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ST、ビル自動化システム向けのユーザ検知とモーション検知を実現する赤外線センサ

STマイクロエレクトロニクスは、人間のプレゼンス(存在)や動きを検知する赤外線センサ「STHS34PF80」を発表した。同製品は、これまで受動型赤外線(焦電型赤外線)検知が使われていた警備システムや、ホーム・オートメーション機器、IoT機器の性能向上に貢献するという。

STHS34PF80は、サーマル・トランジスタを内蔵しており、静止している物体の検出が可能である。従来の焦電型赤外線センサ(PIR)では、センサから測定可能な応答を生成するために対象物が動いている必要があった。また、PIRで動いている物体を検知するにはフレネル・レンズを必要とするが、STHS34PF80はレンズ不要のシンプルな構造を実現できる。

STHS34PF80は、人間のプレゼンスや動きを検知するためのスマート・アルゴリズムを内蔵しており、アラームや警備システム、ホーム・オートメーション、スマート照明、IoT機器、スマート・ロッカー、スマート・ウォールパッドに最適である。4mの検知距離と80°の視野角範囲であればレンズ不使用で、センサ前方の広い範囲をカバーできる。消費電流は10µAで、従来のPIRより低く抑えられている。自動高速実装機の使用に適した小型の表面実装パッケージ(3.2 x 4.2 x 1.455mm)で提供され、直接的な照明が当たる環境による悪影響や、電磁干渉(EMI)に対する高い耐性を備えている。

また、STHS34PF80を簡単に評価できる開発キット「STEVAL-MKI231KA」も提供されている。
「X-NUCLEO-IKS01A3」または「STEVAL-MKI109V3」に差し込むことで、STのUnico-GUIグラフィカル・インタフェースを使用して、シンプルなワークフローでSTH34FP80の設定や測定を行うことができる。STHS34PF80のドライバは、GitHubから入手可能である。
さらに、人間や物体の存在補正 / 検知用のすぐに使用できるライブラリがX-CUBE-MEMS1ソフトウェア・パッケージにて無償で提供されている。これらにより、アプリケーション動作を簡単に評価し、その結果に基づいてSTHS34PF80のメリットを生かした実際のアプリケーションを迅速に設計することが可能である。

◇技術情報
STHS34PF80は、ゲートに入射された赤外線の加熱による影響を高精度で検知するサーマルMOSFET(TMOS)を搭載している。また、STの信頼性が高く実績のあるSOI(シリコン・オン・インシュレータ)CMOS技術によって、デジタル読出し回路が同一チップ上に効率良く集積されている。SOIのアーキテクチャは、STの実績あるMEMS(微小電気機械システム)プロセスでマイクロマシニングを容易にし、TMOSを熱的に絶縁することで正確な温度検知を実現する。

TMOSは、トランジスタを完全にオンにするために必要なしきい値電圧よりも低いサブスレッショルド電圧で駆動する。このモードでは、ドレイン・ソース間電流の温度依存性がきわめて高く、最小限の赤外線放射で正確な測定が可能な応答を得られる。これにより、人間が動いているか静止しているかにかかわらず、人体が発する赤外線放射により人間を検知できる。

サブスレッショルド電圧での動作は、トランジスタの消費電力を大幅に抑えることができるため、STHS34PF80を搭載したバッテリ駆動アプリケーションは長期間にわたる動作が可能。これにより、充電やバッテリ交換頻度の削減に貢献する。また、標準的なCMOS製造技術を使用しているため、高いウェハ歩留まりでコスト・パフォーマンスに優れたセンサ製造を実現している。さらに、感度が焦電ピクセルのサイズに依存する焦電センサとは対照的に、サブミクロン・トランジスタの形状を活用してセンサの小型化も可能である。STHS34PF80は、デジタル・インタフェースも集積しているため、アナログ・フロントエンド回路を使わずに、ホストと直接接続できる。

STHS34PF80は現在量産中で、10ピンのランド・グリッド・アレイ(LGA)パッケージで提供される。単価は、1000個購入時に約2.60ドル。

ニュースリリースサイト:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000001323.000001337.html

山一電機、高温環境対応のフレキシブル基板を発売

山一電機(株)は、フレキシブル基板(FPC)である「YFLEX®」の新製品として「高耐熱FPC」を開発した。車載や半導体製造、検査装置など高温環境下で使用される製品に対応可能とのこと。8月25日より、グローバルに受注を開始する。

近年、車載用途などの高熱処理が必要なシーンでFPCの採用ニーズが高まっている。より高温の環境下でも耐えられるよう、基板回路を保護する絶縁層の接着部を改良し、絶縁層剥離を防ぐ必要があった。
今回新たに開発した高耐熱FPCは、FPCの表面を保護するカバーレイフィルムにおいて、接着剤層の耐熱性を高めることで、150℃の環境下でも長期信頼性の確保を実現した。

<特長>
・150℃で3,000h高熱処理した後も、電気特性に問題が生じない。
※評価項目:150℃×3,000hでの高温放置
※判定基準:導通抵抗変化率±10%以内、かつ絶縁抵抗500MΩ以上

・構成は片面または両面、絶縁基材ベースは液晶ポリマー(LCP)またはポリイミド(PI)より選択できる。
種類:全3種
①YFAシリーズ(LCP基材 片面)
②YFBシリーズ(LCP基材 両面)
③YFHシリーズ(PI基材 片面/両面)

