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10/4-7開催 オーストリア最先端の半導体とスマートファクトリー施設訪問企業募集

Advantage Austria Tokyo(オーストリア大使館商務部)は、オーストリアの先端技術が集積する産業クラスター“シリコン・アルプス・クラスター”と共に、スマートファクトリー、半導体、センサ、IoT産業に携わる日本企業の応募者をオーストリアでの現地視察に招待する。この視察プログラムは、オーストリアと日本の企業間での協業や共同技術研究などを促進させることを目的としている。

「Technologies at the Junction of Semiconductors and Smart Factory」
開催日程: 2022年10月4日(火)-7日(金)
開催場所: オーストリア シュタイアーマルク州 / ケルンテン州

日本と同様に、オーストリアをはじめとする欧州の産業界では、半導体やセンサ、その他マイクロエレクトロニクスのサプライチェーンの確保といった課題に直面しており、工場や生産プロセスのデジタル化を強力に推進するための取り組みを続けている。
この視察は、半導体やスマートファクトリー分野の最前線で活躍するオーストリア企業をより深く知って貰い、オーストリアと日本、両国の技術協力、共同研究開発、プロダクトディスカバリーの機会を増やすことを目的としている。オーストリアには、自動車およびマイクロエレクトロニクス分野で特に大きな力を持つ産業クラスター組織があり、当視察プログラムには欧州の産業界を代表する企業各社も参画している。

■プログラム
◇ スマートファクトリー、半導体、自動車産業の分野で、最先端の技術研究、開発を行うオーストリア企業を紹介
◇ 重要な技術分野に特化した研究施設を訪問
  Smart Factory Graz for 5G:製造業における拡張現実の活用
  Cockpit of the Future:センサや自動車、ヒューマンマシンインタラクションに関連する企業が集まり、自動車の運転席に必要とされる技術開発に取り組むプロジェクト。疲労や運転能力の低下といった“人”に起因する様々な問題に注目し、自動運転やより安全で快適な移動の実現を目指す。
◇ マイクロエレクトロニクスに特化したオーストリアのスタートアップ・アクセラレータ“BUILD!”とのミーティング
◇ オーストリアのグラーツで開催される半導体およびマイクロエレクトロニクス業界の国際会議、EBSCON 2022(10/5、グラーツ会議場)訪問。サプライチェーン、サイバーセキュリティ、マイクロエレクトロニクスの持続可能性などがテーマで、多くの来場者とのネットワーキングが可能。

■訪問企業例
・Magna Steyr (Graz):
 https://www.magna.com/company/company-information/magna-groups/magna-steyr
・ams-OSRAM: https://ams-osram.com/
・Infineon: https://www.infineon.com/cms/en/
・AVL: https://www.avl.com/

■参加者負担分
グラーツの集合場所までの交通費、並びにプログラム終了後の交通費(フライト、鉄道等) 視察滞在中の宿泊費(予約等の手配をオーストリア側に委託することが可能。1泊1名110ユーロ程度なので、感心のある場合は相談のこと。)

【日本からオーストリアの入国情報 (2022年9月現在)】
オーストリアへのビジネス入国への必要事項は現在特に無し。(接種証明なども不要。)
詳細については、下記のウェブサイトを参照。
在日オーストリア大使館(日本語):https://www.bmeia.gv.at/ja/oeb-tokio/


【オーストリアから日本への入国情報 (2022年9月現在)】 2022年9月7日午前0時(日本時間)以降、有効なワクチン接種証明書(日本政府が認めるワクチンを3回接種しているもの)を保持している全ての帰国者・入国者については、出国前72時間以内の検査証明の提出は求めない。詳細は下記リンクを確認。
新型コロナウイルス(COVID-19)感染症 | 在オーストリア日本国大使館 (emb-japan.go.jp)
https://www.at.emb-japan.go.jp/itpr_ja/coronavirus_ja.html

【当プログラムに関するコンタクト先】
オーストリア大使館商務部
106-0046 東京都港区元麻布3-13-3
Tel:03-3403-1777
Email:tokyo@advantageaustria.org
担当:近藤 敦 (半導体・電子産業担当) 
アーノルド・アカラー (副商務参事官)

【ADVANTAGE AUSTRIA Tokyo (オーストリア大使館商務部)】URL:https://www.advantageaustria.org/jp/

ニュースリリースサイト: https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000035.000064311.html

「徳島大学におけるイノベーション ~多様な産学連携の推進~」
 1章:地方大学・地域産業創生交付金事業における産学連携(2)

徳島大学 研究・産学連携部 地域産業創生事業推進課

(2)専門人材育成

 本学では、教育を行うための組織(教育組織)から、研究を行うための組織(研究組織)を分離・統合し、管理運営上の組織(教員組織)にて学部の垣根を越えて教員人事や予算配分を一元管理することで、学部間・研究分野間の柔軟な連携を実現し、研究組織全体の技術や知見を、各学部の教育にも活用しやすい体制となっている。この体制のメリットを最大限活用し、2022年度からは、研究組織であるpLEDの研究者も理工学部理工学科「光システムコース」を中心に学部教育への参画を強化することとし、最先端の光科学・光工学についての知見を体系的に学ぶことができる体制を強化した。

図3 光システムコース一期生募集広告(2022年4月入学生対象)
図3 光システムコース一期生募集広告(2022年4月入学生対象)

