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超高感度CMOSセンサ搭載、東京大学の新観測システム「トモエゴゼン」が本格稼働

東京大学木曽観測所は、1974年の開設以来、口径105cmのシュミット望遠鏡を主力観測装置とし、国内外の天文学者が研究活動に活用してきた。新観測システム「トモエゴゼン」(左上写真)は、短時間に変わりゆく宇宙の姿を探求することを目的とし、天文用広視野動画カメラと人工知能ソフトウエア群から構成されている。キヤノンは2014年より、超高感度CMOSセンサを東京大学に提供し、開発に協力してきた。「トモエゴゼン」は2019年4月に完成し、半年の試験期間を経て、10月より本格稼働を開始するという。

「トモエゴゼン」の広視野動画カメラで使用されているのは、キヤノンの35mmフルサイズ超高感度CMOSセンサ。一辺19µm(マイクロメートル)の大きな画素により超高感度を実現しながら、画素が大型化すると増える傾向のあるノイズを低減している。このCMOSセンサを84台並べることにより、合計すると約1億9,000万画素で、20平方度※の超広視野を動画で観測することが可能とのこと。
 ※平方度とは、天文学において、空の広さを表すために用いられる単位。20平方度は、満月84個分の領域に相当。

ニュースリリースサイト(Canon):
https://global.canon/ja/news/2019/20190930.html

ニュースリリースサイト(東京大学木曽観測所):
http://www.ioa.s.u-tokyo.ac.jp/kisohp/NEWS/pr20190930/pr20190930.html

住民参加型実証実験にコミュニケーションロボット「BOCCO」が採用

ユカイ工学(株)は自社で取り扱うコミュニケーションロボット「BOCCO」が、KDDI総合研究所とふじみ野市のICTを活用した住民参加型実証実験に採用されたと発表した。

〔製品情報〕
製品名:BOCCO(ボッコ)
価 格:税抜29,000円
付属品:ACアダプター/振動センサ/両面シール/センサーストラップ/単4電池2本(振動センサ用)/取り扱い説明書
※使用にはWiFi環境が必要。

〔主な受賞歴〕
2015年度グッドデザイン賞受賞
2016年度キッズデザイン賞受賞
2017年度Amazon 知育・学習玩具大賞 ロボット部門賞

〔実証実験について〕(KDDI)
https://www.kddi-research.jp/newsrelease/2019/073001.html

▼BOCCO公式ページ
http://www.bocco.me/

触覚センサの研究開発動向とこれからの展開(1)

電気通信大学 名誉教授
下条 誠

1. はじめに

触覚センサの研究は、視覚、 聴覚と比べて遅れている1)。これは視覚、 聴覚センサが検出器レベルを過ぎ認識など情報処理レベルが主なのに比べ、まだ触覚センサは検出方式レベルの研究が多く、応用への取り組みが未開拓な感覚である。
触れることは人間にとって最も基本的な動作であり、物を掴んだり操ったりする動作では触覚の重要な役割がある。ロボティクス分野において、より高い機能の実現や安全性のため、触覚は無くてはならない感覚である。また人間において触覚は、コミュニケーション手段としても大切な役割を担っている。近年タッチパッド などで触覚を用いた操作が当たり前のようになってきた。このように、より直感的で使いやすい情報機器の利用には触覚は必要不可欠である。本解説では、触覚の役割とは何か、最近の研究開発動向、そして触覚センサに望まれる機能について解説を行う。

2. なぜ触覚か

最近の触覚技術への注目は、触覚の特徴を生かした次のような利用への期待があると考える(図1)。

(1) 触覚を付加することで、新たな価値を導入し、商品の差別化・高級化を図る。
(2)より自然なインターフェースを実現する。すなわち、視覚・聴覚・触覚の融合により、「見て、聞いて、触れる」、「見て触って操作する」ことを目指す。
(3)人工の皮膚を実現する。薄型で伸縮性のある触覚センサを実現させ、ヘルスケア、スポーツ、ゲームでの利用、ウェアラブルセンサなどIOT機器への応用を目指す。また触れて認識し、巧みな制御を行う人工の手を実現する。人工の手による巧緻な作業の実現は、これまで人間でしかできなかった各種作業を代替し、社会に革命的な展開をもたらす。

