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24GHz FMCW MIMOレーダーを用いたバイタルセンシング(1)

アナログ・デバイセズ(株)
リージョナルマーケティング
高松 創

1 はじめに

バイタルセンシング技術は、多くのセンサ方式が提案されている。特にヒトを対象としたバイタルサインモニタリング(VSM)は、従来の医療機器としての利用から、未病や高齢者介護などのモニタリングへの応用が広がりつつあり、それに伴い、研究開発が盛んに行われている分野である。

身近なアプリケーション例としては、スマートウォッチなどが普及している。心拍数(最近は心電も取得可能な製品も存在)、歩数、皮膚温度などのバイタルサインを継続的にモニタリングすることが可能となり、個人の健康管理だけでなく、医療分野での応用(1)も行われ、注目を集めている。

しかしながら、スマートウォッチで使用されている多くのセンサ(表1)は、利用者の皮膚に常に密着しておく必要があり、これが負担となって継続的なモニタリングが難しいケースも多く存在する。

表1 スマートウォッチに搭載されているバイタルセンサ

対象バイタルサイン 使用センサー技術
心拍、酸素飽和度 光学式心拍センサ(PPG)
心電 心電センサ(ECG)
体組成/体脂肪 生体インピーダンスセンサ
体温 温度センサ
睡眠/活動量 加速度、角速度、重力センサ

このような背景もあり、近年はモニタリング対象者に負担の無い、非接触によるバイタルセンシング技術の研究や製品化が進んでおり、そこで使用されるセンサも多様化(表2)している。本記事では、非接触型バイタルセンサの中で、特にマイクロ波/ミリ波センサについて説明をしていく。

表2 主な非接触型バイタルセンサ方式

センサー方式 特徴
カメラ 画像処理で体表(顔面)の血流変化から心拍を推定
ToF 胸部の動き検知から呼吸を推定
レーダー(マイクロ波/ミリ波) 体表の呼吸と心拍の動き検知から、心拍と呼吸を推定
レーダー(ミリ波/テラヘルツ波) 人体の黒体放射の検知から体温を推定

2 マイクロ波/ミリ波センサ

マイクロ波/ミリ波センサは、一般的にはレーダーと呼ばれており、その技術は75年以上も前に誕生した原理自身は古いものである。第二次世界大戦時に、航空機・船舶用に実用化が進み、その技術も大きく進化した。現代では軍用に限らず、民間の航空・船舶管制、気象、速度検知(スピードガン)、ADAS(先進運転支援システム)、AD(自動運転)など多くの民生アプリケーションでの利用が広がっている。

どのようなアプリケーションにおいても、レーダーの基本原理は同じで、送信機から発射された電磁波が対象物に当たり、反射した電磁波を受信増幅して、専用の信号処理アルゴリズムを適用することにより、対象物の距離、速度、大きさなどを検知する(図1)。なお、一般的に産業用途で使用されるレーダーは自身が信号を発信し、自身で反射信号を受信するが、自身が信号を発信しない、第三者の発信した信号を利用するバイスタティックレーダーや、黒体放射(温度を持つ物体から放射される微弱電磁波)を受信するパッシブレーダーなども存在する。

図1 レーダーの基本原理

3 マイクロ波/ミリ波による非接触型バイタルセンシング

マイクロ波/ミリ波によるバイタルセンシング(以下レーダーVSM)の原理は、これまで説明したレーダーと同様に、センサが電磁波をヒトに送信(放射)し、体表で反射した後、センサが受信した反射波に含まれるバイタル情報を信号処理で抽出している。(図2)

図2 レーダーVSMの基本原理

レーダーVSMの原理は、歴史的には1979年のIEEE Transactions on Microwave Theory and Techniquesにて、J.C. Linがマイクロ波で心拍を測定できることを報告(2)しており、昔からその可能性は知られていて、現在も多くの研究論文が提出されている。近年は半導体の集積技術や微細化が進み、ADASレーダーのようなアプリケーションが普及し、そこで使われたレーダーMMICが誰でも利用できるようになった背景もあり、レーダーVSMの研究開発が活発になってきている。

