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光ファイバセンサの歴史と最新動向 ―光ファイバセンシング振興協会の活動を含めて-(1)

NPO法人
光ファイバセンシング
振興協会
足立正二

1.はじめに

光ファイバ通信の発展過程では、光ファイバ、発光素子、受光素子の性能向上が重要な役割を果たした。その光ファイバ通信の発展に伴って注目を浴びたのが『光ファイバセンサ』である。光ファイバセンサは、光ファイバ自身がセンサとなり、また、光ファイバ全長にわたってセンシングできる新たな概念のセンサとして大いに注目されてきた。「神経網」として活用される光ファイバセンサは、安全システムに欠かせない広範囲の監視を行うことができるたいへん有望な技術であるため、防災やインフラの健全性維持に関する分野では、今後も引き続き積極的な導入が図られていくものと期待されている。
本稿では、光ファイバセンサ技術のこれまでの歩みを概観するとともに、将来への期待について述べる。また、光ファイバセンサ技術の普及・発展に寄与すべく活動を進めている特定非営利活動法人光ファイバセンシング振興協会の取り組みについても紹介する。

2.光ファイバセンサの歩みと現状1) 2) 3)

光ファイバ通信技術と歩調を合わせて展開されてきた『光ファイバセンサ』は、すでに30 年を超える研究・開発の歴史を有し、光ファイバジャイロ、光ファイバ電流センサ、光ファイバAE センサ、光ファイバ多点型・分布型センサなど、実用域に達した複数の技術を社会に送り出してきた。そして、現在も新たな技術が創成され、その性能や測定対象はバラエティに富んでおり、さらなる社会実装への取り組みが続けられている(図1)。

図1 光ファイバセンサの応用分野

2.1 ポイント型センサ(単点型センサ)

光ファイバの端末部に誘電体多層膜を形成させたBOF(Band-pass filter On Fiber-end)型センサ、磁界の変化で光の偏光面が回転する現象(ファラデー効果)を利用して磁界・電流の計測または磁石の近接を検知するファラデー型センサ、2つの光波の合成による干渉現象を検出する干渉型センサ、サニャック効果による位相差検知から高感度な角速度センサを実現する光ファイバジャイロ、光の偏波変動を計測する偏光型センサ、光ファイバの曲げや断線による光伝送損失の増加を検知する透過/遮断型センサ、ドップラー効果を利用して微小弾性波(AE(Acoustic Emission))を計測する光ファイバAEセンサなど、用途にしたがって数多くのポイント型光ファイバセンサが実用化されている。さらに、近年では各種化学量(ガス、pH、CO2濃度、腐食など)が計測できる光ファイバ化学センサも出現している。

2.2 準分布型光ファイバセンサ(多点型センサ)

多点型センサの代表例であるファイバブラググレーティング(FBG;Fiber Bragg Grating)は、光ファイバに形成された回折格子の反射光を利用して各種物理量をセンシングする。製法が確立され、また、コストや性能の優位性により1990年代後半あたりから様々なセンサの開発が取り組まれた。FBG部に応力が加わる機構を付加して、圧力や振動を計測できる。また、温度、構造物のひずみ、変位、水位、流速などのセンシングにも用いられている。1本の光ファイバに反射波長の異なる複数のFBGを配置することで、多点センシングが可能となる。

2.3 分布型光ファイバセンサ4)

 