図1 触覚技術への期待と触覚の特徴

最近、触覚センサは大きな進展がみられる。センサ開発では、有機トランジスタなどを用いた印刷技術や、導電性高分子繊維などを用いた織物技術など、従来とは異なる技術を用いた「E-skin」2)3)、「E-textile」4)の研究開発が増えてきた。これらは従来にない薄型で伸縮性のある触覚センサを実現させ、印刷技術などで製造した安価なセンサの利用が進む可能性がある。これらの利用分野は、ヘルスケア、スポーツ、ゲームでの利用など従来分野とは異なる広がりを見せている。またロボティクス分野ではディープラーニングなどでの触覚の利用が増加している。これは多指ハンドによる巧緻な作業では、視覚と触覚の協調により、ロバストで、より高性能な操りが可能となるためである。

また、触覚を空間的に拡張する近接覚の開発が盛んになってきた。触覚は接触するまで検出できない。しかし、近接覚と統合することでセンサから離れた物体を検出できる。視覚は手前にある物体が背後にある物体を隠すオクルージョンの欠点がある。近接覚は、この欠点を解消し、接触して検知する触覚までをシームレスにつなぐセンシングシステムを実現する。

3. 触覚センサの構成

図2に触覚センサの構成を示す。センサは、1)接触力を電気量に変換する変換器(検出素子)、2)電気量の検出回路、3)信号・情報処理回路、4)信号伝送回路から構成される。
変換器は、外力による機械的構造の変形(歪み)を、抵抗、静電容量などの電気量に変換する。この変換部のみを狭義の触覚センサと呼ぶこともある。ロボットは厳しい電気ノイズ環境下で使用するため、センサ内部で信号処理を行い、ノイズに強い方式を用いて伝送する。これらの局所的情報処理はMPUなどを用いて局所的に実行し、適切な方式で伝送することが、S/N 比を高め、省配線化を進めるため重要である。

図2 触覚センサの構成

次週に続く-

参考文献

1) 五感情報通信技術に関する調査研究会報告書,
http://www.soumu.go.jp/main_sosiki/joho_tsusin/policyreports/chousa/gokan_index.html

2) T. Yang, D. Xie ,Z. Li, H. Zhu: Recent advances in wearable tactile sensors: Materials, sensing mechanisms, and device performance, Materials Science and Engineering: R: Reports, vol.115, pp.1-37, 2017.

3) M. Park, B. Bok, J.H. Ahn and M.S. Kim: Recent Advances in Tactile Sensing Technology, Micromachines, 9(7), 321,2018.

4) C. Gonçalves, A.F. da Silva,J. Gomes and R. Simoes: Wearable E-Textile Technologies: A Review on Sensors, Actuators and Control Elements, Inventions, 3(1), 14 ,2018.

【著者略歴】
下条 誠(しもじょう まこと)
1976年 東京工業大学 総合理工学研究科 精密機械システム専攻修了
1976年 通商産業省工業技術院 製品科学研究所
1985年 – 1986年 スタンフォード大学 客員研究員
1993年 通商産業省工業技術院 生命工学工業技術研究所
1997年 茨城大学工学部情報工学科 教授
2001年 電気通信大学 知能機械工学専攻 教授
2016年 東京大学 大学院情報理工学系研究科 特任研究員
現在に至る



専門分野
ロボティクス・メカトロニクス研究、特にロボットハンドと触覚センシングの研究を行っている。具体的には、視覚と触覚情報を補完する近接覚センシング、薄く柔軟なすべり覚センサの研究、これらセンサを取付けたロボットハンドの研究開発など。

超小形MEMS触覚センサによるヒトの触覚への挑戦(1)

立命館大学
情報理工学部 教授
野間 春生

1. はじめに

 俗に人間の五感といえば、一般的には目、耳、鼻、口、皮膚を介して感じる感覚、いわゆる視・聴・匂・味・触感覚である。
このなかで視・聴・匂・味感覚は身体上の特定部位で電磁波や空気圧、化学物質を検知する極めて特殊な感覚機能であり、筆者が大学でおこなうバーチャルリアリティの講義では、図1に示すように、この四つの感覚に加速度や回転速度を検知する平衡感覚を加えて五つの感覚を特殊感覚と分類する。そして、皮膚触覚、さらに腕や足の関節の角度から感じられる手足の位置姿勢や関節・骨格に作用する外力を感じる身体感覚、さらには、内臓の痛みや空腹などの内臓感覚をまとめて、一般感覚、あるいは、体性感覚と区別する。バーチャルリアリティでは、この体性感覚と特殊感覚の中の平衡感覚に関する感覚情報を用いたシステムを、Haptic(ハプティック)システムとよび、IEEE Haptics SymposiumやWorld Hapticsなどの規模の大きな国際会議やジャーナルを擁する一つの研究分野として確立している。

