ミネベアミツミ、国内事業所に電力自己託送を開始

 ミネベアミツミ(株)は、三菱HCキャピタル(株)および中央電力(株)両社の共同出資により設立した、(同)リネッツを通じて、ミネベアミツミ(株)とミツミ電機(株)(以下、ミネベアミツミグループ)に太陽光発電所を活用した「じこたくサポートサービス(以下、じこたくサポート)」による電力の導入を開始した。

 2023年6月から7月にかけて、ミネベアミツミグループの関東エリア5カ所の事業所および工場にNon-FIT(非FIT*1)の追加性*2の高い低圧太陽光発電による電力の導入を開始、ミネベアミツミグループのCO2削減を進めるとのこと。

 リネッツ社が提供するじこたくサポートは、企業が太陽光発電による自己託送を円滑に進めることができるよう、発電所の開発、保守・管理をはじめ、自己託送を実施するにあたり必要な一般送配電事業者等への各種手続き、同発電所のリース契約、発電予測値の算出および発電計画提出等の運用まで、ワンストップで支援するもの。同社は、発電所の開発に係る初期投資が不要なうえ、安定的な再生可能エネルギー(以下、再エネ)電力の直接調達が可能となる。

 ミネベアミツミグループは、リネッツ社が提供するじこたくサポートを利用することで、環境への負荷が小さい低圧太陽光発電所27サイト(約2.4MW)から年間約270万kWhの再エネ電力を使用する。具体的には、東京本部、藤沢工場、松井田工場において計6サイト(約0.5MW)、多摩ミツミ電機本社、厚木事業所において計21サイト(1.9MW)を活用、グループ全体のCO2排出量は年間約1,755t‐CO2の削減を見込んでいる。
 ミネベアミツミグループは、今後ともGX(グリーントランスフォーメーション)を推進のうえ、環境長期目標に掲げた「2031年3月期までに、2021年3月期比にて同社グループにおけるCO2排出量30%削減(SBT(2℃目標)準拠)」を実現すべく、取り組むとしている。

 今回のじこたくサポートでは、三菱HCキャピタルは発電設備のリースなどのファイナンス面でのサポート、中央電力はインバランスなどのサービスを提供して貰う。三菱HCキャピタルおよび中央電力は、リネッツのじこたくサポート提供により、同社のGX(グリーントランスフォーメーション)をサポートして貰う。

 三菱HCキャピタルおよび中央電力は、リネッツを通じて2022年11月から中央電力へのじこたくサポートの提供を開始、太陽光発電所による自己託送を行っており、2023年9月をめどに100サイト(約10MW)となる予定。今後は、ミネベアミツミグループの関東エリアでのサービス提供を契機に、同グループの他拠点や他社へのじこたくサポートの提供を加速させることで、企業のカーボンニュートラルに貢献すべく、2025年6月期までには、500サイト(50MW)を超える発電規模をめざすとのこと。

*1 非FIT:固定価格買取制度に頼らない再エネ由来の電気のこと。
*2 追加性:需要家から得た資金が再エネの追加的な発電、具体的には、あらたな再エネ発電所の建設などに投資されることで、再エネ発電が確実に増えること。

ニュースリリースサイト(minebeamitsumi):
https://www.minebeamitsumi.com/news/press/2023/1206139_17683.html