1976年に考案されたOTDR(Optical Time Domain Reflectometer)は、もともと通信線路としての光ファイバを監視する技術であったが、その後、光ファイバ中の物理現象(散乱現象)を巧みに利用することで、温度分布測定、ひずみ分布測定、振動分布測定など多くのアプリケーションに適用されている。
1984年にラマン散乱の強度が温度情報を与えることを活用して、OTDR 技術による分布型温度センサが提案された。以来、種々の技術開発が進み、ROTDR(Raman OTDR)やDTS(Distributed Temperature Sensor)等の名称でオイル・ガス分野や産業プラントを中心に実用に供されている。
1989年には、ブリルアン散乱の光周波数シフトから温度あるいは伸縮ひずみが測定できることが示され、OTDR 技術による分布型ひずみ(あるいは温度)センシングが実証された。本技術は1992年に商用機器が市販されている。この方法では、空間分解能(距離分解能)は約1m が限界であり、測定時間も数分を必要としていた。その後、空間分解能制限を打破するいくつかの新たな技術が提案されており、パルス形状の工夫などによって数cm ~数十cm の空間分解能を得ている。1998年には、連続光波の相関特性を合成する新たな技術により、ブリルアン散乱スペクトルの光ファイバに沿う分布を高空間分解能かつ高速でセンシングできるブリルアン光相関領域解析法(Brillouin Optical Correlation Domain Analysis:BOCDA)が提案され、タイムドメイン技術の弱点(空間分解能と測定感度がトレードオフであること)の克服に成功している。BOCDA は光ファイバの両端から光を導入する技術であるが、片端から導入した光で分布測定を実現するBOCDR(Brillouin Optical Correlation Domain Reflectometer)が2008年に提案されており、実用化に向けた検討が進んでいる。
レイリー散乱を利用する分布型センサでは、1990年代より光周波数領域で位置分解するOFDR(Optical Frequency Domain Reflectometer)の研究・実用化が進められてきたが、2007年に時間領域で光周波数操作する方式のひずみおよび温度分布センシング技術が確立された。後者は、コヒーレンスの高い光源を用いると、レイリー散乱光間の干渉によるOTDR 波形の振幅揺らぎが顕著に現れることを積極的に利用したもので、超高感度な分布型温度およびひずみセンシングが可能となった。CO2貯蔵時の地層変形監視等の微小な変位計側に適用されている。また、レイリー散乱光はひずみや温度に対して強度のみでなく位相も変化する。位相変化を高速に測定することで、超高感度・高速な分布型ひずみセンサが実用化されている。このセンシング技術は「分布型音響センシング」(DAS:Distributed Acoustic Sensing)と呼ばれ、ガス井の監視やパイプラインのセキュリティ等へ適用が進んでいる。感度やFading noise、空間分解能、システム雑音等の課題も多く、現在、最もホットな研究テーマでもある。

2.4 センシング用光ファイバケーブル5)

 

センサとしての光ファイバは主に通信用途向けのものが利用されるが、光ファイバセンサのアプリケーションの広がりにつれてセンシング用光ファイバケーブルも進展してきた。施工方法や設置場所、設置環境によっては通信用途向けのままでは使用できないことも多く、センシング用途に最適化する設計が行われている。
光ファイバによるセンシングには、高温、高圧、高腐食性といった環境でも機能するという大きな特長があるため、光ファイバを埋め込んだケーブルは、そのような過酷な環境に耐えられるものでなくてはならない。また、屋外の現場やプラントでの光ファイバの敷設のためには、短尺の光ファイバを多数回接続することもしばしば要求される。さらに、油井・ガス井の様な高温・高圧下で硫化水素性ガス雰囲気中にさらされる劣悪環境下で安定的に使用できる光ファイバが求められる。プラント分野では700℃以上の高温測定の機会も多く、さらなる高熱耐性が求められる。近年、これらに対応するいくつかのセンシング用光ファイバケーブルが提案、実証されている。耐熱性に優れるポリイミドをハーメチック被覆することで,耐熱温度が300℃と高く,さらに、水素雰囲気での耐性を増した光ファイバが実現されている。また、高い放射線濃度下での運用が要求される放射性廃棄物地層処分場で使用できる光ファイバも開発されている。
ひずみ分布センシング用光ファイバケーブルは対象物に確実に接触することを原則に設計される。その例として、①樹脂被覆タイプ(光ファイバ素線をガラス繊維からなるFRP層で被覆し、さらにエンボスをつけたポリエチレンを表面に被覆。敷設施工時に光ファイバが折れ難く、コンクリートへの定着性が向上。また、容易に光ファイバの剥き出し取り出しが可能となっている。)②温度およびひずみ分布同時計測タイプ(ケーブル中心部に2本の光ファイバを内蔵し、また2本のテンションメンバにより引張強度を保持。表面はエンボス加工が施されており、埋め込まれると計測対象物や構造物と密着して光ファイバとのすべりを防ぐ。)③柔軟な金属管で装甲構造化されたPA(ポリアミド)アウターシースに1本の光ファイバを実装したひずみ検知用光ファイバケーブル④建材一体タイプ(地盤や盛土の補強に使用される樹脂系複合材料の中に、光ファイバを繊維方向に挿入して一体化させたセンサ機能付きジオテキスタイル。)⑤スマートストランド(PC(Prestressed Concrete)鋼より線に光ファイバを組込んだ製品。PC鋼より線の素線の谷間に沿って全長にわたり光ファイバ を組み込み一体化しており、その光ファイバをひずみセンサとして使用することにより、 PC鋼より線全長の張力分布を計測することが可能。)などがあげられる。
今後、光ファイバセンサの導入が進展する上で、アプリケーションに適したセンシング用光ファイバケーブルの開発・実用化がますます重要となる。

次回に続く-

参考文献

1) 保立和夫:“光センシング技術,今日と将来-安全・安心のためのファイバセンサフォトニクス- ,”応用物理学会第40回光波センシング技術研究会 (2007) 49-56.