図1 感覚の分類

視聴感覚はその感覚受容器である目や耳の構造と機能の解明が進み、CCD素子やマイクとして人工感覚が再現されている。一方で、本稿で対象とする触覚は、皮膚表面に存在する機械的刺激受容器が発見され生理学的にその機能も解明されているが、人間の触覚機能を十分に模擬できる触覚センサの開発が未解決であり、必然的に、硬さ、粗さ、粘り、等の複雑な”感触”、いわゆる”触り心地”という高度な触認識機能の解明や産業応用にはいまだ十分には至っていない。本稿では触覚技術の実用化を目指して開発が進むMEMS触覚センサの開発について紹介しその可能性を示す。

2. ヒトの触覚の仕組みとその再現

 人間の皮膚表面の断面の模式図を図2に示す。

図2 ヒトの皮膚の機械受容器

皮膚には接触による機械的な刺激を検知する触覚受容器として、皮膚直下に分布するメルケル触覚盤とマイスナー小体、さらには、比較的深部に位置するルフィニ小体、パチニ小体、さらにこれに加えて、体毛の基部で体毛の動きを検知する毛胞受容体、さらには、痛覚や温覚にかかわる自由神経などがセンサであると言われている。
四つの機械受容器は特に応答する機械刺激と時間的な応答によって、それぞれが特徴的に反応する。いわば、これらが眼球の網膜における桿体や錐体などの光に応答する受容器に相当し、視覚における眼球に入射する光が最終的に映像として認識されるしくみと同様の処理が触覚でも成されていると考える。つまり、複数の機械受容器から得られる信号によって、豊かな触感覚や器用な物体操作の礎となる触覚が生成されるヒトの触覚モデルが構築される可能性が高い。生理学的見地からこれらの機械受容器がヒトの触覚において極めて重要な役割を果たしていることは揺るぎない。
しかしこのモデルは、極細い毛先で皮膚に触れて、単独の感覚受容器だけを微細に刺激した結果として、ぎりぎりで生じる触知覚の閾値での応答から構築された、極めて感覚原子論的なモデルといえる。要素分解された原子論的モデルは工学的には論理的である、つまり触覚センサの研究の応用として、先に述べた人間の持つ豊かな感触の中でも特定の機械的特性、例えば”表面粗さ”のみを計測するセンサを実現するならば、これらの感覚モデルに基づいて、その特性のみを計測するセンサの開発に繋げることはさほど困難ではない。
しかし、日常で我々がモノに触れるときには、広い接触面により大きな機械的刺激が作用しており、単独の感覚器をわずかに刺激する”閾値”よりも遙かに大きな”閾上”と呼ばれる状況にある。さらに、人間の触覚とは、機械的な皮膚の振動の知覚の組み合わせから、触れた対象物の”触り心地”として認知される極めて豊で広範囲な感覚であり、その仕組みは未だ十分に解明されていない。その一つの理由は、先に述べたように、人工的な触覚センサが、その計測能力やそのサイズ、実装密度の面で人間の触覚受容器を充分に模擬できていないためである。

以降では、このような背景において、ヒトを越えるための触覚を再現することを目指し、開発を進めているMEMS触覚センサ技術と、この触覚センサモジュールを神経ネットワーク構造に接続し、深層学習のアプローチを用いて人間のような感覚機能を実現する研究について述べる。

次週に続く-

謝辞
本稿のMEMSに関する図面は共同研究者である新潟大学寒川雅之准教授から提供を受けた。

【著者略歴】
野間 春生(のま はるお)
立命館大学 情報理工学部 情報理工学科 実世界情報コース
メディアエクスペリエンスデザイン研究室

1994年3月 筑波大学大学院 博士課程 工学研究科構造工学専攻修了 博士(工学)取得
1994年4月 株式会社国際電気通信基礎技術研究所 入社
2012年12月 株式会社国際電気通信基礎技術研究所 退社
2013年1―3月 Worcester Polytechnic Institute 客員研究員
2013年4月 立命館大学 情報理工学部 教授

