<製品名>ロボットアシストウォーカーRT.2
製品概要
RT.ワークス株式会社は、高齢者の自立支援・活動範囲拡大支援・運動能力の維持向上、介護従事者の負担軽減といった進む超高齢社会からの要請に応えるため、ロボット技術を活用した手押し車型の電動アシスト歩行支援機器「ロボットアシストウォーカーRT.2」を開発し、販売している。
RT.2は、ハンドルの操作状態や車体の速度、加速度、角速度などを検知するセンサ群を備える。これらのセンサ群から得られる情報により、路面状況や人の動きに合わせた独自の歩行アシストアルゴリズムを開発した。このほか、外出歩行で疲れた時のための休憩用いす、荷物を載せることができる荷物カゴ、車のトランクに積載するための折り畳み機構、音声による注意喚起(おしゃべり機能)といった便利なユーティリティーを備える。
またRT.2は、国立研究開発法人日本医療研究開発機構(AMED)の「ロボット介護機器開発・導入促進事業」の採択を受けて先行開発・販売しているRT.1の技術を搭載し、よりコンパクトにした製品となっている。また、介護保険制度の福祉用具貸与対象となっており、多くの要支援・要介護認定の方々にご利用いただいている。
構成と機能(特徴)
本製品の主な構成としては、コントロールボックス内にバッテリーと制御基板(6軸ジャイロセンサ搭載)と操作パネルを、ハンドル部に静電容量タイプの把持センサを、後輪2輪にモータ回転検出センサをそれぞれ搭載している。
把持センサは、使用者がハンドルを握っているかどうかの状態を検出し、6軸ジャイロセンサは、路面の傾斜や車体の速度、加速度などを検出し、モータ回転検出センサは、モータの回転数、回転方向などを検出している。
RT.2は、前述のセンサ群からの情報を基に図2に示すように、上り坂では路面の傾斜角度に合わせて自動的にパワーアシストし、下り坂では同様に適切なブレーキがかかるようになっている。また、左右方向に傾いた路面では重力によって低い方向へ進もうとするのを抑制し、利用者の意図に沿って直進できるように左右のモータを独立に制御する(片流れ防止)。更に、坂の途中で手を放すと自動的に停止する機能や、利用者がつまずいたり突進性の歩行をした場合に急加速度を検知すると自動的にブレーキがかかるようになっている。このように、利用者は電源を入れるだけで従来の歩行器と変わらない使い勝手で、RT.2が状況に応じて歩行支援を行うため、より安心・安全に歩行することができる。これにより、高齢者の自立支援・活動範囲拡大支援・運動能力の維持向上に役立つものと言える。
名称 | RT.2(アールティーツー) |
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型番 | RT2-01RD(レッド)/RT2-01CG(シャンパンゴールド) |
サイズ | 幅55cm×奥行74cm×高さ(ハンドル高さ)72.5cm~85cm |
重量 | 9kg |
電源 | リチウムイオンバッテリー(専用充電器付属) |
動作時間 | 連続動作4時間 |
充電時間 | 3時間 |
実用登板性能 | 縦断勾配12%(傾斜7度)/横断勾配5%(傾斜3度) |
積載重量 | 最大5kg |
使用者体重 | 最大100kg |
防水性能 | 防雨型(IPX3 規格準拠) |
TAISコード | 01560-000003 介護保険貸与対象 |
希望小売価格 | 118,000円(税抜) |
介護ロボット(移動支援)の今後の動向
先行開発・販売しているRT.1では、3G回線を利用したネットワーク機能を搭載しており、GPSの位置情報から外出先の位置確認(見守り)や機器が転倒した場合に関係者への緊急通知(メール自動送信)が可能となっている。よりコンパクトさを求めたRT.2ではこれらのネットワーク機能を非搭載としたが、後にオプションで追加が可能な構成としている(発売時期は未定)。今後はネットワークにつながることを前提とした製品やサービスが増えるものと思われ、その機能やサービスに応じてどんな情報(データ)をどんなセンサで取得しどう活用するか、新たな開発が必要になってくるであろう。
また、介護ロボットの場合、主な利用者が高齢者であるため、安全性の確保については極めて重要である。RT.2では安全性を担保するために、生活支援ロボットの国際安全規格であるISO13482の認証を取得済である。一方使い勝手という点では、より単純なインタフェースが求められ、高齢者の思考や動作に適合させたユニバーサルデザインが必要になってくる。更なる安全性の確保と利便性の追求において、センシング技術と制御技術がキーテクノロジーとなるのは間違いない。
問合せ先
RT.ワークス株式会社
TEL: 06-6975-6650 FAX:06-6975-6651
E-mail: contact@rtworks.co.jp
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