2) 足立正二:“光ファイバ神経網技術への期待,”応用物理学会フォトニクス分科会フォトニクスニュース 2(1)(2016) 19-21.

3)保立和夫, 村山英晶編:“光ファイバセンサ入門,”光ファイバセンシング振興協会 (2012).

4) Arthur H. Hartog:“An Introduction to Distributed Optical Fibre Sensors,”CRC Press (2018)

5)岸田欣増,山内良昭,西口憲一:“光ファイバ分布型センサの最近の進展と光ファイバケーブルへの新視点:光学, 46(8)(2017) 323-329.



【著者紹介】
足立 正二(あだち しょうじ)
NPO法人光ファイバセンシング振興協会 副理事長・事務局長

■略歴
1981年 信州大学大学院工学研究科電子工学専攻修了.同年安藤電気(株)入社.
光通信用計測機器、光ファイバセンサ、光ファイバレーザ等の研究開発に従事.
2004年 茨城大学大学院理工学研究科博士後期課程 情報・システム科学専攻修了,博士(工学) .
2004年 横河電機(株)へ転籍.光ファイバセンシング技術のプラント計装への適用開発に従事.
2015年 11月より NPO法人光ファイバセンシング振興協会 副理事長・事務局長

ams、産業用高速画像センサのCSG新製品ファミリーを発表

ams〔日本法人amsジャパン(株)〕は、画像センサのCSG製品ファミリーを発表した。
これによりメーカーは、非常に高いフレームレートでの高解像度を実現する、産業用ビジョン機器の開発が可能になる。新型のCSG14KとCSG8Kセンサは、それぞれ標準の1”と1/1.1”の光学フォーマットで提供され、工場の稼働現場で品質を改善させつつスループットを引き上げることができるため、高速検査アプリケーションでの不良検出の精度を高めることができるという。

CSG14Kは、13.8メガピクセルの高解像度と高速動作を組み合わせたグローバルシャッター画像センサ。フル解像度で10ビットモードとなり、140フレーム/秒(fps)の優れた最大レートを誇る。また、12ビットモードでは93.6fpsとなる。CSG8Kはさらに高速化されており、8メガピクセルのフル解像度にて、10ビットモードで231fps、12ビットモードで155fpsを実現する。両製品ともに、真の相関二重サンプリング(true-CDS)を実行し、モーションアーチファクトを発生させることなく高速移動する物体の鮮明な画像をキャプチャすることを可能にするグローバルシャッターセンサとのこと。

標準フォーマットでの高速性と高解像度を両立させるCSG画像センサは、産業用、セキュリティ、インテリジェント交通システム(ITS)市場、およびビデオブロードキャストにおけるアプリケーションでの使用に適している。PCB組立などの産業用アプリケーションでは、CSGセンサの改良された画質とフレームレートを活用した自動光学検査(AOI)により、電子コンポーネントの欠落や誤配置といった欠陥を従来以上に迅速かつ確実に特定することが可能となる。
非常に汎用性の高いこれらのセンサは、ビニングモードを含む6つのモードで実行できる。ラインスキャンやウィンドウモードで実行した場合、実効フレームレートは、フル解像度で指定された名目レートよりもはるかに高くなる可能性があるという。

あらゆる環境で高パフォーマンスを発揮
CSGのセンサ製品ファミリーは、厳しい環境の下でも優れた画質を実現する。これらの製品は、低ノイズと高感度に加えて、広いダイナミックレンジとHDRモードでのセンサ動作機能の点で注目される、ピクセル設計の長所を取り入れた初の製品群。こうした特性を活かし、CSG14KとCSG8Kのグローバルシャッターセンサは、薄暗い場所であっても鮮明で詳細な画像を生成することができるとのこと。

CSGセンサは、amsのCMV画像センサ製品ファミリーのような、サブLVDSデータインターフェースを備えている。両センサ共に20mm x 22mmのLGAパッケージで提供され、同一のフットプリントとピン配列を持ち、ソフトウェア互換性がある。CSG14Kのアスペクト比は1:1であり、Cマウントの29mm x 29mm産業用カメラに最適。CSG8Kのアスペクト比は16:9であり、ビデオに適しているという。