学会役職
日本バーチャルリアリティ学会 理事(2019年−)

専門分野・研究テーマ
バーチャルリアリティ、触覚インタフェース、ウェアラブル&ユビキタスインタフェース

安全な協働ロボットのための壊れにくい力覚センサの開発(1)

埼玉大学 工学部
准教授 辻 俊明

1.はじめに

IoT技術の浸透により、実世界から集められたデータを利活用した新たなサービスが様々な分野で生み出されている。特に情報環境と実世界を繋ぐインタフェースは産業創出の要となる技術である。例えばスマートフォン等の普及により実世界から膨大な量の画像・音声データの収集が可能となったが、そのデータの利用によって初めて実現された新たなアプリケーションの例は枚挙にいとまがない。

一方、視覚や聴覚に並ぶ五感の一つである触覚についてはどうだろうか。何かに触れた時の力を感じ取る触覚を記録・再生するためのインタフェースとしてロボットが第一に挙げられる。2015年に公表された我が国のロボット新戦略1)では、ITと融合した、言わば情報環境と実世界を繋ぐデバイスとしてロボットを発展させる方針が示されている。また、近年協働ロボットが急速に市場を拡大するのにともない、人とロボットが一緒に作業を行うケースが増えている。そして人とロボットの協働作業を通じて技能運動のデータを集め解析する試みも始まっている。このように人と情報環境を繋ぐインタフェースとしてのロボットへの期待は大きいが、ここで鍵となるのは力計測の技術である。

図1に人と協働するロボットに広く用いられるコンプライアンス制御の概念図を示す。これまでに工場などで広く実用化されている位置制御のロボットとの最大の違いは力を検知し、その値をロボットの制御に反映させる力フィードバック制御が必要な点である。コンプライアンスとは柔軟性を表す言葉であるが、力を検知し、その大きさを調整することで硬いロボットが柔らかく制御される。多くの場合力は手先の力覚センサで検知されるが、関節に回転力(トルク)を計測するセンサを実装することで、体のどこに触れても柔軟な動きを実現できるロボットも開発されている2)

このような制御によって協働ロボットの安全性は高められるが、実用で運用しようとした場合には故障のリスクが深刻な課題となる。図1で示したようなコンプライアンス制御系で力覚センサが故障すると最悪の場合にはロボットが暴走し、人に危害を加える恐れがあり、そのリスクがロボットにおける力制御技術の浸透を妨げている。人とロボットが共存する社会を築くためには力覚センサの安全性は避けて通れない課題であるため、本解説では壊れにくい力センサの開発事例を紹介する。

図1 ロボットの制御系

次週に続く―

参考文献

*1) 「ロボット新戦略」ロボット革命実現会議(2015)
*2) G. Hirzinger, et al. “On a new generation of torque controlled light-weight robots.” in Proceedings of the International Conference on Robotics and Automation (ICRA2001), pp. 3356-3363, 2001.

【著者略歴】
辻 俊明(つじ としあき)

1978年7月9日生。2006年3月慶應義塾大学大学院理工学研究科総合デザイン工学
専攻後期博士課程修了。
同年4月 東京理科大学工学部第一部機械工学科嘱託助手。
2007年4月埼玉大学工学部電気電子システム工学科助教。
2009 年10月から2015年3月までJSTさきがけ研究員を兼任。
2012 年3月より埼玉大学工学部電気電子システム工学科准 教授、現在に至る。

2018年度,2019年度日本ロボット学会理事。再生医療とリハビリテーション学会
理事。博士 (工学)。

2006年度,2007年度ファナックFAロボット財団論文賞等を受賞。主として力覚センシングとその信号 処理に関する研究に従事しており、リハビリ支援ロボット,モーションコントロール技術に応用している

