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オンセミ、650V シリコンカーバイド(SiC) MOSFETの新製品発表

オン・セミコンダクターは、電力密度、効率、信頼性が重要な考慮事項となる要求の厳しいアプリケーション向けに、シリコンカーバイド(SiC) MOSFETデバイスの新製品を発表した。 既存のシリコンスイッチング技術を新しい SiC デバイスに置き換えることにより、電気自動車(EV)のオンボードチャージャ(OBC)、ソーラーインバータ、サーバー電源ユニット(PSU)、テレコム、無停電電源装置(UPS)などの用途向けに、優れた性能を実現するという。

車載用AECQ101 および工業用グレードで認定済の650V SiC MOSFET は、シリコン製品と比較して、優れたスイッチング性能と改良された熱性能を提供する新しいワイドバンドギャップ材料をベースにしている。これにより、システムレベルの効率向上、電力密度の向上、電磁干渉(EMI)の低減、システムのサイズと重量の軽減を実現できるとのこと。

新世代の SiC MOSFET は、先進の薄いウエハ技術と組み合わせた新たなアクティブセル設計を採用しており、650V耐圧に対してクラス最高の性能指数 RSP (RDSON * 面積)を実現する。この製品シリーズに含まれる NVBG015N065SC1、NTBG015N065SC1、NVH4L015N065SC1、NTH4L015N065SC1 は、D2PAK7L および To247 パッケージに封止されており、市場で最小の RDSON (12mΩ) を提供する。
また、この技術は、エネルギー損失の性能指数を関して最適化されており、自動車および産業用アプリケーションにおける性能を最適化する。内部ゲート抵抗 (RG) により、設計の柔軟性が増し、デバイスを外付けのゲート抵抗を使って人為的に遅くする必要がなくなる。より高いサージ電圧、アバランシェ能力、短絡回路の堅牢性向上により、信頼性の向上と、長期間のデバイス寿命を達成する。
新デバイスはすべて表面実装で、TO247およびD2PAKなど業界標準のパッケージタイプで利用できるとしている。

ニュースリリースサイト(onsemi):https://www.onsemi.jp/PowerSolutions/newsItem.do?article=1000877

一次電池駆動の危機管理型水位計を 『寺家ふるさと村』農業用ため池にて実証開始

(株)イーラボ・エクスペリエンスは、洪水等の水害による被害を減らすことを目指して開発した、業界最小クラス※となる一次電池駆動式の危機管理型水位計(自律型)『Field-EX(フィールド・イーエックス)』を、横浜市が農業振興地域・農用地区域の景観保全と地域の活性化のために指定・整備している『寺家ふるさと村』(神奈川県横浜市青葉区寺家町)内の農業用ため池における洪水被害を最小限にすることを目的に、実証実験を開始した。

イーラボ・エクスペリエンスでは、2019年より国土交通省が普及推進する、危機管理型水位計の課題となる“正確な水位の測定と確実な通信の実現”および“設置コストの低減化”を目指した自律型の危機管理型水位計を開発・提供している。
今回、同社にとっての原点である“農業”に欠かせない、“ため池”における水位管理の有用性を確認するために実証を実施するという。
この危機管理型水位計は、“システムの省電力化”と“電池サイズのコンパクト化”を図ることで、現在流通する製品より50%以上※サイズダウンしたコンパクトな水位計システムで、ため池のような、大規模な工事を行いにくい場所などでも容易に設置しやすい製品です。また、省電力技術による電源制御や測定・通信技術など、各分野のリーディングカンパニーが培った技術を活用することで開発コスト抑制に成功し、従来製品の約半分の価格※での提供を可能にした。
さらに、電池式の水位センサやクラウド環境とビューアー、メール通知、センサに蓄積されたデータを保存する機能(ロガー機能)といった総合ソリューションを一元的に提供している。今後はロガー機能により蓄積されたデータと気象予報データと組み合わせ、より精度の高い洪水予測を行えるよう開発を進めているとのこと。

