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ST、低消費電力アプリケーション向けに低ノイズ・低電圧のLDOレギュレータ

STマイクロエレクトロニクスは、優れた安定性と長いバッテリ駆動時間が求められるアプリケーション向けに、最大200mAの電流供給能力を備えた低ドロップアウト(LDO)レギュレータ「LD56020」を発表した。同製品は、1.1V~5.5Vの電源電圧で動作し、低出力ノイズを特徴とするとのこと。

LD56020は、低コスト、きわめて低いドロップアウト電圧(全負荷時に最大190mV)、および低静止電流(軽負荷時に最大25µA)を特徴とし、モバイル機器やビジョン・センサ、ワイヤレス・モジュールなどに最適。外部イネーブル・ピンを介し、コントロール・ロジックでレギュレータをスタンバイ・モードにすることで、消費電流を0.1µA未満に低減可能である。

また、90dBの電源電圧除去(1kHz、20mA時)、わずか8.8µVRMS(10Hz~100kHz)の出力ノイズを備え、低電圧デジタル回路にクリーンな電源を供給する。入出力端子には、小型セラミック・コンデンサを1個ずつ使用し、回路を安定化させている。部品点数の削減に加え、0.65 x 0.65mmの小型チップ・スケール・パッケージ(CSP)で提供されるため、基板面積への影響が少ない小型実装を実現している。

LD56020には、短絡電流フォールドバックと減電圧ロックアウト(UVLO)などの保護機能が搭載されており、システム・エラー発生時の過剰な消費電流を防止する。また、過熱保護機能と内部放電パスも備えている。
LD56020は現在量産中で、CSP-4チップ・スケール・パッケージで提供される。単価は、1000個購入時に約0.14ドル。

ニュースリリースサイト:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000001237.000001337.html

光ファイバーセンサーを用いた空間分解能10cmでの温度計測技術を開発

ポイント
・「超高温設備の革新的オンライン監視システムの技術開発」をNEDOの委託業務で実施

・次世代火力発電プラントの配管や化学プラントの反応装置などの750℃以上の高温下における温度分布の監視技術を開発


概要
沖電気工業(株)、中国電力(株)、一般財団法人電力中央研究所(以下、電中研)は、次世代火力発電プラントや化学プラントなどの超高温設備の運用課題に着目した温度計測技術を開発した。伝熱管や反応装置など、精密かつ超高温となる設備の異常をリアルタイムに検出するため、750℃以上の環境下で動作し、空間分解能10cmで光ファイバーに沿った温度分布を計測可能とする次世代の技術である。これにより超高温設備の負荷変動時に生じる異常過熱をリアルタイムに解析することができ、装置の省エネ化や長寿命化に貢献するという。

この成果は、国立研究開発法人 新エネルギー・産業技術総合開発機構(以下、NEDO)の委託業務(JPNP14004)の結果得られたもの。

1. 背景
わが国で技術開発が進められている次世代火力発電プラント(注1)は、再生可能エネルギーの出力変動を調整する役割が期待されている。しかし、起動停止時や負荷変動時に生じやすい異常過熱により、伝熱管クリープ破断(注2)やエネルギーロスを引き起こす課題がある。また、化学プラントのような高温反応装置では、不均一な化学反応に起因するホットスポット(注3)の発現による安全性や効率、耐久性の低下が課題となっている。

しかしながら既存の高温用センサは、計測精度、空間分解能、耐久性を両立できず、超高温で稼動する産業設備の温度分布から異常過熱箇所をリアルタイムで把握することは困難だった。

2. 研究手法・成果の特徴
本研究では、750℃以上の高温下での安定的な計測を実現する光ファイバーコーティング技術と、この光ファイバーを使ったセンサ技術、10cmの分解能でリアルタイムでの温度分布計測を実現する光ファイバーセンサ用信号処理技術を開発した。さらに、ボイラー伝熱管への敷設方法を開発し、伝熱管の模擬環境としてプロパンバーナー燃焼ガス中に保持したSUS(注4)管の表面温度計測に適用することで、750℃での長時間使用と、最高950℃までの計測、さらに750~900℃の超高温において一般的な熱電対と同等の精度での温度計測が可能であることを実証した。

