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単一分子で白色蛍光を発する新しい有機材料を見出す

▮ポイント
龍谷大学 先端理工学部 応用化学課程の内田欣吾研究室は、一種類の分子のみで白色の蛍光発光を示す新しい有機材料を見出した。
この白色蛍光は、複数の発光材料を組み合わせることなく、きわめて純度の高い白色が得られ、一種類のみの発光材料で構成された新しい有機EL等の発光素子用の基本的な材料の一つとして期待される。
本研究成果は、英国王立化学会の材料系オープンアクセスジャーナル『Materials Advances』誌に掲載(Webでは既に公開)される。

▮概要
この度、龍谷大学の内田研究室では、ある芳香族化合物が容易に結晶化して白色蛍光を発することを見出した。この白色蛍光は、結晶中での分子のパッキング様式に依存し、単分子発光による青色発光と分子間相互作用による黄色発光が同時に出ていることによるもので、国際照明委員会のCIE標準表色系である (CIE) 1931の座標値は(0.31, 0.30)、蛍光量子収率は0.12という研究結果を得た。

一般的にテレビや発光ダイオードの照明では白色光が非常に重要になるが、白色光は、赤、緑、青の3種あるいは青と黄の2種の光を発する有機材料同士の組み合わせや無機材料同士の組み合わせで作られる。
それらの材料の一つとして、有機蛍光分子があり、発光ダイオード、化学センサ、蛍光プローブなどに広く応用されている。その有機蛍光分子は、パイ軌道が分子中に広く共役した構造をとっており、その構造の違いにより、赤、青、黄、緑など多彩な発光色を示すことが知られている。
近年、一つの材料で白色の発光色をもつ蛍光材料の研究は非常に注目されており、白色発光を示す単一化合物がいくつか報告されている。本成果もその関連の研究の一つになる。

内田研究室では、フォトクロミック化合物であるジアリールエテンの研究を長年行ってきた。その誘導体の酸化閉環して作成した多環芳香族化合物1ar(図1a)の結晶が分子内で青と黄の発光現象を同時に行い、白色の蛍光を発することを見出した。この結晶は、有機溶媒に溶かした1arをインクのように用いて文字を書き、溶媒が蒸発すると文字が白く発光することから、極めて容易に結晶構造を取り易いことがわかる(図1b)。この白色光は、青と黄の蛍光の混じりだとわかった(図1c)。蛍光発光スペクトルを観察すると、青と黄のスペクトルが観測できるとともに、これらの蛍光寿命も異なっていた。この時の白色光の色座標は(0.31, 0.30)で、純白の値(1/3, 1/3)に極めて近く、純度の高い白だった。さらに蛍光量子収率も0.12と実用レベルと言われる0.1を超えていた。

結晶のX線構造解析を行うと、1arには2種類の回転異性体(外側のフェニル基と中央の多環芳香環の間の回転角が異なる)があり、それらが開きにした魚の骨のような模様のへリンボーン状に積み重なっていることがわかった。青色分子間の重なりは少なく、分子間の距離も離れているため、単分子的な青色蛍光を発するが、黄色分子間では重なり部分も大きく分子間距離も小さいため、2分子的なエキシマー発光を示すことになり、これが合わさって白色の発光を示している。このような、構造が結晶成長時に自発的に形成され、白色の発光が得られることは非常に興味深い現象である。今後、有機ELディスプレイなどへの応用が期待されるという。

なお、この研究内容は、「白色発光可能な新規化合物と白色蛍光組成物」(発明者 内田欣吾、中川優磨 特願2022-018020 (令和4年2月8日))として出願中。

▮発表論文について
●英文タイトル:White light emission generated by two stacking patterns of a single organic molecular crystal
●タイトル和訳:単一有機分子の2つの積み重ね様式から生じる白色発光
●掲載誌:Materials Advances
●URL:https://doi.org/10.1039/D2MA00670G
●論文著者: 中川 優磨、木下 久恩、糟野 潤、西村 涼、森本 正和、横島 智、畠山 充、坂本 裕紀、中村 振一郎、内田 欣吾