 また、2020年度に分野横断型教育クラスターによる教育を進める大学院創成科学研究科(博士前期課程)を設置、クラスター科目群の一つ「フォトニクス」では、専門性高く光科学を学べるよう体制を整え、更に、2022年度からは同博士後期課程を開設しており、学部・大学院において、基礎から最先端の光科学が学べる体制を構築している。
 一方、医光融合分野の観点から、pLEDとも連携して、理工学部学生向けの医療現場における機器利用体験・実習を行うとともに、医学部学生向けの理工学部と連携した講義・実習を行うなど医光融合教育を推進している。これらの教育の推進に当たっては、VR機器、物理シミュレーション、LED製造教育設備等を導入するとともに、大学院医歯薬学研究部の医療教育開発センターに設置されている臨床技能学習施設「スキルス・ラボ」を活用し、光専門教育と医学教育の融合に向けた基盤設備の充実を図っている。
 リカレント教育では、地域企業のニーズを把握するため、徳島県、阿南工業高等専門学校及び本学が共同で地域企業300社以上を対象にアンケート調査を実施し、ニーズに沿った教育プログラムとして2020年度から「紫外線LED活用入門講座」を開講している。
 また次世代ひかりトクシマの発足を機に、日亜化学工業株式会社(以下、「日亜化学」という。)の仲立ちにより、ノーベル賞受賞者やスタートアップ創出で世界でも名を馳せるイスラエルのテクニオン-イスラエル工科大学(以下、「テクニオン」という。)との交流が始まった。2020年12月には同大学と学術交流協定を締結し、テクニオンにおけるアントレプレナーシップ教育を受講できる機会をプログラム化するなど教育交流の具体化を図っている。2021年10月には、2004年にノーベル化学賞を受賞されたテクニオンの Aaron Ciechanover 特別研究教授を講師にお招きし、「Personalized Medicine(個別化医療)」をテーマとした海外特別講演会を開催した(図4)。2021年度までに、当該講演会も含めて通算4回の海外特別講演会を開催しており、今後も定期的な開催を継続していく予定である。

図4 Aaron Ciechanover 教授による海外特別講演会の開催
図4 Aaron Ciechanover 教授による海外特別講演会の開催

 本講演会には、大学関係者だけでなく、徳島県内の高校生や教諭、県内企業等の研究者等が参加した。「Personalized Medicine」とは、個々の患者さん一人一人の遺伝情報に基づき、病気の発生率や発症しやすい体質などの予測、個人に合わせたより良い治療法や薬剤の適切な選択、医薬品の開発が可能になるものであり、一部ではすでにその実用化が進んでいる。一方で、倫理面などを含めた様々な課題があり、その現状と展望について、分かりやすくご講演いただいた。
 これらの取組により、様々な年齢層の学術的探究心に訴求することで、次世代ひかりトクシマの目標である「創造的超高齢社会」の実現に向けて、学び続ける意識の醸成に努めている。

1.3 産学連携

 最後に、次世代ひかりトクシマのもう1つの柱である産学連携について、概要を紹介する。
(1) 研究開発に係る産学連携
 pLEDでは、経営戦略室の主導の下、戦略的な企業連携を推進している。2020年3月からは、県主導で、産官学金で産学連携を一層強化するため、企業連携グループを構築し、地域企業との具体的な連携を加速させている。特に、社会実装が間近な研究成果については本グループの支援等を得て、地域企業を中心に装置の試作や実験を重ね、地域企業による社会実装を目指している(詳細は本特集号「2章 徳島大学ポストLEDフォトニクス研究所の産学連携」を参照)。
(2)新たな連携を探る地域共創(CO.TOKUSHIMA)
 地域企業との共同研究や、国際連携等に関するイノベーションワークショップ等を実施し、本事業計画に関連する地域企業や自治体、中高生や大学生及び研究者、各団体等を対象としたフュ―チャーセッションをはじめとした大小様々な対話の機会を創出・提供することで、本事業の円滑な推進を図っている(詳細は本特集号「3章 CO.TOKUSHIMAの活動」を参照)。
(3)人材育成を通じた産学連携
 本事業で目指す、光による「創造的超高齢社会」を実現するには、地域企業の産業競争力の強化が必要で、そのためには地域企業で活躍できる優秀な人材の育成が不可欠である。その一方で、現場における急速な技術革新と、それに対応するための教育が乖離し、卒業生は必ずしも企業が求める教育を受けていない可能性が懸念されており、地域企業の要望を反映した教育が行えるような教育システム作りが求められている。理工学部では、学生と地域企業のキャリアマッチングを支援するシステム「教育情報データベースシステム(以下、「EIDB」という。)」を構築して、運用している。EIDBには各教員の授業科目の情報、本件に賛同いただいた徳島に拠点を置く企業等の概要や推奨する授業科目が登録され、学生はその企業で働く上でどのような科目を履修するべきかを把握し、参考とすることができる。これらを通じ、本学学生の地域企業への就職率向上を目指している。

本稿では、「次世代ひかりトクシマ」の実現に向けた、近年の徳島大学の取り組みについて概要を紹介した。今後も産学を中心とした多様な連携を進め、「創造的超高齢社会」の実現を目指していきたいと考えている。



「徳島大学におけるイノベーション ~多様な産学連携の推進~」
 2章:徳島大学ポストLEDフォトニクス研究所の産学連携(2)

徳島大学 ポストLEDフォトニクス研究所(pLED)

2.3 経営戦略室の機能

 pLEDの研究に関する産学連携を戦略的に推進するため、学外からの技術相談のワンストップ機能を担い、また研究成果の極大化を図り事業化を推進するための知財活動を行い、さらにpLEDの研究テーマを科学的・客観的に評価する仕組みを運用するために、pLEDでは経営戦略室を設置している。