バイタルセンシング技術では、医療機器として確立された技術が既に存在しており、そのデータは医学的な信頼性も高いものである。一方、レーダーVSMはアプリケーションとしては新しい技術で、現在はモニタリング用途で使用されることにとどまっているが、より高精度なバイタルセンシング信号処理アルゴリズム研究が進んでおり、将来は医療器としての利用も期待されている。

表3に、従来のバイタルセンシング技術とレーダーVSMの比較を示す。レーダーVSMは体表に生じる心拍と呼吸由来の微小変位を測定しているため、心拍と呼吸の両方を非接触で測定することが可能である。また、電波が衣服を透過するため、対象者の特定の負荷を要求することが無い。さらに、レーダーが得る情報はカメラのように個人を特定する個人データを得ることができないので、プライバシーに注意が必要な場所(例えば浴室)でのモニタリングも可能である。

表3 レーダーVSMと従来のバイタルセンシング技術の比較

  レーダー オプティカル(PPG) エレクトロード(ECG)
測定物理量 体表の微小変位 体組織の吸光度 体組織内の電気信号
非接触センシング 可能 不可 不可
常時モニタリング
(ストレスフリー)
極めて良い 良い 悪い
心拍数検知 可能 可能(医療器レベル) 可能(医療器レベル)
呼吸数検知 可能 不可 可能
位置検知 可能 不可 不可
体動補償(エラー値補正) 要アルゴリズム開発 要アルゴリズム開発 要アルゴリズム開発
複数対象の測定 可能(要MIMO方式) 不可 不可
耐環境性
(測定性能への影響要因)
極めて良い 普通(環境外乱光) 普通(発汗)
服や布団の透過 可能 不可 不可

4 FMCW方式によるレーダーVSMの実現

以降では、アナログ・デバイセズによる、レーダーVSM機器の開発事例とそこで得られるデータの特徴などを見ていく。先ずは、今回採用したレーダー方式の説明をし、その後、実機を使った実験結果を説明する。

レーダーは、その信号処理方法により、複数の方式が提案されている。ここでは、私たちが採用した、ADASレーダーなどでも使用される、FMCW(のこぎり波)方式について説明する。他にも、FMCW(三角波)パルス方式、CW方式などが普及しているが、ここでは説明を割愛させて頂く。

FMCW(のこぎり波)方式は、送信信号の周波数を掃引(スイープ)している。この送信波が対象から反射して戻ってきた受信波と、自身が発した送信波の周波数差から距離が分かり、複数掃引波の位相変化から速度が分かる。なお掃引信号をFMCWレーダーでは、チャープ信号(チャープは鳥のさえずりの意味)と呼んでいる。

図3に、青色の送信波、オレンジ色の受信波があり、送信波と受信波の周波数差をビート周波数(fb)と呼ぶ。FMCW(のこぎり波)方式のレーダーは、このビート周波数を見ることで、距離と速度が分かる。図3から分かるように、レーダーと車の距離が遠い場合と近い場合ではビート周波数が変化し、この結果、ビート周波数から距離を算出することが可能になっている。

図3 FMCW(のこぎり波)方式の距離測定原理

速度は図4に示すように、複数のチャープ信号のビート周波数の位相変化から算出が可能である。FMCW(のこぎり波)方式のレーダーVSMは、この速度情報からバイタルセンシングを実現している。また、この速度は体表に生まれる呼吸と心拍由来の速度を意味している。

図4 FMCW(のこぎり波)方式の速度測定原理

レーダーVSMにおいて、距離情報ではなく速度情報を使う理由は、そこで得られる分解能による。一般的にレーダーの距離分解能は占有帯域幅依存で、これは電波法などの規制によって決まる。一方、速度分解能は観測窓時間依存なので、占有帯域幅に依存することなく、高分解能化が容易である。ここで観測窓時間は複数のチャープ信号数を意味しており、高速チャープ送信を行うことで、速度分解能を上げることができる。

特に、ヒトの体表に発生する心拍由来の振動は、振幅が1mm以下の微小な振動(3)になる。これは、今日もっとも高精度なミリ波レーダーの距離分解能(79GHzミリ波レーダーで約4cm)でも測定が困難であり、レーダーVSMでは速度で測定を行うことが一般的である。