・GND強化設計により、高耐熱FPC用途だけではなく、耐ノイズFPCとしても使用可能とのこと。

ニュースリリースサイト(yamaichi):https://www.yamaichi.co.jp/news/high_heat_resistant_fpc/

見えないイオンの濃度分布を可視化する半導体化学イメージセンサ Chemical imaging sensor system for visualization of chemical species(2)

吉信 達夫(よしのぶ たつお)
東北大学 大学院医工学研究科
教授
吉信 達夫

3. 化学イメージセンサの応用例

3.1 ステンレス鋼表面の隙間腐食

 化学イメージセンサの特長を活かした測定例として、ステンレス鋼表面の隙間腐食のその場観察がある[8]。ステンレス鋼はクロムを含有する合金であり、クロム酸化被膜が表面を不働態化している。ステンレス鋼はクロム酸化被膜の再生能力により優れた耐食性を示すが、海洋施設におけるボルト締結部のようなミクロンレベルの狭い空間内ではイオンの濃縮により腐食が高速に進行する隙間腐食という現象が知られている。そのメカニズムを調べるには隙間内部で起こる反応を測定する必要があるが、非常に狭い隙間内部にセンサを設置することは困難である。
 そこで図2(a)のようにステンレス鋼表面と化学イメージセンサを数ミクロンの間隔で対向させてできる隙間内に人工海水を満たし、隙間環境を模擬した腐食試験を行うと、試料表面上のいくつかの点を開始点として金属イオンの溶出と加水分解によるpH低下が周囲に拡がる様子が観察できた(図2(b))。そのうち、一部の開始点では被膜の再生に伴うとみられるpH低下の停止と回復が見られた一方、別の開始点ではpHが1以下に低下し全面的な腐食に至る様子も観察された。さらに、化学イメージセンサでpH分布を測定しながら、センサを透過する赤外光ビームで試料表面を走査して反射光強度を測定することにより、腐食の進行過程における試料表面の粗さ分布の変化も同時に記録することができた。センサ面が平坦であることに加えて、基板全体が均一で赤外光を透過できるという特長を活かした応用である。

図2 (a)隙間腐食測定システム (b)隙間腐食に伴うステンレス鋼表面近傍のpH変化
図2 (a)隙間腐食測定システム (b)隙間腐食に伴うステンレス鋼表面近傍のpH変化

3.2 生体試料への応用

 化学イメージセンサを用いて生物の代謝活動を可視化・定量する試みも行われてきた。化学イメージセンサのセンサ面上に寒天培地を調整し、その上に微生物を播種して培養すると増殖に伴ってコロニーが形成され代謝生成物の産生により培地のpHが変化する。時間経過を追ってpH画像を記録することにより代謝活性を定量的に評価することができ、培養条件による違いを調べることができる。あらかじめセンサ面上の培地を小さく区画化しておくことによって代謝生成物の拡散による希釈を防止でき、検出感度を上げることによって微生物検査・計数等への応用が期待される。
 また、化学イメージセンサはシリコンウェハの全面をセンサ面として利用できることから、大型の試料を測定することが可能である。図3は、直径6インチ(約150ミリ)のセンサ面上で植物を生育して代謝測定を行うことができるシステムの外観である。センサ面上には土壌を模擬した培地の層が設けられており、24時間周期の日照を人工的に模擬し温度管理された環境で種子の発芽や根の生育に伴う代謝の様子を観察することができる[9]。

図3 植物の生育に伴う代謝活動を可視化できるシステム
図3 植物の生育に伴う代謝活動を可視化できるシステム

 これとは逆に、1ミリ角サイズの微小なセンサチップを光ファイババンドルの先端に取り付け、脳内に挿入して微小領域のpH分布を測定する試みも行われている[10]。光ファイバの直径はセンサチップよりさらに小さいため、バンドルに含まれている複数の光ファイバでそれぞれセンサチップ裏面の異なる点を照明することにより、脳内のpH値を位置分解的に測定することが可能である。複数の光ファイバにそれぞれ異なる周波数で変調された照明光を導入することによって周波数多重化が可能であり、これによって動画記録のフレームレートを向上させることができる。

3.3 マイクロ流体デバイスとの複合

 将来的に化学イメージセンサの活用が期待されるもう一つの分野は、μTASのようなマイクロ流体デバイスのプラットフォームとしての応用である。化学イメージセンサはそのセンサ面上の全ての点で化学種の濃度を測定することができるため、センサ面を床面あるいは天井とするような流路構造を作製すれば、流路内の全ての位置で測定を行うことができる。薬液の混合や撹拌などの操作に伴って流路内で起こる反応や拡散のさまざまな段階で測定することができるため、より多くの情報を取得して分析を行える可能性がある。例えば流路途中に設けられた反応チャンバ内で酵素反応を行う場合、その上流と下流に測定点を設ければ、反応による変化を求めることができる。また、層流を利用したデバイスでは、流路内の層流界面の両側に測定点を設けることができ、ストリームごとの測定も可能である。

4. まとめ

 以上のように半導体化学センサの一種であるLAPSの原理を応用した光走査型化学イメージセンサは試料に含まれる特定の化学種の濃度分布を可視化することができ、さまざまな応用が考えられる。
 今後、2つの方向で装置の開発を進めていく必要がある。1つはなるべく汎用性の高いイメージング装置としての開発の方向であり、センサ面に試料を載せるだけの簡便な操作で高感度・高解像度の化学イメージを取得できる装置として改良を行っていく必要がある。そのためにはセンサチップそのものの改良に加え、スキャンやデータ収録の高精度化・高速化の工夫が必要である。
 もう1つは、個別の応用にカスタマイズされた装置の開発である。この場合、装置のデザインを最初から行う必要があるが、手法そのものから来るデザインの制約は小さく、電気化学や光学的手法との複合も可能であり、材料評価、生物試料の観察、医療診断デバイスへの応用などが期待される。