近年の都会では大変貴重となる昔ながらの田園風景を後世に残すための横浜市の水田保全活動に賛同し、防災面でサポートするため、『寺家ふるさと村』の運営を支援する横浜市の協力の元、この実証に至ったという。

該地域における降雨時の水位状況は、ネットワークに接続されたパソコン、タブレットやスマートフォン等から確認できる専用ビューアーにて、リアルタイムかつ的確に把握することができまる。なお、今回の実証実験には別途、屋外乾電池式IoTカメラ「FieldCam(フィールドカム) FC-1000」を設置し、荒天など現場に近づけない場合でも、離れた場所から正確かつ詳細に状況を把握できるシステムを構築した。
この実証実験では、台風や豪雨時におけるため池水位の状況把握と、スムーズな危険通知が行われるかを検証しする。また、降雨量と水位増加の相関関係による危険水位上昇の予測ができるかの検証も併せて行う。これにより、住宅と農地が近接する都市における、ため池周辺地域の防災と水田保全にどの程度寄与できるかを把握し、地域住民の安全確保の一助となることを目指すとしている。

【実証概要】
設置場所 :『寺家ふるさと村』内 農業用ため池2か所(神奈川県横浜市青葉区寺家町)
設置機器 :(1)Field-EX(フィールド・イーエックス)
      (2)FieldCam(フィールドカム) FC-1000

※(一財)河川情報センターに登録された一次電池式の圧力式危機管理型水位計において。(2021年1月時点)
 イーラボ・エクスペリエンス調べ。

プレスリリースサイト(elab-experience):http://www.elab-experience.com/fieldex/pr0001.html

アクアポニックス試験農場『湘南アクポニ農場』を神奈川県藤沢市に開設

(株)アクポ二は、2月14日にアクアポニックス(淡水養殖と水耕栽培を組合せた農法)の生産設備の展示、試験栽培、研修などを目的としたアクアポニックス農場を神奈川県藤沢市に開設した。
この農場は、SDGsの理念に基づくアクアポニックス栽培・養殖の実践、IT&IoTを活用したスマート農業/養殖の研究施設で、毎週水曜日に一般公開している。

◎設置の目的
『湘南アクポニ農場』ではアクアポニックスの知識や技術を学ぶことが出来る施設と研修プログラム(アカデミー)の提供を行う。
農場施設内では栽培/養殖を実際に行っており、実物の栽培施設を見学して理解を深めることや、生産のための技術習得を行うことが出来る。また、国内での普及を進めるための研究や実証実験の場としての活用を進めていく。
・日本の環境や市場に適した『品種の試験栽培/養殖』
・ITシステムやIoT機器を用いた『スマート農業/水産養殖の検証』および『研修施設』
・CO2などの温室効果ガスの排出削減に寄与する『実証施設』としての活用
研究についてはパートナーとなる企業/団体/地域からの利用も想定し、連携や共同研究も進めていく計画という。

◎施設の特徴
1、用途の異なるアクアポニックスの栽培設備をパターンごとに展示
 ①スタートアップモデル(LED型)
 ②オフグリッドモデル(太陽光型)
 ③点滴栽培(太陽光型)
 ④養液栽培とアクアポニックスの切換モデル(太陽光型)※特許取得済

2、生産(栽培/養殖)を行い、実験や研修も可能
 生産品種
 ①野菜:葉物野菜、果樹、など
 ②魚:いずみ鯛(ティラピア) 、オニテナガエビ、鯉、チョウザメなど

3、IoT設備、ITによる管理システム
 ①スマホアプリや環境センサ/Webカメラによる記録や管理を実施し、遠隔からのアクセスも可能
 ②導入されたIT/IoTシステムの試用や研修
 ③新規のシステムの実験環境としての利用が可能(導入済みの既存システムとの連携も検討可)

4、CO2などの温室効果ガスの排出削減
 ①太陽光発電の利用
 ②肥料効率向上(魚の飼育水や排泄物を農場外へ一切排出することなく肥料へ分解して野菜を育てる)