・距離分解能:占有帯域幅に依存
・速度分解能:観測窓時間(=複数のチャープ信号時間)に依存

5 外乱ノイズの除去と複数人同時計測

レーダーVSMは、体表に発生する振動(速度)情報を利用している。これは、設置環境において、ヒト以外に振動する物体が共存する場合、外乱ノイズが生じる問題となる。例えば、部屋に設置されたレーダーVSMセンサのFOV(視野)内に、ターゲットとなるヒトの傍にファンなどが存在した場合、ファンの振動が外乱ノイズとして作用し、正しいバイタルデータが取得できなくなる。この対策としては、FOVを狭くすることでターゲットを絞り込むことが行われるが、FOVは狭くなり、検知範囲がスポット(点)のようになってしまうトレードオフがある。(図5)

図5 レーダーバイタルセンシングにおける外乱ノイズ

FOVを犠牲にすることなく、このような外乱ノイズを除去するもう一つの方法に、受信波の到来方向推定技術を利用する方式がある。これは、送受信が複数で構成されるMIMOレーダーを使うことで実現する。MIMOレーダーを使用することで、ヒトとファンのデータを信号処理で分類することが可能になり、特定方向にいる対象者(ヒト)だけを選択的にモニタリングすることが可能となる。このMIMOレーダーの特徴(方位方向の信号分離)を積極的に利用することで、複数人のヒトのバイタルセンシングを同時に行うことが可能になる。なお、MIMOレーダーにおける角度方向の分解能は、一般的にはMIMOチャネル数を増やすことで向上していくので、MIMOチャネル数を増やすことで、より多くの対象を測定可能である。(図6)

図6 MIMOレーダーによる外乱ノイズ除去と複数人測定への応用

次回に続く-

参考文献

1) Accuracy of the Apple Watch 4 to Measure Heart Rate in Patients With Atrial Fibrillation, Dhruv R. Seshadri et.al., IEEE Journal of Translational Engineering in Health and Medicine Volume: 8, December 2019

2) Microwave Apexcardiography, J.C.Lin et.al., IEEE Transactions on Microwave Theory and Techniques Volume: 27, Jun 1979

3) Chest movement estimation from radar modulation caused by heartbeats, Øyvind Aardal et.al., 2011 IEEE Biomedical Circuits and Systems Conference (BioCAS), November 2011

【著者紹介】
高松 創(たかまつ はじめ)
アナログ・デバイセズ株式会社 リージョナルマーケティング

■略歴
1994年     東京工業大学 総合理工学研究科 システム科学専攻 修士課程修了
1994~2011年  半導体メーカでIC設計およびアプリケーションエンジニアとして従事
2011年より、アナログ・デバイセズ社で、プラットフォームの研究開発に従事し、現在に至る

腕と腰を同時にアシストできる新パワードウェア「ATOUN MODEL Y + kote」

(株)ATOUNは、日本国内向けに、腕と腰を同時にアシストできる着用型ロボット「パワードウェア」(※1)「ATOUN MODEL Y + kote」の受注受付を2020年8月3日から開始する。出荷開始は2021年1月を予定しているという。

「ATOUN MODEL Y + kote」はATOUNが開発・提供する腕と腰の両方をアシストできるパワードウェア。
腰をアシストするパワードウェア「ATOUN MODEL Y」(※2)に、腕をアシストするパーツ「kote」を搭載したモデル。腕のアシストは、重量物を持つ動きを指先に取り付けたセンサで感知し、肩付近のモーターによってパワーを調節しながらワイヤーを巻き上げ、手首を引き上げることで実現。フレームレスで人の自由な動きを妨げず、現場の多様な作業に対応している。ワイヤーを用いたフレームレスな腕のアシスト機器の量産化は世界初(ATOUN調べ)。
防塵、防水機能に関しては国際保護等級IP44相当で、農業や建設、災害復旧などの屋外作業時の小雨環境下でも活用されることを想定している。kote搭載のベースとなる腰用パワードウェア「ATOUNMODEL Y」のキャンペーンを今回の受注開始に併せて実施する。(※詳細はメーカーもしくは販売店へお問い合わせのこと)

*仕様(2020年7月末時点)
・アシスト力(MAX値):腕12kgf(片腕6kgf)+腰10kgf
・防塵、防水機能:IP44相当
・稼働時間:約2.5時間(メーカー基準)