参考文献

  1. Miyamoto K, Sakakita S, Wagner T, Schöning MJ, Yoshinobu T. 2015. Application of chemical imaging sensor to in-situ pH imaging in the vicinity of a corroding metal surface. Electrochimica Acta 183, 137-142.
  2. Werner CF, Sato D, Miyamoto K, Wagner T, Schöning MJ, Yoshinobu T. 2019. pH change in rhizosphere measured by a LAPS. 2019. 12th International Workshop on Engineering of Functional Interfaces (EnFI 2019), Leuven, Belgium, 8-9 July 2019.
  3. Guo Y, Werner CF, Handa S, Wang M, Ohshiro T, Mushiake H, Yoshinobu T. 2021. Miniature multiplexed label-free pH probe in vivo, Biosensors and Bioelectronics, 174, 112870.


【著者紹介】
吉信 達夫(よしのぶ たつお)
東北大学 大学院 医工学研究科 バイオセンシング医工学分野 教授

■略歴

  • 1987年京都大学工学部電気工学第二学科卒業
  • 1989年京都大学大学院工学研究科電気工学第二専攻修士課程修了
  • 1992年京都大学大学院工学研究科電気工学第二専攻博士後期課程単位取得退学
  • 1992年大阪大学産業科学研究所 助手
  • 1992年京都大学 博士(工学)
  • 1996年大阪大学産業科学研究所 講師
  • 1999年ドイツ・ユーリッヒ研究センター薄膜イオン技術研究所 客員研究員
  • 2001年大阪大学産業科学研究所 助教授
  • 2005年東北大学大学院工学研究科電子工学専攻 教授
  • 2008年東北大学大学院医工学研究科 教授
  • 現在に至る

レーザー超音波可視化検査技術(2)

鈴木 修一(すずき しゅういち)
つくばテクノロジー(株)
常務取締役/開発製造部部長
鈴木 修一

3. レーザー超音波可視化検査装置による検査

3.1.アルミパイプの内部スリット検出例

 単純な超音波伝搬映像例として、内側に擬似欠陥としてスリット傷を入れたアルミパイプ(直径50mm 厚み3mm)検査時の映像を図2に示す。映像では、右端に取り付けたセンサから発生した超音波が、左に向かって流れていく様子が表されている。アルミパイプに何も欠陥がなければ、超音波が右から左へと伝搬するきれいな波形の様子が示されるが、図のように傷や欠陥があると、そこから超音波が反射し、逆向きの波が観測されるという仕組みである。
 右端に取り付けたセンサから発生した超音波が、と記しているが、実際は、レーザー走査で励起された超音波を右端に取り付けたセンサで受信している。ここでは、送受信の方向を逆にしても受信波形が変化しない、という超音波伝搬の相反性が成立することを前提に、あたかもセンサから超音波が発振しているように映像化しているのである。この逆転の発想により、より分かりやすい計測・検査を実現している。
 また、図3は計測したデータに対して信号処理を施した図である。右から左へ流れる前進波を消去して逆向きの波だけを残すことによって、傷や欠陥からのエコーを強調し、欠陥位置を特定しやすくしている。

図2 アルミパイプ検査時の計測伝搬映像
図2 アルミパイプ検査時の計測伝搬映像
図3 前進波消去処理を行った計測伝搬映像
図3 前進波消去処理を行った計測伝搬映像

3.2. CFRP補強材模擬剥離の検査例

 CFRP(Carbon Fiber Reinforced Plastics)とは、炭素繊維強化プラスチックのことで、炭素繊維と樹脂からなる、先進的な複合材料である。非常に軽く、鉄より強度があり、耐食性に優れる材料として、航空機や自動車の部品など、様々な分野での需要が増加している。一方でCFRPは、成形するにあたりシート状に何枚も張り合わせて強度を保っているが、その張り合わせ不良により剥離が発生し、強度が下がってしまうという問題があり、トラブルを回避し保全を図る観点から、損傷や劣化状況を検査によって正確に把握することが求められている。
 本節で紹介するのは、そのCFRPのコーナー部の剥離を可視化した例である。
 図4で示したCFRPのコーナー部には、層間剝離を模擬したテフロンシートが合計6枚埋め込まれている。超音波伝搬映像上で、6箇所の反射波が確認できる。
 また、各計測点における超音波の振幅の最大値を画像化した最大振幅図では、超音波伝搬映像上でエコーが発生した部分の強度が高いことが分かる。

図4 CFRPコーナー部検査時の計測伝搬映像と最大振幅図
図4 CFRPコーナー部検査時の計測伝搬映像と最大振幅図

3.3. 異種材料溶接部の検査例

 近年、異種金属同士、金属とプラスチック、異種プラスチックなど、様々な組合せによる活用が進んでいる。その意図は軽量化や高強度化などさまざまである。これらの検査方法としては、超音波検査が有効である。というのも、不良接合部は超音波が透過し難いという特徴があるため、伝搬する超音波の振幅の低下によって不良品を検出することが可能となっているのである。本節では、鉄とアルミを接合させた試験片の溶接部の評価検査例を紹介する。
 良品であれば、超音波は溶接部を良く透過するため、波形が乱れることなく伝わっていくが、不良品の場合、超音波が伝わらない。図5では鉄とアルミが正常に接合された良品と、一部だけ正常に接合された不良品の超音波伝搬映像を並べているが、その違いは一目瞭然である。

