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変位センサ「EDS」電場応答性高分子(Electroactive Polymers)製センサ販売開始

(株)ナノシードは、工作機械等に使用されている産業用Electroactive Polymer(EAP)センサを扱うデンマークのElastiSense社と代理店契約を締結し、柔軟性を実現する電場応答性高分子という特殊な技術を応用、開発された「変位センサ EDS」を販売開始した。

「変位センサ EDS」について
ElastiSenseの変位センサは、さまざまな産業分野で変位と位置検出をシンプルかつコスト効率の高いものにする目的で開発された。変位検知が困難とされる構造ヘルスモニタリング、ファクトリーオートメーション等、過酷な環境下においても位置と変位を確実に測定することで、利用者がシステムを完全に制御できるよう支援する。
この製品は「アクティブラバー」センサ技術を活用し、正確でありながら機械的に柔軟性があり、コア技術はゴム製で3方向すべて伸縮可能なため、設置と操作のずれを許容しながら変位測定できる。さらに、変位センサは完全にカプセル化されているため、大雨、紫外線、風、極度の暑さや寒さ等、あらゆる気象条件にも耐えることができる。防塵および防水で、特別な取り付けや保護、クリーニング等は不要なため、他のセンサソリューションと比較して、設置や操作、メンテナンス等におけるコストを削減できる。アプリケーションと制御システムに合わせカスタマイズし、最適な形式でデータを提供できるという。

産業用アプリケーションに設計されているElastiSense製品は、生産プロセスの最適化、構造ヘルスモニタリング、および大型車両と関連部品の制御等、さまざまなアプリケーションに変位センサを活用できるとしている。

製品サイト:https://nanoxeed.co.jp/product/eds/

ST、柔軟性に優れた小型の60V DC-DCコンバータを発表

STマイクロエレクトロニクスは、3V~60V、300mAの小型の同期整流式DC-DC降圧コンバータ「L7983」を発表した。同製品は、柔軟かつ動的なモード選択によりノイズに敏感なアプリケーションに対応し、軽負荷時の効率を最大限に高めるという。

STの革新的な技術によって設計されたL7983は、ローサイドのパワーMOSFETを制御して、スイッチング周波数が一定の低ノイズ・モード(LNM)、または低消費電力モード(LCM)で動作させることができる。低消費電力モードでは効率を最大化しつつ、低負荷または待機負荷で電力を供給。モードの選択には外部ピンを使用し、アプリケーションによって動的に制御できるほか、ハイまたはローに固定してあらかじめ設定することも可能。

L7983は入力電圧範囲が広く、12Vおよび24Vの産業用バスにおいて、安全マージンを十分に確保した動作が可能。また、バッテリ駆動機器にも適しており、産業機器のフェイルセーフ・システム、分散型インテリジェント・ノード、生活家電、ロボット、通信機器のほか、利便性に優れた低ノイズ・モードを活用する精密検知アプリケーションで使用できるとのこと。

L7983は、高い最大入力電圧により、堅牢性と信頼性に優れた性能が実現する。また、200kHz~2MHzの幅広いスイッチング周波数範囲により、柔軟な設計が可能。さらに、オプションのスペクトラム拡散ディザリングにより、電磁干渉(EMI)を最小限に抑えることができる。暗電流は10µAで、システムの消費電力への影響がきわめて小さく、外部イネーブル・ピンによりシャットダウン・モードでの消費電流をわずか2.3µAに低減する。

その他、外部クロックへのパワー・シーケンスと同期をサポートする機能も備えている。内蔵の安全および保護機能には、ソフト・スタート、過熱保護、パルス・バイ・パルス検知による電流制限、過電圧保護、入力電圧に応じて調整可能な減電圧ロックアウト(UVLO)などがある。また、補正回路も集積されているため、設計を簡略化して部材コストの削減が可能という。

現在、 L7983PU33R(固定出力電圧 3.3V)、L7983PU50R(固定出力電圧 5.0V)、およびL7983PUR(出力電圧調整可)の3品種が提供されている。それぞれに対応する評価ボードであるSTEVAL-L7983V33(L7983PU33R)、STEVAL-L7983V50(L7983PU50R)、およびSTEVAL-L7983ADJ(L7983PUR)も提供されており、製品の設計期間短縮に貢献するとしている。