◎湘南アクポニ農場
 所在地    :神奈川県藤沢市
 総面積    :132 ㎡
 公開日    :2020年2月14日
 見学申込ページ:https://aquaponics.co.jp/shonan-aquponi-farm/

ニュースリリースサイト:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000004.000018039.html

「防災GO®」ゲームで避難ルート学ぶアプリを開発

福岡工業大学社会環境学科の上杉研究室と森山研究室は(株)CTIグランドプラニングとともに、位置情報データと地域の防災情報を組み合わせたアプリ「防災GO®」を開発した。
スマホの地図を見ながら身の回りの危険箇所や避難所などを実際に見て回り、防災に関するクイズを解きながら平常時から身近な災害リスクや避難経路などについて関心を持ってもらおうというゲームアプリ。

地震や津波、大雨などの大規模災害の発生時、命を守るために正しい避難場所や避難経路を把握することは不可欠であるが、自分の住む地域にどんな危険箇所があるか、どういう経路で避難するべきかを把握している人は多くない。自治体が設定するハザードマップについても、多くの人は具体的な内容を把握していない。「防災GO®」は位置情報データと地域の防災情報を酌み合わせたゲームを利用者に楽しんでもらいながら、効率的な避難行動を学んでもらうアプリ。
※「防災GO®」は平成31年度の国土交通省「河川砂防技術研究開発公募」から助成を受けて開発された。

地域の災害リスク箇所、避難所などを歩いて把握
「防災GO®」のゲーム画面には各地域で避難所に指定されている建物のほか、土砂災害が発生しそうな危険箇所などがマップに反映されている。実際に歩いてこうした場所まで行くと、その場所に因んだ防災に関するクイズが出題される。さらに、仮想の災害を発生させて、避難場所まで実際にたどり着けるか、シミュレーションする機能も開発している。ゲーム感覚で実際に避難所や危険箇所を回ることで、適切な避難経路を自分の足で実感してもらうだけでなく住んでいる地域をより詳しく理解してもらい、災害時の判断力を強化するという。

浸水想定シミュレーション・「逃げログ」解析も
実際に現地に行き、アプリを使用して洪水などのシミュレーションをすることで、今自分がいる場所が実際にどれくらいの範囲まで浸水するのか、疑似体験しながら確かめることもできる。ハザードマップを見るだけではわからない、災害の想定範囲をリアルに感じることにもつながる。避難行動を分析してスコア化する「逃げログ」の機能も実装を目指しているとのこと。

チームで取り組んでリスクを把握、訓練のゲーム化も
ゲーム性を持って楽しみながら防災に取り組むことが出来るため、学校や地域のコミュニティで行う防災訓練でも活用できる。プレイした回数や、各地のスポットでクイズに正解した数に合わせてプレイヤーやチームにポイントが付与される。自治体と連携してゲームに合わせてポイントを付与するなどの活用をすることで、地域の防災意識を高めることも可能だとしている。

ニュースリリースサイト:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000011.000047155.html

村田とACCESS、幅広い業界のDX化を推進するソリューション開発で協業

(株)村田製作所と(株)ACCESSは、幅広い業界におけるDX(デジタルトランスフォーメーション)の実現を推進するソリューションの開発および市場展開を目指して協業する。この取り組みの一環として、製造現場向けスマートものづくり支援ツール「JIGlet」(ジグレット)を共同開発し、2月19日より、両社の国内販路を通じて提供開始する。

国内製造業は、GDPにおいて全産業の2割程度を占め、雇用・イノベーションへの波及効果も大きい基幹産業である一方、グローバルで進展する工場のスマート化の流れに対して、「コストがかかるため導入ハードルが高い」「使い方が複雑で現場に定着しない」「費用対効果が分かりづらい」などの課題がある。この産業課題に対して、村田製作所の製造業におけるノウハウとACCESSのDX・IoT分野におけるコンサルティングおよびソフトウェア開発力を融合し、現場主導型の改善活動を後押しするものづくり支援ツールを展開していくという。