図5 鉄・アルミ溶接試験片検査時の計測伝搬映像と最大振幅図
図5 鉄・アルミ溶接試験片検査時の計測伝搬映像と最大振幅図

3.4. 複雑形状への適用例

 本節で紹介するのは、欠陥の可視化例ではなく、複雑形状の対象を走査した場合の伝搬映像である。
 直径12mmのドリルの端に、射角探触子を置いてレーザー走査を行った。通常、ドリルのような螺旋状になっている複雑形状は、探触子を直接当てることが難しいため、検査することが困難であった。しかし、レーザーを用いることで、図6のように全体に超音波を伝搬させ、検査することが可能となっている。

図6 ドリルにおける超音波伝搬映像例
図6 ドリルにおける超音波伝搬映像例

4. おわりに

 本稿では、非破壊検査の手法の一つであるレーザー超音波可視化検査技術について、検査例を交えながら紹介した。
 現在、レーザー超音波可視化検査技術を用いたLUVIは、対象にセンサを取り付けた接触式のものが、超音波信号が大きくなるため検査精度においてより優れているが、センサを用いない非接触式のものも研究・開発が進んでおり、対象物が高温や高電圧の場合でも検査が可能となるため、より多くのシチュエーション・対象物の検査で利用することができる。
 レーザー超音波可視化検査技術の利用によって、あらゆる分野において、より高速で、より簡便な検査の実現が期待される。



参考文献

  1. 鈴木 修一・高坪 純治・王 波:レーザー超音波可視化探傷法を用いた非破壊検査装置のご紹介、強化プラスチックス,69-5,30-33(2023)
  2. 高坪 純治:励起用パルスレーザー走査法による三次元物体表面を伝わる超音波の可視化、非破壊検査,57-4,162-168(2008)
  3. 高坪 純治・王 波・鈴木 修一・劉 小軍・齊藤 典生:レーザー超音波可視化探傷技術の新展開、光アライアンス,31-6,6-10(2020)


【著者紹介】
鈴木 修一(すずき しゅういち)
つくばテクノロジー株式会社 常務取締役 兼 開発製造部部長

■略歴
1992年日本大学卒。計測機器メーカーの開発部門に20年間勤務し、計測機器のハードウェア及びソフトウェア開発業務に従事。2012年よりつくばテクノロジー株式会社にて、開発・製品化・製造全般を担当。第6回ものづくり日本大賞優秀賞受賞。

中赤外光熱変換による化学組成の可視化技術(2)

加藤 遼(かとう りょう)
徳島大学
ポストLEDフォトニクス研究所
特任助教
加藤 遼

3.

 そこで、我々のグループでは、中赤外吸収の高い検出感度を保ちつつ、可視光の高い空間分解能で分子振動情報を可視化することができる超解像中赤外分光顕微鏡の開発に取り組んできた。この顕微鏡では、中赤外吸収に伴う光熱変換を利用して、分子の中赤外吸収を検出する。ある赤外光の波長で吸収を示す分子にその波長の中赤外光を照射すると、吸収されたエネルギーは試料内部で熱に変換される。この熱による分子内部の温度変化は、試料の屈折率変化や体積膨張を引き起こす。この手法では、赤外光に加えて可視光も同時に試料に照射し、その散乱光や反射光を検出する。可視光の反射光や散乱光の強度や進行方向は、Mie理論に基づいて試料の屈折率や体積に依存するため、光熱変換による屈折率変化や体積膨張が可視光の光学応答も変調する。従って、可視光の光学応答を計測することで、間接的に分子の赤外吸収を測定することができる(図2)。検出する赤外吸収情報は可視光が照射される領域の情報である。つまり、可視光の空間分解能で赤外吸収情報を可視化することができる。また、この手法では赤外光は試料に当たりさえすれば良いので、中赤外光が試料を透過する際に吸収され測定が困難になる懸念もない。

図2:中赤外光熱変換計測の概要図
図2:中赤外光熱変換計測の概要図

4.

 図3に、中赤外光熱変換計測の簡略化された光学系を示す。実際には、可視の連続光と中赤外のパルス光を試料に照射する。赤外パルス光によって瞬間的な体積膨張が引き起こされ、その際の可視光の散乱光や反射光の強度変化を検出する。我々のグループを含め、国内外で数グループが中赤外光熱変換計測を独自開発してきた。中赤外光熱変換計測の最大の利点は、サブミクロンの空間分解能を持つことである。図4に示すのは、従来の赤外顕微鏡で撮像されたポリマー粒子(直径3.5 µm)の赤外吸収像と、我々が開発した中赤外光熱変換顕微鏡で取得したポリマー粒子(直径0.5 µm)の赤外強度像である。どちらもポリスチレンの赤外吸収強度(波数1494 cm-1)で画像化されたものである。中赤外光熱変換顕微鏡では、サブミクロンの直径を持つ対象物であっても可視化できることが示されている。また、強度のラインプロファイルからも空間分解能の向上が明らかであり、従来と比較して10倍以上も高い空間分解能が得られている。近年では、非線形光学効果を利用した光熱変換計測により、200 nmの空間分解能での可視化も報告されている。