ニュースリリースサイト:https://kyodonewsprwire.jp/press/release/202208104969

近接覚センサを搭載した“考える手”で、協働ロボットに革新を起こす「Thinker」設立

この度、大阪大学基礎工学研究科システム創成専攻の小山佳祐助教が開発した「近接覚センサ」を活用してソリューション提案や開発支援、プロダクト開発・販売などを行う(株)Thinker(シンカー)を設立した。

Thinkerの近接覚センサは、対象物との距離と傾きを同時に計測することができる技術。これを用いることで、瞬時にモノの大きさや形状を把握できるだけでなく、ビジュアル情報としては捉えづらい死角部分や透明物質、鏡面の計測もでき、「ロボティクスの最後の砦」とされてきたロボットマニピュレーション(※1)に革新的な進歩をもたらすことが可能となる。
Thinkerでは、まずはロボットハンドへの近接覚センサの搭載を提案。独自のAI技術との組み合わせにより、バラ積みされていたり、形が不揃いだったりするモノを、みずから感知し、考えて、ピックアップできる協働ロボット(※2)とすることで、現場への導入・普及に取り組んでいくという。

※1ロボットマニピュレーション……ロボットを用いて、何かを操作したり、取り扱ったりすること。
※2協働ロボット……人と同じ空間で一緒に作業を行うことができる産業用ロボットのこと。従来の産業用ロボットは、出力やスケール、制御などの問題から、安全柵で囲うなどして、人間と隔離した状態で用いなければならなかったが、技術の進化や法整備が進んだことなどにより、ロボットが文字どおり「人のとなりで」作業できるようになりつつある。労働力不足が叫ばれるなか、さまざまな領域・業界で協働ロボットが求められているが、導入環境の整備やロボットティーチングの手間などが課題となっている。

■近接覚センサの概要
「近接覚」は、視覚とも触覚とも異なるモノの認知方法で、見たり、触ったりせずに認知することから「人間にはない感覚」とされている。大阪大学の小山佳祐助教の技術シーズを基にしたThinkerの近接覚センサは、対象物との距離と傾きを同時に計測可能。独自の高速・高精度AI技術と組み合わせることで、従来の産業用ロボットでは難しいとされていた現場に応じた臨機応変なピックアップや、ティーチング負担の軽減を可能にする。

ニュースリリースサイト:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000001.000106143.html

東京ロボティクス、研究開発者向けロボット片腕式移動マニピュレータ 『Tolon』発売

東京ロボティクス(株)は、非対称の腕配置と全方位移動台車により、狭い場所でも作業が可能な移動マニピュレータ『Tolon』の販売を開始した。

移動マニピュレータは次世代の自動化手段として期待されているが、現在販売されている製品は既製の移動ロボットとロボットアームを組み合わせたものがほとんどで、全身が統合的に設計された製品が少なく研究開発が捗らないという声が多くあった。そうした声に応えるため、この度、移動マニピュレータ『Tolon』の提供を開始した。
自律移動と画像認識を組み合わせたマニピュレーションを行う次世代自律ロボットの研究開発や、物流におけるマテハン作業、工場内短距離搬送、警備・見回り等を自動化するロボットアプリケーションの開発に力を発揮するという。

■Tolonの特徴
●高い作業性
 電動車椅子程度のフットプリントかつ非対称の腕配置であるため、狭い場所でも作業が可能
 床面0.1m~2.1mにリーチング可能
 多くの作業が可能な6kg可搬(最悪姿勢保持時)
 センサレスインピーダンス制御に加えて、手先力覚センサオプションにより高精度な手先力制御が可能

● 多種多様な作業に十分な関節構成
 腕:6軸(構成:P, R, P, R, P, R)
 胴体:2軸(構成:P, Y)
 首:2軸(構成:Y, P)
 足回り:4軸(全方位移動台車

