアップを強化、IoT建材事業全体で、2025年までに約100億円の売上を目指すとのこと。

ニュースリリースサイト:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000143.000033034.html