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世界初、MR磁気センサで心臓活動のリアルタイムでのモニタリングに成功

TDK(株)(以下TDK)と東京医科歯科大学 大学院医歯学総合研究科 先端技術医療応用学講座(ジョイントリサーチ講座 教授:川端茂徳(整形外科))、 同心臓調律制御学(教授:平尾見三)は共同で、世界で初めて*高感度磁気抵抗(MR)素子による心臓の磁場分布のリアルタイムでの測定に成功しました。

TDKと東京医科歯科大学は2016年に共同研究の成果として、世界で初めて常温MRセンサアレイによる生体磁界である心磁界分布の可視化に成功した。以後、両者にてより高精度に計測できる磁気センサの開発と、現在の既存デバイスである超伝導量子干渉素子(SQUID)センサに代わる計測装置の開発に取り組んできた。

今回、TDKのもつ磁気センサの技術を用い、従来以上にさらに高感度化した磁気センサを開発できたことにより、世界で初めて常温MRセンサアレイによる生体磁界である心磁界分布のリアルタイムの計測に成功した。また、計測に際しては金沢工業大学からの的確な技術サポートも得、達成することができたとのこと。

なお、常温センサは複数個並列して測定を行うことも容易であり、高密度で測定できるため、心筋活動の測定に最適な2面での測定を可能とする計測装置も共同で開発した。今後、実証試験を重ね、実用化に向けて鋭意開発を継続するという。

* 2019年3月現在、TDK調べ

ニュースリリースサイト(TDK):
https://www.tdk.co.jp/corp/ja/news_center/press/20190313_01.htm

東北大、錠剤サイズの「飲む体温計」動物適用実験に成功

東北大学は胃酸発電でエネルギーを獲得する錠剤サイズの「飲む体温計」を開発し,動物適用実験にてコンセプトの実証に成功したと発表した。
本センサは,有害なボタン電池を用いていないので,高い安全性を実現できる。また,小さいので,滞留なく体外に排出されることが期待できる。
真の基礎体温(安静時の深部体温)や体内時計を日常的に測定,管理することにより,病気の早期発見や健康増進につながることが期待されるという。
【概要】

東北大学イノベーション戦略推進センターの中村力特任教授,マイクロシステム融合研究開発センターの宮口裕助手,工学研究科の吉田慎哉特任准教授らの研究グループは,胃酸発電で動作する錠剤サイズの「飲む体温計」を開発し,この度動物適用実験に成功した。

安静時の基礎体温,深部体温やそのリズム(体内時計)は,健康状態を把握するための重要な指標の1つ。これらは一般的な体温計では測定が難しく,また誤差が大きい。温度センサを肛門に挿して直腸温を測定する方法は,正確かつ比較的容易に深部体温を測定できる が,これを日常的に行うことは困難である。

そこで研究グループは,胃酸発電でエネルギーを獲得する飲み込み型センサを開発した。胃の中でセンサに貯めたエネルギーを腸内でも使用することで,深部体温を継続的にモニタリングすることができる。有害なボタン電池を搭載していないので安全。また,錠剤サイズにまで小さくすることで,滞留せずに確実に体外に排出されることが期待できる。

今回,試作したセンサを動物に服用させて動作検証をした結果、発電・測温・通信というシステム全体の動作を確認することで,コンセプトの実証に成功したとのこと。

本成果は,3月12-14日に開催される2019 IEEE 1st Global Conference on Life Sciences and Technologies (LifeTech)にて発表される。

本研究は,科学技術振興機構(JST)の研究成果展開事業 「センター・オブ・イノベーション(COI)プログラム」の支援によって行われたという。

ニュースリリースサイト(東北大学):
https://www.tohoku.ac.jp/japanese/2019/03/press-20190313-02-nomutaionkei.html

空気をパトロールする小さなデバイス「Atmotube PLUS」

(株)Glotureは空気中の物質をその場で検出できる携帯型の
「Atmotube PLUS」の販売を開始した。

海外への旅行や出張先での大きな不安の1つが現地の大気汚染。 特に工場の排気ガスや建物の塗料、古い車内などから生じるアセトンやトリクロロエチレンといった揮発性有機化合物は、シックハウス症候群、化学物質過敏症などの原因となりうることもある危険な汚染物質である。