JIGletは、①作業ランプの点灯・消灯を検知する「照度デバイス」、②ボタンを押して数をカウントする「ボタンデバイス」、③任意の作業時に操作して時間を記録する「サイコロデバイス」の3種類のデータ通信SIM内蔵センサデバイスがあり、指一本で操作可能なデータ収集と可視化用画面、通知用チャットアプリから構成されます。これらを用途により組み合わせて使うことで、ITの知識がない製造現場の担当者でも、簡単に設備や人の状態を記録・蓄積して工程のばらつきやムダをグラフで見える化でき、さまざまな改善活動や課題解決に活用可能。また、JIGletデバイスを既存設備に後付けできるため、大規模な設備導入・投資が不要で簡単に導入できるとのこと。

■JIGletの特徴
1.容易な初期設定・デバイス設置
 各センサデバイスはデータ通信SIMを内蔵しモバイル通信網を使用するため、煩雑なゲートウェイ設置や社内無線LANなどのネットワーク設定が不要で、簡単に後付けで設置できる。
2.簡単なデータ収集
 プログラミングを必要とせず、指一本で簡単に操作できるユーザインターフェースを用いて、データ収集ができる。
3.簡単なデータ活用
 収集したデータを時系列・リアルタイムに自動で見える化し、現場ですぐに確認することができる。

■JIGletの活用例(画像)
製造現場の効率化へ向けた「設備の非稼働要因を把握したい」「作業者別の生産性を把握したい」というニーズに対して、JIGletのサイコロデバイスと専用管理画面を用いることで、簡単にデータ集計・グラフ化ができる。

■販売開始日
2021年2月19日

■今後の展開
両社は、今後も市場ニーズに対応したソリューション開発に取り組み、製造業に限らず、同様の課題を有する他業界のDX化の推進に貢献していく。JIGletについては、海外の製造現場へも展開し、また、さまざまなニーズに応えるデバイス・センサの拡充を図り、継続的な発展を推進していくとしている。

ニュースリリースサイト(access):https://www.access-company.com/news_event/archives/20210219/

ST、高効率のUSB Power DeliveryおよびPPSリファレンス設計を発表

STマイクロエレクトロニクスは、プログラマブル・パワー・サプライ(PPS)機能を備え、USB Type-C™ Power Delivery(PD) 3.0に準拠した電源アダプタ用リファレンス設計「STEVAL-USBPD27S」を発表した。
この製品は、ケーブルが接続されていない場合に適用されるゼロ電力動作モードを備えた、小型かつ高効率の使いやすい電源アダプタ(最大27W)の開発加速に貢献する。また、PPS機能により、消費電力の削減や充電時間の短縮、熱損失の低減、および電源アダプタの部材コスト削減が可能という。

STEVAL-USBPD27Sは、完全なUSB Type-C PDコントローラを搭載したSTM32G071マイクロコントローラ(マイコン)と、最先端のPWMコントローラであるSTCH03、およびUSB Type-C保護IC「TCPP01-M12」を組み合わせている。これにより、EU CoCバージョン5 Tier-2およびUS DOEレベルVI規格における厳しい要件に対応する、高速充電USB電源アダプタを迅速に開発することができる。EU CoCバージョン5 Tier-2およびUS DOEレベルVIは、アクティブ・モード時の4点の最小平均効率および40mW未満のスタンバイ電力を実現するための規格とのこと。

STM32G071マイコンは、二次側のVBUS制御アルゴリズムや、電力効率の向上に貢献する特許取得済みの適応型同期整流用アルゴリズムなど、デジタル制御部全体を処理する。VBUS制御アルゴリズムは、USB Type-C PDおよびPPSの仕様に準拠し、ケーブル電圧降下補正機能を実装しているため供給電圧を正確に制御。また、PPS機能により、出力電圧を3.3V~11Vの間で20mVごとに、電流制限を50mAごとに各々調整できるため、充電時の変換損失を最小限に抑えることができるという。

