最大125℃で常時認識システムに最適なエッジAI対応車載用モーション・センサ

STマイクロエレクトロニクスは、車載用6軸MEMSモーション・センサ「ASM330LHHXG1」を発表した。同製品は、センサ内でAIを実行することができ、優れた低消費電力性能を備えている。また、最高125°Cの動作温度範囲により、過酷な環境でも優れた信頼性を実現するという。

3軸加速度センサと3軸ジャイロセンサを搭載したASM330LHHXG1は、動作時消費電流が800µA未満で、システムの消費電力削減に貢献するため、常時認識システムに最適である。また、内蔵された機械学習コア(MLC)およびステート・マシン(FSM)を利用したセンサ内AIにより、ホスト・プロセッサの負荷を軽減するとともに、低遅延かつ高効率なイベント検出 / 分類を実行可能である。広い動作温度範囲を備えているため、ASM330LHXG1を搭載したスマート・センサを過酷な環境で幅広く使用することができる。エンジン部品の近くや直射日光下、オンボード・チャージャの消費電力が標準動作レベルを超えて温度が上昇する可能性がある場所での使用など、優れた柔軟性を提供する。
また、MLCとFSMを内蔵しているため、ナビゲーション支援やテレマティクス、盗難防止、衝撃検知、モーション起動機能など、最小限の消費電力で高速かつ確定的な応答が求められるアプリケーションに最適とのこと。

STは、ASM330LHXG1を使用した評価・試作・開発に貢献するMEMSセンサ開発エコシステムを提供している。Unico-GUIや、AlgoBuilder、MEMSセンサ・アダプタ・ボード(STEVAL-MKI243A)など、幅広い開発ツールが含まれている。また、STのGitHubリポジトリでは、すぐに使えるアプリケーション・サンプルが提供されている。MLCリポジトリでは、傾き / 牽引 / 車両状態検出などのユースケースが提供され、FSMリポジトリでは、動作中 / 静止中の状態検知や振動検知など、さまざまなサンプルを利用可能である。
ASM330LHXG1は、2つの動作モードを備えており、データ更新レートと消する。加速度センサの測定範囲は、±2 / ±4 / ±8 / ±16gから選択可能で、ジャイロセンサの角速度は、±125、±250、±500、±1000、±2000、±4000dpsに設定可能。

AEC-Q100規格に準拠したASM330LHHXG1は、現在量産中で、オーバーモールド封止された14ピンのプラスチック製LGAパッケージで提供される。1,000個購入時の単価は約8.99ドル。

製品サイト:https://www.st.com/content/st_com/ja/campaigns/gear-up-for-an-unmatched-automotive-experience-mems.html