L7983は現在量産中で、DFN10パッケージ(3 x 3mm)で提供される。単価は、1000個購入時に約1.00ドル。

ニュースリリースサイト:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000001114.000001337.html

「働く」を実験する「worXlab(ワークスラボ)」を開設

パナソニック(株)は空間ソリューション事業推進の一環としてニューノーマル時代のワークプレイス創造に向け「『働く』を実験する」をテーマとしたライブオフィス「worXlab(ワークスラボ)」を、パナソニック東京汐留ビルにて2020年12月に開設する。 「worXlab」は、オフィスワーカーがいきいきと健やかに働けるウェルネス環境を提供し続けることで企業の持続的発展に貢献する、人起点の空間価値創出を目指している。また、「worXlab」はさまざまなパートナーとの共創の場としても活用し、ワークプレイス創造活動の加速を狙う。

近年の働き方改革に加え、COVID-19発生後は新しいワークスタイルに対応したオフィスの形が模索されている。従来は効率性が重視され、執務ゾーンを大きく確保することがオフィスの主流だった。今後は、在宅勤務やサテライトオフィスでの勤務、ワーケーションなど働き方の多様化やワークプレイスの分散化が定着することを前提としたうえで、オフィスワーカーの安全性確保、出社するメリットや創造性と生産性の両立等が重視されていくと想定しているという。

パナソニックは、これまで大阪府や広島県の自社オフィスで実証実験を行い知見を蓄積してきた。COVID-19発生後の開設となる「worXlab」では、密回避ソリューションをはじめとして、センターオフィスにおいて特に重要となる4つのテーマ(安全・交流・集中・回復)に基づいたソリューションをオフィスフロアに点在させ、多様化する働き方をサポートする。また、同時に開設する社員向けサテライトオフィス(神奈川県:横浜)とのシームレスな労働環境を実現するとのこと。

今回改修した約800 m2のオフィスフロアには、200個以上のセンサデバイスを実装している。バイタルや位置情報、会話量などのヒトデータを軸に、空間のCO2濃度や湿度などの環境データ、機器の稼働状況などの設備データを取得・解析し、サイネージやスマートフォンでの可視化や設備運用へのフィードバックを行うことで人起点の空間最適化を行うとともに、効率的な施設管理・運営に活用するという。

パナソニックは、「worXlab」を通して、これからのアップデート型ワークプレイス空間の実現を目指すとしている。

<主な特長>
1. 改修工事で可能なニューノーマル時代を見据えた新しい空気環境への取り組み
2. テクノロジーを駆使し、安全・交流・集中・回復の4つのテーマで新しい働き方をサポート
3. データ活用による、人起点のアップデート型ワークプレイス空間を検証

プレスリリースサイト(panasonic):
https://news.panasonic.com/jp/press/data/2020/12/jn201203-1/jn201203-1.html

配管内観察向け工業用ビデオスコープ「IPLEX GAir」発売

オリンパス(株)は石油プラントや発電所など、インフラメンテナンスで活用できる工業用ビデオスコープ「IPLEX GAir」を2020年12月2日から 全世界で発売する。

工業用ビデオスコープは直接目視することが難しく、狭くて奥行きのある配管などの検査に適した非破壊検査機器。今回発売する工業用ビデオスコープ「IPLEX GAir」は、今まで到達できなかった箇所まで検査できる挿入長30mの長尺スコープに空気圧湾曲機構を採用し、快適な湾曲操作を実現している。また世界初※1の、重力センサによる画像自動回転機能などを搭載し操作性を向上させつつ、最大220度の視野を高精細に観察できる画像処理機能で視認性を高めている。これにより、経験の浅い検査員でも入り組んだ配管を簡単かつ効率的に検査することが可能。さらに本製品は100m離れた場所からでも遠隔操作※2できるため、原子力発電所内の汚染区域など、危険性のある場所でも安全な距離を保って検査できるという。

