3. セキュリティ用センサの研究・応用事例
3.1 多様な環境で確実に侵入者を検知する「AX画像センサ」
先述の「セコムAX」システムは、ご契約先が無人になる時間帯の侵入者を画像センサで検知すると、検知信号と共に画像をセコムに伝送する。また営業中であっても非常ボタンの押下により画像をセコムに伝送できる。(図1)
ご契約先が無人の時間帯であっても、画像には様々な変化が生ずる。例えば窓から入り込むヘッドライトやセンサ前を飛来する虫などである。AX画像センサ(図2)は、これら変化を“侵入”と誤認識しないよう、アルゴリズムに留まらずハードウェア制御にも踏み込んだ独創的かつ画期的な「人間知識型AI」により、侵入者を間違いなく検知し、それ以外の変化を極力排除する。
AX画像センサは、これまでに20年以上の運用実績を誇る。運用の年月と共に蓄積され続ける「ノウハウ」が「人間知識型AI」の進化を支える原動力であり、サービス事業者でしか成し得ない「技術進化の好適なサイクル」を体現したセンサと言える。
次週に続く-
【著者略歴】
徳見 修(とくみおさむ)
セコム株式会社 IS研究所 センシングテクノロジーディビジョン
サブディビジョンマネージャー
1990年、セコム株式会社入社、IS研究所配属。
以降、バイオメトリクス、人数計測、侵入検知、行動認識などの画像認識や、カメラ、距離センサ、ロボットなどセンシング技術の研究開発に従事。
2003年、開発プロジェクトのリーダー。
以降、画像/センサ系研究グループのリーダー、サブマネージャー、主任研究員を経て2018年4月より現職。