図4 多様な産学連携のスタイル
図4 多様な産学連携のスタイル

 前述のような種々の情報発信に基づいて、企業から問い合わせや具体的な相談があった場合には、pLEDのURAセクションである経営戦略室がコーディネータとして加わり、企業側の担当者と研究者のスムーズな連携をサポートしている。このコーディネータには、企業側の要望やスケジュール感を読み取りながら、同時に大学の研究者の持ち味を最大限に生かしたアレンジが求められる。現在、徳島大学における企業との通常の連携形態は、図4に示すように、「技術相談」・「学術指導制度」・「共同研究・受託研究」があり、これらに付随した秘密保持契約や共同研究契約など、様々な契約フォーマットが存在し、特許等の知財権に関わる部分も含めると、テクニカルな要素も非常に多く、このコーディネータが産学連携において重要な役割を担っている。これらの業務に対応するため、pLEDの経営戦略室は、大手企業(メーカー)出身でかつ現場業務とマネージメント業務の両方の経験を有する専門人材で構成されている。また、経営戦略室側からも、研究者への「将来のイノベーションの種となる先進的な研究の推進」に対する期待は大きく、連帯感と適度な緊張感の中で、理想的な信頼関係を構築している。
 一方で、pLEDから創出される研究テーマの事業化戦略を明確化し、科学的な評価指標導入による”社会貢献できるテーマ”および“pLEDで行うべきテーマ”を選択するために、テーマアセスメントの科学的手法(ステージゲート法)を導入している。pLEDで取り組むテーマについては、経営戦略室が中心となって定期的にテーマヒアリングを実施し、ステージゲート法を用いて事業性・技術性の2軸から科学的かつ客観的にアセスメントを行い、市場調査、知財ベンチマークの結果も勘案し、各テーマのポートフォリオ上のポジションを決定する。このポジションは、各テーマの重点化・予算配分と施設・設備の優先順位の決定に反映される。併せて、基礎研究の様に法則的認識を目指し、普遍性の追求や合理的知識の体系を図るテーマに関しては、社会貢献度・研究性を2軸として評価している。
 またpLEDの経営戦略室は、一般的なURAとしての機能と同時に、文字通り研究所の経営戦略を担っており、“稼げる研究所”の実現を目的とし、経営の観点で多くの取り組みを主導している。その一例が知財戦略である。研究成果に基づく知的財産は主要な経営資源の一つとなるが、従来の徳島大学では、実施契約に至る可能性の高い知財を優先する考えに基づき、企業との共同研究の成果を積極的に知財化する方針をとっていた。この場合、共同研究先の定まっていない研究成果においては、たとえ将来が有望であっても知財化の検討が進まないという課題が生じていた。そこでpLEDでは、独自に知財化検討を行うことで、戦略的かつ効果的に知財を獲得する計画を立て、同時に、獲得した知財を経営資源として最大限活用するため、従来の企業と共同出願契約の形態を見直し、大学側も出願・維持の費用を負担して、第3者との実施契約を可能とするスキームを一部で導入しつつある。更に特許明細書作成や出願を組織内で行うことにより、出願にかかる費用を抑制し、また機能的な知財検索ツールの導入・活用など、経営の観点から多面的な取り組みを行っている。
 一方で、経営戦略室の専門人材のメーカー系企業での業務経験は、具体的な研究開発のフェイズでも存分に発揮される。例えば経営戦略室が主導して、研究成果の事業化を意識した実用に近いレベルでのデバイス開発(あるいはデバイスプロセス開発)を、台湾の工業技術研究院(ITRI)に委託した事例もあり、時間軸を意識しながらリソースを最大限に活用して、レベルの高いリターンを追究し、効率的に研究成果を事業化に結び付ける発想は、大学の研究者には乏しく、経営戦略室がpLEDの研究と経営の両立を実現するための重要な役割を担っている。
 pLEDの研究成果に関連した産学連携の場面において、重要な役割を担うもう一つの組織が、pLED発のベンチャー企業「株式会社SpLED」である。主な活動は、関連する光計測技術を用いた受託サービスや、同じく関連知財の活用の推進などであり、企業体の利点を生かして、研究成果の迅速な事業化や社会還元をスムーズかつ強力に進めることができると期待される。

2.4 バイオデザインを利用したイノベーション創生

 pLEDの産学連携に基づくイノベーション創生を目指した取り組みの一つに、「バイオデザイン」がある。バイオデザインは、米国のスタンフォード大学で開発されたデザイン思考に基づく医療機器開発の実践的イノベーションプログラムである。具体的には、医療従事者、研究者、企業関係者、知財や産学官連携に携わる大学・自治体職員など多彩なバックグラウンドを持つ参加者からなるチームで医療現場を観察し、様々な視点から臨床現場の潜在的ニーズを発掘、さらにプロセス化された手順に沿ってソリューション提案およびビジネス展開までを行うことで、ニーズに基づいた革新的医療機器の開発につなげるプログラムとなっている。pLEDでは、光科学と医学の両方を理解できる「医光融合プロフェッショナル人材」を育成する教育プログラムの一環として、医光融合研究部門が中心となり、また日本バイオデザイン学会大阪支部の協力のもと、学内の研究者、大学生・大学院生だけでなく地域産業界の開発者など多彩な職種からの参加者を募り、これまでバイオデザインの1日ワークショップを3回開催し、延べ76人が参加した。実際にワークショップに参加いただいた企業関係者からは、「医学的な話を掘り下げるという点で、貴重な体験だった」、「色々な職種の人と話せて世界が広がった」、「バイオデザインで学んだデザイン思考を、自社の開発会議にも取り入れたい」といった様々な感想が寄せられており、従来のニーズ・シーズマッチングに基づく共同研究を旨とする産学連携とは、明らかに異なる共創型の産学連携が、大学の専門人材育成教育と一体となって進められている。2019年度には1日ワークショップ参加者から12人の希望者を募り、徳島大学病院内において臨床現場を観察するアドバンストコースを実施し、現在も臨床現場で得られたニーズに基づいて医療機器の開発・事業化プロジェクトが進行している。新型コロナウイルス感染が広がる2021年度にも、オンライン開催の1日ワークショップの参加者の中から9名の希望者を集めてオンラインのアドバンスドコースを実施するなど、状況に合わせて柔軟に対応し、活動を継続している。今後は徳島大学医学部・大学病院とpLED医光融合研究部門との連携を深め、バイオデザイン実践の場を増やしていくことも計画されている。これらの環境や育成された人材が、将来のイノベーションに基づく地域の社会発展につながっていくことを期待したい。