※1 オリンパス調べ。工業用ビデオスコープとして初。
※2 LANケーブルによる有線接続による。

<発売の概要>
製品名:工業用ビデオスコープ「IPLEX GAir」
発売予定日:2020年12月2日

<主な特長>
1. 空気圧湾曲機構や画像自動回転機能などにより、快適かつ精密な操作を実現
2. 視野角220度の超広角アダプターを用いた、直視および壁面の同時観察により検査効率向上
3. 100mの遠隔操作により、危険域での検査の安全性を担保

<発売の背景>
石油プラントや発電所などのインフラ設備においては仮に不具合が起きてしまうと、原因究明を迅速に行う必要があり、設備を緊急停止するため莫大な機会損失を生じてしまう。そのため定期的にメンテナンスを実施しており、これらは安全性を担保する上で非常に重要とされている。しかし配管検査を中心としたインフラメンテナンスにおいては、配管が入り組んだ構造になっているだけでなく、暗く限られた視野の中で検査を行わなければならず、作業効率向上および作業者による技術レベルの格差などが課題となっている。 オリンパスはこれらの課題に対して、工業用ビデオスコープIPLEX シリーズを提供しており、配管検査に有効な「IPLEX GAir」をラインアップに加えることで、顧客のさらなる課題解決に貢献するとしている。

ニュースリリースサイト(ORYMPUS):https://www.olympus.co.jp/news/2020/nr01965.html

光ファイバーを用いた超高感度な磁界計測に成功

横浜国立大学の水野洋輔准教授、東京工業大学の中村健太郎教授、芝浦工業大学の李ひよん助教、エスピリトサント連邦大学(ブラジル)のArnaldo Leal-Junior教授、アヴェイロ大学(ポルトガル)のCarlos Marques博士らの国際共同研究チームは、プラスチック光ファイバーヒューズという新たな物理現象に基づき、光ファイバーを用いて磁界を計測することに成功した。モード間干渉と呼ばれる簡素な構成で、113.5 pm/mTという超高感度を達成した。従来法よりも数百倍小さい、45 µTという微小な磁界(地磁気に相当)の検出が可能。将来的に、電力機器、回転機、電磁環境の調査への応用が期待されるとのこと。

本研究成果は、2020年11月30日(現地時間)に国際科学雑誌「Advanced Photonics Research(アドバンストフォトニクスリサーチ)」のオンライン版に掲載される。
なお、本研究は、科学研究費補助金(課題番号17H04930、17J07226、20K22417)の支援を受けたもの。

[背景]
高度経済成長期以降に建造・整備されたインフラの経年劣化や地震による損傷が社会問題となっており、そのための対策として、構造物に光ファイバーを埋め込むことで、その内部の変形や温度などを計測する「光ファイバーセンサ」の開発が進んでいる。光ファイバーセンサには、長距離、軽量、柔軟性、電気絶縁性、防爆性、耐雷性などの多くの利点があるほか、電磁ノイズに強いという性質がある。この性質は、強電磁界環境において変形や温度を測定する際には大きなメリットである。その一方で、磁界自体の計測は困難であることを意味する。
これまでに、光ファイバー型の磁界センサがいくつか提案されてきたが、実用に耐えうる感度を持つ従来のセンサは全て、磁界に反応する物質を能動的に添加した特殊な光ファイバーを用いていた。例えば、内部を磁性流体で充填した光ファイバーや高濃度にテルビウムを添加した光ファイバーなどが挙げられる。しかし、これらの特殊光ファイバーは高コストであり、センサのシステム構成自体も複雑だったという。

[研究成果]
2014年に、水野准教授らは、プラスチック光ファイバー中でのヒューズ現象を初めて観測した。その際、ヒューズが起きた後のプラスチック光ファイバーに、螺旋状の炭素跡が残されることは解明していた。今回、ヒューズ後のプラスチック光ファイバーが磁界に反応することを初めて発見し、モード間干渉センサに組み込むことで、低コストかつ超高感度な磁界計測に成功した。5 cmの光ファイバーを用いた場合に、センサの出力スペクトルのピーク波長が113.5 pm/mTという極めて高い感度でシフトすることを実証した。本センサは、日本国内の地磁気の大きさに相当する45 µTという微小な磁界の変化を検出することが可能。これは、テルビウム添加光ファイバーを用いた従来法(20 mT)よりも、数百倍小さい値とのこと。