この製品は常に周囲の空気を監視でき、空気が汚染されていると判断された場合にアラームが鳴るようになっていて、その際に屋内に退避したり、違う場所に移動するなどの対応が可能となる。
大気汚染の原因物質である有害ガス、アセトン、メタノール、ベンゼン、エタノール、トルエン、キシレン、ホルムアルデヒドなどの幅広い揮発性有機化合物(VOC)の濃度を測定する。
(PM 1、PM 2.5、PM 10の検出は未対応)

また、専用アプリと連携することで、常に自分たちがいる場所の空気がどのような状態なのかをスマートフォンでチェックすることが可能。アプリはiOSとAndroidに対応。

さらに有害ガスの測定だけでなく、温度、湿度さらには気圧センサーも備えており、天気の変化に敏感な人のために、リアルタイムで気象状況を確認できる。
バッテリーは最大1週間連続利用可能。スマートフォンとのペアリングはBluetooth 5.0経由で最大9メートルの範囲
※対応言語は:English, French, German, Russian, Simplified Chinese(2019年3月時点)

主な仕様は以下の通り。
・VOCセンサ:  Sensirion社製 高性能センサSGPC3搭載。
        揮発性有機化合物(VOC)のアセトン,メタノール,ベンゼン,エタノール, トルエン,
        キシレン,ホルムアルデヒドを検出
        測定限界は0.01ppm。
        (PM1、PM2.5、PM10は検出しない)
・気象センサ: Bosch社製高性能センサBME280搭載
        気圧・温度・湿度を測定
・Bluetooth:  Bluetooth Low Energy (Ver5.0)対応
        (本製品は海外仕様のため技術基準適合証明を取得していない)
・材質:    チタンコーティングの高強度アルミ材・ポリカーボネイト・ポリプロピレン
・充電:    USB Type C 対応
・電池容量:  リチウムポリマー電池(400mAh)
・連続動作時間:およそ7日間
・外形寸法:  66×22mm
・本体重量:  38グラム

ニュースリリースサイト:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000073.000032456.html

ST、超低消費電力でリアルタイム性に優れたデュアル・コア無線マイコンを発表

STマイクロエレクトロニクス(以下ST)は、超低消費電力のデュアルコア無線マイクロコントローラ(マイコン)であるSTM32WBx5*の量産を開始したことを発表した。
この製品はBluetooth(R) 5、OpenThread、およびZigBee(R) 3.0**による通信に対応している。

STM32WBx5は、STのArm(R) Cortex(R)-M4プロセッサ搭載32bitマイコンであるSTM32L4の機能と、専用Cortex-M0+プロセッサで制御される無線機能を組み合わせており、消費電力を重視しながら無線プロトコルとリアルタイム・アプリケーションを同時に実行することができるため、リモート・センサ、ウェアラブル・トラッカー、ビル・オートメーション制御システム、コンピュータ周辺機器、ドローンなどのIoT機器に最適だという。

STM32WBx5にはIoTの機器認証を行うためのセキュリティ機能として、カスタマ・キー・ストレージ(CKS)、公開鍵認証(PKA)、無線MAC層と上位層の暗号化エンジンなどが搭載されている。また、アプリケーションと無線スタック用のセキュアなOTAファームウェア更新など、Cortex-M0+プロセッサで管理されるセキュリティにより、機器の完全性とIPが保護され、簡単かつ堅牢な製品管理が実現するとしている。

STM32WBx5は、最大1MB の内蔵Flashメモリに加え、外付けメモリが必要な場合に効率的に接続できるQuad-SPIポートも備えており、さまざまな機能を集積しているため、開発者は部材コストと実装面積を最小限に抑えることができる。さらに、水晶発振子不要のフル・スピードUSB、RFオシレータ(32MHz)とトリミング・キャパシタ、タッチセンサ・コントローラ、LCDコントローラ、アナログ・ペリフェラル、複数のタイマとウォッチドッグに加え、アンテナ接続用バランも内蔵されている。

STM32L4シリーズの超低消費電力技術を活用するSTM32WBx5は、複数の省電力モード(消費電力13nAのシャットダウン・モードなど)、アダプティブ電圧スケーリング、アダプティブ・リアルタイム・アクセラレータ(ART Accelerator(TM))などの機能を搭載しており、電力効率の最大化とバッテリ駆動機器の動作時間を延ばすという。

内蔵の無線トランシーバは、高いRF性能と低消費電力を両立しており、バッテリ駆動時間が最大化される。また、RF出力はプログラム可能で、最大+6dBmまで1dB単位で設定できる。0dBの場合、送信時におけるマイコンの消費電力はわずか5.2mAで、1MbpsのBluetooth Low Energy通信の受信感度は-96dBm。102dBのリンク・バジェットに対応した設計により、長距離接続時に堅牢な通信が確保されると共に、外付けパワー・アンプ(PA)にも対応しているとのこと。