3. 将来の社会実装イメージ
NEDO委託業務(JPNP14004)には電中研、中国電力、OKI、北海道電力(株)、大阪府立大学(現:大阪公立大学)、非破壊検査株式会社が参画し、750℃以上の高温下での安定的な計測を実現する光ファイバーコーティング技術と、この光ファイバーを使ったセンサ技術、10cmの分解能でリアルタイムでの温度・ひずみ分布計測を実現する光ファイバーセンサ用信号処理技術、理想化陽解法FEM(注5)による従来比100倍以上の高速化で実構造のクリープ解析を可能にする技術の開発を行った。今後、上記の要素技術を組み合わせ、超高温下で動作する設備・機器をデジタルで完全に再現するデジタルツイン(注6)を実現していくとのこと。

超高温環境下で動作する大規模な産業システムのデジタルツインが実現することで、稼動しているシステムにおけるホットスポットの発現状況、溶接部分の応力分布といった重要な情報に、仮想空間上で容易にアクセスすることが可能になる。これらのデータから装置の余寿命を予測したり、データをフィードバックして装置の動作を制御したりすることが容易になるため、装置の省エネ化や長寿命化が期待できる。さらに、このフィードバック制御を短時間で繰り返すことで装置の余寿命の予測精度が飛躍的に向上することが期待できる。

・注1:次世代火力発電プラント
現状の発電方式に比べ発電効率が10%程度以上高い、将来の高効率の発電方式のプラントの総称である。具体的には、A-USC(先進超々臨界圧)、1700℃級GTCC(超高温ガスタービン複合発電)、GTFC(ガスタービン燃料電池複合発電)、IGFC(石炭ガス化燃料電池複合発電)、1700℃級IGCC(石炭ガス化複合発電)、水素ガスタービン発電プラント等であり、今後、世界中のプラントでこれらの発電方式に置き換えることができれば、発電効率を現状の平均35%から45%に向上でき、世界で22億トン/年(2015年の全世界CO2総排出量330億トンの6.6%)のCO2排出量削減が可能となる。
・注2:クリープ破断
クリープ(高温下において物体に一定の応力を加えると時間とともに変形していく現象)条件下で生じる破断のこと。
・注3:ホットスポット
超高温ボイラーの燃焼が不安定になると、伝熱管の表面が局所的に加熱されることがある。また化学プラントの高温反応装置も反応が局所で急激に進むことがあり、それらの高温集中エリアをホットスポットと呼ぶ。これが発生すると、エネルギーロスや安全性の低下を引き起こす。
・注4:SUS
鉄にクロムなどを合金したステンレス鋼の総称。耐食性、耐熱性に優れるSUS304が代表的である。
・注5:理想化陽解法FEM
大阪公立大学が開発した超高速シミュレーション手法。主に溶接解析用として産業用に広く使用されている。
・注6:デジタルツイン
実空間上にある物理情報(機器や設備の稼働状況、環境情報など)をリアルタイムで収集する一方、仮想空間上においてもシミュレーションを実施することで、未来の物理情報を予測する方法。

プレスリリースサイト(OKI):https://www.oki.com/jp/press/2022/05/z22013.html

エイターリンク、空間伝送型ワイヤレス電力伝送機器(WPT)の販売開始を決定

米・スタンフォード大学発のスタートアップ・ベンチャーのエイターリンク(株)は、2022年5月26日に総務省が官報に「電波法施行規則等の一部を改正する省令(総務三八)」 を掲載したことを受け、WPT(空間伝送方ワイヤレス電力伝送機器、以下WPT)の販売開始を決定した。なお、販売の開始は2022年8月頃を予定している。