薄型荷重センサの紹介

藤倉コンポジット株式会社

藤倉コンポジット株式会社は、1901年のゴム引布の製造開始から、118年間、異なる技術の複合化による製品開発とその製造を行ってきた。
今回ご紹介する薄型荷重センサは、この歴史の中で培った製造技術の応用によって生まれた、厚み0.3mm(金属板有り1.3mm※1)の荷重センサであり、2020年販売が予定されている。このセンサは、現在主流になっている3種の薄型荷重センサ、静電容量型・圧電型・抵抗型のうち、抵抗型に属するもので、その特徴は、薄型・小型・軽量に加え、1kgf未満の低荷重領域および、10kgf〜100kgfといった高荷重領域での測定を得意としていること、一般的に薄型荷重センサの課題とされる、粘弾性的挙動や、繰り返し荷重の測定間ばらつきを最小限に抑える設計としていることである。

本製品は、荷重測定によって、ものづくり全体を支援することを意図して開発されたものである。上記の特徴を生かすと、例えば生産現場での製造装置の機差の評価、製品開発で構造物に実際に掛かる荷重の確認、感覚の数値化など、通常ロードセルを設置できない狭小環境下などでの荷重測定が可能となり、その測定データを、製品評価だけでなく、日常的に様々な形で起こる荷重起因の課題解決の糸口として活用することが出来る。

昨年のセンサエキスポ2018に出展以降、上記のようなものづくりの現場で日常的に起こっている荷重現象を、簡単に数値化したいというご要望を多く頂き、製品コンセプトは、技術者が普段の測定業務と同じ感覚で、センサのみを変えれば測定できるような荷重センサとしている。センサの仕様は別表に示すが、基本的には、荷重検知を行うセンサ素子と、シグナルコンディショナのセットで、5V電源で荷重を0〜5Vのアナログ信号によって出力するものとなる。使用する際は、普段使用しているデータロガーのアナログ入力端子にシグナルコンディショナからの出力線を接続するのみで測定が可能であり、このセンサを用いることで、いままで見ることのできなかった領域での荷重測定を手軽に行えるようになる。

現在、多くのお客様に薄型荷重センサをご試用・ご評価頂いているのと、弊社内の製造設備でも、このセンサの有効性を確認しているところである。社内検証においては、荷重を加える装置の機差の評価や、その差を埋めるための対策検討に効果を発揮することを確認している。

9月11日から9月13日に東京ビックサイトにて行われたセンサエキスポ2019でも薄型荷重センサを出展し、多くの反響をいただいた。今回開発のアイテムは測定用の機器となり、それ自体の課題は、さらに高荷重および低荷重な荷重領域への対応及び、粘弾性的挙動のさらなる抑制である。

一方で、薄くて軽く、直接荷重を測れるという特徴は、IoT機器や、形状的な凹凸の影響、重量増加などを嫌う構造物での荷重測定用途と高い親和性を持つ。そのため、今後はセンサを組み込んだ機器装置の企画開発も展開して行きたい。

表1 薄型荷重センサの主な仕様 ※2※3
低荷重用センサ 大荷重用センサ
荷重範囲 10gf-500gf 10kgf-100kgf
寸法 素子 33.5mm×22.mm0×0.3mm 33.5mm×22.mm0×0.3mm
ケーブル 1.8m 1.8m
回路 46mm×29mm×12mm 46mm×29mm×12mm
定格電源 DC5V DC5V
定格出力 5V 5V
線形性 10%R.O.
定格容量 100kgf
許容過負荷 500%R.C. 500%R.C.
限界過負荷 1000%R.C. 1000%R.C.
精度 ±10% F.S.

※1 検知部上部の金属板を用いると、より正確に荷重を定測定出来る。圧力測定や、定性的な評価、検知部面内に一様な荷重がかかる場合は金属板を必要としない。
※2 一部は測定中の項目
※3 仕様は開発中のものであり、今後変更となる可能性があります。

図1 荷重センサ
図2 センサエキスポ2019のデモの様子

藤倉コンポジット株式会社
技術開発グループ 撰 隆文
TEL 048-794-2505 FAX 048-794-2618
https://www.fujikuracomposites.jp/

True-solid-state型マルチビーム方式LiDARの新モデル「XenoLidar Intercity」

(株)東陽テクニカは、ADAS(先進運転支援システム)/自動運転システム向けLiDARの開発・製造を行うXenomatiX N.V.(以下 XenomatiX社)製の周辺環境計測システム「XenoLidar Intercity」を2019年9月26日に販売開始すると発表した。