STM32WBx5を使用した開発では、STM32Cubeの充実した開発エコシステムを活用できる。開発者は広範なツール・セットを無償で利用できるだけでなく、ペリフェラル・ドライバ、ミドルウェア、および通信用ライブラリを備えたSTM32CubeWBマイコン・パッケージと、STM32WB55 Nucleo Pack(P-NUCLEO-WB55)も利用することができる。さらに、RFテストと独自のユースケースのスクリプト作成が可能な専用コネクティビティ・ツールのSTM32CubeMon-RFも新たに追加されており、製品開発期間をさらに短縮するために役立つという。

STM32WBx5は現在量産中。単価は10000個購入時に約3.16ドル、大量購入時には約2ドルと値引きになるとのこと。

*STM32は、STマイクロエレクトロニクスInternational NVもしくはEUおよび / またはその他の地域における関連会社の登録商標および / または未登録商標。STM32は米国特許商標庁に登録されている。
**近日リリース予定

ニュースリリースサイト:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000954.000001337.html

東北大学 鉄スズ磁石の薄膜でフレキシブルホール素子を実現

東北大学金属材料研究所の藤原宏平准教授、佐竹遥介大学院生、塩貝純一助教、関剛斎准教授、塚﨑敦教授らの研究グループは、鉄とスズから成る合金系磁石の薄膜を作製し、形状を変えられるフレキシブルな磁気センサー(ホール素子)として利用可能であることを実証した。

各種エレクトロニクス分野において、磁場を電気的に検出することのできる磁気センサの需要が高まっています。磁気センサは、半導体ホール素子が一般的だが、近年、磁石の性質を活用するホール素子にも注目が集まっている。この新型素子は、半導体素子の弱点を補う反面、磁場を電気信号に変換する性能が低いという欠点があった。

研究グループでは、この欠点を克服した新型素子を開発すべく、鉄スズ合金に着目して薄膜を作製、結果、広い温度・磁場範囲で優れたセンサ特性が得られることを明らかにした。この薄膜は産業でも広く用いられている薄膜合成手法(スパッタリング法)によって容易に作製でき、さらに室温での素子作製が可能。これにより、薄膜の土台を高分子基板(自在に変形できるが、熱に弱い)にしても素子を搭載でき、実際に素子を「曲げた状態」でもセンサが正常に動作することを実証した。

この成果により、関連する金属系磁石薄膜を用いた磁気センサー開発が前進するとともに、従来の半導体素子とは異なる磁石の特性を活用した新たな応用研究が今後加速するものと期待されるという。
研究成果は、2019年3月1日(金)(英国時間10時)に、英国科学誌「Scientific Reports」オンライン版に掲載された。

プレスリリースサイト(東北大学):
https://www.tohoku.ac.jp/japanese/2019/03/press-20190228-02-tetsusuzu.html

ローム、電力損失ゼロの小型非接触電流センサを開発

ローム(株)は、大電力を扱うデータセンターのサーバーや太陽光発電システム、バッテリー駆動のドローンなど、電流で動作状況を検知したいあらゆる産業機器・民生機器に向けて、業界で初めて非接触検知、電力損失ゼロ(発熱レス)、超小型の3つを同時に実現した非接触電流センサ「BM14270MUV-LB」を開発した。

「BM14270MUV-LB」は、業務提携を進める愛知製鋼(株)のMI素子*1開発技術と、ロームが得意とする半導体生産技術、センサ制御技術が融合することで生まれた新製品。高感度・低消費電流のMI素子を採用した電流センサとして、電流センサ内に配線を引き込む必要のない非接触検知を可能にし、同時に業界最小のサイズ(3.5mm角)・低消費電流動作(0.07mA、従来品比100分の1)を達成しているとのこと。また、ノイズに対する外乱磁場キャンセル機能も搭載しており、シールド対策なしで基板実装することが可能。さらに、A/Dコンバータ内蔵のデジタル出力としたことで、マイコンの負担を減らし、より手軽に電流をモニタすることができる。これらにより、大電力を扱う産業機器からバッテリー駆動する小型機器まで、あらゆるアプリケーションの電流検知を高信頼かつ手軽に行うことが可能となった。

なお、本製品は2019年2月よりサンプル出荷(サンプル価格 1000円/個:税抜)を行っており、2019年7月から当面月産10万個の体制で量産を開始する予定。生産拠点は、前工程がローム・アポロ株式会社(福岡県)、後工程がROHM Electronics Philippines Inc.(フィリピン)になるという。