STEVAL-USBPD27Sは、マイコン・ベースのソリューションとして、カスタマイズした追加のアプリケーション層の実装や、USB PD規格の更新に合わせた継続的な改良点の組込みにもきわめて柔軟に対応可能。
この製品の電力部には、STの高集積PWMコントローラ「STCH03」が採用されている。STCH03は、内蔵の高耐圧起動回路、一次側定電流出力制御、および先進的なパワー・マネージメント機能を搭載しており、擬似共振ゼロ電圧スイッチング(ZVS)フライバック・コンバータ向けに設計されているため、高効率、スタンバイ時の超低消費電力、および優れた動的特性を実現している。
また、STのスーパー・ジャンクション型 高耐圧パワーMOSFET「MDmesh M6シリーズ」の「STD7N65M6」が採用されているため、ハード・スイッチング・モードおよびソフト・スイッチング・モード双方においてスイッチング動作を最適化し、きわめて高い電力効率を実現するとのこと。

TCPP01-M12は、USB VBUSおよびConfiguration Channel(CC)ラインに対して、IEC 61000-4-2レベル4に適合する±8kVのESD保護を提供する。さらに、VBUSピンとCCライン間の短絡保護、および欠陥のあるケーブルが挿入された際の機器の損傷を防止する機能も備えているとしている。

STEVAL-USBPD27Sは、立方インチあたり10.2Wの電力密度を備えすぐに使用できる小型の(59 x 35 x 21mm)リファレンス設計。STEVAL-USBPD27Sは現在入手可能で、価格は約95.00ドル。

ニュースリリースサイト:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000001132.000001337.html

Synspective、小型SAR衛星「StriX-α」の画像取得に成功

(株)Synspective(シンスペクティブ:衛星データ解析によるソリューション提供および小型SAR(合成開口レーダー)衛星の開発・運用を行うスタートアップ企業)は、自社初の小型SAR衛星「StriX-α」の画像取得に成功した。民間の小型SAR衛星(100kg級)の画像取得は日本初とのこと。

StriX-αは2020年12月15日にニュージーランドの マヒア半島にある発射場からRocket Lab社のElectronロケットにより打ち上げられ、予定通りの軌道(太陽同期軌道、高度500km)へ投入された。その後、順調に運用を開始し、2021年2月8日に初画像の取得に成功したという。

■ SAR画像
観測日時:2021年2月8日 12時頃 (日本時間)
観測場所:アメリカ 南フロリダ

■ 今後の展開・災害リスク低減に向けて
今年2021年は、実証2号機「StriX-β」の打上げを予定しており、地表のミリ単位の変動を検出するSAR特有の解析技術「InSAR (Interferometric SAR:干渉SAR)」の軌道上実証を目標としている。
今後2023年までに6機、2020年代後半には30機のコンステレーション(衛星群)構築を目指す。低軌道を周回する30機のコンステレーションにより、世界のどの地域で災害が発生しても、2時間以内に観測することが可能になる(6機では24時間以内)。また、観測したデータを自動解析し、災害時の早期状況把握を実現するソリューションも開発しており、コンステレーションの実現と併せ、世界の災害対応能力の飛躍的な向上を目指すとのこと。

■ StriX-α開発について
Synspectiveは、「StriX-α」の開発に際し、内閣府の「ImPACT(革新的研究開発推進プログラム)」で開発された技術を応用した。
宇宙航空研究開発機構(JAXA)、東京工業大学工学院廣川研究室と共にSARの高密度収納化と小型軽量化を実現、東京大学中須賀・船瀬研究室とは衛星バス機器を開発した。慶應義塾大学白坂研究室は多様な想定ユーザーとの調整を支援した。
今回の初画像取得の成果は、JAXAが推進する共創型研究開発プログラム「J-SPARC」における小型SAR技術の活用等を目的とした共創活動及びこれら大学の協力を得て、Synspectiveが軌道上実証した結果としている。