● ROS対応
 ROSに対応しているため、お客様作成のソフトウェアとの連携が容易
 シミュレータモデルも提供

スペックやオプションの詳細は以下のWebサイトから
製品サイト:https://robotics.tokyo/ja/products/tolon/

IHI、IoTボルトを用いた長大吊橋モニタリングシステム運用開始

 IHIと(株)IHIインフラシステム(以下「IIS」)は,高度接合技術などの開発を手がける(株)NejiLawと共同で,NejiLaw開発の「smartNeji」を用いた世界初となる長大吊橋モニタリングシステムの運用を開始した。
 IHI,IIS,NejiLawは,このシステムを活用して橋梁をはじめとする社会インフラの効率的かつ定量的なモニタリングを推進し,国土強靭化と持続可能社会の実現を目指すという。

 smartNeji(スマートネジ)は,NejiLawの緩まないネジ「L/R neji」※1に締付力や加速度を検知する各種センサと通信モジュールを搭載したマルチセンシングIoTデバイス(ボルト)※2。
 今回運用を開始したシステムは,間もなく開通50年を迎える関門橋※3において,床組み固定装置に使用されていたボルトをsmartNejiに差し替え,ボルトの締付力をモニタリングするもの。
 床組み固定装置は,摩擦力を利用して地震時の吊橋の挙動を制御し,吊橋全体の損傷を抑制する機能を持つ。このときの摩擦力が締付力と比例関係にあることから,締付けボルトにsmartNejiを用いて締付力を精確に検出することで設計どおりの摩擦力を得て,床組み固定装置の信頼性を高めることができる。また,将来的に締付力が変化した場合にも自動で検出することが可能で,日常点検の効率化が図られる。さらに、地震発生時にはその前後のモニタリングデータから地震による橋の挙動および損傷度合いを即座に推定することもできる。

 今回のモニタリングシステムは,smartNejiの有用性を実橋で確認するために,西日本高速道路(株)の協力のもと,IHI,IIS,NejiLawが共同で,関門橋の一部である床組み固定装置を対象に運用していく。将来的には,マルチセンシングIoTデバイスとしてのsmartNejiの性能を活かし,点検困難かつ振動を受けやすい部位にあって,締付力の管理が重要になるボルト全般に適用範囲を広げ,国内外の長大吊橋における総合モニタリングシステムへと発展させていくことを目指す。

※1)緩まないネジ:NejiLawの「L/R neji」は,ボルトに右ネジと左ネジの両方を合わせたような特殊な溝をつけ,ここに右回りナットと左回りナットをかけることで絶対に緩むことがない構造を実現。smartNejiもこのL/R nejiと同じ構造を採用している。 (L/R nejiの詳細:http://www.nejilaw.com/product.html)
※2)マルチセンシングIoTデバイス(ボルト):ボルトの軸部で締付力を直接計測するとともに,ボルト頭部には3方向の加速度を検知できる3D加速度センサや温度センサなどの各種センサと通信モジュールを搭載している。 (smartNeji詳細:http://www.nejilaw.com/special_smartNeji.html)
※3)関門橋:山口県下関市と福岡県北九州市門司区の間の関門海峡に架かる全長1,068m,中央径間712mの吊橋(道路橋)。1973年(昭和48年)に開通。IHIも北九州側の主塔の製作・架設工事に携わった。
※4)床組み固定装置:西日本高速道路株式会社とIISが2022年に特許共同出願(特願2022-014696号)。

プレスリリースサイト(IHI):
https://www.ihi.co.jp/ihi/all_news/2022/infrastructure_offshore/1198013_3475.html

屋内配送向けサービスロボットによる病院内実証実験を実施

 藤田医科大学、川崎重工業(株)、SEQSENSE(株)の3者は、医療従事者の負担軽減・業務効率化による質の高い医療の持続的提供の実現に向けた取り組みの1つとして、川崎重工とSEQSENSEで共同開発した屋内配送向けサービスロボット(以下「ロボット」)を用いた配送業務自動化の実証実験を2022年8月8日から9日にかけて藤田医科大学病院にて実施した。実証実験はフェーズ1※1(2021年10月)、フェーズ2※2(2022年2月)に続き今回で3回目となる。12月に最終の実証実験を行い、2022年度内の藤田医科大学病院でのロボット導入を目指す。