[実験手法]
ヒューズ現象を生じた後のプラスチック光ファイバーを、2本のシリカガラス光ファイバーで挟み込み、一方の端面から広帯域光源の出力光を入射し、もう一方の端面からの出射光のスペクトルを観測した。プラスチック光ファイバーを横切る方向に磁界を印加し、スペクトルの変化を調査したという。

[今後の展開]
電力系統の各種機器、発電機やモータなどで磁界センサが必要な場面で、電気絶縁性、長距離伝送性といった本センサの特徴が活かされる可能性がある。また、利用が拡大するIoT機器から意図せずに放射される電磁波が他の機器に与える影響が問題となっており、機器近傍の電磁界の測定を通じた漏洩電磁波源の特定が重要になっている。多くの磁界センサでは、信号伝送のために金属製の伝送線路が用いられる。しかし、強電磁界環境では特に、金属部品が電磁界自体を乱してしまうという問題があった。一方、光ファイバーを用いた電磁界センサには、この問題は本質的に無い。よって、本研究成果は、強電磁界環境、特に防爆性や耐雷性が要求される現場での電磁環境調査への応用が期待されるとしている。

ニュースリリースサイト(東工大):https://www.titech.ac.jp/news/2020/048427.html

ウイルス不活化・殺菌技術搭載「Care222® iシリーズ ダウンライトタイプ i-DU」販売開始

ウシオライティング(株)は、有人環境下で使用できるウイルス不活化・殺菌技術「Care222®」を搭載した「Care222® i シリーズ ダウンライトタイプ i-DU」の販売を2021年1月から開始する。

「Care222® i-DU」は、ウシオグループが提供する「Care222® i シリーズ*1」のラインアップとして、ウシオライティングの照明分野におけるノウハウをベースに、一般的な埋め込み型ダウンライトの形状に合わせて、222nm紫外線モジュールをユニット化したもので、商業施設・店舗、オフィスや学校などの有人環境下で、照明器具同様に空間デザインへ調和し、ウイルス抑制・除菌に貢献するものという。
*1:Care222® i シリーズ
 illumination(=照明)の頭文字をとったもので、照明器具のように使用できるユニットのラインアップ
* 本装置は照明器具に非ず。

<製品特長>
・有人環境下でも照射が可能、空間・物体表面を除菌
波長222nmをピークに持つエキシマランプに特殊な光学フィルタを組み合わせることで、人体に危険な230nm以上の波長をカットした、222nm紫外線ウイルス不活化・殺菌技術「Care222®」を組み入れた新しい紫外線照射装置。紫外線本来のウイルス抑制・除菌能力を保持し、従来の254nmの殺菌ランプでは実現できなかった有人環境下での照射が可能。

・空間に調和するシンプルデザイン
天井埋め込み仕様の角型ダウンライトを模したデザインは、突起もなく、天井面にシームレスに馴染み、空間に調和。

・選べる点灯モード、センサによるセーフティ機能を搭載
有人環境下で照射するモードと、人感センサ(内蔵)を使用し、無人環境下のみで照射するモードも選択可能。有人環境下で紫外線を照射できる時間、限度値(TLV)はACGIH*2によって定められており、そのガイドラインに沿って、点灯、消灯を繰り返して照射量をコントロール、照射物までの距離に応じてモードを選択できる。
また、内蔵した近接センサにより、自動的に消灯する安全機能も備えている。
*2:アメリカ合衆国産業衛生専門官会議

・ランプ交換インジケーター搭載
ランプの点灯時間を積算し、ランプ寿命*3が近づくと、インジケーターを点灯させ、お知らせ。
*3:光源寿命 約3000時間 (無人環境下で使用し続けた場合、約2.3年が交換目安)