通常開催のバイオデザインワークショップ(2021年7・10月)
通常開催のバイオデザインワークショップ(2021年7・10月)
新型コロナウイルス感染拡大の影響を受けながらもオンラインで開催されたバイオデザイン・ミニブートキャンプ(2021年8月)
図5 通常開催のバイオデザインワークショップ(上段、2019年3・10月)と新型コロナウイルス感染拡大の影響を受けながらもオンラインで開催されたバイオデザイン・ミニブートキャンプ(下段、2021年8月)

2.5 pLEDの産学連携における課題

 2022年4月時点において、pLEDが企業等と締結している共同研究契約件数は2桁に及び、秘密保持契約や契約を前提に進めている予備段階のものを含めると、相当数の具体的な産学連携案件が進行していることになる。このような共同研究をベースとした産学連携においても、pLEDの経営戦略室が関与することで、参画組織間の連携や研究スケジュール管理、大学の研究者がおろそかにしがちな知財の権利化等、様々な面でサポートが得られ、企業側にも大きなメリットが生じると期待される。
 上記のような体制で進めているpLEDの産学連携であるが、現在、明確な課題も見えてきている。具体的には、下記の4点が挙げられる。
 1)長期的な視野での産学連携が難しい場合が多い
 2)シーズとニーズの隔たりを埋める視点を共有できない
 3)大学側でも研究開発にマンパワーが必要となる場合に、人材確保が難しい
 4)大学も共同研究の成果を独自に社会実装につなげたいが、起業人材は多くない
1)については、単年度決算を基本とする現在の日本の社会構造により、多くの物事が年度内に完結することが前提となるため、特に組織を超えて連携する際には大きな障害となっている。2)についても、1)と関連する課題であり、シーズの発展の先にニーズとのマッチングが示唆されても、大学にはそのギャップを埋める視点に立って連携する人材が不足しており、結果として即効性のある(あるいは短期的な)アプローチの探索に留まってしまう傾向にある。この問題の解決には、基礎研究を担当する大学と、「開発・製造・販売」に精通した企業とのギャップを埋めるための仕組みや制度、そして専門人材の一層の補強等が必要である。海外の場合には、ベンチャーとベンチャーに対する投資が、この機能を多分に担っていると考えられ、研究機関や個人と企業との間に、利益や採算よりも可能性を追求して投資するフィールドを形成して、ギャップを埋めていると考えられる。
 3)については、少子高齢化社会の現代において、すべての業種で共通する課題であり、働き方における多様性の実現など大きな変革が必要と考えられる。4)については、2)とも関連して、今後、課題の解決のために起業人材の育成や副業の一般化などが進むことが期待される。

 以上の様に、ポストLEDフォトニクス研究所では、多様な取り組みを通じて、産学連携を推し進めており、将来、これらの成果として、多くの光技術が社会実装されることを目指している。



「徳島大学におけるイノベーション ~多様な産学連携の推進~」
 3章:CO.TOKUSHIMAの活動(2)

 

徳島大学 研究・産学連携部 地域産業創生事業推進課
徳島大学 高等教育研究センター学修支援部門 創新教育推進班 徳島大学i.school

・地域社会へ提供するワークショップ
CO.TOKUSHIMAでは、地域課題と大学のシーズを掛け合わせたワークショップを企業、地元高校生、徳島大学生に提供している。
 例えば、2020年度から美馬市と連携し、「人生100年時代」を見据え「高齢化を全ての人が幸せになるチャンスに変える社会」である、『創造的超高齢社会』を実現するため、『美と健康』をキーワードとして高齢者の社会参画につながる土台を作るとともに、市民や企業、行政の主体的な行動を促すことを目的として、美馬市とともにアイデア創出に取り組んでいる。アイデア創出ワークショップで生まれたアイデアは、美馬市役所内で精査、市の施策に取り入れられるか検討している。

図3 人生100年時代のまちづくりワークショップ
図3 人生100年時代のまちづくりワークショップ
図3 人生100年時代のまちづくりワークショップ
(美馬市と徳島大学(次世代ひかりトクシマ・人と地域共創センター)が連携した
「人生100年時代プロジェクト」の一環)

 そのほかにも地元高校生に向けて、デザイン思考ワークショップやサイエンスカフェを提供しており、参加した高校生4名が、イノベーション創出手法に興味を持ち、徳島大学に進学し、後述の徳島大学 i.schoolに参画することとなった。

・徳島大学内にニーズ発イノベーション創出のための体制づくり
CO.TOKUSHIMAでは、イノベーション創出手法の中でも「イノベーションワークショップ」に力を入れて取り組んでいる。このワークショップの運営には、ディスカッションパートナー(以下DPという)と呼ばれるテーブルファシリテーターのような役割が必要不可欠である。徳島大学では、イノベーションワークショップ内製化のために、2019年から教職員に向けたイノベーションワークショップのファシリテーター養成を行い、現在7名のDPがいる。これにより、2021年度から大学の学部と大学院の授業へのイノベーションワークショップ導入が可能となった。本取組は大学が推進するイノベーション教育・アントレプレナーシップ教育と方向性が一致しており、連携して学部教育へ展開するために、令和4年度より専任ファシリテーターを徳島大学 高等教育研究センター 学習支援部門 創新教育推進班に特任講師として雇用し、「徳島大学 i.school」をスタートした。これにより、CO.TOKUSHIMAの機能を大学教育の中に取り込んで活用できるようになった。