<製品の特長>
1. 非接触電流検知、電力損失ゼロで、システムの高信頼化に貢献
2. 小型・超低消費電流で、バッテリー駆動機器にも最適
3. 外乱磁場キャンセル機能搭載で、シールド対策が不要
4. デジタル出力で、手軽に電流検知が可能

<アプリケーション例>
◇サーバーや太陽光発電システム、蓄電システム、電力計測用メーターなど、インフラ周りのアプリケーション
◇ロボットやFA機器、エアコンなどの大電力を扱う機械設備
◇ドローンなど、バッテリー駆動のアプリケーション
電流監視やモニタ用途のあらゆるアプリーションに最適です。

*1) MI素子(Magneto-Impedance 素子)
愛知製鋼(株)が、世界で初めて開発した特殊なアモルファスワイヤを使用する素子のこと。磁気や磁場を検知することができる。低消費電流で高感度検知を実現できるため、IoT化を加速する新技術として様々な分野への応用が期待されている。

ニュースリリースサイト(ローム):https://www.rohm.co.jp/news-detail?news-title=2019-03-08_news_current-sensor&defaultGroupId

Wi-Fi機能を搭載したエントリーモデルのロボット掃除機「Eufy RoboVac 15C」

アンカー・ジャパン(株)は、家電ブランド「Eufy」において、 Wi-Fi機能を搭載した超薄型ロボット掃除機「Eufy RoboVac 15C」を、2019年3月12日(火)よりAnker公式オンラインストア、総合オンラインストアAmazon.co.jpおよび一部家電量販店等にて販売開始する。

本製品は RoboVacシリーズの最上位モデルである「Eufy RoboVac 30C」だけに搭載されていたWi-Fi機能を備え、 EufyHomeアプリを利用すると、掃除の開始・終了のコントロールやスケジュール設定等をスマートフォンから簡単に操作することができる。特に、スケジュール設定は曜日と時間から行えるため、掃除の時間がなかなか取れない多忙期や出張中でも、部屋をクリーンに保つことができるという。

製品の特徴
– Wi-Fi機能:EufyHomeアプリの使用により、掃除の開始・終了のコントロールやスケジュール設定、モード変更等をスマートフォンから簡単に行える。
– BoostIQテクノロジー:床環境に合わせて最適に掃除できるよう、より強い吸引が必要な場所で自動的に吸引力が上がる、Eufy独自のBoostIQテクノロジーを採用。フローリングからカーペットへの移動等、床環境が変化した際には約1.5秒の速さで最適な吸引力へ自動調整。
– スリムでパワフル:約7.2cmの超薄型設計ながら、最大1300Paの吸引力で手の届きにくい家具の下にも潜り込み、床やカーペットに付着したあらゆるゴミやホコリを吸引する。ワンタッチで引き出せる0.6Lの大容量ダスト容器を搭載し、パワフルな吸引力のまま、最大100分間の連続稼働を実現。
(※標準の吸引力モード / フローリングでの使用時。 BoostIQモード / カーペットでの使用の場合は約60分間の連続稼働が可能)。
– 充実の機能:障害物との衝突を回避するための赤外線センサや落下を回避するための落下防止機能を搭載。また、本体の充電残量が少なくなると自動で充電ステーションへ戻り、充電を開始する。
– プレミアムデザイン:美しさと強度を兼ね備えた、傷の付きにくい強化ガラスカバーを上面に採用。白を基調としたシンプルで洗練されたデザインはインテリアと調和し、部屋の雰囲気を損わない。集めたゴミが見えないよう、ダスト容器にはフロストガラスのような半透明加工が施されている。

ニュースリリースサイト:https://www.ankerjapan.com/topics_detail.html?info_id=78

ADAS用車載イメージセンサーの需要が2023年に倍増する見込み

米国と欧州市場が全世界の需要の2/3を占める中、中国市場が急成長している。また、厳格な安全基準規制により、世界的に指数関数的な成長が見込まれる。

カウンターポイント・テクノロジー・マーケット・リサーチ (以下、カウンターポイント社)は、車載イメージセンサーの需要は全世界で2023年までに倍増し、出荷台数は年平均成長率19%で伸び、 2023年には2.3億ユニットに達する見込みである調査結果を含む、自社のSmart Automotiveサービスによる最新市場調査を発表致した。
{※左上画像:世界のイメージセンサー市場 自動車向け用途別 (%)}