※1「パワードウェア」:あうんの呼吸で人間のパワーを引き出す、ウェアのように軽い「着るロボット」。
※2「ATOUN MODEL Y」:ATOUNが開発・販売する腰用のパワードウェア。

プレスリリースサイト(ATOUN):
http://atoun.co.jp/wp/wp-content/uploads/2020/08/atoun_release_200803.pdf

野菜栽培に必要な6つのセンサを搭載したアグリセンサ『grow CONNECT』

スタートアップであるプランティオ(株)から、このたび、野菜栽培に必要な6つのセンサを搭載したアグリセンサ『grow CONNECT(グロウ コネクト)』が登場。
8月1日(土)AM11時より、クラウドファンディング「Makuake」サイトにて数量限定で先行発売を開始した。

COVID-19の影響で自ら野菜を育てる人が増えているが、一人一人が野菜を育てることはその第一歩であり、プランティオでは、ご自宅のベランダやビルの屋上、マンションの一室などを畑にして、野菜がいつでもどこでも誰でも育てられるサービス『grow』を展開している。『grow CONNECT』は、その『grow』というサービスのコアとなるアグリセンサである。

■『grow CONNECT』の機能
□土壌温度計と土壌湿度計
土壌の温度を積算で計算することで発芽などのタイミングを予測、また土壌の湿度も計測可能で水やりのベストなタイミングをお知らせ。
□日照センサ
育てている野菜に対して日照が足りているか?を分析し教える。また、同じ野菜を育てている人と比べて自分の育てている環境の日照が足りているのか?などのアドバイスも行う。
□外気温センサと湿度センサ
実際に野菜が育っている“その場所“の気温と湿度を計測し、その野菜に適切かどうかをアドバイスしてくれる。
□195°広角カメラ
野菜栽培で最も重要な発芽時から約120cm程度の丈まで育っても見守れる広角のレンズを搭載。野菜の一生を記録できる。
<コンシューマー向け野菜栽培オペレーティングシステム『grow OS』を搭載>
“的確な栽培アドバイス“を実現するコンシューマ向け野菜栽培オペレーティングシステム『grow OS』。Crowd(群衆)からクラウドにアップロードされたデータを位置情報・天候情報と補完しAIが解析。栽培する位置情報から逆算し栽培を予測。ユーザーが増えれば増えるほど学習・進化するAIを搭載している。

■『grow CONNECT』製品概要
・本体サイズ:w55.4*d119.3*h219.8mm
・重量:185g
・カメラ:3MPixel
・撮影頻度:3回/日
・センサ種類:6種
・センサ測定頻度:1回/時間
・連続駆動時間:約2か月(使用環境による)
・充電時間:約3~4時間
・対応アプリ:grow GO(Android8.0以上/iOS12以上)

ニュースリリースサイト:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000018.000035570.html

福岡市水道局と『IoTを活用した水道設備点検の実証実験』の開始

ウィットシステムズ(株)は、東亜建設技術(株)およびコネクシオ(株)とともに、福岡市水道局と『IoTを活用した水道設備点検の実証実験』に関する共同実証実験の協定を2020年7月9日に締結した。
この実証実験は、定期点検や稼働時間による従来の予防保全(TBM:Time Based Maintenance)から、機器の劣化傾向を管理する予兆保全(CBM:Condition Based Maintenance)を実現しようとするものという。

■実証実験の概要
実証フィールド: 四箇送水ポンプ場(送水ポンプ)
実証期間: 2020年7月 ~ 2021年3月
実証実験内容:
・ワイヤレス(LoRa)振動センサを設置し、振動解析による機械要素の予兆保全を実施
・電源供給ケーブルに絶縁劣化センサを設置し、電気要素の予兆保全を実施
・計測データは、IoTGatewayで一次解析し予兆判定を行う。また、それらのデータはクラウドに蓄積し、より多角的な解析と『見える化』を実現する。
・ARによる巡回点検支援機能に、予兆保全のデータを統合し、より質の高い巡回点検を実施。

ウィットシステムズ(株)は、今回の共同実証試験において以下のような機能実現を担う。
・計測データをIoTGatewayで一次解析し、予兆保全とアラート発報を管理
・クラウドデータの『見える化』
・ARによる『巡回点検』機能