3.4 徳島大学 i.schoolについて

 2022年4月に、一般社団法人日本社会イノベーションセンター(JSIC)が運営する東京大学発イノベーション教育プログラムである i.schoolの全国初の認可を受け、徳島大学 高等教育研究センター 学習支援部門 創新教育推進班の取り組みとして徳島大学 i.schoolをスタートした。
 この徳島大学 i.schoolは、「徳島」から日本や世界を変えるイノベーションを実現することを目指し、イノベーション創出プロセスを設計、実施できる人材を「徳島」において育成することを目的としている。講師は、JSICが認定する検定を取得した教職員4名が主となって年間教育プログラムを提供している。初年度である令和4年度は募集を上回る応募があり、面接での選定の結果、学部1年生から大学院1年生までの13名の学生を通年生として採用した。

図4 徳島大学 i.schoolキックオフセレモニー
図4 徳島大学 i.schoolキックオフセレモニー

 徳島大学生へ提供する年間教育プログラムでは、5つのワークショップを通して、新たな価値を生み出し、社会に大きな変革を起こす「イノベーション」を創り出すための思考プロセスを学び、新規性を生み出す手法の理解、新規性を生み出す手法を活用した新規アイデア創出、新規アイデアの評価とブラッシュアップのスキルを磨く。任意参加の教育プログラムであるが、一定の能力を取得したとみなされた参加者には修了証を発行する予定としている。
 また、徳島大学 i.schoolでは、年間プログラムの提供のほかに、CO.TOKUSHIMAで行っていた学内外へのワークショップや授業の提供を引き続き行う予定である。

 以上の様に、CO.TOKUSHIMAでは、「共創」を目的とした実に多様な取り組みを行っている。これらの取り組みに基づいて、イノベーション創出を活発に展開し、「創造的超高齢社会」の実現を目指していきたい。



「徳島大学におけるイノベーション ~多様な産学連携の推進~」
 4章:高等教育研究センター 学修支援部門 創新教育推進班(イノベーションプラザ)の活動(2)

 

徳島大学 研究・産学連携部 地域産業創生事業推進課
徳島大学 高等教育研究センター学修支援部門 創新教育推進班 徳島大学i.school

4.2 大学産業院における研究の事業化と起業人材育成

 地方大学である徳島大学のミッションは、「地域の発展への貢献と世界レベルの研究維持」である。このうち、世界の問題を地域から解決するとともに、研究成果の社会実装を実現するために、2018年4月に設置された組織が「大学産業院」である。大学産業院は、大学病院にモデルに設置された学長直轄組織で、大学内で特区的に活動している。大学病院は「疾患を予防し、治療するための教育・研究・臨床の組織」であるのに対し、大学産業院は、「世界の問題を解決するための教育・研究・産業の組織」と定義している。
 大学産業院には、産学連携活動を推進する学内外の研究者を集中的に伴走支援して、社会実装や大学発ベンチャー企業設立等を推進するための「研究開発事業部門」、新規産業の創出に向けた事業の企画立案や、社会と大学を結びつける企画の立案や連携協定の締結を進めるための「企画戦略部門」、起業意識・ビジネスマインドをもった学生・教職員の育成や、アントレプレナーシップ教育の推進やセミナー等の啓発活動を行う「教育・経営支援部門」があり、これらが学内関係部局と連携して活動することで、成果を迅速に事業化・産業化し、ひいては新しい研究・教育の在り方を示すことを目指している。
 さらに、大学産業院の取組みから芽吹いた起業人材のため、学内の人的・物的資源を基盤とした大学産業院教員の全面的な伴走支援により、徳島大学発スタートアップ企業を育成する「スタートアップ・スタジオ『U-tera(ユーテラ)』」(以下「U-tera」という。)を大学産業院内に開設している。U-teraでは、『地域に「新産業」を創出できる人材を地域社会へ』の理念を実現するため、事業創出支援に取り組んでいる。

4.3 U-teraの概要・取組と実績

 U-teraの考える”起業“とは、会社を起こす事だけではなく、やりたい事や好きな事、その”想い”を起こす事と定義している。未完成で抽象的な”想い”を支え、育むために、学内外のリソースを通じて、経営、資金調達、ものづくり等のあらゆる面からサポートすることを目的としている。このことはU-teraのシンボルに表現されている(図5)。U-teraのシンボルで表現されているものは「胎動」であり、中で回る赤い円は、”想い”を起こしたい学生や教職員、周囲の青い円は、それを支える子宮(大学、フェロー)を意味している。

図5 U-teraのシンボル
図5 U-teraのシンボル

 U-teraでは、毎週定時に相談会を実施している。相談者は、まずはそこで自身が持つ粗削りなアイデアを、U-teraスタッフとともにブラッシュアップし、実現イメージを構築することが可能である。実際に起業を目指すこととなった学生・教職員にはメンタリングを行い、実現可能なビジネスプランを策定していく。その後、策定したプランを基にプロトタイプの構築と評価を実施し、メンター及び各フェイズの担当者が法人設立、事業拡大の段階まで支援している。2020年度には49回、2021年度においては70回の相談を実施し、同期間の利用者数は延べ203人となっている。
 このような取組による成果も生まれ始めている。例えば、オンラインLIVEクッキングサービス “WORLD APRON”を運営している「World Resort」は、2019年度「とくしま創生アワード」ビジネスコンテストにおいて学生賞を受賞した。この”WORLD APRON”は「食の力で世界中の人々の心と身体を元気にする」をミッションに、参加者と世界中の国・地域のキッチンをビデオ通話で繋ぎ、一緒にその国の家庭料理を作り、食事をして異文化交流を楽しむサービスである。(2022年8月現在、新規事業準備のため休止中)