「XenoLidar Intercity」は2018年9月より販売している 「XenoLidar Highway」の視野角を広げた新モデルで、自動車などに取り付け、レーザーを照射し反射光を検知することでより広範囲の周辺環境を測定することができる高精度な光学センサ。前身機の「XenoLidar Highway」は 世界で初めて※LiDARにマルチビームを採用したTrue-solid-state型マルチビーム方式のLiDARで、可動部分と回転機構を持たないため壊れにくく、設置場所の自由度が高いという特長があり、その利点は 「XenoLidar Intercity」にも引き継がれているという。本製品は無人搬送車(AGV)システムへの応用、人や物の監視といったセキュリティ分野への応用も期待されるとしている。
 ※東陽テクニカ調べ。2019年9月18日時点

【「XenoLidar Intercity」の特長】
◆True-solid-state型︔
 可動部分、回転機構を持たないため、小型で壊れにくく、設置場所の選択肢が広がる
◆3D点群データと2D実映像のリアルタイム取得︔
 2つのデータ取得によって、対象物の高精細な判別が可能
◆視野角(横方向 × 垂直方向) 60°×20°︔
 「XenoLidar Highway」の30°× 10° に比べレーザーの本数が増えたことで広い視野角を実現
◆マルチビーム方式︔
 350,000点/秒(20Hzデータ出力)と高速で高空間分解能な計測が可能

ニュースリリースサイト(東陽テクニカ):
https://www.toyo.co.jp/files/user/corporate/doc/release/190926_xenolidar_intercity_67152.pdf

園芸アプリケーションに関するウェブページを開設、植物栽培におけるLED、センサ、IoT活用を紹介

ネット販売商社のマウザー・エレクトロニクス(以下: マウザー)は、通販サイト(mouser.com)内に園芸アプリケーション・サイトを開設し、屋内外の先進植物栽培システムの開発に役に立つ各種設計リソースの提供を開始したと発表した。この新サイトでは、急成長しているさまざまな植物栽培システムに関する最新の各種リソースを一箇所に集めて紹介しているとのこと。

Mouser.comに新設された園芸アプリケーション・サイトは、園芸システムや小規模農業システムの開発に関心のあるエンジニアに向けて、各種リソースを掲載しており、アプリケーションセクションでは、園芸用照明の概要を紹介し、推奨電子部品による詳細なシステム図を掲載している。システム図の各ブロックをクリックすると、LEDとLEDドライバ、熱伝導性基板、ヒートシンクなど、利用できる電子部品の一覧が表示される。また、このアプリケーションセクションでは、園芸用LED各色をビジュアルで表示しており、各色をクリックするとマウザーで購入可能な対応製品へとリンクされる。

注目製品セクションでは、LED、センサ、組み込みソリューションなど、園芸システムに使用される重要な電子部品を掲載している。掲載製品には、OSRAM Opto Semiconductors DURIS® S 5 園芸用LED、Bosch BME280湿度・気圧センサ、Microchip Technology AVR-IoT WG評価ボードをはじめ、多数のソリューションがある。

記事セクションでは、園芸システムに関する主要なトピックを取り上げた特集記事へのリンクを紹介している。特集記事には、Microchip Xplainedボードを使用した、センサベースのモニタリングプラットフォームを紹介する“A Smarter Green Thumb(園芸をよりスマートに)”、照明とデータ転送を同時に実現するLEDとLi-Fi技術について解説する“LEDs and Li-Fi Brighten the Future of Connected Lighting Systems(LEDとLi-Fiがコネクテッド照明システムの未来を照らす)”など、ソリューションベースの記事を掲載している。

リソースセクションでは、園芸アプリケーション向けデバイス選びや考慮点に関してエンジニアの役に立つ、各メーカーのアプリケーションページやホワイトペーパーなどへのリンクを紹介している。さらに、受賞歴のあるマウザーのビデオプログラムEmpowering Innovation Together™ のシリーズ「よりスマートな都市をつくろう」の中のビデオも配信している。ビデオでは、著名なエンジニアであるグラント・イマハラ氏が東京を訪れ、従来の屋外農場よりも電力消費を40%削減し、99%の節水につながる屋内垂直農場について紹介するという。

※商標
MouserおよびMouser ElectronicsはMouser Electronics, Inc.の登録商標。その他記載されているすべての製品名、ロゴおよび会社名は、それぞれの所有者の商標である場合あり。