ニュースリリースサイト(witsystems):http://www.witsys.co.jp/news/

心拍数と温湿度を同時計測できるシャツ型センサ 3社連携「暑さ対策プロジェクト」新サービス

 NTTテクノクロス(株)と東レ(株)と(株)ゴールドウインは、3社連携の「暑さ対策プロジェクト」として、心拍数と衣服内の温湿度を計測できるセンサと専用ウェアを組み合わせ、暑熱環境下における体調不良の予兆を検知する「暑さ対策用サービス」を2020年8月に提供開始予定とのこと。

 NTTテクノクロスは従来のセンサに新たな機能を加えた新型センサと暑さによる体調不良を検知するアプリケーションを開発した。新型センサは従来から計測可能であった心拍数と加速度に加え、以前より要望の多かった温湿度を計測することができ、1個あたり約12gと軽量化に成功しつつ、約50時間の連続使用が可能となった。また東レとゴールドウインが運動や作業を含む激しい活動の中でも安定して高い精度でデータを取得できる機能性素材「hitoe®」*1を搭載した専用ウェアを開発することで、3社連携により「着る暑さ対策」を新たに実現したという。

〔特長〕
(1)シャツ型センサ初の商用化 温湿度と心拍数などを同時計測可能
心拍数と衣服内の温度・湿度を同時計測できるシャツ型センサを初めて商用化した。NTTデバイスイノベーションセンタで開発したウェアラブル生体・環境センサ技術*2を活用し、心拍数と衣服内の温度・湿度のほか活動量、歩数・姿勢を高精度に計測する。専用ウェアに装着する小型センサ「TX02」は重量約12グラムで、利用シーンにより約50時間連続利用できるため、利便性も両立している。

(2)激しい運動や作業にも対応した専用ウェア
データを計測するための専用ウェアは、肌への密着性が高く、運動中でも安定して高い精度でデータを取得できるhitoe®を活用している。東レ製のシャツ型とベルト型、ゴールドウイン製の「C3fit IN-pulse(インパルス)」シリーズ*3としてノースリーブ型をラインアップとして用意した。専用ウェアの上から通常の衣服を着用可能で、着用者は普段通りに活動できる。

(3)暑さによる体調不良の予兆を検知
NTTテクノクロスが開発した専用アプリケーション「hitoe®暑さ対策アプリ」を活用することで、計測された体調の変化や温度や湿度による熱ストレス、運動負荷などのデータから体調不良の予兆をシャツ型センサの着用者に通知。また、活動しながらスマートフォンなどでデータをチェックすることで、休憩タイミングの目安にもなり、早期対策につなげることが可能とのこと。 (※hitoe®暑さ対策アプリはAndroid専用アプリケーション)

*1:hitoe®
体から発している微弱な電気信号である生体信号を、無意識に近い状態で収集するための機能素材。
※本製品・サービスで使用するhitoe®は医療機器ではありません。
*2:ウェアラブル生体・環境センサ技術
専用ウェアの前面正中部に装着したセンサから、心電位、衣服内の温度や湿度、上半身の加速度や角速度のデータを計測。また、計測したデータを元に、心拍数、RRI、歩数、上半身の傾きなどのさまざまな特徴量を解析。
*3:「C3fit IN-pulse(インパルス)」シリーズ
着るだけで心拍数を計測できるアンダーウェア。正確な心拍を計測できる適度な着圧設計。背面は汗抜けが良く、汗を掻いてもべたつきの少ないメッシュ素材を使用。スポーツをする人から健康管理、作業者管理など幅広く活用可能。TX02対応モデルは、GOLDWIN WEB STOREにて販売開始予定。

ニュースリリースサイト(ntt-tx):https://www.ntt-tx.co.jp/whatsnew/2020/200730.html

極限環境下での高精度な地震計測を可能にする「光センサ地震計測システム」

白山工業(株)は、独自技術の位相シフト光干渉法を使った「光センサ地震計測システム」の提供を2020年7月30日より開始する。

本システムのセンサ部は、光ファイバと機械部品のみで構成される。センサ部に電子部品を使用しないため、従来の機器では実現できなかった極限環境下(高温・高圧・高線量・雷多発)での地震観測や防爆要求のあるプラント設備などへの適用が可能。また、電力供給が不要なため、メンテナンス性に優れ、長期の安定稼働が実現するほか、本システムでは1本のファイバ上に複数のセンサを接続可能なことから、海底や資源探査など遠距離条件下で広範囲の観測網を従来のシステムより低コストで構築することができるという。