図3:正立型中赤外光熱変換計測の光学系
図3:正立型中赤外光熱変換計測の光学系

 中赤外光熱変換顕微鏡の一般的な装置構成は、可視光と中赤外光を同軸で反射型対物レンズによって集光し、反射光や透過光の強度をロックイン検出法で計測する方法である(図3)。この手法の最大の利点は、観察対象の制約がないことである。つまり、不透明な試料や大きなサイズの試料であっても観察できる。実際に、我々もこの正立型の中赤外光熱変換計測装置を開発し、厚みのある生体組織や錠剤、歯科材料の組成分析を行ってきた。一方で、可視光と中赤外光を別々の対物レンズで反対方向から集光する光学系も開発されている。この手法の利点は、可視光を高い開口数を持つ回折型対物レンズで集光できるため、高感度かつ高空間分解能が得られる点である[2]。実際にこの構成を用いた研究では、我々は厚さ7 nmのポリマー膜の検出に成功している。他のグループも100 nmのポリマー粒子やウイルス粒子を可視化した例を報告している。また、他の光学技術との統合、たとえばラマン分光や蛍光分光などとの組み合わせも容易であり、マルチモーダルな生体分析の報告例もある。上記は、可視光と赤外光を集光しステージを走査して画像を取得する機構であるが、デジタルホログラフィーやLEDを用いたワイドフィールド型の中赤外光熱変換計測イメージングの報告例もある。ワイドフィールド型は、時間分解能を向上させることができるが、照明ムラによる定量性の低下や、集光型に比べて感度が低く赤外吸収の利点を損なう点など、一長一短である。

図4:中赤外光熱変換計測と従来の赤外分光イメージング法による空間分解能評価
図4:中赤外光熱変換計測と従来の赤外分光イメージング法による空間分解能評価

5.

 中赤外光熱変換計測においては、分子の赤外吸収スペクトルを再現できるかという点について議論がある。図5に示すのは、従来のフーリエ変換赤外分光法(FTIR)と、我々が開発した装置で取得したポリスチレンの赤外スペクトルである。中赤外光熱変換計測では、照射する赤外パルス光の波数を変化させながら可視光の応答を計測し、赤外スペクトルを得ることができる。ポリスチレンのFTIRスペクトルと中赤外光熱変換スペクトルの形状やスペクトル特性は一致していることが分かる。スペクトル形状のわずかな違いは、光熱変換計測では量子カスケードレーザーを赤外光源として使用しているため、偏光特性がスペクトルに反映されているものと考えられる。
 中赤外光熱変換顕微鏡を用いた生体イメージングは、我々を含め国内外の研究グループによって精力的に行われている。特に、Minhaeng Choらのグループでは、中赤外光熱変換顕微鏡を用いて希突起膠細胞のタンパク質分布を可視化することで、細胞分裂の様子を経過観察できており、生物学的に重要な応用例を示している。Ji-Xing Chengらのグループは、中赤外光熱変換顕微鏡を用いた大腸菌の代謝イメージングを行い、複数の薬剤耐性を観察している。これは、微生物学的に極めて重要な可視化研究であると我々は位置付けている。
 我々も生体組織内の分子をラベルフリーで可視化することに成功し、医学応用へのポテンシャルを示した[3]。

図5:フーリエ赤外分光(FTIR)と中赤外光熱変換計測で取得したポリスチレンの赤外スペクトル
図5:フーリエ赤外分光(FTIR)と中赤外光熱変換計測で取得したポリスチレンの赤外スペクトル

6.

 図6はマウスの心臓組織の中赤外光熱変換イメージング結果である。生体組織の中赤外光熱変換スペクトルには複数の特徴的なピークが現れ、それぞれが異なる分子に特有のピークである。各分子に特有の赤外信号の波数における強度で画像化することで、タンパク質、脂質、アミノ酸、糖の分布を可視化できる。また、赤外分光は分子の化学構造や官能基に関する情報も観察できるため、例えばαヘリックス構造を持つタンパク質やリン酸化したタンパク質など、特定のタンパク質の二次構造やリン酸化も可視化できる。特に、タンパク質の二次構造やリン酸化は疾患の指標となることがあり、これらの生体分子の物性を可視化することの医学的な意義は極めて大きいと考える。また、我々は血球細胞内のタンパク質物性を1細胞レベルで解析し、細胞ごとの組成の不均一性を観察することにも成功している。近年は微生物内の分子物性やそれらが引き起こす物理現象の可視化も行っている。例えば、シアノバクテリアが生産する細胞外多糖が形成するバイオフィルムや細胞の自己集合、糸状菌の細胞壁や脂肪滴の化学組成などの可視化に注力している。生体イメージングだけでなく、材料科学分野への応用も精力的に行われている。Hartlandらはペロブスカイト薄膜の分子組成の不均一性と電子エネルギー特性を中赤外光熱変換顕微鏡によって可視化している。我々もポリマー材料の相分離構造や有機薄膜の光反応物の可視化に成功し、材料科学分野における本技術の有効性を示してきた[4]。他の海外の研究グループでは、絵画の品質評価や哺乳瓶に付着するマイクロプラスチック、大気中のエアロゾル内の物理・化学特性など、基礎科学だけでなく実社会の改善に貢献する応用例も実証している。

図6:マウス心臓組織の超解像赤外分光イメージング
図6:マウス心臓組織の超解像赤外分光イメージング

7.