図6 オンラインLIVEクッキングサービス WORLD APRON
図6 オンラインLIVEクッキングサービス WORLD APRON
図7 オンラインLIVEクッキングサービス WORLD APRONで作ったルワンダの家庭料理
図7 オンラインLIVEクッキングサービス WORLD APRONで作ったルワンダの家庭料理

 また、シニアとネットの融合をコンセプトとし、高齢者の方がスマートフォンやタブレットを使いこなせるようになるための教育サービスを提供する株式会社GoFerは、2020年度「とくしま創生アワード」ビジネスコンテストにおいて特別賞を受賞した。
 これらが呼び水となり、U-teraの活動がますます活性化することで、本学からの新規課題解決型企業の誕生が増加していくとともに、学生や教職員の起業家マインドの醸成が促進されることが期待されている。

【5.まとめ】

 本特集号では、現在徳島大学で行われている、イノベーション創出に向けた、特色ある多様な取り組みついて、以下の4つの観点から紹介した。
1.地方大学・地域産業創生交付金事業における産学連携
2.徳島大学ポストLEDフォトニクス研究所の産学連携
3.CO.TOKUSHIMAの活動
4. 高等教育研究センター 学修支援部門 創新教育推進班(イノベーションプラザ)の活動
これらの活動に基づき、「キラリと光る徳島大学」として、冒頭で紹介した「次世代ひかりトクシマ」の実現に貢献できるよう、今後更に産学連携・地域連携に取り組んでいきたいと考えている。

執筆担当
1章国立大学法人 徳島大学 研究・産学連携部 地域産業創生事業推進課
2章国立大学法人 徳島大学 ポストLEDフォトニクス研究所(pLED)
3・4章国立大学法人 徳島大学 研究・産学連携部 地域産業創生事業推進課
国立大学法人 徳島大学 高等教育研究センター学修支援部門  創新教育推進班 徳島大学i.school



オリンパスとソニー、外科手術用内視鏡システム「VISERA ELITE III」を発売

オリンパス(株)は外科手術用内視鏡システム「VISERA ELITE III(ビセラ・エリート・スリー)」を、欧州、中東、アフリカ、アジア一部地域、オセアニアおよび日本で、2022年9月以降順次発売する。本製品は、同社とソニー(株)との医療事業に関する合弁会社であるソニー・オリンパスメディカルソリューションズ(株)が技術開発を担当した。

本製品は、がんなどの病変部摘出を目的に、腹部や胸部などに開けた数カ所の穴から外科手術用内視鏡と専用器具を挿入して行う手術(内視鏡外科手術)に使用する。従来機種である「VISERA ELITE II」と「VISERA 4K UHD」の機能を1つのプラットフォームで対応でき、医療現場のニーズに合わせて機能を選択拡充できるシステムである。これにより、医療現場の効率化と内視鏡外科手術の質の向上に貢献するという。

主な特長
1.4Kや3D、IR※1観察などの機能を1つのプラットフォームで対応
2.オープンプラットフォーム化により、院内の最適な運用をサポート
3.フォーカス自動調整と焦点深度の深化により、より高精細な画像取得に貢献

※1 インドシアニングリーン (ICG) という蛍光剤を投与して、近赤外光 (Infra-Red:700-780nmの波長の光)を当てることにより発生する蛍光を観察するための特殊光観察機能

発売の背景
内視鏡外科手術は、患者の身体への負担が少なく回復が早いなどのメリットから、日本では1990年代から急激に増加してきた。現在消化器外科をはじめ、胸部外科、泌尿器科、婦人科など、幅広い医療現場で行われている。同社は手技に応じたさまざまな観察性能のニーズに応えるべく、4K や3D、IR観察などの付加価値の高い機能を提供してきた。
同社は消化器科、泌尿器科、呼吸器科の治療領域におけるリーディングカンパニーとして、患者の診断から治療までの負担低減に貢献する技術の開発に努めている。
今回、ソニーの有する最先端のデジタルイメージング技術と、オリンパスがもつ光学技術や医療機器開発のノウハウなどの知見を活かし、ソニー・オリンパスメディカルソリューションズが製品の基本技術開発を行うことで、3社協業による第 3 弾の製品として発売する。本製品は、4K、3D、IR観察などの機能を1つのプラットフォームで対応可能とし、医療現場のニーズに合わせて、選択拡充が可能。これにより、医療現場の効率化と内視鏡外科手術の質の向上に貢献する。
なお、ソニー・オリンパスメディカルソリューションズの枠組みとともに、ソニーとオリンパスが協力した証として、「Innovation by Sony & Olympus」のロゴを製品に表示する。

ニュースリリースサイト(olympus):https://www.olympus.co.jp/news/2022/nr02388.html

3社共同モビリティ・ロボット・建物設備連携サービスを医療センターに実証導入

清水建設(株)、ブルーイノベーション(株)、オムロン ソーシアルソリューションズ(株)〔以下、オムロン〕の3社は、加賀市医療センターにおいて、病院設備と複数ロボットを連携させた清掃・案内・配送等のサービスの実証導入を実施した。