 今回の実証実験では、スタッフステーションから検査室までの検体搬送業務に必要な機能や現場での運用方法について検証した。ハードウェア技術を有する川崎重工と高い自律走行制御技術を有するSEQSENSEがロボットを共同開発することで、病院内の環境下でのより安全・確実な走行を実現している。
 患者さんや医療機器など多くの人やモノが行き交う病院環境下で、ロボットはよりスリムであること、多くの荷物を積めるようにしたいなどの、これまでの実証実験で抽出されたニーズを反映した設計とした。また様々な建物に警備ロボットを提供しているSEQSENSE独自開発の3D LiDARシステム※3と自律走行制御技術を機体に導入することで、広範な空間認識とこれに伴う障害物などの検知能力を向上し、世界最高峰の自律走行性能を実現した。患者にとっても安全安心なロボットで、日中の混雑した病院内での搬送業務を確実に行う。

【フェーズ1】
・実証内容:自律走行機能を有したロボットによる同一フロア内搬送の検証+人のエレベータ操作補助あり別フロア移動の検証
・時  期:2021年10月23日(土)~10月31日(日)(実施完了)
【フェーズ2】
・実証内容:自律走行機能・エレベータ連携機能を有したアーム付きロボットによる別フロア間搬送の検証​(検体配送・見守り)、iPNT-KTM※4を活用したロボットの位置情報の把握​
・時  期: 2022年2月4日(金)~2月15日(火) (実施完了)
【フェーズ3】
・実証内容:サービスロボットによる病院内作業と病院側システムとの連携検証、ロボットの荷室サイズや構造、使い勝手の検証
・時  期:2022年8月8日(月)~8月9日(火)(実施完了)、2022年12月以降(実施予定)

 今回フェーズ3では病院環境下での安全走行・使い勝手などの最終的な課題を洗い出し、12月以降の実証実験ではエレベータ・セキュリティドアなどのインフラとの連携を含んだ本格導入に向けた開発を進める。また実証実験において、3者がそれぞれの知見を活用することで、医療現場における労働力不足の解消や医療従事者の負担軽減に寄与し、より質の高い医療を提供できる環境の整備に向けた取り組みを進めるという。

※1. 2021年10月18日付けプレスリリース「藤田医科大学病院でスマートホスピタル実現に向けたサービスロボット実証実験を開始~医療従事者の負担軽減、“人”と“ロボット”が共存する近未来医療環境の構築へ~」
https://www.khi.co.jp/pressrelease/news_211018-1_1.pdf
※2. 2022年2月16日付けプレスリリース「藤田医科大学病院でアーム付きサービスロボットによる実証実験を実施~医療従事者の負担軽減・業務効率化による、質の高い医療の持続的提供の実現を~」
https://www.khi.co.jp/pressrelease/detail/20220216_1.html
※3. LiDARと呼ばれるセンサ3つを頭部に配置し、それを回転させることで一般的なLiDARよりも広い範囲を検知し、3D地図を作成、高い自己位置推定精度と障害物回避性能を実現
※4. 川崎重工が提供する屋内位置情報サービス。詳細は下記を参照。 https://www.khi.co.jp/news/detail/20210709_2.html

ニュースリリースサイト:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000016.000025363.html

最先端技術の結晶、磁力に反応する液体「磁性流体」にて、サイエンスワールドに協力

フェローテックグループの国内事業会社である、(株)フェローテックマテリアルテクノロジーズは、同社コア技術である、磁力に反応する液体「磁性流体」にて、岐阜県瑞浪市にある体験型科学館、サイエンスワールドに素材を提供する。
また、その磁性流体を用いた実験に挑戦できる夏休みイベント、「ドロドロの世界part2」が2022年8月10日(水)~28日(日)まで開催される。

