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自動運転システム開発用のリファレンスプラットフォーム「Edge.Auto」提供開始

(株)ティアフォーは、自動運転システム開発用のリファレンスプラットフォームとしてEdge.Autoを新たに公開し、個別のハードウェアコンポーネントから統合化された自動運転システムまで複数のソリューションの提供を開始する。
また、CES 2024のティアフォーのブースにおいて、パートナー各社のソリューションと組み合わせた複数の実演展示を行う。

Edge.Autoの概要
Edge.Autoは、ティアフォーがこれまでに培ってきた自動運転技術を基に、利用実績のあるセンサやコンピュータと各種ソフトウェアツールを組み合わせ、最短で自動運転システムの開発に取り組むためのリファレンスプラットフォームである。各種ハードウェアコンポーネントはオープンソースで提供されるセンサドライバやAutoware* に含まれるソフトウェアモジュールを用いて動作し、用途に応じて個別のハードウェアコンポーネントから統合化された自動運転システムまで複数の単位構成を選択することができる。

また、Edge.Autoにて提供される各ソリューションは、ティアフォーの既製品であるPilot.Auto(自律系プラットフォーム)やWeb.Auto(開発運用系プラットフォーム)と組み合わせて利用することができる。これにより、ユーザーは自動運転システムの開発に必要なソフトウェアやハードウェアの選定、評価、検証を効率化し、独自の自動運転ソリューションを速やかに構築することができるようになるという。

*Autoware はThe Autoware Foundation の商標。

関連サイト:https://edge.auto/

目視等による施工・経年劣化・安全措置対策状況等確認のデジタル化を実現するための技術の公募

 デジタル庁では「既存の制度にどのようなテクノロジーを導入することができるか」という考えから規制の見直しを検討する「テクノロジーベースの改革」を志向しているが、デジタル技術を活用した規制の見直しを進める上では、
・規制所管省庁等については、規制の見直しを検討するに当たり、どのような企業がどのような技術を保有しているかわからない
・技術保有機関等については、規制の見直しに用いることができるような技術を保有していても、それをアピールする場がない
といった課題が明らかとなっている。
 そのため、デジタル庁では、規制所管省庁等が規制の見直しの際に必要な技術の選定や選択を円滑に行うことができるようにするため、規制の見直しに活用できる個別技術の内容や、どの企業等が当該技術を保有しているかを整理した「技術カタログ」の整備を進めることとしている。
 今般、目視等による施工・経年劣化・安全措置対策状況等確認のデジタル化に関する技術について募集を行い、取りまとめることとする。
ついては、目視等による施工・経年劣化・安全措置対策状況等確認のデジタル化に関する技術について、募集を行う。

募集する技術
(1)募集する技術
「建築物・土木構造物や設備・製品等の設計・施工状況や経年劣化状況等の確認における情報取得や分析・判断を可能とする、目視等による施工・経年劣化・安全措置対策状況等確認のデジタル化を実現する製品・サービス」を応募の対象とする。
(2)デジタル化後の業務と求められる機能
目視等による施工・経年劣化・安全措置対策状況等確認のデジタル化後の業務は「現場での準備」、「情報取得」、「分析・判断」、「記録・保存」の4つのプロセスに分けられる。各プロセスにおける業務と求められる機能は、「(参考資料)目視等による施工・経年劣化・安全措置対策状況等確認のデジタル化後の業務と求められる機能」を参照。規制所管省庁等(現場)の課題認識とその解決に必要な要件のイメージも記載していますので、併せて参照のこと。
(3)必須機能
今回募集する技術については、「情報取得」及び「分析・判断」のプロセスにおいて必要となる以下2つの機能を必須とする。
• 情報取得機能
• 分析・判断機能
なお、上記全ての機能を有している技術であることが望ましいが、一部の機能のみを有した技術でも応募可能。

3.応募方法
応募方法 以下のリンク先のフォームにて回答
https://forms.office.com/e/9W377k1pUy
応募期間 2023年12月25日(月)~2024年1月29日(月)
公表方法 応募期間終了から1ヶ月程度を目処に、準備が整い次第、デジタル庁ホームページで公表予定

応募サイト:https://forms.office.com/e/9W377k1pUy

ヒートアイランド現象対策でAIソリューションを活用した遮熱塗料噴霧サービスの実験

スタンダード・リンク(株)とNCK(株)は、スタンダード・リンクの提供するAI技術を活用した遮熱塗料噴霧に関する実験を行うことで合意した。

ドローンを活用した遮熱塗料の噴霧により、環境への貢献と効果都市温暖化対策を目指す。さらには、スタンダード・リンクが保有するセンサーAI技術を活用した屋根の劣化調査、汚れ調査等の新しいサービスをNCKとともに認定店に提案していくことついても合意した。