◆WPT機器「AirPlug®」販売開始の詳細
今回、総務省が官報に「電波法施行規則等の一部を改正する省令(総務三八)」を掲載したことより920MHz帯 , 2.7GHz帯 . 5.4GHz帯においてWPT用周波数割り当てが行われ、無線電力伝送用構内無線局(以下WPT局)が開設された。国内で空間伝送型ワイヤレス電力伝送の機器の利用が可能になったことを受け、同社ではIoE社会の発展に寄与していくべく、WPT機器「AirPlug®」の販売を開始する。(2022年8月頃予定)

① 技適マーク取得済
今までWPT機器は実験局申請を行うことでしか使用できなかったため、技適の認証を取得することができなかった。今回の省令緩和をうけ技適マークの取得を行い、より安全に、より使いやすい製品を目指す。

② 北米や欧州などの海外電波認証にも対応
国内の技適マークのみならず、顧客の海外展開に向け当社製品のFCCマークやCEマークの取得を行います。年内の取得を目指す。

③ WPT局の申請代行開始
同社製品を使用する場合に限り、WPT局の申請代行を行う。事前の準備から免許の取得までを同社で行うので、申請書の作成も運用調整協議会への入会も必要ない。(※申請時に必要な情報のヒアリング、資料提供にはご協力いただく。)

◆運用調整協議会について
「運用調整協議会」はWPT局の開設とともに設立された組織。WPT局の開設に対して、総務省と連携をしながら干渉検討を含めた運用調整の規定やルールを定め、免許人の支援を目的としている。
協議会メンバーは
1. 正会員:協議会の運営を行う会員(年会費:1口 40万円)
2. 賛助会員:協議会の趣旨に賛同する会員(年会費:1口 1万円の5年前払いの5万円)
3. 特別会員:大学等の公的研究機関の関係者であり、協議会より就任を依頼された会員 で構成され、実際の干渉検討は正会員の中でも限られた「幹事会」にて行う。(エイターリンクも幹事会に所属している)WPT局を申請するためには必ずこの協議会に所属する必要があり、正会員又は賛助会員として入会届を出す必要がある。

ニュースリリースサイト:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000009.000071264.html

高スタートアップ電流アプリケーション向けシングルチャネル・ハイサイド・スイッチ

STマイクロエレクトロニクスは、プログラム可能なシングルチャネル・ハイサイド・スイッチ「IPS1025H」および「IPS1025H-32」を発表した。これらの製品は、減電圧、過電圧、過負荷、過熱に対する保護機能を備え、高いスタートアップ電流を消費する容量性 / 抵抗性 / 誘導性負荷をスマートに駆動するという。

IPS1025HとIPS1025H-32は、内部でプログラムされた電流制限値が異なり、それぞれIPS1025Hが2.5A、IPS1025H-32が5.7Aである。両製品ともに、メインの電流制限に加え、ユーザがプログラムできる二次制限を備えているため、初期スタートアップ電流が高い容量性負荷の駆動に使用可能。制限値および制限時間の設定には、外付けの抵抗とキャパシタを使用する。

IPS1025HおよびIPS1025H-32は、8V~60Vの入力電圧範囲、最大65V耐圧の入力ピン、および小型パッケージを特徴とし、産業機器において優れた性能を実現する。IPS1025Hは、PLCモジュールによって制御される負荷の駆動や、ファクトリ・オートメーション(FA)におけるI/Oペリフェラル、コンピュータ数値制御(CNC)装置に最適。IPS1025H-32は、高い最大電流制限を備えているため、自動販売機などの単方向モータにも最適である。

また、低オン抵抗(25 mΩ以下、Max. TJ = 125℃)のパワーMOSFETを内蔵しているため、高効率化と熱損失の低減に貢献する。シングル・パルス・アバランシェ・エネルギーは、2A時に14Jで、誘導性負荷の駆動における信頼性が向上する。さらに、アクティブ・クランプ回路を内蔵しているため、高速消磁を実現。

両製品ともに、減電圧ロックアウト(UVLO)機能や、過電圧 / 過負荷 / 短絡 / グランドや電源との断線に対する保護など、幅広い保護機能および診断機能が内蔵されているため、高い安全性と信頼性を提供する。また、個別のエラー信号により、過負荷および接合部の過熱をチャネルごとに通知。パッケージの過熱保護向けに、追加のセンサも1つ搭載されている。両製品は、ESD(静電放電)に関するIEC 61000-4-2 ESD、高速過渡に関するIEC 61000-4-4、およびサージ耐性に関するIEC 61000-4-5仕様に準拠している。