■夏休みイベント「ドロドロの世界part2」概要
開催日: 2022年8月10日(水)~28日(日) ※サイエンスワールド休館日は実施しない。
開催時間: ①10:00~②11:00~③12:00~④14:00~⑤15:00~ ※8/28の第5回は実施しない。
対象年齢: 小学生以上 各回12名まで ただし小学生は保護者同伴(大人1人につき子ども2人まで)
費用: 200円
お申し込み: 当日会場にて申込み
主催・会場: サイエンスワールド(岐阜県先端科学技術体験センター)

■サイエンスワールド(岐阜県先端科学技術体験センター)
実験や工作を通じて科学のおもしろさとふしぎを学ぶ体験型科学館、サイエンスワールド。実験ショーや、身近にある疑問に対して、手を動かしながら楽しく理解するワークショップを用意。
また、科学に関する蔵書が収められた科学図書館も利用可能。
所在地: 〒509-6133 岐阜県瑞浪市明世町戸狩54
営業時間: 9:00〜17:00
休館日: 月曜日および祝日の翌日休館 ※休館日が変更する場合もあり。
URL: https://www.sw-gifu.com/

■磁性流体について
磁性流体は流体でありながら、外部磁場によって磁性を帯び、磁力に吸い寄せられる機能性素材。1960年代のNASAスペースプログラムで、無重力環境の燃料輸送等の目的で開発された。
現在は、スピーカやアクチュエータ、センサ、リサイクル目的の選別用途、その他当社主要製品の真空シールにも利用されている。
また、同社はその磁性流体に独自技術で蛍光機能を追加し、特定の波長の紫外線を照射することで赤、青、緑、黄緑に発色する流体「蛍光磁性流体」も開発している。
※蛍光磁性流体は照射条件により色味が異なる場合あり。

ニュースリリースサイト(ft-mt):https://ft-mt.co.jp/news/list/

IRsystem、ロボット搭載型 ガス検知用カメラの販売

 2022年8月、(株)アイ・アール・システムは、アメリカのMFE Inspection Solutions社が開発した、Boston Dynamics社製歩行ロボット「SPOT」へ搭載可能なガス検知用カメラ「MFE OGI」の販売を開始した。
 大規模施設における巡回作業の自動化や危険な空間での人による点検作業の置き換えなど、省人化や安全対策として歩行ロボット「SPOT」を使用した最新技術への期待が高まっているという。

【Boston Dynamics社「SPOT」搭載向けに開発】
 ガス検知用カメラ「MFE OGI」は、走行ロボット「SPOT」に搭載できるように開発されており、「SPOT」へ簡単に接続可能で、取得した映像を手持ちのコントローラーで確認できる。
「SPOT」は様々な企業の現場に導入が広がっており、ガス検知用カメラとの組み合わせは、プラントや工場などの広範囲のガス漏洩発見への活用が期待されています。

【石油プラントや発電施設への活用】
 「MFE OGI」は、石油のプラントやパイプライン、発電施設、化学ガスプラント、建設現場などにて多く使用、製造されているメタン、プロパンなどの炭化水素(HC)系ガスを検知する。
 従来、ガスの検知は固定設置型センサやポータブル式ガス検知器を用いて行われてきたが、それらの方法ではセンサや検知器にガスが接触しないと検知出来ないため、作業員が危険なガスの発生しているエリアに立ち入らざるを得なかったり、漏洩箇所の特定に時間がかかったりといった課題があった。
 しかしロボットにカメラを搭載しガスを可視化することで、作業員が立ち入ることなく危険なガス漏洩箇所を容易に発見することが可能となった。

【ポータブルカメラとして緊急時の現場対応力強化へ】
 緊急時のガス漏れ調査が必要な現場では、ポータブルカメラとして使用することもできる。ポータブルカメラは、配管が入り組んでいる箇所やロボット搭載時には死角になってしまうような箇所を点検するのに向いている。本カメラ1台でロボット搭載とポータブルどちらでも活用できるため、色々な状況へのフレキシブルな対応が可能となる
 カメラは 対応しているスマートフォンやタブレットに簡単に接続可能で、接続端末の画面上で映像の確認やカメラ操作を行うことができる。