ニュースリリースサイト(ushiolighting):http://www.ushiolighting.co.jp/cms/news/?p=6352

LuminarがMobileyeと契約、2022年の無人タクシー実現に向けLiDAR供給

センサの開発を手がけるスタートアップで、上場企業入りを目指すLuminarは、Intel(インテル)の子会社であるMobileyeに自律走行車用のLiDARを供給するサプライヤー契約を締結した。

このサプライヤー契約は、Mobileyeの中心事業であるコンピューターによる視覚イメージ処理技術の規模とはほど遠いものの、いくつかの試験プログラムを超えて拡大が見込める重要なコラボレーションだ。LuminarとMobileyeは、約2年前から開発契約を結んでいる。今回の新たな契約は、両社にとって次の重要なステップを示すものだ。

Mobileyeのカメラを使ったセンサは、ほとんどの自動車メーカーが先進的な運転支援システムをサポートするために使用している。現在、5400万台以上の車両がMobileyeの技術を搭載している。しかし、2017年に153億ドル(約1兆5900億円)でインテルに買収された同社は、ここ数年で手を広げ、いまや先進運転支援技術を超えて、自律走行車のシステム開発に向けて動き出している。2年前にMobileyeは視覚認識、センサ融合、REM(Road Experience Management)マッピングシステム、ソフトウェアアルゴリズムを含むキットを発売する計画を発表した。

Mobileyeはそれ以来、自動運転の野心をさらに高めており、業界の一部では、単なるサプライヤーに留まらず、無人タクシー事業に乗り出すという予期せぬ方向に発展するのではないかとみられている。

LuminarとMobileyeの現時点では小規模な契約は、まだ生産契約に過ぎない。LuminarのLiDARは、Mobileyeの第1世代の無人運転車に搭載される予定で、ドバイ、テルアビブ、パリ、中国、韓国の大邱市で試験運転が行われている。Mobileyeの最終的な目標は、無人タクシー事業を拡大し、その自動運転スタック(AVシリーズソリューション)を他の企業に販売することである。MobileyeのAmmon Shashua(アンモン・シャシュア)最高経営責任者(CEO)は、同社が2022年に商業的な無人タクシーサービスを開始することを目標にしていると述べている。

Luminarは他にも量産レベルの案件を獲得している。VOLVO(ボルボ)は5月、LuminarのLiDARと認識システムを搭載した自動車の量産を2022年に開始すると発表した。これらを使ってボルボは、高速道路用の自動運転システムを展開する。

いまのところ、LiDARはハードウェアパッケージの一部として、XC90から始まったボルボの第2世代の「スケーラブル・プロダクト・アーキテクチャ」をベースとする各車にオプションとして用意されている。ボルボはLuminarのLiDARをカメラ、レーダー、ソフトウェアそしてステアリングやブレーキ、バッテリー電力などの機能を制御するバックアップシステムと組み合わせ、高速道路における自動運転機能を実現する予定だ。

ダイムラーのトラック部門は2020年10月、人間が乗っていなくても高速道路をナビゲートできる自律型トラックを生産するための幅広いパートナーシップの一部として、Luminarに投資したと発表しているとTechCrunchは伝えた。

ニュースサイト(TechCrunch Japan): https://jp.techcrunch.com/2020/11/30/2020-11-20-mobileye-taps-luminar-to-supply-lidar-for-its-robotaxi-fleet/

STM32マイコン上で組込みAIベースの状態モニタ・システムを実現するソフトウェア・パッケージ

 ディープテック・ソフトウェア企業のOctonion SAは、STマイクロエレクトロニクスが提供するSTM32L4+マイクロコントローラ(マイコン)ベースの産業用アプリケーション開発ボード向けに最適化されたソフトウェア・パッケージ「I-CUBE-OCTMI」を発表した。このソフトウェア・パッケージは、STのソフトウェア開発エコシステム「STM32Cube」の拡張パッケージとして提供される。