プレスリリースサイト(Synspective):https://synspective.com/jp/news-press/first-image/

NSW、環境センシングによる熱中症・感染症予防サービスの提供

NSW〔日本システムウエア(株)〕は、各種センサを設置することで環境状況を可視化する熱中症・感染症予防サービス「Around Now!(アラウンドナウ)」の提供を開始した。

「Around Now!」は、暑さ指数(WBGT)やCO2、温度、湿度、照度など環境データを計測する各種センサと、計測データを可視化するクラウドサービスをセットにしたパッケージソリューション。オフィスや学校、商業施設などの屋内環境、イベント会場や運動場、建設現場などの屋外環境に向け、環境センサを設置することで計測場所の環境情報を可視化しリスク対策をサポートするという。

計測した環境データはPCやスマートフォンなどのブラウザを経由してリアルタイムに確認することができ、閾値の設定によりシステム側から環境アラート通知を行うことも可能。提供価格は熱中症対策とインフルエンザ対策の標準パッケージで初期費用120千円、月額3千円からとのこと。

今後NSWでは、本サービスの提供による環境センシングのノウハウ蓄積と、環境センサーの追加によるサービスラインナップおよび機能の増強に取り組んでいくとしている。

ニュースリリースサイト(NSW):https://www.nsw.co.jp/topics/news_detail.html?eid=646&year=2020

WISE-2410LoRaWANワイヤレス振動センサのオンプレパッケージを発売

アドバンテック(株)は、昨年より販売しているWISE-2410LoRaWANワイヤレス振動センサをオンプレミスで簡単使うことができるLoRaWANオンプレミスパッケージの販売を2021年2月15日より開始する。
このLoRaWANオンプレミスパッケージによって、設備保全のため定期的に振動測定を行っている業務を自動化することができ、保全業務の効率化・省力化を実現することができる。また、2021年4月30日までキャンペーン価格での提供をするとのこと。

▮WISE-2410振動測定パッケージ
WISE-2410 LoRaWANワイヤレス振動センサは、電池駆動でLoRaWAN長距離無線、振動測定ができるということで好評だが、簡単にオンプレミスで使えるようにして欲しいという要望も多くあった。
そこで同社製品のWebAcess/SCADAソフトウェアを使ってオンプレミスで使うことができるパッケージを販売することとした。
WebAcess/SCADAソフトウェアは、WebベースのSCADAソフトウェアだが、振動センサのデータの収集、グラフ化、閾値設定、アラーム送信、CSV出力に特化して、簡単に使えるパッケージとした。外部ネットワークに接続せずに使うこともでき、ネットワークに接続している場合は他のPCからWebブラウザで確認することもできるという。

▮LoRaWANを簡単にオンプレミスに
WISE-2410LoRaWANワイヤレス振動センサは、LoRaWAN無線を使っていることで無線LANなどの無線通信より長距離の通信が可能になる。しかし、LoRaWANの基本構成がゲートウェイ、ネットワークサーバ、アプリケーションとなりプライベートのオンプレミス環境での利用が容易ではなかった。本パッケージではゲートウェイにネットワークサーバが内蔵しており、アプリケーションであるWebAcess/SCADAとの接続も簡単行え、オンプレミス環境が容易に実現できる。WebAcess/SCADAはWebブラウザベースのSCADAソフトウェアだが、パッケージでの用途において特別な知識も不要でGUIの設定だけで簡単に使えるとのこと。

▮WISE-2410パッケージの主な特徴
・電池駆動(2年@15分間隔)で配線なく設置可能
・JIS-B0906の機械振動の一般指針で定義されている速度RMSの基準の設定も可能
・ワイヤレス振動センサ、ゲートウェイ、産業用PC、WebAcess/SCADAソフトウェアセットですぐに使用可能

