千葉大学大学院工学研究院 角江崇助教、下馬場朋禄教授、伊藤智義教授、京都工芸繊維大学電気電子工学系 粟辻安浩教授、同大学院工芸科学研究科博士後期課程 井上智好氏らの研究グループは、光の伝播をスローモーション動画で記録できる技術を、従来と比較して55万倍高速にコンピューターシミュレーション可能な計算アルゴリズムの開発に成功した。
この成果により、当該技術において大きな課題となっていたスローモーション動画に含まれる時空間歪みを除去し、光の振る舞いを忠実に再現可能にする見通しが立った。光の伝播をスローモーション動画で記録できる技術は、生体細胞などの散乱媒質内を伝播する光の振る舞いの可視化を可能にするため、本成果は、散乱により乱された光の情報を復元し、媒質の内部状態や媒質と光との相互作用を明らかにすることを目指す「散乱透視学」の実現へ向けた第一歩であると期待できるという。
この研究成果は、2021年11月23日に、米国光学会(Optica)が刊行する科学論文雑誌の「Journal of the Optical Society of America A」に掲載された。
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