I-CUBE-OCTMIは、急成長する状態モニタや予知保全の分野において、STM32マイコンおよびマイクロプロセッサ上で動作する組込みAIベースのアプリケーション開発に向けたSTの取り組みをサポートする。これにより、超低消費電力STM32L4+マイコン上で動作する自動メンテンナンス・システムが実現し、OctonionのエッジAIエンジンにより、産業機器のライフサイクルを通してその状態を自動的に学習、点検、モニタリングすることができるという。

また、インダストリアルIoT向けワイヤレス・センサ・ノード開発キット「STWIN」をはじめ、STのさまざまな産業用センサや通信機能を搭載したSTM32L4+開発ボード向けに最適化されている。教師なし学習モードで動作するOctonionのAIエンジンが搭載されており、状態モニタおよび予知保全に必要な振動解析を行うため、加速度センサからのデータを継続的に分析する。このAIエンジンは、機器や既存データセットの事前学習を必要とせず、マイコン上でローカルに動作モードを学習し、Octonion Machine Intelligenceアルゴリズムを微調整。すべての演算処理がエッジで実行され、データが外部に送信されることがないため、きわめてセキュアなソリューションとのこと。

I-CUBE-OCTMIには、開発者がすぐに使用できるアルゴリズムとして、機器の状態分析に高速対応するInstant Analyser、および動作モードの変更頻度が高い機器向けに設計されたWize Analyzerの2つが用意されている。また、幅広い産業機器に対応しており、小型のブラシレスDCモータやPMSMモータ、大型タービンなど、さまざまな出力のモータで、スパイク異常や動的状態異常を幅広く検出可能であるという。

I-CUBE-OCTMIは商用ライセンスで提供され、評価および非商用目的の場合は無償で利用できる。詳細およびダウンロードについては、ウェブサイトをご覧のこと。 ( https://intelligence.octonion.com/st-expansion )

ニュースリリースサイト:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000001113.000001337.html

国内初。加速度計遠心校正の事業者に認定

 (株)共和電業の品質管理本部 標準器室は、国内で初めて(※1)加速度計の遠心校正でISO/IEC 17025(※2)の要求事項に適合した校正事業者にNITE(独立行政法人 製品評価技術基盤機構)より認定されたと発表した。
 同社は今回の認定に基づいた加速度計の遠心校正で、国家認定機関のマーク(IAJapan認定シンボル)と相互承認マーク(ilac-MRAマーク)のある校正証明書を発行し、国内外の自動車産業で行われる安全性能試験の信頼性向上に貢献するとしている。

 同社は、2017年に加速度計の振動校正のJCSS登録・認定事業者となった。しかし、国内で多く使用されている、ひずみゲージ式加速度計は遠心校正が行われているため、利用者からは遠心校正でもJCSS振動校正と同様のIAJapan認定シンボルとilac-MRAマークのある校正証明書の要望があった。
 近年、自動車の性能を評価するうえで、加速度計の校正の正確さが重要視されており、自動車産業の国際的な品質マネジメントシステム規格(IATF16949 ※3)においても国家認定機関のマークを校正証明書に含めることが求められているとのこと。

 今回遠心校正でISO/IEC 17025の要求事項に適合した校正事業者として認定されたことで、国家認定機関のマークがある校正証明書の発行が可能になり、遠心校正でIATF16949の外部試験所に関わる要求事項を満たすことができるようになった。
 同社が発行する加速度計の校正証明書は国際的に高い信頼性を持ち、利用者のトレーサビリティ管理のコスト削減にも貢献するという。

校正サービス開始時期:2021年1月より受付開始予定

対象加速度計(代表例)
汎用
・ASH-A ・AS-GA/GB ・AMA-A ・AMAS-A
自動車衝突試験用
・ASD-B ・ASE-A ・ASDR-A-1K ・ASM-200BA

※1 加速度計の校正方法であるISO 16063-17:2016(振動及び衝撃トランデューサの校正方法 ― 第17部 遠心による1次校正)で加速度計の校正を行う校正事業者として国内で初めて認定される。
※2 ISO/IEC 17025 試験所及び校正機関の能力に関する一般要求事項
※3 IATF16949 自動車産業品質マネジメントシステム規格-自動車産業の生産部品及び関連するサービス部品の組織に対する品質マネジメントシステム要求事項