 本稿では、サブミクロンの空間分解能と高い赤外吸収の検出効率を併せ持つ中赤外光熱変換に関する原理とその応用について紹介した。特に、生命科学や医学、材料科学分野においては、中赤外光熱変換計測の有効性がこれまで実証されてきた。近年のレーザー技術やデータ処理技術は目覚ましく進化しており、最新鋭の光学・数理学技術を活用した先端分光可視化技術は今後も増加することが予想される。



参考文献

  1. R. Kato, T. Yano, T. Tanaka, Analyst, 148, 1285-1290 (2023)
  2. R. Kato, T. Yano, T. Minamikawa, T. Tanaka, Analytical Sciences, 38, 1497–1503 (2022)
  3. R. Kato, T. Yano, T. Tanaka, Vibrational Spectroscopy, 118, 203333 (2022)


【著者紹介】
加藤 遼(かとう りょう)
徳島大学 ポストLEDフォトニクス研究所 特任助教

■略歴

  • 2021年4月 – 2022年5月徳島大学ポストLEDフォトニクス研究所 特任研究員
  • 2022年6月 – 現在徳島大学ポストLEDフォトニクス研究所 特任助教
  • 2021年6月 – 現在理化学研究所 メタマテリアルグループ 客員研究員
  • 2021年10月 – 現在JST ACT-X研究者「環境とバイオテクノロジー」

可視化技術を利用した近傍電磁界測定システム(2)

根津 伸丞(ねづ しんすけ)
(株)ノイズ研究所
根津 伸丞

4 測定結果から分析

電磁波の可視化を行うことで電磁波の発生箇所の特定や分布、周波数等の様々な解析が可能となる。
図6は卓上電気スタンドの電磁界を可視化した例である。

図6:卓上電気スタンド対策前
図6:卓上電気スタンド対策前

電磁波の強度の色分けにより、赤く表示している箇所が相対的に多くの電磁波を発生しているのが分かる。また、電磁波の強度だけでなく周波数の解析が可能で40MHz付近の強度が大きいことが分かる。図7は40MHz付近の周波数に絞り、対策部品(フェライトコア)を取り付けて再度測定した例である。図6と比べてみると対策の効果をはっきり確かめることができる。
また、今回は対策部品を取り付けて効果の確認を行ったが、予め設計段階で検討した対策部品を外してみることでその効果の確認が可能である。

図7:卓上電気スタンド対策後
図7:卓上電気スタンド対策後

しかし、EMI規格の対策として本システムを利用する場合、近傍で測定した電磁波が抑えられたように見えても、必ずしも電波暗室でのEMI測定で同様の効果を得ることができるとは限らない。
何故なら、被測定物全体から発生する電磁波を測定するEMI規格測定とは異なり、本システムでは電磁界プローブで直近の位置を測定しているため、相関関係を得る事はできず、電磁波の性質上測定する距離(遠方界と近傍界)に大きく依存するためである。従って、本システム上で効果(変化)を確認するだけでなく、EMI測定を行い、その効果を検証することが必要である。その検証結果を蓄積して比較することで対策のノウハウを蓄積することができる。
また、電磁界シミュレーションソフトの結果データとの関係性を比較してみると新たな発見ができるかもしれない。

5 応用

電磁波を可視化するということは、自ら出力している不要な電磁波を抑えることに利用できるだけでなく、電磁波から自らを守ることにも有効である。
例えば、モーターなどの誘導性装置の接点の遮断やリレースイッチのチャタリングなどが原因で、大きなパルス性の繰り返しノイズが発生する場合がある。それが機器の電源線や信号線等から侵入し誤動作や部品を破損することがあるため、そのような現象を模擬する試験を実施し、予め機器がある一定のノイズに対する耐性を持っていることを確認する必要がある。このような機器のノイズ耐性を評価する試験をイミュニティ試験と呼ぶ。
イミュニティ試験時に製品内の部品に誤動作や破壊が発生した場合、ノイズの侵入を防ぐ検討が必要となる。この確認として、実際に試験したノイズを注入し、その侵入経路が把握できれば、効率良く対策することができるはずであり、本システムの可視化技術が利用できると考え次の実験を行った。
周波数ドメインのスペクトラムアナライザを時間ドメインで波形が観測できるオシロスコープに変更し、ノイズ波形を測定するチャンネルとは別にノイズ発生タイミングを検出するトリガ用入力チャンネルを用意した。
これによりノイズを発生させながら被試験機器全体を電磁界プローブで走査することで注入したノイズの侵入経路を正確に捉えることができる。さらに、注入ノイズの波形形状が分かるため、ノイズ波形の変化から減衰、共振などの状況がわかり、より対策の検討が行いやすくなるとともに、対策効果の確認もできると推測した(図8)。

図8:オシロスコープを用いたシステムイメージ
図8:オシロスコープを用いたシステムイメージ

実際に高速の過渡ノイズが発生できる試験器を用いて試作基板にノイズを注入し、検出ノイズの最大値を色分け表示した(図9)。おおまかにノイズの侵入経路とノイズ対策(侵入経路の分離処理)をノイズ分布図によって確認することができた。

図9:ノイズの分布対策後
図9:ノイズの分布対策後

この実験では、対策の効果だけでなく、注入ノイズの大きさや周波数等の性質を変更することにより、波形の変化を捉えることができた。それは今まで勘や経験に左右されていたノイズ対策設計に大きく役立つと言える。
設計者は仮説に基づくノイズ対策を行っているが、それを実証できるツールとしても有効である。
今回は高速の過渡パルスを模擬したノイズを注入して可視化を行ったが、下記のように様々な応用が期待できる。
・筐体の設計
筐体にノイズを与え筐体全体を可視化することで、筐体全体のノイズ分布から筐体自体の形状設計や部品の配置場所の検討が可能。
また、筐体から発する自己ノイズを調べることでシールド効果を確認することも可能である。
・アンテナの分布パターン確認
アンテナのどの位置からどのようなノイズが放射しているのかを確認し、アンテナの設計や使い方に利用できる。
・イミュニティ試験の分析
規格が定める幾つかのノイズを注入し、その波形を被試験機器の様々な位置で分析する事により、機器のノイズ耐性への傾向を把握できる。その傾向からどのようなノイズ試験を行う必要があるか、機器を把握し目的を持って試験に臨むことができる。