園芸アプリケーション・サイトの詳細(Mouser):
http://www.mouser.com/applications/horticulture-applications

精密農業・土地管理用ドローン「P4 MULTISPECTRAL」を発表

DJIは、精密農業と環境管理を目的に設計された、世界初の完全統合型マルチスペクトル イメージングドローン「P4 MULTISPECTRAL」を発表した。

P4 Multispectralは、6つの個別のセンサからの取得データを組み合わせて、それぞれの作物から圃場全域の植生まで健康状態を調べ、さらに雑草や害虫被害、土壌の状態なども測定する。農業ドローン市場は、2019年の12億ドルから、2024年までには48億ドル[1]に成長すると予測され、P4 Multispectralを用いて、農業従事者は収穫量を改善し、コストを削減でき、環境の専門家は管理する土地の植生を簡単にモニタリングできるようにする新しいツールだという。

〔高精度マルチスペクトル画像〕
P4 Multispectralは、RGBカメラ1台とレッドエッジや近赤外線など5種類の狭帯域センサを備えたマルチスペクトル カメラアレイで構成されるジンバル安定化画像システムを搭載し、可視光および不可視光を捉えることができる。このデータにより、熟練の専門家は、植生のストレス状態、土壌組成、水中塩分や汚染に関する独自の情報を得ることができ、さらに、統合型日照センサより、1日の異なる時間帯に飛行するミッションの際のデータ収集の精度と一貫性が、最大まで向上するとのこと。

飛行計画アプリDJI Ground Station Pro(DJI GS Pro)へのシームレスな統合により、パイロットは、ドローンのRGBカメラのリアルタイム動画表示と、正規化差植生指数(NDVI)出力を切り替えて、現場ですぐに洞察データを確認できる。一体型のRTK測位モジュールとTimeSyncシステムは、各画像のリアルタイムで正確な測位データ取得をサポートし、写真測量結果を最適化することで、cmレベルの正確な測定値を提供するとしている。

〔販売価格〕
P4 Multispectralの販売価格は以下のとおり。米国、カナダ、中国、オーストラリア、日本、イギリス、および欧州連合で、P4 Multispectralを購入すると、追加費用なしで1年間のEnterprise Shieldベーシックが付属する。
●DJI Terraライセンス(1年間)とDJI GS Pro(Team-Professional)iPadアプリライセンス(1年間)が付属し、約85万円(税込)。
●D-RTK 2高精度GNSSモバイルステーションが付属し、約120万円(税込)。

[1] Markets and Markets, Agriculture Drones Market Report, May 2019 – https://www.marketsandmarkets.com/Market-Reports/agriculture-drones-market-23709764.html

製品サイト(DJI):https://www.dji.com/jp/p4-multispectral

ロボットレンタルサービス「RoboRen」パワードウェア「ATOUN MODEL Y」の取り扱いを開始

オリックス・レンテック(株)は、本日より、(株)ATOUNが開発したパワードウェア 「ATOUN MODEL Y(アトウン モデル ワイ)」の法人向けレンタルサービスを開始すると発表した。取扱いは同社の次世代ロボットレンタルサービス「RoboRen」とのこと。

パワードウェア「ATOUN MODEL Y」(写真)は、床面付近から腰の高さ程度までの物の持ち上げや下に降ろす際に、腰の負担を軽減する着用型ロボット。軽量なカーボン樹脂製で、リュックサックのように背負い、腰と両脚をバンドで固定して装着する。内蔵する角度センサが体の傾きを感知し、モーターによって腰と両脚をつなぐバーが引き合ったり、突っ張ったりすることで腰の曲げ伸ばしを補助する。中腰の作業では、バーが自動で固定されるため、荷物の積み下ろし作業による腰への負担が軽減できる。1回の充電で約4時間稼働し、最大10kgの重量をアシストするという。

「RoboRen」の「6カ月お試しレンタルパック」では、月額61,600円~(税別)のレンタル料金。
今回の機種追加により、「RoboRen」の取り扱いロボットのラインアップは19メーカー、40機種。

空港業界においても、関西エアポート(株)では、旅客需要の拡大にともなう貨物量増加への対応を目的として、本製品のレンタル導入することを決定。関西国際空港においてパワードウェアの導入は初めてとのこと。

関連サイト「RoboRen」:https://www.orixrentec.jp/roboren/