▮WISE-2410パッケージの概要
内容:WISE-2410 ワイヤレス振動センサ、マグネットベース、LoRaWANゲートウェイ、
   UNO-1372産業用PC(ACアダプタ込)、WebAcess/SCADAソフトウェア(300タグ)
センサ測定:振動速度RMS、加速度(RMS、ピーク)、表面温度
ゲートウェイ:イーサーポート、無線LAN、LoRaWAN無線、ネットワークサーバ内蔵
産業用PC:UNO-1372(Win10IoT, SSD64GB, RAM4GB)
ソフトウェア:300測定項目分のライセンス付き
標準価格 :¥298,000~
キャンペーン価格:¥199,500~(センサ台数による)
キャンペーン期間:2021年4月30日まで

ニュースリリースサイト:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000001.000073476.html

光ファイバセンサの国際規格とモニタリングシステムのガイドライン(2)

東京大学
新領域創成科学研究科
教授  村山 英晶

3.船体構造モニタリング2)

船舶は、日本の貿易貨物の99%以上を運んでおり、その安全な運航が経済と生活を支えている。船舶の安全な運航は基本的に、設計時に想定されている外力の範囲内で運航すること、また構造の強度を維持することによって守られている。しかし、急な海象の変化により激しい波浪外力に晒されたり、使用環境に左右される腐食や疲労による劣化が強度を低下させたりすることは、外力や強度の見積もりに不確実性を与えることになる。船体構造モニタリングは、実際の構造状態をモニタリングすることで、現実と想定のギャップを減らし、安全な運航と適切な維持管理を支援する目的を持っている。
図1に典型的な船体構造モタリングシステムを示す。特徴は、船体の縦曲げ応力を計測するために4つのひずみゲージとスラミングと呼ばれる波浪衝撃を検知するために加速度計を1つもつことである。いくつかの事故を経て、1994年にIMO (international maritime organization) などからモニタリングシステムを装備して損傷リスクを減少させるよう提言が出されている8)。その後、主要な船級協会から船体構造モニタリングに関する規則が発行された9)。この規則に従って船体構造モニタリングシステムを船舶に装備すると船級協会に承認されたうえで、船級符号への付記(ノーテーション)が与えられる。船舶の装備品には必須のものもあるが、現在、船体構造モニタリングシステムは任意である。

図1 典型的な船体構造モニタリグの構成

船体の応力を計測する場合、局所的な変形を除くため0.5から2.0 m程度のゲージ長を持ち、線形可変作動変換機 (LDV) や線形変位変換機 (LDT) からなる変位センサが用いられることがあるが、比較的短いゲージ長のひずみゲージの場合、FBGが利用されることが一般的になってきた。ひずみゲージの設置には接着、溶接、ボルト結合のいずれかが選択されるが、短期間の動的計測や長期の経年変化の検知など、目的に応じて選択する必要がある。計測したひずみにヤング率を乗じれば応力に変換できるが、基本的にひずみゲージは温度の影響を免れることができず、高精度の応力変換には温度補償が必要になる10)。センサ信号集録のサンプリングレートについては、波浪中の船舶の変形に対しては20 Hz程度で十分であり、スラミングなどの衝撃荷重に対しては数百Hzとする必要があろう。
船体構造モニタリングでは、計測ひずみから変換された応力やモーメントが表示され、許容範囲内にあるかを判断できる。許容範囲を超えたり、超えそうになったりすれば、船速を下げたり、進路を変えて船体へのストレスが軽減されているかを確かめられる。