なお、本実証導入は、加賀市および3社が共同で内閣府から受託した「スーパーシティ構想の実現に向けた先端的サービスの開発・構築等に関する実証調査業務」として実施したもの。

本実証導入では、加賀市医療センターに清水建設の建物OS「DX-Core」とあわせて、ロボット制御プラットフォームとしてブルーイノベーションの「Blue Earth Platform(以下 BEP)」と清水建設の「Mobility-Core」 を導入した。BEPを介してオムロンの複合型サービスロボット「Toritoss」と清掃ロボットをDX-Coreと連携させ、各ロボットがセキュリティ自動ドアなどと連動して病院内をシームレスに移動しながら業務を行う実証に取り組んだ。また、Mobility-Coreを介してDX-Coreと連携させた配送ロボットと自動ドアの連携実証も併せて実施した。

その結果、ロボット導入による清掃業務・看護業務等の負担軽減の可能性を確認することができ、従来の人による業務に加えてロボットが提供するサービスを組み合わせた業務体制を構築することで、病院施設内のマンパワー不足への対応や、コロナウイルス禍における人との接触機会を抑制した安全な業務運営などを実現できることが確認されたとのこと。

■実証導入の背景と3社の取り組み 「デジタル田園健康特区」に指定された石川県加賀市では、加賀市医療センターなどを中心にAIやIoT、ロボットなどの先端技術を社会実装することで、様々な地域課題を解決するとともに、新たな産業創出を図ることで、市民生活の質の向上を図り、人口減少に歯止めをかけることを目的に「スマートシティ加賀」に取り組んでいる。

一方、清水建設とブルーイノベーション、オムロンの3社は、清水建設の建物OSとロボットやモビリティを統合制御する複数のロボットプラットフォームを組み合わせたロボット連携基盤の構築を共同で進めており、既に「ロボット清掃」や「ロボット案内」など複数ソリューションの実証運用を開始しているという。

プレスリリースサイト(blue-i):https://www.blue-i.co.jp/news/7622/

ライカジオシステム、AI機能搭載モバイルマッピングシステム販売

Hexagon傘下のライカジオシステムズ(株)は、人工知能、自律的なワークフロー、直感的なインターフェースを導入したリアリティキャプチャモバイルマッピングシステム Leica Pegasus TRK (以下Pegasus TRK) について、9月9日から日本国内で販売開始する。
この製品は従来製品と比べ非常に軽量なため、一人で作業でき、マッピングプロジェクトの効率と費用対効果を高めることが可能である。

Pegasus TRKは、人工知能の機能を活用しモバイルマッピングを変革する。ダイナミックレーザースキャニングと拡張可能なイメージシステムにより、環境のキャプチャ、測定、視覚化を行い、直感的で自動化されたガイド付きワークフローにより生産性を向上させる。Pegasus TRK はわずか18 kg(Leica Pegasus TRK 500 Neo)と非常に軽量なため、車両への搭載を含むすべての作業を1人で実行することが可能で、マッピングプロジェクトの効率と費用対効果を高めることができる。

セットアップ、操作、アプリケーションを簡素化しているため、初めてマッピングを行う作業員にも適している。ルートに沿った自発的なビジュアル&音声フィードバックにより、もはやデータ収集の失敗はしない。これによりこれまで以上に多くの人が、幅広い用途に向けて、デジタルツインの作成ができるようになる。同時に、信頼性の高い高品質の成果物は、測量、交通、公共事業など様々な業界の技術専門家のニーズにも応える。

Pegasus TRKは、AIを搭載したカメラと自動カメラキャリブレーションを特徴としている。また、個人情報保護の観点から、データ収集時にAIが人や車を識別し、リアルタイムで人や車などの識別可能な情報をぼかすことができる。高度な計測、データ効率の良いセンサ、適応型画像処理システムにより、豊富で臨場感あふれる詳細情報を活用できる。

Pegasus TRKは、建設物管理、道路建設、鉄道、重要インフラ、石油・ガス・電力産業などのアプリケーションで長距離のモバイルマッピングを可能にする。また、自律走行車のための高精細ベースマップの作成にも最適。GNSS信号が届かないエリアでは自動で起動するセンサの機能により、細部の見落としを防ぐことができる。環境条件に関係なく高品質な画像を得ることができるため、従来と比べて苦労のないモバイルマッピングを実現できる。

Pegasus TRKは、新しいパワフルなLeica Pegasus FIELDソフトウェアと接続し、現場で自律的かつ安全にデータ収集とルートプランニングを行うことができる。また、Leica Cyclone Pegasus OFFICEと接続し、後処理や出力処理にシームレスなワークフローを提供する。

■Pegasus TRK の特徴
・マルチコンステレーション GNSS 内蔵。
・IMUおよびSLAM技術内蔵。
・一人で作業が可能なユニークな回転チルト式マウントプラットフォームと人間工学を用いた設計。
・AI機能を活用したプライバシー保護内蔵。
・ほぼすべての車両に搭載可能。
・軽量(Pegasus TRK 500 Neo:18kg)。
・データ取得から処理、最終成果物までに対応するソフトウェア。
・必要に応じて拡張できる安全輸送モード付きバッテリーユニット。

ニュースリリースサイト(leica-geosystems):
https://leica-geosystems.com/ja-JP/about-us/news-room/news-overview/2022/09/jp_pegasustrk_launch

「空飛ぶクルマ」に関するドローンとヘリコプターを用いた実証実験に採択

テラドローン(株)は、大阪府主催の公募に対し、三井物産(株)、宇宙航空研究開発機構(JAXA)、朝日航洋(株)、小川航空(株)、(株)JR西日本イノベーションズと共同で、「エアモビリティ統合運航管理プラットフォーム事業」(注1) を提案し、事業採択された。