6 最後に

可視化が持つメリットとして「分かりやすさ」が挙げられる。分かりやすくすることで効率良く評価できるのは勿論であるが、データに説得力を持たせることができる。それは正しく伝えることに繋がり、後進育成に大きく貢献できると期待する。
今後「分かりやすさ」に加え、さらに「使いやすさ」を追求することで、この可視化技術が少しでも多くの方のノイズ問題の解決に貢献できれば幸いである。



【著者紹介】
根津 伸丞(ねづ しんすけ)
株式会社ノイズ研究所 商品開発部 商品開発3課 課長

■経歴
2000年 株式会社 ノイズ研究所 入社 EMC機器のソフトウェア開発に従事。
ソフトウェアチーム開発責任者。
現在に至る。

OKI、自動車部品・車載機器向け「加温耐水自動サイクル試験サービス」

OKIエンジニアリング(以下、OEG)は、8月9日より自動車部品・車載機器向けの「加温耐水自動サイクル試験サービス」を開始する。耐水試験の新メニューとして開始するもので、耐水試験全体で23年度6,000万円の売り上げを目指す。

近年、自動車業界ではCASE(注1)の進展から、LiDARセンサー(注2)やカメラ、ミリ波レーダー(注3)などを搭載した車載機器が車外部の露出した箇所に装着・装填されることが増えている。また、車載機器の増加や機能の拡大に伴い、エンジンルーム内への各種ECU(電子制御ユニット)の設置や、エンジンなどへの車載機器の直載も増加している。こうした機器は、外気温やエンジンが発する熱の影響で高温になった状態で、雨や水しぶきを受けるため、高温環境下での耐水性が求められる。JISなどの一般規格では、耐水試験において温度に関するストレスを加えることを規定していないが、このような背景から、より実環境に近い高温環境下で稼働中の機器の耐水試験を実施したい、具体的には温度差によって発生する異種材料間の隙間からの浸水による、電気的な不具合や腐食などの発生を確認したいという要望が増えている。

このような要望に対応するためには、通電中の試験品を加温し水をかけ、その後また加温する「サイクル試験」を、中断なく実施する必要がある。しかし、従来の耐水試験機でこの試験を実施する場合、試験機のほかに内部の温度を一定に保つことのできる恒温槽を用意し、試験品を人手で行き来させる必要がある。試験品を恒温槽から試験機に移動させる際に温度が下がってしまい、実環境の再現が難しいことや、作業員の勤務時間帯でしか試験が実施できず、納期が長期化してしまうことが課題となっていた。

このたびOEGでは、1台で加温と耐水試験を連続通電しながら自動的に行う独自仕様の試験機を導入し、「加温耐水自動サイクル試験サービス」の提供を開始した。加温状態で耐水サイクル試験を自動で実施できるサービスは、国内受託試験業界で初めてとなる(注4)。中断のない連続稼働による実環境の高い再現性や人手を介在させないことによる短納期化を実現し、自動車・車載分野のお客様の製品開発に貢献するとしている。

ニュースリリースサイト(oki):https://www.oki.com/jp/press/2023/08/z23031.html

横浜市内でスマート農業の実証実験を開始

 横浜市では、都市農業における新たな製品・サービスの創出を目指す、I・TOP横浜ラボ「都市部でのスマート農業」で採択した提案のうち、自動走行ロボットとVRを用いた未来農園と、システムを設置した「わな」による鳥獣捕獲状況の遠隔監視の実証実験を都筑区・栄区の農地で開始した。

実証実験詳細(企業名50音順)
1.VR×IoT×AMRの未来農園
・実施企業名:青葉電子(株)、他1社(2社合同)
・実施概要:不整地走行が可能なAMR(自立走行搬送ロボット)や分光カメラを用いた写真画像、VR(仮想現実)を組み合わせることで、遠隔からの監視や果実の糖度測定、害獣検知と撃退を実現し、農地の見回り負担軽減を目指す実証実験を行う。(画像)
・実施時期:令和5年8月1日~8月31日
・実施場所:JA横浜 池辺ほ場(横浜市都筑区)

2.IoTによる鳥獣被害対策、不法投棄・盗難対策通知
・実施企業名:マクセルフロンティア(株)
・実施概要:害獣捕獲監視システム「マタギっ娘 LTE-M版」を用いて、農業従事者が設置した「わな」の捕獲状況及び農作物盗難の遠隔監視をマグネットセンサの作動によって行うことで、見回り負担の軽減を目指す実証実験を行う。
・実施時期:令和5年8月1日~12月20日
・実施場所:個人農地(横浜市栄区)

経緯
 横浜市は「I▫TOP横浜ラボ」の取組として、横浜市内の農地を実証フィールドとして都市農業における農作業の省力化、農作物の栽培支援、営農環境の改善等をもたらす新たな製品・サービスの提案を令和5年1月から2月に募集し、3月に6件を採択した。
 現在、市内農地とのマッチングを進めているが、この度、都筑区の農地において、自動走行ロボットとVRを用いた未来農園、栄区の農地において、システムを設置した「わな」による鳥獣捕獲状況の遠隔監視の実証実験をそれぞれ開始した。
 その他の採択案件については、実施に向けた調整と準備が整い次第、実証実験を開始する。