主な特長
位相シフト光干渉法により、センサ部への電源供給なしに高い精度で(※)地震を計測する。
■ 光ファイバケーブルからセンサ部まで電源・電子部品が不要
■ 耐高温・耐高圧・耐雷・防爆・耐放射線性能に優れる
■ 遠距離・広範囲観測が可能
■ フィールドでの長期安定稼働が可能
■ 施工期間を短縮してコストの低減が可能
(※)静かな場所で実施した微動計測比較において、電気式広帯域地震計と同等の高感度、低雑音を確認。

背景と開発経緯
近年、資源探査や地震観測において、海底や大深度など、厳しい環境下での計測の要求が高まっている。しかし、高精度かつ長期にわたって安定した計測を行うことは難しく、白山工業は、電子回路やセンサ部への給電が不要な地震計の開発に取り組んできた。2014~2017年度はJOGMECの「技術ソリューション事業」の技術開発テーマとして採択され、開発と実フィールドでの長期実証試験を実施。2016年度からは文部科学省の 「次世代火山研究・人材育成総合プロジェクト」の新たな観測技術の開発課題として採択され、桜島や浅間山にて性能や耐雷性の実証試験を実施した結果、長期間にわたり安定して高精度な計測が可能な地震観測システムが実現したとのこと。

販売価格
1システム 2,000万円から(計測条件・システム構成により異なる。)

ニュースリリースサイト:https://kyodonewsprwire.jp/press/release/202007152075

ロボットと制御機器を統合制御する世界初「ロボット統合コントローラー」を発売

オムロン(株)は、生産設備を構成するロボットと制御機器をOneコントローラーで統合制御する、世界初*¹ 「ロボット統合コントローラー」を7月31日からグローバルで発売する。
「ロボット統合コントローラー」を使用することで、従来、人に頼るしかなかった高度で複雑な作業をロボットで自動化することが可能になるという。また、バーチャル環境での生産設備の設計や変更のシミュレーション、リモートによる設備の立ち上げや調整、メンテナンスを実現する。高度な人手作業の自動化、バーチャルとリアルの融合による遠隔でのシステム構築により、コロナ禍で更にニーズが高まる、高度に自動化されたモノづくり現場の革新を目指すとのこと。

制御の統合による高度な人手作業の自動化
「ロボット統合コントローラー」の高度でシームレスな制御により、従来は人にしかできなかった、微妙な角度や力の入れ具合を探りながら行う挿入や組付けなど繊細で巧みな加工・組立工程を自動化。また、Oneコントローラーで ロボットとステージなどの周辺機構がリアルタイムで完全同期することで、装置性能を向上し、世界最高レベル*²のスループットを実現するという。

構築プロセスの統合によるリアルとバーチャルを融合したシステム構築
今まで異なっていたロボットとマシン制御のプログラミング言語を統一し、1つのソフトウェア統合開発環境上で簡単にシミュレーションする技術を確立した。これにより、PLCのエンジニアもロボット制御を設計することが可能となる。またロボットのみならず、入力機器から出力機器までを含めた3D動作シミュレーションやオフラインティーチングにより、設備立ち上げ前に動作や生産能力を見える化し、工程設計や動作検証の工数を50%*³削減。さらに、このバーチャル環境下とリアル環境の生産設備を接続することで、リモートでの設備立ち上げ、メンテンナンスが可能とのこと。

統合コントローラーの主な特長と利点
・PLC、モーション、ロボット制御をOneコントローラーで統合制御することにより、今まで人にしかできなかった、複雑な人手作業がロボットで実現できる。この制御の統合で匠の技が自動化されたものづくり現場、ロボットとステージなどの周辺機構が高度に同期された自動化を実現する。
・PLCとロボットの言語を汎用的なIEC言語に統一、PLCが利用できるエンジニアが自由にロボットを扱える。
・シミュレーション技術により設備設計の初期段階で、装置パフォーマンスの検証を可能にし、設備の仕様特定を担うメカ設計者と、設備の制御プログラミングを担う電気設計者が協議しながら並行して設計できる。その結果、高い生産能力の実現や、設備立上げ時のミスや後戻りを防止し、短期間の立上げを実現。
・シミュレーションの実行には、Sysmac Studio内のエミュレーションを使用するため、動作確認のための実機接続は不要。また、デジタル上でロボット設備の生産能力を把握できる。
・デジタル化された過去資産の再活用による、次回設備の立上げ容易化を実現。