STM32 Nucleoボード用のデジタル出力機能拡張ボード「X-NUCLEO-OUT05A1」および「X-NUCLEO-OUT06A1」、STM32Cubeソフトウェア・パッケージ「X-CUBE-OUT5」に付属するソフトウェア・ドライバなども提供されており、迅速な評価に貢献する。また、ファクトリ・オートメーション環境をPC上で構築できるグラフィカル・ユーザ・インタフェース「STSW-IFAPGUI」用のソース・コードも提供されている。

IPS1025HおよびIPS1025H-32は現在量産中で、PowerSSO-24パッケージで提供される。単価は、1000個購入時に約3.51ドル。

ニュースリリースサイト:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000001236.000001337.html

ウェアラブルデバイスによる 1年間の生活習慣データを取得する共同研究

【ポイント】
・ 東北大学東北メディカル・メガバンク機構、第一三共(株)、武田薬品工業(株)と(株)MICINは、ウェアラブルデバイスを実装した共同研究を開始した。
・ ウェアラブルデバイスを2,000人に装着し睡眠状態・心拍・活動量などの生活習慣に関するデータを長期間にわたって取得することを計画。
・ 取得したデータは、東北メディカル・メガバンク計画のコホート調査で既に取得しているデータと合わせて関連解析を行う。
・ この研究が、ウェアラブルデバイスに基づく個別化ヘルスケア時代に向けたモデルケースとなり、国内外における同様のプラットフォームの更なる構築や利活用を牽引することが期待される。

【概要】
東北大学東北メディカル・メガバンク機構(ToMMo)、第一三共(株)、武田薬品工業(株)と(株)MICIN{マイシン}は、2022年3月30日に共同研究を開始し、ウェアラブルデバイスの実装に向けた研究参加者募集を今秋に開始する。本研究では睡眠状態・心拍・活動量など自己申告では正確に把握しづらい日々の生活習慣情報を客観的、定量的かつ長期に取得し、東北メディカル・メガバンク計画のコホート調査で既に取得している詳細調査データ、臨床データ、MRI画像データやゲノム情報などと合わせて関連解析を行う。本研究では睡眠状態・心拍・活動量など自己申告では正確に把握しづらい日々の生活習慣情報を客観的、定量的かつ長期に取得し、東北メディカル・メガバンク計画のコホート調査で既に取得している詳細調査データ、臨床データ、MRI画像データやゲノム情報などと合わせて関連解析を行うという。

【研究内容の詳細】
○研究組織
 ToMMo
 第一三共、武田薬品、MICIN
○研究期間
 2022年3月から2025年3月まで
○研究対象者
 2022年秋から脳と心の健康調査に参加した人のうち本研究に同意(インフォームドコンセント)してくれた人
○目標参加人数
 2,000人
○研究方法(研究参加者)
 ・1年間のウェアラブルデバイスの装着、充電および専用のスマートフォンアプリの管理
 ・四半期毎に30日間、貸与する家庭血圧測定器による1日2回の血圧測定
 ・四半期毎に30日間、貸与するデータログ型温湿度計による寝室の温度・湿度の取得(一部)
 ・四半期毎の郵送による調査票への記入
○研究方法(研究者)
 ・ウェアラブルデバイス、家庭血圧測定器およびデータログ型温度計により収集されるデータの保管と
  活用・統計解析値の参加者への回付

プレスリリースサイト(ToMMo):https://www.megabank.tohoku.ac.jp/news/49705

世界初のダイヤモンド電極を採用した残留塩素濃度モニター「UP-400CL」

(株)堀場製作所(以下、当社)のグループ会社で水計測事業を担う(株)堀場アドバンスドテクノは、世界初※1のダイヤモンド電極を採用した残留塩素濃度モニター「UP-400CL」を5月23日に発売する。