 スタンダード・リンクは、将来の技術革新と市場拡大に向け、IoT、カメラ技術、AI開発のエキスパートとして、新たな価値の創造と可能性の検討を目指している。これらの技術を活用するために、ドローン開発技術を要しており、各々の課題に対して、開発を推進し、国内および海外にサービスを提供している。

 NCKは、建築物の温度上昇を抑え、アイランドヒート現象を防ぐ効果のある遮熱塗料のメーカーであり、国内、海外でも多数実績があり、1000社以上の施工認定店を保有している。

●プロジェクトのハイライト
・遮熱塗料噴霧の新しい手法:両社は、ヒートアイランド現象の緩和に向けて、遮熱塗料を建物や舗装に効果的に噴霧するためにドローンを活用するプロジェクトを共同で進める。
・効果的な塗料噴霧技術:ドローンを使用することで、高所や難アクセスな場所にも簡単に遮熱塗料を噴霧でき、従来の手法よりも迅速で効率的な施工が可能である。
・環境への配慮:開発される遮熱塗料は、塗装した建物外皮を外気温と同温程度に推移させ、”熱だまり”を起こさない。これにより、屋内のエアコンの低消費化および持続可能な都市部におけるヒートアイランド現象の軽減に貢献する。

ニュースリリースサイト:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000009.000115625.html

最大125℃で常時認識システムに最適なエッジAI対応車載用モーション・センサ

STマイクロエレクトロニクスは、車載用6軸MEMSモーション・センサ「ASM330LHHXG1」を発表した。同製品は、センサ内でAIを実行することができ、優れた低消費電力性能を備えている。また、最高125°Cの動作温度範囲により、過酷な環境でも優れた信頼性を実現するという。

3軸加速度センサと3軸ジャイロセンサを搭載したASM330LHHXG1は、動作時消費電流が800µA未満で、システムの消費電力削減に貢献するため、常時認識システムに最適である。また、内蔵された機械学習コア(MLC)およびステート・マシン(FSM)を利用したセンサ内AIにより、ホスト・プロセッサの負荷を軽減するとともに、低遅延かつ高効率なイベント検出 / 分類を実行可能である。広い動作温度範囲を備えているため、ASM330LHXG1を搭載したスマート・センサを過酷な環境で幅広く使用することができる。エンジン部品の近くや直射日光下、オンボード・チャージャの消費電力が標準動作レベルを超えて温度が上昇する可能性がある場所での使用など、優れた柔軟性を提供する。
また、MLCとFSMを内蔵しているため、ナビゲーション支援やテレマティクス、盗難防止、衝撃検知、モーション起動機能など、最小限の消費電力で高速かつ確定的な応答が求められるアプリケーションに最適とのこと。

STは、ASM330LHXG1を使用した評価・試作・開発に貢献するMEMSセンサ開発エコシステムを提供している。Unico-GUIや、AlgoBuilder、MEMSセンサ・アダプタ・ボード(STEVAL-MKI243A)など、幅広い開発ツールが含まれている。また、STのGitHubリポジトリでは、すぐに使えるアプリケーション・サンプルが提供されている。MLCリポジトリでは、傾き / 牽引 / 車両状態検出などのユースケースが提供され、FSMリポジトリでは、動作中 / 静止中の状態検知や振動検知など、さまざまなサンプルを利用可能である。
ASM330LHXG1は、2つの動作モードを備えており、データ更新レートと消する。加速度センサの測定範囲は、±2 / ±4 / ±8 / ±16gから選択可能で、ジャイロセンサの角速度は、±125、±250、±500、±1000、±2000、±4000dpsに設定可能。

AEC-Q100規格に準拠したASM330LHHXG1は、現在量産中で、オーバーモールド封止された14ピンのプラスチック製LGAパッケージで提供される。1,000個購入時の単価は約8.99ドル。

製品サイト:https://www.st.com/content/st_com/ja/campaigns/gear-up-for-an-unmatched-automotive-experience-mems.html

仮想空間とセンサ物理モデルに注目した自動運転安全性評価シミュレーション; DIVPの開発(Driving Intelligence Validation Platform; DIVP for ADS Safety Assurance)(1)

