●3D計測のためのレーザーの利用と画像処理ソフトウエア
また、非破壊検査の範疇になるのだが、レーザー光線の利用も進んでいる。レーザー光線は非常に細い光を出せるので、構築物にレーザー光の高速のスキャンを行い、構築物に描かれた縞模様を複数の方向から記録し、画像処理ソフトウエアによって、構築物の細部の欠陥を得よう、という技術である。
基本的に、これらのクラック検査装置だけでなく、多くの光系のクラックなどの発見の仕組みは、描かれた光の線をソフトウエアで画像処理を行い、建物の詳細な部分も含めた3Dデータを得て、クラックの発見につなげる、というものが多い。時代はセンサだけのハードウエアから画像処理ソフトウエアの利用の時代に移った、といえるだろう。
また、これらの画像処理の技術は、クラック発見のみならず、構築物の精密な大きさ測定などにも使われている。これらの画像処理のソフトウエアのベースには、無料でインターネットからダウンロードして使えるソフトウエア部品:オープンソースソフトウエア(OSS)が使われることが多く、既に1行ずつソフトウエア技術者がプログラムを書く部分は非常に少なく、大きな結果を得ることができる、という時代に変わった。ソフトウエア開発の現場も進化しているのだ。今や、OSSを知らないソフトウエア開発技術者では、生産性に大きな差が生まれてしまう。そんな時代になった。
参考文献
(図1) 国土交通省 総合政策局 公共事業企画調整課 2015年11月時点資料
次世代社会インフラ用ロボット
http://www.mlit.go.jp/common/001111983.pdf
著者紹介
三田 典玄(みた のりひろ)
サイバーセキュリティ、コンピュータ言語、インターネット、IoT専門家。
2019現在 日本フォトニクス協議会知財戦略専門部会事務局長 センサイトプロジェクト企画運営委員
2013~2015 韓国・慶南大学・コンピュータ学科教授。専門:サイバーセキュリティ
2002~2004 経済産業省・産業技術総合研究所・ティシュエンジニアリング(再生医療)研究センター 特別研究員
1996~1997 東京大学・先端科学技術センター 協力研究員
その間、(株)シグマコーポレーション/(株)シースターコーポレーション/技能五輪 国内大会・世界大会の情報技術職種委員/台湾新聞/ジョルダン(株)/(株)プライムネット等
次週に続く-