食品材料の除菌・殺菌に使用する洗浄水(微酸性電解水、次亜塩素酸水、次亜塩素酸ナトリウム溶液等)は、食品衛生法や HACCP※2で定められた基準に準拠した残留塩素(有効塩素)濃度の管理が必要である。「UP-400CL」は、データ取得の自動化・一元管理により、残留塩素濃度のリアルタイムな連続測定・管理を実現し、手作業による濃度管理で膨大になる現場の作業工数の大幅な削減に寄与する。また、HORIBAの独自技術(特許出願済)により、野菜の灰汁などの影響を受けにくく、野菜洗浄中の残留塩素濃度も連続測定できるため、食の安全におけるさらなる衛生管理の強化に貢献する。

※1 ダイヤモンド電極を採用した残留塩素濃度モニターとして(2022年4月時点、当社調べ)
※2 Hazard Analysis and Critical Control Point:「危害要因分析重要管理点」
食品に関わる全ての事業者が自ら、製造工程ごとに考えられる危害要因(ハザード)を把握・分析し、コントロールすることで、食品の安全性を守る衛生管理の手法。食品衛生管理手法の国際的な基準

製品の特長
1.ダイヤモンド電極※3を採用し高寿命化、電解水も高精度に測定可能
高い感度と耐久性を誇るセンサとして研究されている、ホウ素を添加した導電性ダイヤモンドを電極に採用することにより、一般的なカーボン電極に比べて倍以上※4の高寿命化を実現した。従来法では欠かせなかったビーズ研磨も不要。また、一般的に使用される白金電極では実現できていない次亜塩素酸と次亜塩素酸イオンを同時に測定できるため、pHの影響も受けにくく酸性/中性/アルカリ性の幅広い洗浄水を測定可能である。

※3 本電極は、堀場アドバンスドテクノと慶應義塾大学 栄長 泰明教授の共同研究成果に基づくもの
 http://chem.keio.ac.jp/einaga-lab/researchj.html#tema2
※4 2022年4月時点、当社調べ

2.洗浄水の採取・残留塩素濃度測定・データ出力を自動化、リアルタイムな管理を実現
自動サンプリング、自動データ出力で測定値を一元管理することにより、手作業での洗浄水採取と濃度測定管理にかかる工数を削減。約15秒間隔で自動的に測定するため、異常発生にも即時に対応できるリアルタイム管理を実現する。

3.メンテナンス工数を大幅に削減
機器の校正は半年に一度と頻度が少なく※5、また測定に試薬を必要としないため機器メンテナンスによる作業工数も削減される。

※5 同種同濃度の洗浄液を連続的に測定する場合(堀場アドバンスドテクノが設定する条件下での評価)

4.野菜洗浄中の測定を実現(特許出願済)
HORIBAの独自技術により、野菜等から出る溶出物(灰汁など)の影響を受けにくいため、食品洗浄後の洗浄液でも比色法と同等の測定精度を実現、連続的な測定を可能にした。

ニュースリリースサイト(HORIBA):https://www.horiba.com/jpn/company/news/

日揮、福島で陸上養殖実証事業を開始

日揮ホールディングス(株)は、国内EPC事業会社の日揮(株)が、このたび陸上養殖分野での技術開発と生産実証、および生産した魚の販路構築(以下「本事業」)を手掛ける新会社「かもめミライ(株)」を設立したと発表した。

1. 新会社設立の背景と目的

近年、世界的な水産物需要の高まりを背景に、魚の生産環境を制御する陸上養殖は、持続可能な水産業として期待されている。中でも閉鎖循環式陸上養殖システム※1は高度な水処理技術を活用するため、場所の制約が少ないほか、排水処理によって環境負荷を軽減し、安定した生産を行うことができる点で注目されている。反面、高い生産コストなどが課題となる。