このように従来の船体構造モニタリングは、船員による適切な運航を支援するために、現実の船体の状態をなるべく正確に把握させることが主たる目的であったと言える。現在、開発競争が激しくなっている自動運航船の実現に向け、運航会社や造船会社など海上輸送に関わるステークホルダーが、船舶のデジタル化を推し進め、船舶の運航状況をリアルタイムに、正確に知ることに強い関心を寄せている11)。デジタルツイン(Digital Twin)とは、現実世界と計算機上のモデルを融合させる(Cyber-Physical Integration)技術コンセプトで12)、製品や構造物、あるいは製造現場のような現実世界のモノの実際の挙動を再現したり、それに基づいてフィードバックをかけたりすることを目的にして、計算機上で動作するバーチャルかつ現実に忠実なシミュレーションモデルのことを示している。例えば航空機エンジンでは、飛行中の温度・圧力といったデータをセンサで取得し、逐次データにもとづいてエンジンのデジタルツインが更新され、状態の把握、そして予知保全に利用されている13)。つまり、船舶のデジタルツインは、海上輸送の各ステークホルダーが求める一つの解となることが分かる。
2018年から一般財団法人日本船舶技術研究協会が船体構造のデジタルツインを開発すべく研究開発委員会を発足した。ここでも、光ファイバセンサを用いた船体構造モニタリングの役割に期待がかけられている。同時に、精度、耐久性、コスト、利便性など、あらゆる面でより厳しい要求が求められることになるだろう。

4.まとめ

本稿では、IECを中心に整備が進められている光ファイバセンサの国際規格について紹介した。また、船体構造モニタリングについて、そのガイドラインと今後の動向について述べた。もののデジタル化に伴い、センサの出番が増加していくなか、光ファイバセンサの特長を活かした適用が期待される。

参考文献

1)T. Yamate, G. Fujisawa, Toru Ikegami, Optical Sensors for the Exploration of Oil and Gas, Journal of Lightwave Technology, 35(16), 3538-3545, 2017.

2)藤野陽三(監)、構造物のモニタリング技術、コロナ社、2020.

3)村山英晶、特定非営利活動法人・光防災センシング振興協会の取り組み:標準化・啓発・開発、計測と制御、51(3)、293-298、2012.

4)松井隆、荒木則幸、泉田史、IEC TC86 (ファイバオプティクス) における国際標準化活動状況、NTT技術ジャーナル、28(9)、56-59、2016.

5)藤野仁三、江藤学、標準化ビジネス、白桃書房、2009.

6)ASTM F3079-14, Standard Practice for Use of Distributed Optical Fiber Sensing Systems for Monitoring the Impact of Ground Movements During Tunnel Utility Construction on Existing Underground Utilities, 2014.

7)AIR6258, Fiber Optic Sensors for Aerospace Applications, SAE International, 2015.

8)IMO, Recommendations for the fitting of hull stress monitoring systems, MSC/Circ.646, 1994.

9)日本海事協会、船体監視システム規則.

10)B. Phelps, B. Morris, Review of hull structural monitoring systems for navy ships, DTIC Document, 2013.

11)久保田龍之介、堀越功、特集 世界への挑戦状、海の自動運転、日経クロステック、2020.

12)Fei Tao, Qinglin Qi, Lihui Wang, A.Y.C. Nee, Digital twins and cyber-physical systems toward smart manufacturing and industry 4.0: correlation and comparison, Engineering, 5, 653-661, 2019.

13)W. James, GEアビエーションのデジタル・ソリューション、
https://www.ge.com/jp/sites/www.ge.com.jp/files/A-4_James-Witemyre_JP_FINAL.pdf (2021年1月アクセス)



【著者紹介】
村山 英晶(むらやま ひであき)
東京大学 大学院新領域創成科学研究科 海洋技術環境学専攻 教授

■略歴
1996年 3月 東京大学工学部船舶海洋工学科卒業
1999年 1月~2001年3月日本学術振興会特別研究員
2001年 3月 特殊法人宇宙開発事業団宇宙開発特別研究員
2003年 5月 東京大学大学院工学系研究科環境海洋工学専攻講師
2006年10月 同助教授
2007年 4月 同准教授
2008年 4月 東京大学 大学院工学系研究科システム創成学専攻准教授
2013年 7月 – 現在 東京大学 大学院工学系研究科附属レジリエンス工学研究センター 協力教員
2015年 4月~2016年4月スウェーデン王立工科大学 School of Engineering Sciences 客員研究員を経て
2017年 6月より現職