*¹ 世界初:2019年11月特許申請・登録状況より当社調べ、(PLCのサイクリックスキャン型と、ロボットの逐次実行型 プログラム実行を1つのコントローラー上で、プログラムタスク、I/Oリフレッシュを統合し、同期させる技術。特許出願済)
*² 最高レベル:2019年11月  カタログ値比較/当社調べ
*³ 50%:2020年7月 当社調べ(当社での従来の設備構築プロセスと比較検証結果)

ニュースリリースサイト(omron):https://www.omron.co.jp/press/2020/07/c0729.html

ams、最小の近接/光センサモジュールを発表

amsジャパン(株)は7月29日、最小の環境光センサ(ALS)と近接検出機能を統合するモジュールを発表した。
中価格帯市場へ展開するスマートフォンメーカーによる、実質的なベゼルレス・スマートフォン開発を可能にする。TMD2755モジュールは現在市販される同等のデバイスよりも表面積で40%、体積で64%小さくなっているとのこと。

TMD2755は完全に統合された3-in-1センサソリューションであり、携帯電話メーカーの実装を容易にし、必要な基板面積を縮小することで、クラス最高の薄型システム設計を可能にする。
TMD2755は低消費電力VCSELエミッター(工場にて校正済みのドライバー内蔵)、IR光検出器、環境光センサを狭い占有面積と0.6mm高の薄型パッケージに収めている。新型のTMD2755モジュールの占有面積はわずか1.1mm×3.25mmと、市場で次に小さな同等の3-in-1(IRエミッター+IR検出器+環境光センサ)モジュールよりも40%小型化されている。また、高さはわずか0.6mmとなっており、体積も64%縮小されているという。

amsは、スマートフォンメーカーが市場経済の変化に合わせてとのことラインアップを拡張する動きに合わせ、新たな市場へ最適なソリューションを提供している。近接検知と光検知機能をより狭いベゼルへ内蔵可能にすることで、TMD2755はスマートフォンメーカーが進める本体に対するディスプレイの可視領域の拡大を後押する。これにより、スマートフォン市場の中価格帯において、より魅力的な製品を消費者に提供することが可能になる。

この価格帯で狭ベゼルと大型ディスプレイを備える製品は、共通して近接/光センサとカバーガラスのエアギャップを大きく設けている。TMD2755は、ディスプレイとスマートフォンの端との距離が1mm未満で、センサがスマートフォン内部深くに搭載されているため大きなエアギャップを必要とするスマートフォンに最適。オフセットされたエミッター/検出器の配列により、このセンサソリューションをタッチパネルのガラスから遠ざけることが可能となり、光学動作のためにガラス内部に小さなスロット幅のみ必要となる。

本デバイスは高クロストーク補償を特徴とし、不要な反射クロストークを補償することで拡散率の高いガラスの後方での動作を支える。また、低光環境での暗いガラスの背後であっても正確で安定した測定を行う。TMD2755はライトパイプとインターポーザを不要にし、全体の部材コストを下げることで、非常に低コストなソリューションを提供する。さらに、スマートフォンメーカーはTMD2755に基づいた1つの光学センシングソリューションを複数のモデルへ展開できるため、開発の労力を削減し、在庫として抱える必要のある部品数を最小限に抑えられるとしている。

ニュースリリースサイト:https://www.dreamnews.jp/press/0000219629/

車両用センサ技術を活用した新型2Dレーザー式踏切障害物検知装置「ZD-LS200RX」

(株)デンソーウェーブは、自動車用衝突防止センサ技術をベースにした新型踏切障害物検知装置「ZD-LS200RX」を2020年8月1日から発売すると発表した。

製品は2019年11月に鉄道技術展で発表した「ZONE D-RX」を近畿日本鉄道株式会社のフィールドにて動作確認を行い評価したもので、価格はオープン価格。2021年度販売目標は220台を想定しているとのこと。