両センサのハードウェアプラットフォームとインターフェースは共通しているため、カメラメーカーは単一のハードウェア設計で複数の製品を開発することができ、手軽に、かつ開発費を抑えて、速度、解像度、アスペクト比に関するさまざまな顧客の要望に応えることができる。
CSG14KとCSG8Kセンサは、サンプル注文できる。詳細な技術情報やサンプルをご希望の場合は、
https://ams.com/CSG14k および https://ams.com/CSG8k を参照のこと。

ニュースリリースサイト:https://www.dreamnews.jp/press/0000230364/

簡単に設置・移設できるIoT環境無線センサ「ハッテトッテTM」の受注開始

DIC(株)は、あらゆるモノがネットにつながる「IoT」機器として、商業施設やオフィスビルなどの屋内環境における温度・湿度・照度のセンシングに用いるやわらか無線センサ「ハッテトッテTM」の受注を2021年1月29日より開始した。

温度や湿度などを測るセンサは有線タイプが主流だが、既存施設へ設置しづらいことや、テナントやフロアレイアウトの変更時に適所設置できないことなどが課題だった。また、無線タイプの場合も従来製品の多くは筐体がプラスチック成形品であり、取り付けが簡便な両面テープでの固定には落下の危険性を伴うことが課題だった。加えて、センサのデザインと施設デザインとの不調和に対して、改善を求める声が高まっていた。これらの課題を解決するため、同社はこのたび「ハッテトッテTM」を開発した。本製品は、設置の簡便性、軽くて薄い形状と空間デザインを邪魔しない意匠性、電池内蔵で一切の配線不要、LoRaWAN®※による長距離通信が可能といった特長を持つという。

◇製品の特長

●設置の簡便性
 貼るだけで簡単に設置ができ、またはがすことで移設も簡単に行うことが出来る、配線不要の無線センサー。温度・湿度・照度のセンシングを行う。
●軽くて薄い形状
 約5.8mmの薄さと、約38gという軽さを実現し、柔らかいボディを備えている。そのため、万一落下して踏んでも破片が飛び散ることがなく安全性に優れている。
●無線通信方式LoRaWAN®を採用し長距離通信が可能
 無線通信方式にはLoRaWAN®を採用し、見通し距離にして屋内で数百メートル、屋外で数キロメートルの通信が可能。
●Bluetooth®による簡単設定
 Bluetooth®※通信対応のWindowsパソコンから、設定値の読み取りや変更が可能。

◇製品の仕様

・測定範囲 温度 :-20~55℃
      湿度 :5~95%RH(-10~55℃)
      照度 :0~65528lx(-10~55℃)
・測定精度 温度 :±0.5℃(0~40℃)、±1.2℃(<-10℃)、±0.7℃(-10~0℃,>40℃)
      湿度 :±6%RH
      照度 :±15%1
・通信方式 測定 :LoRaWAN®(v1.0.2 Class A 準拠)
      設定 :Bluetooth®Loe Energy(V4.2準拠)
・電源      :内臓 コイン型電池 CR3032 2個
・電池接続時間2  :送信出力=13dBm、データルートDR5、Unconfirmed 送信間隔5分、環境温度25℃
          上記条件において、約5年
・電池交換    :可
・重量      :約38g(電池含む)
・外寸      :約99.6×68.6×5.8(mm)
・取付方法    :付属の粘着テープによる貼付
          平面及び直径1000mm相当までの曲面に貼付可能

1.照度測定値は、ハットトッテの設置向き、光源の位置等に大きく影響を受ける。そのため、照度センシングは測定値そのものではなく、相対的な測定値の変化をセンシングする目的でご使用のこと。
2.理論値であり、かつ使用されている環境条件(温度、湿度)により変動する値。そのため、使用可能時間を保証するものでは無い。

※ Bluetooth®は Bluetooth SIG, Inc.の登録商標、LoRaWAN®は LoRa Alliance®の登録商標。LoRaWAN®は、低消費電力と広い通信範囲を特徴とする無線通信方式の一つ。

ニュースリリースサイト(DIC):https://www.dic-global.com/ja/news/2021/products/20210129082408.html

既設マンホール内 の水位情報をLPWA通信によりクラウドへアップロード

(株)フォレストシーの「里山通信」は、愛媛県久万高原町の協力のもと下水用マンホール内に水位センサを設置した。

計測した水位データは、弊社が町内全域に構築したLPWA通信網「町まるごとIoTネット」によってクラウドシステムへアップロードされ、ウェブサイト上から水位を確認することができるという。

