Nikon レーザー距離計の光センサ
COOLSHOT PRO STABILIZED
レーザー距離計は、測定対象物にレーザー光を照射し、対象物から反射した光を受光するまでの時間を測定し、光速から距離を計算する距離測定機である。本製品は、2018年5月に発売した新製品「COOLSHOT PRO STABILIZED」で、ハンディタイプのゴルフ用レーザー距離計として、世界で初めて手ブレ補正機能を搭載した前製品の二代目となる。前製品と比較して小型軽量化を実現し、内部表示には2色の透過型OLEDパネルを搭載し、ユーザーの視認性を高めている。
距離計の光センサ
COOLSHOT PRO STABILIZEDの最長測定距離は1090mと長距離であるため、測定対象物から反射する受光信号は、かなり微弱な光となる。そのため、距離計の受光素子は、高感度な光センサが必要となり、通常のフォトダイオードに比べ、100倍程度感度が高いAPD(アバランシェフォトダイオード)を使用している。
APDは、通常のフォトダイオードと同様に、フォトダイオードのPN接合に入射した光により発生した電子―正孔対(キャリア)を光電流として検出するが、PN接合に逆電圧を印加することで、発生したキャリアが連鎖的に発生するアバランシェ効果を利用した高感度なフォトダイオードである。ちなみに、現在使用しているAPDの逆電圧は、200V程度とかなりの高電圧である。
APDの分光感度特性は、400~1100nmの広範囲にわたり感度特性を有している。特に、APDの感度は、発光系であるレーザーの波長が900nm付近であるため、この波長にピークがある必要がある。ただし、本距離計は、野外で使用することが前提であるため、測定環境下に、強烈な太陽光が存在し、これが最大の光ノイズとなる。そのため、可能な限り太陽光ノイズを小さくするため、距離計の受光部には、光学バンドパスフィルタを搭載し、信号とノイズを光学的に分離している。光学フィルタは、フィルタ付APDとしてAPDに搭載したものを使用している。そして、APDで受光した信号は、電気的に波形形成されディジタル信号となる。この信号と、レーザーを発光したときの発光信号との時間の差を測定し、光速を用いて距離を算出する。
本製品の主な仕様は、以下の通り。
測定範囲 | 7.5-1,090m/8-1,200yd. |
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測定精度(直線距離)※1 | ±0.75m/yd.(700 m/yd.未満) ±1.25m/yd.(700 m/yd.以上、1000m/yd.未満) ±1.75m/yd.(1000 m/yd.以上) |
表示ステップ | 直線距離(上段):1m/yd.単位 直線距離(下段):0.5 m/yd.単位 水平距離/加減算距離(下段):0.2 m/yd.単位 高さ(上段):0.2 m/yd.単位(100 m/yd.未満) 1 m/yd.単位(100 m/yd.以上) |
倍率 | 6倍 |
対物レンズ有効径 | 21mm |
実視界 | 7.5° |
ひとみ径 | 3.5mm |
アイレリーフ | 18.0mm |
大きさ(長さ×高さ×幅) | 96×74×42mm |
質量(重さ)(電池除く) | 約170g |
電源 | CR2リチウム電池×1本(DC3V)、オートパワーオフ機能(約8秒) |
防水構造※2 | 防水※3 (電池室は生活防水※4) / 防曇 |
電波規格 | FCC Part15 SubPartB class B、EU:EMC directive、 AS/NZS、VCCI class B、CU TR 020、ICES-003 |
レーザー規格 | IEC60825-1:Class 1M/Laser Product、 FDA/21 CFR Part 1040.10:ClassⅠLaser Product |
環境 | RoHS、WEEE |
上記仕様は目標物、表面の形状・性質や気象条件により満たされないことがあります。
※1=当社測定条件による。(本製品は簡易距離計のため、測定結果は公的な証明等には使用できません)。
※2=雨滴により、目標物までの距離が正常に測れないことがあります。
※3=1mの水深に10分間浸かっても影響のない防水設計(水中での使用はできません)。
※4=JIS/IEC保護等級4(IPX4)相当(当社試験条件による)。
問合せ先
株式会社ニコンイメージングジャパン
ニコンカスタマーサポートセンター TEL: 0570-02-8000 FAX:03-5977-7499
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