【製品概要】
名称     :MFE OGI
対応ロボット :Boston Dynamics社製走行ロボット「SPOT」
検知可能ガス :主にメタン、プロパン、ブタンなどの炭化水素系ガス
寸法     :お問い合わせください
重量     :お問い合わせください
画素数    :640×512
波長     :3.2 – 3.42 µm
デジタルズーム:4x
最小検出能  :60g/hr以下(米国環境保護庁(EPA) OOOOa 準拠)
内蔵バッテリー持続時間
       :お問い合わせください
注)仕様は改良等により予告なく変更される場合あり。

製品詳細サイト:https://www.irsystem.com/product/mfe_ogi/

東京ロボティクス、全身人型ロボット『Toala』の本格販売を開始

 早稲田大学発のロボティクススタートアップ、東京ロボティクス(株)は、これまで関係機関に限定して提供していた全身人型ロボット『Toala』を本格的に販売する。

 移動可能な全身人型ロボットは次世代の自律ロボットとして期待されているが、市販されている製品が少なく、アプリケーションの研究開発が進まないという現状があった。こうした課題を解決するため、同社はこれまで全身人型ロボットのフラグシップモデルとして『Torobo』を提供してきたが、この度、その廉価版である『Toala』を本格販売することにした。

■Toalaの特徴
●人間と同等のサイズと力
身長1300~1640mm(可変)、リーチ740mm、台車幅720mmと人に近いサイズで、片腕の可搬重量が最悪姿勢の保持で6kgと十分な力が出せるため、様々なアプリケーションの開発に用いることが可能。

●多種多様な作業に十分な関節構成
腕7軸×2本、腰3軸(ヨー・ピッチ・昇降)、首2軸(ヨー・ピッチ)、足回り4軸(全方位移動台車)の関節構成により、人間の作業空間において人に近い可動域で作業ができる。上半身のみの販売も行う。

●腕部と腰部のインピーダンス制御と外力検知
関節外乱オブザーバの採用により、トルクセンサレスで外力検知やインピーダンス制御が可能。また、手先力覚センサのオプションを用いると、手先において高精度な力制御が可能となる。

●ROS対応
ROSに対応しているため、ROSのシミュレータであるGazebo内のロボットと実機を同じプログラムを用いて動作させることができる。これによりロボットの動作を安全に検証することが可能。また、軌道計画や自己干渉判定に関しては、MoveIt!の機能を用いて標準で実装されている。

製品詳細サイト(robotics.tokyo):https://robotics.tokyo/ja/products/toala/

葉山町と応用地質、土砂災害から住民を守る新たな防災システム構築に向けた連携協定

応用地質(株)は、土砂災害から住民を守る新たな防災システムの構築を目的に、神奈川県葉山町と連携協定を締結し、実証研究を開始する。
本実証研究を通して、応用地質が開発した「斜面変動検知センサ」と「土砂ハザードモニタリングシステム」を葉山町における土砂災害危険斜面に設置・運用し、土砂災害の予兆の早期検知の有効性を検証するとともに、検知した予兆情報をもとに住民の適切な避難行動につなげるための最適な周知方法の確立等を目指す。

●背景と目的
気候変動等の影響により、全国で豪雨による被害が増加している。葉山町内においても昨年7月の豪雨の際、急傾斜地の崩壊に関する土砂災害特別警戒区域(通称、レッドゾーン)内で土砂災害が発生し、一部家屋が損傷した。町内では同様なレッドゾーン区域が132箇所もあり、葉山町の全人口のおよそ6%の住民が同区域に居住している。現在葉山町では、気象庁の土砂災害警戒情報等に基づく避難情報を全町民に向けて発信しているが、今後、気候変動が進行し、さらに災害が激甚化する事態も想定される。
こうした事態が発生した場合において、住民の逃げ遅れ防ぐためには、住民自身が土砂災害の危険性を適時適切な方法で把握し、早期の避難行動につなげることができるような新たな防災体制の構築が喫緊の課題となっていた。

