ボディ制御の簡略化に貢献 CAN FDおよびLIN内蔵の車載用パワー・マネージメントIC

STマイクロエレクトロニクスは、車載用パワー・マネージメントIC「SPSB081」を発表した。同製品は、メインの固定電圧出力のLDO(低ドロップアウト)レギュレータ、プログラム可能なセカンダリLDOレギュレータ、4つのハイサイド・ドライバ、CAN FDトランシーバ(※1)、オプションのLINトランシーバ(※2)など、さまざまな機能を備えている。また、きわめて低い静止電流のスタンバイ・モードを複数備えており、プログラム可能なローカルまたはリモート・ウェイクアップによって消費電力の最小化に貢献する。

SPSB081に内蔵された電源およびトランシーバは、サンルーフやシート、リア・ゲート、ドア、照明モジュール用の車両ボディ制御システムの設計簡略化に貢献する。適応性に優れているため、ゲートウェイや冷暖房空調制御システム、パッシブ・キーレス・エントリ・システム、テレマティクス制御ユニット、制御パネルにも最適。

さらに、フェイルセーフ信号用の診断出力ピンなど、豊富な保護機能が内蔵されている。そのため、安全性の高いハードウェア要素として設計されていない場合でも、ISO 26262に準拠した機能安全要件の満足が求められるアプリケーションにも対応可能。すべての出力に、過電流保護およびオープン負荷検出が搭載されている。1次(固定電圧)LDOレギュレータは、過電圧保護、過熱保護回路を搭載し、2次(プログラム可能)LDOレギュレータは、過負荷、過熱、短絡、逆バイアスの保護機能を搭載している。いずれも起動時の接地との短絡のモニタリングと、レギュレータ故障の連続的なモニタリングを備えている。

SPSB081は、AEC-Q100規格に準拠し、動作温度範囲は-40℃~+150℃、最高動作温度が175℃である。全品種が量産中で、熱効率に優れたQFN32Lパッケージ(5 x 5 x 1mm)で提供される。単価は、1000個購入時に約1.80ドル。

(※1) CAN FD: コントローラ・エリア・ネットワーク・フレキシブル・データレート(ISO 11898-2/2016、SAE J2284準拠)
(※2) LIN: ローカル・インターコネクト・ネットワーク(ISO 17987-4/2016準拠)

ニュースリリースサイト:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000001330.000001337.html