この装置は自動車部品メーカーの(株)デンソーが開発した自動車用センサ技術をもとに、2017年から近畿日本鉄道(株)と共同で踏切障害物検知装置向けの開発を始め、研究と実証を進めてきたもの。 実証実験の結果をもとに、装置内のCPUを二重化して相互監視を強化し、万が一CPUの一方に不調が発生した場合でも、もう一方のCPUでエラーを認識できるフェールセーフ性を向上させている。これにより(公財)鉄道総合技術研究所の安全性評価を受審しており、踏切における安心・安全対策に貢献することができるという。

また従来より、レーザーセンサはレーザー光を照射し、反射光を測定して物体の有無を判断しているため、光の吸収率が高い黒色の物体や、表面が鏡面仕上げのような物体の場合はレーザー光の十分な反射光量が得られず、センサで検知しづらいという課題があった。 これらの課題に対し、「ZD-LS200RX」は、検知対象エリアの中に高反射素材製のポールを設置して常時検知することで、黒色の車両等の反射光量を得られない物体が検知エリア内に侵入した時は、このポールが検知できなくなり、エリア内の侵入物が存在すると判断する仕組みを構築した。この特許取得技術により、検知率を向上でき、さらなる安全を実現するとしている。

〔製品概要〕
製品名: ZD-LS200RX
質量: センサ:約6000g 、バイザー:約 800g 、取付金具:約 1200g
サイズ: 320mm ×322.4mm × 300mm (幅×奥行×高さ)
価格: オープン価格

ニュースリリースサイト(DENSO WAVE):
https://www.denso-wave.com/ja/system/office/info/detail__200728_01.html

MHIEC、処理能力900トン/日の一般廃棄物焼却施設、港清掃工場延命化工事を受注

三菱重工環境・化学エンジニアリング(株)(MHIEC)は、東京二十三区清掃一部事務組合から、一般廃棄物焼却施設「港清掃工場」の施設延命化に伴うプラント設備更新工事を受注した。

処理能力900トン/日のストーカ式焼却炉※1設備を改修し、長寿命化および省エネルギー化をはかる。受注額は76億円(税抜)で、完成は2023年1月(3ヵ年継続事業)を予定。MHIECは、同組合から2016年度にも有明清掃工場の延命化工事を受注して2019年度に完成させており、今回はこれに次ぐ工事となるものという。
港清掃工場(画像)は三菱重工の設計施工により1999年1月に完成したもの。一般廃棄物焼却施設は処理能力300トン/日のストーカ炉3基および関連設備で構成され、22,000kWの発電能力を備えている。

今回受注した延命化に伴うプラント設備更新工事では、経年的に劣化した給じん設備・焼却炉本体設備・灰処理設備・集じん設備・洗煙設備・ボイラ設備・発電設備・蒸気復水設備・計装自動制御設備・給水設備を対象に主要機器の更新を行う。ボイラ水管の減肉対策として、Ni基合金の肉盛技術を採用。蒸気タービンおよび発電設備の主要機器を更新し、IR(赤外線)センサによる制御技術を導入した燃焼改善により長期の安定燃焼ならびに安定操業をはかる。
また、各種電動機に高効率モーターやインバータを採用することなどによる省エネ化をはかり、CO2排出量を年間約4%削減することで地球温暖化抑制に貢献するとしている。

一般廃棄物焼却施設を長寿命化するとともに温暖化対策も施す改良工事は増加傾向にあり、加えて、国が2010年度に関連する交付金制度※2を創設したことで、さらに活発化しているとのこと。

※1 耐熱金属の角材を並べた床の上で、廃棄物などの焼却対象物を突き上げることで移動させながら燃焼させる焼却炉で、一般廃棄物焼却炉の主流。

※2 環境省が所管する廃棄物処理施設の有効利用と廃棄物分野の温暖化抑制に向けた設備の改良事業に基づき、一般廃棄物処理施設の長寿命化と温暖化対策を推進する市町村に対して、二酸化炭素排出抑制対策事業費交付金(先進的設備導入推進事業)もしくは循環型社会形成推進交付金として事業費の1/2もしくは1/3が交付される。

ニュースリリースサイト:https://www.mhiec.co.jp/jp/news/20200727.html