本事業では、日揮グループが培ってきたエンジニアリング技術力を駆使し、閉鎖循環式陸上養殖システムの一つとして、センサや画像から生産環境を可視化し、収集したデータをAIなどで解析しながら生産支援を行う「統合環境制御システム」を開発する。
また、当該システムによる生産の安定化や生産効率の向上でコストを低減し、更には陸上養殖分野の知見・経験を持つ水産研究機関や大学、企業と連携しながら、餌や稚魚に関する生産原価の低減、および安全性の高い商品の供給(販売)も含めたサプライチェーン全体にわたる事業展開を行う。

本事業の開始に向けて、日揮は2021年から岡山県内の閉鎖循環式陸上養殖施設で、魚の試験生産による養殖ノウハウの蓄積とシステム開発を実施してきた。この成果も踏まえ、設立した新会社では、2022年冬を目途に福島県浪江町で、統合環境制御システムを備えたプラントの建設に着手し、魚の安定生産を可能とする環境や設備機器の最適な組み合わせを実証する。本実証プラントにおいて、まずは生食向けに需要が高まっているサバを対象として2024年から本格生産を開始し、サバ以外の魚種についても、企業や自治体などのニーズに合わせて順次生産を行う予定。

新会社は将来的に、陸上養殖の生産技術を確立するだけでなく、地域の需要に応じた水産物ブランドを開発することも計画している。加えて、漁獲された魚を市場に供給する「プロダクトアウト」から、高度な環境制御が可能な陸上養殖の利点を生かしつつ、魚種を拡大することで顧客のニーズに合った魚を提供する「マーケットイン」による、新たな水産業の確立も目指す。
なお、本事業においては、地元の水産業を活性化するため、新たな可能性に挑戦しているいわき魚類(株)がパートナーとなり、共同で取り組みを推進していく。

2. かもめミライ水産(株)の概要

代表者 : 臼井 弘行(日揮(株) 未来戦略室)
設立日 : 2021年8月30日
資本金 : 1億円
所在地 : 福島県浪江町
事業概要: 陸上養殖分野の実証生産および技術開発
出資者 : 日揮(株)95%、いわき魚類(株)5%

3. 今後の方針

日揮グループは、長期経営ビジョン「2040年ビジョン」で新たに掲げたパーパス”Enhancing planetary health”のもと、陸上養殖の普及を通じて海洋資源を保護※2しながら、人と地球の健やかな未来を創ることに貢献していくとしている。

※1 閉鎖循環式陸上養殖システムとは、人工的な環境下で魚の養殖を行う生産方法。高度な水処理技術によって水槽内の海水や淡水を循環させながら、水を浄化し再利用することで、陸地でも養殖することが可能となる。
※2 出典:https://www.unicef.or.jp/kodomo/sdgs/17goals/14-sea/

ニュースリリースサイト(JGC-HOLDINGS):https://www.jgc.com/jp/news/2022/20220520.html

デジタルツイン上で風力発電設備の情報を一元化、統合分析ダッシュボードの提供

 エヌ・ティ・ティ・コムウェア(株)とCognite(株)は、風力発電事業者に向け、複数拠点の異なるメーカーの発電設備の発電量や収益状況、メンテナンス情報などを一元的に可視化する「統合分析ダッシュボード」を開発し、5月19日から提供開始する。  本サービスは、デジタルツイン空間上でAIモデル等によりデータ分析・活用を行うNTTコムウェアのインフラ設備DX基盤「Smart Data Fusion」の新メニューとして提供する。ノルウェーにグローバル本社を置き、欧米における生産設備のデジタルツイン構築や多数の風力発電設備管理ダッシュボード作成支援の実績があるCogniteの知見を活かし開発したサービスであるとのこと。

 世界で脱炭素化に向けた動きが加速し、日本でも2050年推定需要発電量に対して風力による供給を30%以上とすることが目標*1になるなど、風力発電は再生可能エネルギーの中でも高い成長が期待されているが、発電コストが高止まりで発電効率向上と運用コスト低減が課題となっている。発電設備の多くが海外製品であることにより部品調達に時間がかかり、ダウンタイムが長期化することもコスト増加の要因の一つである。発電事業者は事業性を担保し安定的に電力供給するため、長期にわたり発電設備を適切にオペレーション・メンテナンス(O&M)することが求められている。
 本サービスでは「経営層(主に発電事業者)向け」「運用者(主にO&M事業者)向け」ダッシュボードを提供する。