Smart Automotiveサービス担当のシニアアナリスト Aman Madhok 氏は、こうした見方について以下のように述べているとのこと。

「現在のところ、(後方用)カメラを装着した車は、カメラを駐車時の視界確保に使う程度であるが、複数のセンサーを活用することで、高い安全性や自律性が実現するといったコネクテッド・カー時代に向けてその役割は変わりつつある。その中でも、カメラのイメージセンサーはADAS(先進運転支援システム)の最も重要なセンサーの一つとなる。」

「後方用カメラによって駐車サポートを行う機能は、近年の新車では標準的になりつつある。これからは、ADAS機能強化のために前方や側方用カメラの装着率が高まっていくであろう。例えば、サラウンドビュー機能は、現状、ハイエンド車種向けのオプション装備だが、今後の5~6年で装着率は一気に高まると見込まれる。この流れの要因には、第一に政府が自動車メーカーに先進安全機能の搭載を求めている点、第二に消費者が先進安全機能を認知しそれを求めるようになった点にある。」

「加えて、ADASのコスト低下を受けて、自動車メーカーが自動非常ブレーキなどの機能を主力車種の標準搭載機能にする動きがある。これに応じて駐車サポート等の付加機能も素早く成長するだろうと思われる。」

また、Smart Automotive サービスのリサーチディレクター Vinay Piparsania 氏はこう付け加えたという。

「米国と欧州市場が2018年の自動車装着用イメージセンサーの出荷需要の2/3を占めている。これは主に安全規制へ対応したものだ。例えば、 2018年5月以降に生産される自動車は、米国運輸省道路交通安全局(NHTSA)の指導で、後方カメラ装着が義務付けられている。今後の前方監視のADAS用カメラの採用の伸びをうけて、 2023年には米国で販売される車には1台当たり3個以上のカメラが搭載されるだろう。」

「中国は、新興国の中でも厳しい安全規制を設けている為、ここ数年でイメージセンサーにおいて最大の市場へと成長するだろう。 Euro-NCAPの中国版であるNCAPにより、中国での車1台あたりのイメージセンサー数は高くなるだろう。」

ニュースリリースサイト:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000017.000033140.html

ZMP、最大150m水平110°の検出範囲の自動運転用ステレオカメラ

(株)ZMPは、最新のソニー製車載向け高感度イメージセンサIMX390を採用し、最大150m、水平110°の検出範囲の自動運転用ステレオカメラ「RoboVisionⓇ3」にLinuxの開発環境に対応したユニットの出荷を開始した。

この製品は、最大150m、水平110°とこれまでにない距離と視野のセンシングが可能なステレオカメラ。従来難しかった、交差点右折時の遠方からの対向車の検出や、交差点右左折時の歩行者や車両などの広範囲な検出に利用できる。イメージセンサとして、最新のソニー製車載向け高感度CMOSイメージセンサIMX390を採用。HDRとLED信号のフリッカー抑制の同時処理が可能であり、ADAS・自動運転で重要な認識や判断機能の大幅な向上が期待できるという。出力は、視差画像とポイントクラウドに対応。ポイントクラウドを用いて、自己位置推定や動体検出、さらには機械学習やディープラーニングによる検出結果の認識などに活用できる。今回、画像を高速に取得するためPCI-Express(x4)を採用し、振動・衝撃に強いXMC規格に準拠したフレームグラバを同梱。これにより1936×1096ピクセルの4枚の24bit画像を最大30fpsで計測用コンピュータへ送信するとのこと。

オプション製品として、計測用コンピュータ(組み込み用コンピュータ)も選択でき、フレームグラバがコンピュータへ搭載された状態で納品、購入してすぐに画像の取得や距離計測が出来る。

自動運転やADASにおける画像認識では、トンネルの出入り口などの明暗差が大きいシーンにおいても、確実な画像認識が必要とされており、RoboVisionⓇ3はそのような環境下において120dBのダイナミックレンジで映像を撮影することにより白飛びや黒つぶれの少ない画像処理を実現できるとしている。

本製品は、価格は220万円(税抜)。

ニュースリリースサイト(ZMP):https://www.zmp.co.jp/news/pressrelease_20190306

スポーツセンシング(2)