●実証研究の概要
実証研究では、0.001度単位で傾斜を2方向で測定可能な斜面変動検知センサを土砂災害の可能性のある斜面に設置し、大雨の際の斜面変動、特に土砂災害の予兆について、早期に検出可能かどうかについて検証する。また、葉山町内での過去の土砂災害の実績雨量や災害状況、地質特性などを踏まえた斜面崩壊切迫度を設定し、その有効性ならびに妥当性についても検証する。更に、「土砂ハザードモニタリングシステム」を通して、住民による適切な避難行動につなげるための土砂災害危険性情報の最適な通知方法等についても検討する。

●実証研究期間
令和4年8月4日から令和6年3月末までを予定

●役割分担
・葉山町
センサを使った斜面監視技術の実証実験場所提供、センサ設置に必要な許認可等手続き、システムの実業務での試用と意見、要望、問題点の提示、など。
・応用地質
センサ、システムの無償提供、センサ設置・メンテナンス、土砂災害の予兆・斜面崩壊切迫度や住民への情報表示、通知方法についての検討、土砂災害早期警戒に関する新たな住民サービスの提案、など。

ニュースリリースサイト:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000054.000047274.html

制御機器の状態を遠隔で確認/プログラム変更ができるIoTゲートウェイ「FALCONNECT」

(株)GUGENは、2022年8月3日(水)に製造業など産業設備向けIoTゲートウェイの新商品「FALCONNECT(ファルコネクト)」をリリースした。
遠隔接続に必要なものをすべてセットで提供、ネットワークの専門知識不要ですぐに導入することができるため、設備のIoT化に必要な多くの仕様検討やシステム構築の工数を大幅に削減することができるという。

遠隔でのPLCのラダープログラムモニタ/プログラム変更
工場の生産設備や施設の制御には、PLC(Programmable Logic Controller)を始めとした制御機器が多く使用されている。FALCONNECTはそれら制御機器にEthernet接続すると、携帯回線を通じて遠隔のパソコンからプログラムをモニタ、変更が可能になる。
通常、PLCなど制御機器のプログラムは現地でパソコンを接続し、プログラムのモニタや変更を行うことが一般的である。そのため、急なトラブル時などPLCエンジニアが現地にかけつける必要があった。これまでも、遠隔で接続する方法もあったものの、ネットワークの専門知識が必要であったり、システム構築の手間からそれらシステムの導入はあまり進んでいないのが実情だった。
FALCONNECTは、簡単な設定だけですぐに遠隔での接続を可能にすることで、対応時間の短縮、移動時間の削減など様々な効果が期待できる。

▼遠隔接続に必要なものをすべてセット
FALCONNECTには、ゲートウェイ本体、携帯回線、クラウドシステム、設定ツールがすべてセットとなっており、製品導入後すぐにシステムを使用することができる。

▼ネットワークの専門知識不要の簡単設定
ネットワークやセキュリティなどの複雑な設定は不要。接続先機器のIPアドレスを指定するだけで遠隔接続の設定が完了する。

▼PLC以外の機器も接続可能
Ethernetで接続することができる機器であれば、PLC以外でも接続可能。FTPサーバ、Webサーバ、VNCサーバなどの接続にも対応できる。

<主な用途>
・PLC接続:ラダーモニタ/プログラム書き込み、ロギングファイル(CSV)の取得(FTP)、オートロードプログラムの書き換え(FTP)、Webサーバ画面の表示、ソフトHMI接続など
・HMI(タッチパネル)接続:プログラム変更、表示画面の確認/操作(VNC)、レシピファイルの読み出し/変更(FTP)、ロギングファイルの取得(FTP)など
・他接続:画像センサの設定変更/撮像データの取得、ネットワークカメラの映像取得、パソコンのリモートデスクトップ接続、パソコンのファイル取得(FTP)

ニュースリリースサイト:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000001.000105434.html