井上 秀雄(いのうえ ひでお)
神奈川工科大学
先進自動車研究所
所長/特任教授
DIVPプロジェクトリーダー
井上 秀雄

1.背景・概要

 日本での自動運転の国家プロジェクトは、SIP第1期『自動走行システム』、第2期『自動運転(システムとサービスの拡張)』と9年間(2014年度~2022年度)に渡り”競争と協調”の考え方のもと、産学官連携、省庁横断、業界連携・学学連携・国際連携など幅広い領域が一体となった研究開発活動や東京臨海部実証実験等を推進し大きな成果をあげてきた。また,レベル4の推進については、経済産業省と国土交通省が主導する「自動運転レベル4等先進モビリティサービスの研究開発・社会実装プロジェクト(RoAD to the L41))」として2021年度~2025年度のプロジェクトとして事業が進められている。
 自動運転の最大の課題は安全性の確保である。また、システムが運転を行う自動運転に対する不安や恐れを軽減し、事故が起きた場合の責任の所在を明確にしていくためには、安全性の論証が必要である。SIP自動運転では,公道での実証実験を安全性の検証の重要な手段と位置づけ、東京臨海部実証実験を推進してきた。一方で、安全性の検証には事故を模擬した危険な条件での評価も必要であり、公道での実証実験だけで全てをカバーすることはできない。このためSIP第2期では、自動運転車両にとって重要なセンサ性能評価も可能な実環境と一致性の高いシミュレーション環境の構築にオールジャパン体制で取り組んだのが「DIVP(Driving Intelligence Validation Platform)プロジェクト(仮想空間における自動走行評価環境整備手法の開発)」2) 3) である(図1)。

図1.仮想空間シミュレータDIVPの取組み
図1.仮想空間シミュレータDIVPの取組み

SIP自動運転の2022年度での終了にともない、2023年度からは経産省の「無人自動運転等のCASE対応に向けた実証・支援事業」に組み込まれ、「DIVP」「SAKURA」「AD-URBAN」を束ね、安全性評価基盤検討タスクフォースとして連携を強化し、RoAD to the L4や産業界の研究開発に貢献する自動運転/ADASの安全性評価シミュレーションプラットフォームを構築中である(図2)。

図2 自動運転 安全性評価基盤のフレームワーク
図2 自動運転 安全性評価基盤のフレームワーク

2.実現象と一致性の高いセンサシミュレーションの構築

 外界認識センサは、通常の車両コンポーネンモデルと異なり、走行環境モデルと自動運転制御を繋ぐ機能的役割を担っている。従来のシミュレータでは、システム制御が正しく動くかの評価に主眼が置かれ、いわゆる真値(正常機能)ベースのセンサモデルの採用が多い。先にも述べたように、自動運転車の安全性保証には、周辺監視センサそれぞれの長所と弱点(限界)を把握し、システム設計やセンサ知覚認知アルゴリズムの改良を進める必要がある。しかし、真値ベースのセンサモデルでは電磁波の空間伝搬の検証結果をモデルに反映することが難しく、センサの弱点となるような環境条件をモデルに反映させることは困難である。本プロジェクトでは、ミリ波レーダの電波、カメラにおける可視光線、LiDARの近赤外光のそれぞれの反射特性(再帰、拡散、鏡面反射など)や透過特性を物理モデル化し、レイトレースなどの空間伝搬モデルとして構築している。さらに、高度な実験・計測技術を用いて雨や霧, 太陽光などの周辺照度等の周辺環境の影響で変化する実現象の物理モデル化にも取り組んできた。これらをもとに、センサから見た空間伝搬特性を電磁波原理に基づく「走行環境~空間伝搬~センサ」の一連のモデルに反映している点がほかにないDIVPシミュレーション基盤のユニークな点である。(図3)

図3 空間伝搬を再現するセンサモデル(カメラの例)
図3 空間伝搬を再現するセンサモデル(カメラの例)
図4 カメラでの一致性検証例
図4 カメラでの一致性検証例

3.センサ検出弱点に対応した仮想空間モデルの構築

 自動運転車の「眼」となるセンサは、カメラ・LiDAR・ミリ波レーダの3種類がある。シミュレータ製品の中にはこのうち一部しか対応しないものも見られるが、DIVPプロジェクトが開発したシミュレータは3種類すべてを時刻同期させてシミュレートできる(図5)。

図5 DIVPシミュレータのセンサ出力例
図5 DIVPシミュレータのセンサ出力例

 実はこれら3種のセンサは、自然現象を相手とする天候などの走行条件に対しそれぞれ物理的な弱点を持っている。一例として図6は霧の中の実測例である。カメラ画像(左図)では、先行車がかすれて見えなくなる。LiDAR画像(右図)では、空中を漂う水滴を誤検知して壁のように錯覚してしまう。図7には、LiDARの霧や雨滴などの反射点(偽点)により周りの車両物標が見え難くなる様子や、逆に近赤外光が夜間(晴天)に強い様子がDIVPシミュレータで再現できている。