マンホール内の調査は、従来は人手による調査、もしくは専用の通信機能付きマンホールを使用する調査が一般的だった。
同社はLPWA通信規格の中でも920MHz/250mWと高出力のため遠距離通信が可能な「GEO-WAVE(ジオウェイブ)」という独自の無線規格を採用することで、既設のマンホールをそのまま使用してのLPWA通信による水位データの取得に全国で初めて成功したとしている。

ニュースリリースサイト(Foresttosea):https://satoyama-connect.jp/press/3096/

産業用液面レベル検知アプリケーション向けに設計された堅牢で信頼性の高いスイッチ

TE Connectivity(以下「TE」) は、産業用液面レベル検知アプリケーション用の高い価値と信頼性そして耐久性に優れた液面レベルスイッチを設計した。
これは、産業用アプリケーションにおける密閉空間内の液面レベル検知の継続的需要により、リードスイッチ技術の世界的需要も2023年までに7.4%の成長が見込まれるとの予測もある需要に応えるためという。

リードスイッチ技術を利用する液面レベルスイッチは、1,000万サイクルを超える長い製品寿命と高電気容量、低接触抵抗を備え、UL規格認証を取得している。さらに、豊富な標準オプションとカスタムオプションを揃え、優れたコストパフォーマンスを実現したTEの液面レベルスイッチは、暖房・換気・空調設備(HVAC)、廃水システム、化学および石油化学、食品および飲料業界など様々なアプリケーションで利用できるとのこと。

液面の上昇または下降に応じて常時開または常時閉を示すように設定可能な液面レベルスイッチは、水平方向にも垂直方向にも配置することができる。すべてのハウジングはIP65以上の保護等級を備え、ポリプロピレン、ポリアミド、ポリフッ化ビニリデン (PVDF)、ポリ塩化ビニル(PVC)、真鍮、ステンレス鋼など様々な材料が用意されている。レベルスイッチは、腐食の原因となる液体と直接接触することがない電気的密閉性を備えている。液面レベルスイッチは、高温環境に対応し、EMC試験は必要無いとしている。

ニュースリリースサイト(TE):https://www.te.com/jpn-ja/about-te/news-center.html?tab=te-news

PSYGIG、米国Ouster社デジタルLiDARの先行予約受付開始

PSYGIG(株)は、Ouster社製デジタルLiDARセンサの販売を開始する。Ouster社製のデジタルLiDARセンサは、すべてのコンポネントにセミコンダクターを採用し、従来のアナログ式LiDARセンサでは100以上使われていたコンポネントを3つまでに削減することで、高解像度LiDARセンサの低価格での提供を可能としたという。

◆高解像度・高耐久性のLiDARセンサを、低価格で実現
従来のアナログLiDARセンサでは、100を超えるコンポネントを使用していたため、製造コストおよび重量がかさんでいた。
Ouster社は、すべてのコンポネントにセミコンダクターを採用することで、100以上使われていたコンポネントを3つまでに削減した。これらのコンポネントの1つであるVCSEL(Vertical Cavity Surface Emitting LASER、和訳:垂直共振器面発光レーザー)は、そのコンパクトさとコストパフォーマンスから、スマートフォンにも搭載され始めている。
使用しているコンポネント数がアナログLiDARセンサよりも少ないため、故障時の原因特定および修理も従来より速く行なうことができる。また、アナログLiDARではカリブレーションのために1台あたり年間約10万円かかるが、デジタルLiDARではカリブレーション不要のため、ランニングコストの節約が可能とのこと。

◆解像度の向上に比例してコストと重量が増加する、従来のアナログLiDARのジレンマを解消
従来のアナログLiDARセンサでは、解像度を1つ上げるためにはコンポネントを増やす必要があり、解像度の向上に比例してコストおよび重量がかかるハードウェア設計だった。Ouster社製のデジタルLiDARは、無駄なコンポネントを排除しハードウェア設計の簡略化を実現したことで、高解像度のLiDARセンサを低価格で提供することが可能になった。
従来のアナログLiDARセンサが取得した点群データについても、アナログからデジタルに変換する作業が必要だったが、デジタルLiDARセンサが取得する点群データはデジタルとして保存されるため、アナログからデジタルへの変換作業は不要という。

◆自動車の品質テストと同水準の品質保証。最高保護等級であるIP 69k も取得 Ouster社製のLiDARセンサは、基本的環境試験規格 (IEC 60068) を取得している。IEC 60068において定められた衝撃、振動、耐温性および耐水性をはじめとする各種品質テストに合格し、規格に準拠したLiDARセンサを提供。Ouster社製のLiDARセンサは、最高保護等級であるIP 69k(ドイツ規格 DIN 40050 PART9 で定められた、高温・高圧水に対する保護規定)を取得しているため、悪天候下または高湿度の場所でも利用可能とのこと。