本実証実験で、2025年の大阪・関西万博をひとつのマイルストーンとして、「空飛ぶクルマ」の安全で効率的な飛行を実現する「空の道(運航管理システム)」をつくることを目的に、サービス構築と安全で効率的な飛行の実現に向けた取組みを加速させていくという。

■実施概要 本プロジェクトでは、将来的な都市部での空飛ぶクルマを活用した輸送サービスの提供を見据えた、多種多様な機体(空飛ぶクルマ・ヘリコプター・ドローン等)の安全で効率的な「空の道(運航管理システム)」を作ることを目的に、大阪府でヘリコプターやドローンを用いた実証実験を実施する予定。

昨年度の実証実験(注2)は有人機と無人機、空飛ぶクルマ運航管理システムの連携を実証したが、今年度はこれにドローンや空飛ぶクルマの離発着場となる「V-port」の使用状況等の情報を管理する「V-port運航支援ネットワーク」も加える予定。また、政府空域統制システムとの接続を想定した構成とする予定とのこと。

テラドローンは無人機運航管理システムに関わる領域を担当。大阪・関西万博期間中の平時・緊急時のシナリオを想定し、空飛ぶクルマを模したヘリコプターと、ドローン、ヘリコプターとがエアモビリティ統合運航管理プラットフォーム上で相互にデータを連携させる。加えて、大阪ヘリポートをV-portに見立て、V-portに関する情報共有も受けながら運航管理を実施する予定。

本実証実験を足掛かりに、平時の輸送サービスだけでなく、有事(災害対応や警備/警戒現場)での活用が見込まれる、多種多様なエアモビリティが同一の空域でも協調して安全な飛行の実現に不可欠な「エアモビリティ統合運航管理プラットフォーム」の整備に取り組むことで、日本におけるエアモビリティ前提社会の到来を牽引する民間事業者のパイオニアを目指して、事業を推進するとしている。

大阪府 HP リンク https://www.pref.osaka.lg.jp/energy/evtol/hojyokin-soratobu.html

(注1) エアモビリティ総合運航プラットフォーム:空飛ぶクルマ・ヘリコプター・ドローンなどの多種多様な機体の動態情報を集約し一元管理をするもの。
(注2)「Terra Drone、空飛ぶクルマ等、多種多様な機体が混在する世界実現に向けた “エアモビリティ統合運航管理”実証を大阪府で実施」 https://www.terra-drone.net/blog/page-10305/

ニュースリリースサイト:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000251.000020194.html

「Datachemical LAB」に製造プロセスデータを用いたAI予測機能が登場

 データケミカル(株)は、展開する化学のものづくりDXクラウドサービス「Datachemical LAB(データケミカルラボ)」にて製造プロセスデータを用いたAI予測機能を2022年9月8日よりリリースする。

〇プログラミング不要で製造プロセスデータをデータ解析・機械学習
 今回の新機能では、クラウド上で過去の製造プロセスデータからプログラミングなしにデータ解析・機械学習を行い、その結果をもとにオフラインで動作するデスクトップアプリを使用し、実際の製造プラントにてAI予測を行う。本機能を用いて、リアルタイムでの測定が難しい因子を随時推定するソフトセンサと呼ばれるシステムや、プラントの状態異常を検知するモデルを容易に構築し、実運用することができる。

〇大きな損失になり得る、製造プロセスでのリアルタイム制御の課題
 化学産業の製造プラントにて化学製品を安定量産するための道のりは容易ではない。化学プラントは様々な因子を制御しながら運転しているが、例えば温度や圧力はセンサにてすぐに測定でき、測定結果に基づいた管理が容易である一方、中間物の濃度や密度といった因子は測定に時間・手間が掛かるため、リアルタイムで管理することが難しく経験的に補う必要があり、量産化のためのプロセス設計に時間とコストが掛かる。また同時に制御すべき因子が増えれば、それぞれの相関関係の中で一つのプロセス異常がみえにくくなる問題がある。プラントのスケールが上がるほど、一度製造トラブルを起こすと損失は大きく、顧客への供給責任にも関わってくるため安定的なプロセス管理も大きな課題である。

〇機械学習の活用で製造プロセス設計・管理が効率化
 同社は、CTO金子弘昌(明治大学理工学部准教授)が運営するデータ化学工学研究室のプロセスインフォマティクスの知見をもとに、機械学習を活用し効率的に製造プロセス設計・管理が行える、ソフトセンサと異常検知の二つの新機能をDatachemical LABを通じて提供する。大手化学メーカーの実際の現場でも活用されている同研究室のAIプログラムをプログラミングなしに容易に扱うことができる。

 既にリリースしている分子設計・材料設計のデータ解析・機械学習機能と合わせて活用すれば、実験室での材料開発から化学プラントでの量産化までトータルでの開発スピード向上・低コスト化が期待できます。今後とも継続して機能を追加し、益々充実したデータサイエンス活用を行えるようにするという。

<新機能の特長>
・ソフトセンサによってリアルタイムでの測定が難しい因子を随時予測し迅速かつ効率的にプラント制御できる。
・異常検知によってプラントの異常発生を事前に予測し、トラブル前に対処できる。
・クラウド上で過去の製造プロセスデータを読み込み、プログラミングなしにソフトセンサ・異常検知の機械学習モデルの最適化検討が行える。
・クラウドでの検討結果をもとに、デスクトップアプリ内でモデルの設定を行い、新たなプロセスデータに対し予測を行う。
・デスクトップアプリはオフラインで動作するため、製造現場のネットワーク環境に左右されず安定的に使用できる。

ニュースリリースサイト:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000004.000099918.html