プレスリリースサイト(kyowa-ei):
https://www.kyowa-ei.com/jpn/topics/pressrelease/2020/20201130_01.html

MEMS圧力センサ(1)

(一社)センサイト協議会
企画運営副委員長
室 英夫

1.はじめに

圧力計測については古くからマノメータやブルドン管など色々な機械式計測装置が考案され、工業計測に用いられてきたが、近年では小型のダイアフラムを用いた電気式圧力センサが製品化され、自動車用や医療用など幅広い分野で利用されるようになった。圧力センサには気体の絶対圧や大気圧との差であるゲージ圧を測定する気圧用と、油圧や水圧を測定する比較的高圧用の液圧用のセンサがあり、用途により実に様々な実装構造が用いられてきた。例えば、高圧の油圧用センサでは油圧を受けるステンレスのダイアフラムの下にシリコンオイルで満たされたキャビティを設け、その中にダイアフラム式圧力センサを埋め込んだ二重ダイアフラム方式のパッケージング技術も実用化されている。
電気式圧力センサではダイアフラムとその変位検出装置を高精度に実現することが重要であり、そこで大きな役割を果たしてきたのがMEMS(Micro Electro Mechanical Systems)技術である。MEMS圧力センサでは半導体製造技術を用いることでダイアフラムと電子回路を同一基板上に集積化し、小型・高性能の圧力センサが実現されてきた。MEMS圧力センサについては1970年代から様々な構造・検出方式が検討されてきたが、代表的な方式はピエゾ抵抗式と静電容量式である。本稿ではこれらMEMS圧力センサの製造方法・構造・検出原理や研究開発動向などについて解説する。

2.ピエゾ抵抗式圧力センサ

MEMS圧力センサではマイクロマシニング技術で形成された半導体薄膜からなるダイアフラム構造が用いられ、圧力印加によってダイアフラム上に生じた応力や変位をピエゾ抵抗値の変化や静電容量値の変化として検出する。圧力センサに基準圧力を真空とする絶対圧センサ、基準圧力を大気圧とするゲージ圧センサ、二つの圧力の差を測定する差圧センサがあり、目的により実装構造が異なってくるが、ここではそれらの基本となるダイアフラム構造についてのみ述べる。
図1に代表的なピエゾ抵抗式圧力センサの基本構成を示す。シリコン基板を裏面側からエッチングして実現された肉薄のダイアフラムが肉厚のリムで周囲から支持された構造体が圧力導入用の穴の開いたガラス基板上に接合されている。ダイアフラム上の周辺部には圧力の印加により発生する応力を検出するための複数のピエゾ抵抗が拡散形成されていて、それらの両端は接続用のリードを介して外部に取り出すようになっている(図示せず)。ガラス基板と接合されたセンサチップはパッケージにダイボンドされた後、ワイヤボンディングによりパッケージのリード端子に電気接続される。ガラス基板には熱応力の影響を緩和するためにシリコンと熱膨張係数が近いパイレックス・ガラス等が用いられる。またパッケージからの熱応力の影響を低減するために厚いガラス基板がよく用いられる。

図1 ピエゾ抵抗式圧力センサの基本構成

以上のようなデバイス構成は次のようなプロセスにより実現することができる。

  • シリコン基板の表面側に通常のIC製造工程を用いて、ピエゾ抵抗と、場合によっては周囲のリム部に信号処理回路を形成する。

  • シリコン基板の裏面にマスク材を形成し、両面マスクアライナーを用いたフォトリソグラフィーにより所定のパターニングを行う。

  • シリコン基板の表面側を耐エッチング材で保護し、裏面からKOH水溶液やTMAH水溶液などのアルカリ性エッチング液を用いて異方性エッチングすることで薄いダイアフラムを周囲のフレーム部が支持する構造体を実現する。