◆LiDARの導入・利用をPSYGIGがトータルサポート
LiDAR(Light Detection and Ranging)は、光線を放射して受け取った反射を測定することで、物体検知および距離測定を可能にするリモートセンシング技術。LiDARセンサは、暗闇での物体検知および距離測定を可能にするとともに、点群データの収集にも利用されている。
LiDARは、インフラ点検や測量、スマートシティのための3Dマップ作成など、さまざまな産業において利用可能。PSYGIGは、LiDARセンサの販売に加えて、LiDARセンサの導入から活用までをトータルサポートする。顧客の利用シーンについてヒアリングした上で、最適なLiDARセンーの選定を手伝うほか、LiDARによる物体検出や点群データの処理/可視化を支援するとしている。

製品概要ページ(PSYGIG):https://lidar.psygig.com

業界最高水準のEMI耐性(※1)2/4回路入り単電源オペアンプのサンプル配布開始

新日本無線(株)は、車載ECU(※2)での電磁波ノイズ耐性(EMI耐性)が強く要求される各種センサのアナログ信号処理に向けて、業界最高水準のEMI耐性を備えた単電源動作可能な車載用2/4回路入りオペアンプ NJM2904B/NJM2902Bを開発した。
 業界標準であるオペアンプNJM2904/NJM2902の汎用性は継承しながらEMI耐性を大きく改善した。
 ボディ系からパワートレインまでのあらゆる車載ECU設計にて、設計手戻りによるリスク低減、EMC設計工数の削減、部品置き換え時のリスク低減など、幅広く設計品質の向上に貢献するという。

※1 2021年1月、新日本無線調べ
※2 ECU : Electronic Control Unit(電子制御ユニット)

〔背景〕
 車載ECUでオペアンプを使用する場合、その動作帯域を超える外来電磁ノイズ(EMI)が侵入すると、出力電圧が予期せぬ変動を起こすことが有り、これがECUの誤動作につながる。
 ノイズ耐性の評価は、一般的に車両開発の最終段階で実施されることが多く、そこで問題が発覚すると、解析から対策まで、ECUのパターン設計や搭載部品選定にまで設計手戻りが発生する可能性があり、設計工数に大きなインパクトとなる。車両の多機能化により搭載ECUの数が増加する一方で、携帯電話、スマホ、通信機能を備えた電子機器等の増加により、電磁ノイズ環境は非常に過酷となっており、EMI耐性の高いオペアンプに対する需要はますます高くなっているという。

〔特長〕
1.入力端子に加え、電源端子のEMI耐性も強化
 オペアンプへのEMI侵入経路は一般には、入力端子のEMI耐性が脆弱とされており、入力端子のみにEMI対策を施した製品は存在した。しかしながらワイヤハーネスに重畳されたノイズがアンプの電源端子経由で侵入してしまうようなケースを想定すると、十分とは言えない。
 新日本無線では、オペアンプ内部回路の各ステージへのEMIノイズ侵入経路と回路動作への影響、誤動作に至るメカニズムなど徹底的な解析に基づき、各ステージに最適なEMI対策を施した。その結果、入力端子に加え、電源端子のEMI耐性についても業界最高水準にまで高めることに成功した。  IC内部での回路的対策であるため、チップレイアウトの影響や組立条件の影響を受けにくく、安定したEMI耐性を提供し、ノイズ評価後の設計手戻りリスクを低減するとのこと。

2. IEC 62132-4準拠の評価下で部品単体として最高水準EMI耐性を実現
 オペアンプの用途は様々で、同じオペアンプが様々な電気、電子機器に搭載される。このとき、それぞれの状態によって要求されるEMC規格が異なるため、源流であるオペアンプ単体のEMI耐性を適切に比較/評価しておくことが極めて重要となる。
 NJM2904B/NJM2902B は、国際規格IEC 62132-4※3、およびJEITA規格ED-5008※4に準拠した適切な基準に基づいて比較/評価を実施の上、業界最高水準であることを確認しており、新規設計から部品置き換え検討まで、安心して使用できるという。

※3 IEC 62132-4:半導体EMC(イミュニティ)試験方法の国際規格IEC 62132シリーズの1つ。IEC 62132-4はDPI法(Direct Power Injection Method:直接電力注入法)と呼ばれ、容量性結合でIC端子に電力注入し、ICが正常動作する限界電力を測定することでイミュニティ性能評価を行う試験。
※4 ED-5008:JEITA規格、半導体EMC性能等価性評価法。半導体のEMC性能差を評価する規格で、評価方法はIEC 62132-4に準ずる。

