TOTO(株)と富士通(株)は、富士通の行動分析AI「行動分析技術 Actlyzer」(注1)を活用し、ミリ波センサーを用いることで特にプライバシーを重視する必要がある空間(商業施設や駅構内などに設置されたバリアフリートイレ)での見守りについて実証実験を行い、誰もが安心して過ごせる公共トイレ空間の創出に向けて共同で取り組む。
背景:
バリアフリー化の進展により高齢者、障がい者、乳幼児連れの方等が外出しやすくなったことに伴い、バリアフリートイレの利用状況が多様化し、改めてトイレの整備状況や利用実態を把握し、今後の対応を検討する必要性が生じている。一方で、利用者のプライバシーを損なう観点から見守りや防犯を目的としたカメラの設置は難しい側面がある。
TOTOは1960年代から障がい者配慮の取り組みを開始し、2000年代にはユニバーサルデザインの取り組みをスタートした。さまざまな身体状況の方の困りごとやニーズ、国や法令の動きに合わせた水まわり空間を提案している。
富士通は、独自のAI技術を用いて、ミリ波から得られた情報を解析し、対象者の位置や高さなどから高精度に姿勢を推定する。これにより、カメラを設置することなく、プライバシーに配慮しながら長時間の在室や転倒などの状態や行動を検出することができる。
本取り組みの概要:
これらの背景をふまえ、TOTOが持つさまざまな身体状況の方に使いやすいバリアフリートイレ空間づくりの知見と、富士通が持つミリ波センサーを用いた見守り技術を活用し、カメラを使わずにバリアフリートイレ内の状況を見守る実証実験を共同で実施し有効性について検証する。
1). 公共トイレでのミリ波センサーを用いた見守り技術の実証実験を実施
実施期間:
2024年1月15日(月曜日)から2024年12月末予定
実施場所:
TOTO「UD研究所(R&Dセンター)」(所在地:神奈川県茅ケ崎市)、および富士通「富士通 F3rdLab」(所在地:神奈川県川崎市)
実証内容:
実証実験用として設置したバリアフリートイレ内のミリ波センサーから、利用者の状態を反射波情報、点群データとして収集し、長時間の在室や転倒などを検知した結果について、適切に検知できているかどうかなどの有効性を検証し、評価と改善を行う。
2). 両社の役割
TOTO:多様化するバリアフリートイレ空間づくりの知見を用いた技術評価および技術向上の方向性提案
富士通:見守り技術の提供、データ収集および分析、技術評価にもとづく技術向上
3). プライバシーに配慮した見守り技術のサービス化検討:
v両社は、実証実験の評価結果に基づき、プライバシーに配慮した見守り技術のさらなる改善を行い、バリアフリートイレを利用する方にとって安全・安心な公共トイレ空間の創出とサービス化を目指す。
ニュースリリースサイト(Fujitsu):https://pr.fujitsu.com/jp/news/2024/01/18.html