  • ダイアフラムが形成されたシリコン基板を中央に貫通孔を穿ったパイレックス・ガラスなどの基板に300~400℃で負電圧を印加しながら陽極接合する。

  • ダイシング後、専用のパッケージに実装する。

図2(a)はシリコンを用いたピエゾ抵抗式圧力センサにおけるピエゾ抵抗のレイアウトの例でピエゾ抵抗は(100)基板の<110>方向に形成されたp形拡散抵抗である。ダイアフラム上ではダイアフラム周囲4辺の中央付近に辺と垂直に2個のピエゾ抵抗 R1R3 が、辺と平行に2個のピエゾ抵抗R2R4 が形成されていて、図2 (b) に示すようにそれぞれが向かい合うように結線されてブリッジ回路を構成している。

図2 (a) ピエゾ抵抗のレイアウトと(b)ブリッジ回路

ダイアフラム裏面側から圧力が印加された場合、ダイアフラム中心部表面には引張応力が発生する一方で、ダイアフラム周辺部の表面には辺と垂直方向に辺と平行方向よりも大きな圧縮応力が発生る。このためピエゾ抵抗 R1R3R2R4の抵抗値変化の極性は逆となり、それぞれ R+ΔRR-ΔR の形で表すことができる。したがってブリッジ回路の出力電圧 VOUT は印加電圧を VCC として、次式のように抵抗値変化率 ΔR/R に比例した形となる。

VOUT = ΔR/R×VCC

ダイアフラムの辺に垂直及び平行に形成されたピエゾ抵抗の抵抗値変化率 ΔR/R はシリコンのピエゾ抵抗係数 π44 を用いて次式のように表すことができる。

ΔR/R = ±π44Δσ/2

ここで Δσ はダイアフラムの辺に垂直方向の応力と平行方向の応力の差である。
ピエゾ抵抗のレイアウトの仕方としてはこの他にダイアフラムの周囲に辺と垂直方向に2個、ダイアフラムの中央に2個配置するようなパターンもよく用いられる。この場合、ダイアフラムの中央に配置されたピエゾ抵抗は電流が流れる方向と平行方向の応力と、垂直方向の応力が等しくなり、2つの応力成分による効果が打ち消しあう形となり、最終的な出力電圧は半減するが、ミスアライメントによるダイアフラムとピエゾ抵抗の位置ずれの影響を低減することができる。
ピエゾ抵抗として通常用いられるp形拡散抵抗の抵抗値変化率 ΔR/R はそのピエゾ抵抗係数 π44 で決まる。このピエゾ抵抗係数は数千ppm/℃の負の温度依存性を持っているためにピエゾ抵抗式圧力センサの信号処理ではブリッジ出力電圧を増幅すると同時にその温度補償を行う必要がある。温度補償の方式としてはピエゾ抵抗の抵抗値の正の抵抗温度依存性で打ち消すようにピエゾ抵抗のブリッジ回路を定電流駆動する方式、ブリッジ回路は低電圧で駆動する一方、増幅回路の帰還抵抗に所定の正の抵抗温度係数を有する拡散抵抗を用いて増幅率を正の温度依存性にする方式などがある。

次回に続く-

参考文献

1) 室英夫他「マイクロセンサ工学」(技術評論社)、5.1 圧力センサ、pp.100-113 (2009).



【著者紹介】
室 英夫(むろ ひでお)
一般社団法人センサイト協議会 企画運営副委員長

■略歴
1976年 東京大学工学部電子工学科卒業
1978年 同大学院工学系研究科電子工学専攻 修士課程修了
1981年より日産自動車(株)中央研究所において自動車用半導体デバイス・MEMSセンサの研究開発に従事
1998年 東京大学より博士(工学)の学位取得
2006年 千葉工業大学工学部教授
SOI-MEMS技術を用いた共振形センサ、熱式マイクロセンサ、磁歪膜積層型磁気センサなどの研究に従事
2019年 同定年退職
2008年より次世代センサ協議会技術委員長

■著書
マイクロセンサ工学(技術評論社、共著)
次世代センサハンドブック(培風館、共著)
電子デバイス入門(日新出版、共著) など