■経営ダッシュボード
各地の発電設備データを収集・統合し、設備稼働率、収益予測や設備ごとの発電ロス比較など設備投資計画の策定や発電事業運営に必要なデータを、対計画・設備別に参照・分析することが可能。また、鳥検知ダッシュボードも提供し、風車周辺を飛ぶ鳥をAIで検知して個体数カウント、動画アーカイブにより、バードストライク対策、環境アセスメントのための情報収集が可能である。

■運用ダッシュボード
設備が全国に点在していたり、異なるメーカーの製品であっても、一元的に風速・発電量・アラームなどをリアルタイムに参照可能。発電状況、IoTセンサー等の収集データからデジタルツイン上で異常検知を行い、アラームの発出を可能にする。事業者が既に利用しているAI分析モデルや、これまでのメンテナンスノウハウや知見を活用して作成した独自のモデルを組み込み、早期異常検知・予兆保全等への活用も可能である。適切なメンテナンスを行うことで、大きな故障・トラブルを予防し、ダウンタイムの削減につなげることができる。

本サービス開発にあたっては、
・欧州及び国内における数々の風力発電プロジェクトに参画経験のある発電事業者の住友商事(株)
・風力発電事業とそのメンテナンスの両方のノウハウを持つシグマパワージャネックス(株)
・NTTグループのスマートエネルギー事業推進の中核会社として再⽣可能エネルギーの電源開発や電力供給を行うNTTアノードエナジー(株)
に、発電設備運営や管理についてのアドバイスなど協力を得て、事業者のリアルなニーズに対応したテンプレート化を行うなど、実用的な統合分析ダッシュボードを実現している。

 NTTコムウェアとCogniteは、今後も発電事業者やO&M事業者など利用者のニーズを反映しながら、本サービスをはじめとするスマートメンテナンスソリューションを継続的にブラッシュアップして提供することで風力発電業界の課題を解決し、サスティナブルな社会実現に貢献していくという。

*1 一般社団法人日本風力発電協会(2020年7月17日)
https://www.meti.go.jp/shingikai/energy_environment/yojo_furyoku/pdf/001_04_01.pdf

ニュースリリースサイト:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000022.000055932.html

ST、グローバル・シャッター機能搭載イメージ・センサを発表

STマイクロエレクトロニクスは、ドライバ・モニタリング・システム(DMS)用のグローバル・シャッター機能搭載イメージ・センサ「VB56G4A」を発表した。同製品は、自動車の安全性強化に貢献するという。

DMSは、ドライバの頭の動きなどを継続的にモニタリングし、居眠りやわき見運転の兆候を認識することで、車載システムで警告を発生させて乗客の安全を守る。交通事故の約95%は人為的なミスが原因で、DMSのようなシステムを活用することで、その多くを回避できると推定されている。2020年(1) のヨーロッパにおける交通事故死亡者数は約19,000人にのぼり、近年制定された法律により、2024年にはヨーロッパのすべての新しい自動車プラットフォームに、2026年には既存のプラットフォームにおいてDMSの搭載が必須となる。また、米国では、交通事故死亡者数がヨーロッパの2倍に達していることから(2)、国家運輸安全委員会(NTSB)がすべての半自動運転車にDMSの搭載を推奨している。

VB56G4Aには、先進的な3Dスタック裏面照射(BSI-3D)イメージ・センサ製造におけるSTの内部投資が活用されている。第1世代のDMSで一般的に使用されている従来の表面照射(FSI)センサと比べて高感度かつ小型で、優れた信頼性を実現している。

STは現在、主要顧客向けにVB56G4Aのサンプルを出荷中。2024年モデルの車両に採用できるよう、2023年初めに量産が開始される予定とのこと。

(1)  欧州運輸安全評議会のプレスリリース(2021年6月16日)
(2)  米国運輸省道路交通安全局のプレスリリース(2022年3月2日)