ニュースリリースサイト:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000001189.000013670.html

全身モーションキャプチャに新ラインナップ、手軽に全身VR体験ができる「Uni-motion Core」

 (株)ライバーは、これからフルボディトラッキングでVR体験を始めたいユーザーに向けた「Uni-motion」の新ラインナップ 「Uni-motion Core」33,980円(税込)を、Uni-motion公式ホームページ(https://uni-motion.com/)にて発売した。「Uni-motuon Core」は、胸、両太もも、両すね用の5点トラッキングに対応している。
 また、「Uni-motion Core」の発売と合わせて、より本格的な表現力を追及した6点トラッキングの現行モデル、「Uni-motion Full」の価格も39,800円(税込)に価格を改訂した。さらに、胸位置用のセンサのみをセットにした「Uni-motion With」10,800円(税込)も新ラインナップに追加している。既に光学式モーションキャプチャシステムを使用しているユーザーに向けて、光学式トラッカーと併用することで、光学式モーションキャプチャで発生しやすいトラッカー飛びに対応できるようにしている。

 「Uni-motion」は、完全ワイヤレスで、最長24時間連続稼働が可能な、軽量かつ省スペースのフルボディトラッキングモーションキャプチャデバイス。
 VRヘッドセットとコントローラー、そして「Uni-motion」を組み合わせることで、VRワールド上で、足や腰を含めた自然な全身の動き(「Uni-motion Core」8点、「Uni-motion Full」9点)をすることができるようになる。VRワールドで出会ったほかのユーザーに、お辞儀をしたり、しゃがんだり、より魅力的でかわいいポーズができるなど、表現力とコミュニケーションの幅を広げ、さらに充実したVR体験を提供している。
 完全ワイヤレスなので、外部センサや専用スーツ、余計な配線が必要なく、動いている際にコントローラーや手足、椅子の肘掛けなどにケーブルを引っかけてしまうなど煩わしさがなくストレスフリーで使える。  乾電池式で最大24時間連続して使用可能。これは、既存のトラッキング・デバイスと比較しても圧倒的に長時間であり、乾電池式のため充電時間も不要。そのためVR睡眠のような長時間の使用にもおすすめ。また、センサは手のひらより小さく、重さは約15g (電池なし)と軽量で、長時間の使用でも負担がかからない。
 光学式センサのように、配置の面倒なベースステーションが不要なので家具の配置に気を使うことなく狭い空間でのフルボディトラッキングを実現できる。またIMU方式を用いたトラッキング方式のため、光学式センサで頻繁に発生しやすいトラッカーの飛びも発生しない設計にしているという。

Uni-motion Core 33,980円(税込)
センサ数:5個
トラッキングポイント:胸、両太もも、両すね
動作時間:最大24時間

Uni-motion Full 39,800円(税込)
センサー数:6個
トラッキングポイント:胸、腰、両太もも、両すね
動作時間:最大24時間

Uni-motion With 10,800円(税込)
センサー数:1個
トラッキングポイント:腰
動作時間:最大24時間

Uni-motion仕様
動作時間: 24時間以上(乾電池式)
VR機器:Oculus Quest ,Meta Quest 2,Meta Quest Pro,Oculus Rift S,HTC VIVE,Valve Index,WindowsMR等 (SteamVRで動作可能なVRシステム)
VRサービス:VR Chat,Cluster,Virtual Cast,Neos VR

※商標について:記載されている会社名、製品名は各社の商標または登録商標です。

ニュースリリースサイト:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000102.000034858.html/a>

ヘビ型ロボット Soryu-C イタリアの地域暖房設備点検に活用

(株)ハイボットのヘビ型ロボットSoryu-Cが、イタリア北部の都市ブレシアにある、A2A社が管理運営する地域暖房設備の点検に活用された。

Soryu-Cは、地中に埋設された配管設備や人の手の届きにくいインフラ設備などを点検する用途に開発され、半自動式のリールユニットにつなぎ、テザーで吊り下げられながら、地上に開けられた細い貫通口を通って、地中配管設備に到達することができる。Soryu-Cには複数のカメラが搭載されており、ロボットのナビゲーション、配管設備の検査、3Dマッピングの生成に使用される。また、モバイルプラットフォームとして、センサなどのデバイスを追加で取り付けるなど、拡張性高く設計されている。

地中配管点検を行うには、道路に穴を掘り、地上からアクセスする必要があり、点検が難しいとされている。A2A社は今回Soryu-Cを使用することにより、マンホール入口から地下配管に到達することができ、「穴を掘る、点検する、穴を塞ぐ、道路の再舗装」といった、道路交通に影響がでる、通常数週間必要とされる一連の作業を省略することができた。

A2A社(https://www.a2acaloreservizi.eu/)はイタリアとギリシャで、再生可能エネルギー、電力、ガス、水道、廃棄物等の設備管理を行っている企業である。地下に張り巡らされた暖房設備の配管網は、狭いスペースに敷設され、都市の地下数キロメートルにわたって分布している。これらの配管設備のメンテナンス作業は、道路交通規制や、暖房サービスの一時停止が必要になるなど、常に高いコストとスケジュールの制限がかかっていた。

A2A社は、Soryu-Cを使用することで、地下暖房のインフラ設備点検を効率的に実施し、業界の脱炭素化を実現する可能性を切り開いた。このように、Soryu-Cはフレキシブルな設計により、埋設された設備や人が立ち入ることが困難で危険なインフラの点検を得意としているとのこと。

ニュースリリースサイト:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000015.000055802.html