ニュースリリースサイト(新日本無線):
https://www.njr.co.jp/news/2021/semi_20210125-NJM2904B-NJM2902B.html

AI・IoT技術で空調費用を冬場最大50%削減、省エネIoTサービスの実用に向け実証実験

(株)Momo、(株)環境エネルギー総合研究所(以下EER)の省エネIoTの実用に向けe-ne(株)が運営するサービス付き高齢者住宅”ミライエ知立 山屋敷”での実証実験を開始した。
本実証実験は、気象情報や室内データの分析結果を生かして、エアコンの快適省エネ運転を遠隔操作し、 空調費を最大40%削減するサービスの実販売を見越したもの。

独立系研究開発型シンクタンクのEERとMomoはe-neとともにサービス付き高齢者住宅での実証実験を昨夏から開始し、続いて冬季の実証実験も開始した。
人工知能(AI)とIoT(モノのインターネット)の両技術を取り入れたことが特徴で、2021年中の実用化と販売開始を目指している。 病院・高齢者住宅・学校・集合住宅の空調費コストダウンや低炭素社会実現・環境対策として広く普及させることを目指しているという。

本実験は、2019年までにEERが独立行政法人都市再生機構(UR都市機構)との共同研究の成果を引き継ぐ事業で、AI分析によるエアコンの遠隔稼働操作を含むIoTシステムをMomoが実用向けに開発した。

現在販売を担うe-neの運営するサービス付き高齢者住宅”ミライエ知立山屋敷”で実験が行われており、首都圏にある市営住宅での実証実験も決定している。
実験は2019年までの結果を踏まえ、さらに高齢者住宅での効果分析と施設管理運営を含めた実用・実販売向けの調整を行う内容とのこと。

具体的には、各住宅内のエアコンの電源コンセントに消費電力量等を測定するIoTデバ イスを差し込み、また室外機の周辺データを温湿度センサで取得。
そこで得られた各データをMomo社のサーバーに集め、この収集データと気象庁の気象データを、EER社がAI分析し、エアコンにスマートリモコンにより指令を出す。
例えば、昼間に30度以上に暑くなる場合、電力消費の負荷を下げるために、涼しい午前 のうちに運転を始めるようスマートリモコンにより制御運転そのことで、室外機の温度が上がる前に冷房を運転できるため電力消費を大きく下げることなどができるという。

最大で夏場20%、冬場で50%程度削減することができ(UR都市機構共同実験)、施設などの場合には同時期に稼働させることから電力ピークの低減にも寄与できるソリューションとなるとしている。

ニュースリリースサイト:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000014.000045691.html

最先端材料科学研究:ポリドーパミンによる構造発色

メラニン前駆体ドーパミンを重合して得られるポリドーパミンで、均一な人工メラニン粒子を作製し、孔雀や玉虫の色を模倣した鮮やかな構造発色を実現。

 光と微細構造との光学的相互作用で発現する構造発色は、自然界でしばしば見ることができ、孔雀、玉虫、モルフォ蝶などの色は構造色として知られている。自然界における構造発色においてはメラニンが重要な役割を果たしている。メラニンは人の毛髪や皮膚に色を与えている黒色の色素で、生体内でメラニン顆粒が周期的に配列すると光との干渉により構造色が発現する。黒色のメラニンが散乱光を吸収することで、くっきりとした鮮やかな構造色となる。しかし、メラニンは生体内では酵素反応により作られ、人工的に作製することが困難な素材であった。最近、メラニン前駆体のドーパミンを重合させたポリドーパミンを素材として作製された人工メラニン粒子による構造発色が実現され、注目されている。

 Science and Technology of Advanced Materialsに発表された、日本、千葉大学の桑折道済によるレビュー論文 Progress in polydopamine-based melanin mimetic materials for structural color generation は、ドーパミンを用いて合成した人工メラニン:ポリドーパミンによる構造発色の最近の研究をまとめている。また、この人工メラニンを用いた構造色材料の応用を拓くための研究や今後の研究の展開についても紹介している。

 構造色は、光の波長に近いサブミクロンサイズの微細周期構造に光が当たることで干渉などにより、特定の色が発色する。しかし、干渉を起こさない光は散乱してヒトの目には白くみえるため、構造色が見えにくくなる。メラニンで構築された微細構造は、メラニンが黒色の材料であるために散乱光が吸収され、くっきりと目立つ構造色を発現することができる。しかし、メラニンを人工的に合成することは困難である。