仰木裕嗣
慶應義塾大学政策
メディア研究科
兼 環境情報学部 教授

2. 映像撮影技術の進化

身体に装着して、身体そのものをセンサの一部としてスポーツの振る舞いを観測するウェアラブルセンシングとは異なり、選手の振る舞いを外界から観測する代表はカメラである。カメラについては4K/8Kに代表されるように画素の向上、高速度撮影の進化、さらには赤外線を用いた撮影技術の応用である光学式モーションキャプチャの進化がこの4半世紀の間に目覚ましい。

2018年開催のサッカーW杯ではGoal Line Technologyが正式導入された5)。ゴールの成否を判定する方法としては、ゴールポストがコイルとなっておりボール内部に入ったタグ読み取る非接触での判定技術と同時に競技場の観客席上部から多数のカメラによって撮影する方法が同時併用されている。映像ベースの判定は、すでにテニスの「チャレンジ」という名前でも知られている技術であり、テレビ局をターゲットにしたB2Bビジネスの最たるものである。ここではウェアラブルデバイスとは異なり消費電力も気にする必要もなく、とにかく大容量のコンテンツである映像を高速度で且つ高精細に撮影し、複数台のカメラ映像から目的とする審判行為をアシストすることに主眼が置かれている。選手の身体の動きをセンシングするわけではないことがウェアラブルデバイスとの違いである。

過去10年間で大きく進化してきた映像撮影技法の進化のひとつは、Microsoft Kinectに 代表される深度カメラの普及であろう。その原理にはいくつかの方法があるが、現在では赤外光線を使ったタイム・オブ・フライト方式によるものが主流となっている。カメラが三次元の被写体を二次元に投影するだけのものであったものが、奥行き方向の情報を獲得したことで1台のカメラによって被写体の3次元情報を獲得できるようになったことは大きな進化である。筆者らの研究室でも、Microsoft Kinectを用いた歩行分析ソフトウェアを開発して、高齢者の「ありのまま」の歩行を観測することを試みている(図4)。しかしながら、まだまだキャリブレーションのために一旦決まったポーズをとる必要があるなど、意識もせずに歩行することを観察するには改良が必要である。

図4:Kinectを使った簡易歩行分析装置

Kinect同様に、LiDARもタイム・オブ・フライト方式を用いて奥行き方向の距離を測定する光学式装置であるが2020年の東京五輪では器械体操の技の判定に2次元LiDARが導入されることが決定されており目下急ピッチでその検証が進められている。筆者は大空間を高速で移動するスキージャンプ選手の位置捕捉のためにLiDARを使って研究を進めている(図5)6)

図5:Ski Jumping Tracking System. 2次元LiDARを選手に照射して飛翔軌道を観測する

次週に続く-

参考文献

5) https://football-technology.fifa.com/en/standards/goal-line-technology/

6) 仰木裕嗣、Heike Brock、 瀬尾和哉、スキージャンプ選手の飛翔軌跡の計測、日本機械学会シンポジウム、スポーツ・アンド・ヒューマンダイナミクス2015


著者紹介

氏名:仰木 裕嗣(おおぎ ゆうじ)
出生:1968年1月 福岡県北九州市生まれ

慶應義塾大学政策・メディア研究科兼環境情報学部 教授
慶應義塾大学スポーツ・ダイナミクス・インフォマティクス・ラボ代表
慶應義塾大学スポーツ・アンド・ヘルスイノベーションコンソーシアム代表

職歴
1997年4月 SPINOUT設立代表(~現在:個人事業としてのスポーツ研究支援会社)
1999年4月 慶應義塾大学環境情報学部嘱託助手
2001年4月 慶應義塾大学環境情報学部専任講師(有期)
2005年4月 慶應義塾大学大学院政策・メディア研究科兼環境情報学部助教授
2007年4月 慶應義塾大学大学院政策・メディア研究科兼環境情報学部准教授
2016年4月 慶應義塾大学政策・メディア研究科兼環境情報学部教授
2007年3月 豪Griffith University, School of Engineering, Center for Wireless Monitoring and Application, Honorary Associate Professor

専攻分野
スポーツ工学・ スポーツバイオメカニクス・生体計測・無線計測

賞罰
2002年6月 第9回国際水泳科学会議 アルキメデス賞(若手奨励賞)日本人初
2003年2月 TUM Academic Challenge Award, 競技スポーツ部門賞

特許M
・コースガイド(特許出願2005-130243、特許公開 2006-304996)
・ゴーグル(特許出願2005-314855、特許公開 2007-124355)
・エネルギー消費量報知装置(特許出願2009-098373)
・スイング動作評価方法、スイング動作評価装置、スイング動作評価システム及びスイング動作評価プログラム(特許出願2008-299478、特許公開2009-50721)