「ポストLEDフォトニクス」とは、次世代の光として期待される「深紫外」「赤外」「テラヘルツ」の新しい実用的な光源開発及び応用開拓を指す造語である。我々が日常的に「光」として認識している可視光は、「光」のほんの一部に過ぎず、可視光の短波長側と長波長側には、「深紫外」「赤外」「テラヘルツ」といった波長領域が広がっている。これらの波長領域では、可視光とは異なる特徴的な物質相互作用を示すため、可視光とは本質的に異なる応用が期待できる。例えば、Beyond 5G等の超高速無線通信、食品異物等の検査技術、微量物質の高感度検出や精密分光計測等への応用が期待されている。このようにpLEDは、未知の可能性を大いに秘めた見えない光の領域を開拓し、この研究を推進している。
pLEDのもう一つの大きな柱として、医光融合研究の推進を掲げている。徳島大学は、国立大学の中で唯一、医学・歯学・薬学・栄養学・保健学が揃っている。その環境を活かすことで、特殊光を用いた癌の新しい内視鏡診断と光治療法の開発、唾液や呼気による健康診断、新規バイオマーカー蛍光体の開発など、健康寿命を延ばし、QOL(Quality of Life)を高めるための光科学と医学の融合研究による新しい医療への応用に挑戦している。
前述のとおり、pLEDの大きな役割として、研究成果に基づく産学連携を進め、最終的には事業化に基づく地方創生につなげていくことが期待されている。このような背景の下、pLEDでは多様な広報活動や企業との情報交換を活発に行い、産学連携の展開を図っている。pLEDの研究成果は、通常学会や論文誌上で発表され、HPでも紹介される。これらの中で、特に重要な研究成果等においては、プレスリリースとして広く積極的に発信される(図3(上))。近年では、大学等のプレスリリースを主要なポータルサイト等に紹介する有償のプレスリリース配信サービスも利用でき、インターネットを活用することで、情報発信の選択肢は増えてきている。これらのサービスは、国内向けだけでなく、広く海外に向けた配信も可能であり、pLEDでも、インパクトの高い研究成果においては国際的な情報発信サービス「EurekAlert!」にて配信を行っている(“Comb of a lifetime: a new method for fluorescence microscopy,” News release 1-JAN-2021.)。更に、新型コロナウイルスの問題が生じた近年においては、オンラインによる情報発信は必須となりつつあり、pLEDでもオンデマンドでコンテンツを配信できる環境を準備中である。
pLEDでは、設立当初より、リアルな情報発信の機会として、大都市近郊の大型施設で開催される産業界の展示会への出展参加にも力を入れている。図3(下)は、2022年3月に東京ビッグサイトにて開催された機械要素技術展(RX Japan株式会社主催)に参加した際の展示ブースの写真である。本展示会には、公益財団法人 とくしま産業振興機構の主導の下、県内の企業と教育・研究機関が共同で参加し、主にモノづくりに関連した内容の展示を行った。このような展示会ではpLEDの研究成果を発信すると同時に、それらの知見を具体的に産業応用に展開する視点での展示を心がけており、実際にブースを訪れた企業の方々から、後日相談の問い合わせをいただく機会も増えてきている。