 ポリドーパミンは、メラニンを生成する原料となるアミノ酸誘導体ドーパミンを重合させたものであり、種々の材質の基板への付着性に優れるので、表面改質剤としての研究が進展していた。著者のグループは、ドーパミンを水/メタノール混合液中で重合させると単分散なポリドーパミン粒子が生成することを見出した。ポリドーパミンは天然メラニンとほぼ同じ組成で生体適合性があり、しかもメラニン同様に黒色である。基板上にこのポリドーパミン粒子の分散液をスプレー塗装し、ポリドーパミン粒子を集積させると、メラニン微細構造と同様に構造発色させることができる。粒子表面を磁性界面活性剤で被覆すると分散性が良くなり、しかも磁場を印加することで、色調を変化させることもできる。また、ポリドーパミン粒子の粒子径を変えることでも色調の変化は可能である。

 ポリスチレン粒子をコアに、ポリドーパミンをシェルにしたコアシェル型の人工メラニン粒子も研究されている。ポリスチレン粒子からなる微細構造では、散乱光の吸収がないために、ヒトの目には白色に見える。しかし、ポリドーパミンで被覆したコアシェル型の人工メラニン粒子では散乱光をポリドーパミンシェル層が吸収し、明瞭な構造色が現れる。ポリスチレンコア粒子の粒子径やポリドーパミンシェル層の厚みを変えることで色調を変えることができる。

 一般に、コロイド粒子は最密充填構造を取りながら堆積する。この様な秩序的集積体による構造色は見る角度により色の変わる、いわゆる虹色構造色になる。一方、コアシェル型粒子のポリドーパミン層を厚くすると、表面が荒れた構造になり、粒子は秩序的に集積できなくなり、アモルファス的に集積する様になる。アモルファス的集積体では、どの角度から見ても同じ色となる非虹色構造色が現れるようになる。

 自然界には構造色の元になる微細粒子に種々の形状がある。例えば孔雀の羽毛内部のメラニン粒子はロッド状粒子であり、またある種の鳥たちでは中空状粒子となっている。ポリスチレン/ポリドーパミン・コアシェル型の人工メラニン粒子を用い、これらを模倣した粒子が作製され、粒子形状と構造色の関係が調べられている。楕円状粒子ではアスペクト比の増大に伴い、構造色がブルーシフトし、また、中空状粒子では中空部にポリドーパミン層と異なる屈折率を持つ材質を満たすと構造色が大幅に変化することも認められている。

 人工メラニン粒子を用いた構造色材料は、例えば、インクや織物の染色、化粧品などに用いられる可能性がある。また、強い光を当てる、濡らす、温度を変える、などの外部環境により構造色が変化することを利用した偽造防止といった応用も考えられている。ゴムなどのエラストマー中に粒子配列構造を形成すると、エラストマーの伸び縮みに応じて構造色の色調が変化することから、エラストマーに負荷がかかった時、発生する歪みを検出することができるセンサとしての利用も考えられているとのこと。

本誌リンク(オープンアクセス): https://www.tandfonline.com/doi/full/10.1080/14686996.2020.1852057

レベル4自動運転技術を搭載、屋外用自動掃除ロボットviggo(ヴィーゴ)

viggo(ヴィーゴ)はidriverplus社(智行者)が開発した初の屋外でも使用可能な自動掃除ロボット。
自動車の自動運転技術と同様にGPS+RTKを用いて、屋外でもロボットの位置誤差を5㎝以内にキープすることが可能、さらに障害物避けなどには米国製のベロダイン社LiDARを2つ積んでおり、viggoの安全かつ安心できる走行をサポートしているという。

本格的な自動運転技術を搭載した屋外用掃除ロボットviggoは、晴天の日中のみならず、小雨、小雪の天気でも自動掃除を実行することができる。さらに、夜間でも照度50ルクス街灯があれば走行可能、自動運転技術の世界特許が165個以上保有するidriverplus(智行者)が開発したLADS(Low-speed Autonomous Driving Suite)を搭載している。
なお、日本国内で総代理店を務めるテクトレ株式会社(techtrade.jp)はviggoの発売と同時に、国内の企業にLADSパッケージを提供し、様々な低速自動運転技術を応用した製品の開発をサポートして行く予定。
また、令和3年2月より、無料レンタルを実施する。1企業に付き、1ヶ月間のみ、本体レンタル費用無料で試用できるとのこと。

ニュースリリースサイト:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000001.000072216.html