ニュースリリースサイト:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000001234.000001337.html

あらゆるビジネス現場を身近につなぐ、クラウドカメラサービス「ソラカメ」を提供開始

(株)ソラコムは、クラウドカメラサービス「ソラカメ」を2022年5月18日より提供開始する。あわせて、アトムテック(株)の「ATOM Cam 2」が「ソラカメ」に対応する。

ネットワークカメラは、最も身近なIoT製品のひとつ。店舗や工場、建設、農業などの現場では、これまで現地に赴き、目で見てチェックしていた作業を、カメラを用いて遠隔地からいつでも確認できるようにしたいという法人利用のニーズも高まっている。しかし、既存のカメラソリューションは初期投資(機器/設置工事)が高額、データ保存環境の整備が必要で、初期設定や操作方法が煩雑であるという課題があった。
そこで、IoT製品を開発・販売するアトムテックと協業し、同社がコンシューマー向けIoT製品で培った知見と、ソラコムがビジネス向けIoTプラットフォーム提供で培った知見とを融合し、クラウドカメラサービス「ソラカメ」を共同開発した。
「ソラカメ」は、カメラの映像をクラウドに常時録画できるクラウドカメラサービス。1台から導入できる、初期費用2,980円の設置が容易なカメラを提供し、お客様はスマホを用いてクラウドカメラを数分で迅速に導入できる。スマホアプリから複数台のカメラ端末を管理が可能で、カメラのリアルタイム映像のモニタリング、過去録画の閲覧ができる。「ソラカメ」は、顧客の要望に基づいて常に機能をアップデートしていく、IoT時代のクラウドカメラサービスである。
今回、協業の第一弾としてアトムテックの提供する「ATOM Cam 2」が「ソラカメ」に対応する。ATOM Cam 2は、Wi-Fiと電源があれば設置できる一辺約5cmのカメラ。フルHDの高解像度、夜間でもカラー映像でみられるカラーナイトビジョン、赤外線LEDによる白黒撮影にも対応している。

「ソラカメ」のAndroid/iOSアプリをインストールし、ナビゲーションに従ってカメラの初期登録をすれば、その後はアプリから複数のカメラを遠隔から管理、設定できる。リアルタイムの映像を閲覧する際は、マルチスクリーン表示で4台分のカメラの映像を同時に確認できる。カメラにはスピーカーとマイクが付いており、アプリで映像を見ている人が、双方向通話機能を用いて、設置現場にいる人と会話することも可能。
「ソラカメ」では、カメラの映像を24時間録画し、常時クラウドへ保存。加えて、カメラが動きや音などの変化を検知したシーンだけを録画し、一覧表示するモーション検知機能も備えている。なお、これらの録画データはすべて、日本国内に保管される。
本サービスの想定利用シーンは、たとえば、小売業では店舗内の混雑度や棚に陳列された商品の増減のモニタリング、製造業では設備に複数のカメラを取り付け、メーター目視チェックの代替やライン稼働状況モニタなどに利用できる。またオフィスや倉庫では、入退出データの録画や、無人受付での来訪者データの記録といったケースも想定される。
利用料金は、初期費用としてカメラ一台あたり2,980円、ライセンス体系は、クラウド常時録画の保存期間に応じて7日、14日、30日の3パターンから選ぶことができ、月額990円から利用できる。
「ソラカメ」の提供開始を記念して、本日より2022年5月25日までの1週間、通常1台あたり2,980円のところ、半額の1,490円で購入いできるキャンペーンを実施する。
(14日または30日ライセンスを契約した利用者が対象。1顧客あたり100台まで)

「ソラカメ」は、利用者のフィードバックに基づいて今後も継続的に進化させていく予定。クラウド上で適用できるAIアルゴリズムの提供、AIアルゴリズムを購入して使えるAIマーケットとの連携、開発者向けのAPI提供、クラウド連携に対する要望をすでに貰っており、より良いクラウドカメラサービスになるよう機能追加を検討していくとしている。

ニュースリリースサイト:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000115.000034562.html