図6 霧による不具合の例 (左図:カメラ実測、右図:LiDAR実測)
図6 霧による不具合の例 (左図:カメラ実測、右図:LiDAR実測)
図7 LiDARの弱点(降雨)と長所(夜間)のDIVPシミュレータでの再現
図7 LiDARの弱点(降雨)と長所(夜間)のDIVPシミュレータでの再現
図8 センサ弱点事象のシミュレータでの再現(左;モーションブラー、右;降雨)
図8 センサ弱点事象のシミュレータでの再現(左;モーションブラー、右;降雨)

 仮想空間シミュレータDIVPは、これら再現が困難な種々のセンサ検出の弱点事象までも忠実に再現しセンサや認識技術の開発に貢献できる。例として図8左は高速走行時に文字が滲む現象(モーションブラー)を再現例、また、図8右はフロントガラスへの雨滴付着を再現し信号機認識アルゴリズムの限界検証している例を示している。



次回に続く-



参考文献

  1. RoAD to the L4 ホームページ、https://www.road-to-the-l4.go.jp/
  2. Hideo Inoue, “Driving Intelligence Validation Platform (DIVP) for AD Safety Assurance”, SIP-adus Workshop 2022, Session “Safety Assurance”, 2022
    https://en.sip-adus.go.jp/evt/workshop2020/
  3. 井上秀雄、仮想空間における自動走行評価環境整備手法の開発、2022年12月、SIP第2期 – 自動運転(システムとサービスの拡張)- 最終成果報告書(2018~2022), p108-p119


【著者紹介】
井上 秀雄(いのうえ ひでお)
神奈川工科大学 先進自動車研究所 所長/特任教授(常勤)
DIVPプロジェクトリーダー

■略歴

  • 1978.3早稲田大学理工学部機械工学科卒業
  • 1978.4~2016.3トヨタ自動車(株)
    ・BRVC室長,車両制御開発室 室長,統合システム開発部 部長,先端・先行企画室長(部長格)等を歴任.
  • 2013.4~現在東京農工大学 大学院工学府 機械システム工学専攻 客員教授
  • 2016.4~現在神奈川工科大学 創造工学部 自動車システム開発工学科 教授
  • 2017.4~(兼務)工学教育研究機構 先進自動車研究所 所長・教授
    ・専門;自動車工学,車両運動,制御システム工学,統合システム/統合安全,運転支援/自動運転
    日本自動車技術会 代議員,編集委員,査読委員,アクティブセーフティ部門委員会 委員

■受賞

  • 1992 24th FISITA Paper Award, Development of Vehicle Integrated Control System
  • 1998 28回市村産業賞 貢献賞, 「VSC(Vehicle Stability System)の開発」
  • 1998 31回機械振興協会 通産産業大臣賞, 「横滑り防止 車両安定性制御システムの開発」
  • 2009 The US Government Award for Special Appreciation for contributions to the development and popularization, award by the National Highway Traffic Safety Administration(NHTSA) at the 21th ESV Congress
  • 2016日本機械学会 交通・物流部門 業績賞

海洋観測の自動化、省力化に向けて(1)

渡 健介(わたり けんすけ)
合同会社オフショアテクノロジーズ
代表社員
渡 健介

1. 緒言

日本は面積にして世界6位の排他的経済水域を有する海洋国家である。水産資源の利用はもちろんのこと、昨今は日本近海の海底鉱物資源への注目も高まっている。国土面積の狭い我が国にとって、海洋の持続可能な利活用と、そのための技術開発は重要課題であり、世界をリードして然るべきである。しかしながら、海洋観測に用いる主要なセンサは海外製が占めているのが現状であり、では、それらを駆使して我が国周辺の海が調べつくされているかと言うと、そうでもない。海洋を効率的に観測する手法はまだまだ開発途上で、人の手に頼っている側面が非常に多いのが現状である。多くの観測データは調査船に搭載されたウィンチによって採水器を投入し、回収した海水を分析することでデータを得ている。投入から回収、分析まで、人の手に依存している部分は多々ある。これがセンサによって置き換わると、採水、分析の部分がかなり省力化されるが、現在、海洋観測において各パラメータを観測出来る信頼性の高いセンサは少なく高価で、また例えセンサが増えても調査船とそれに搭載された大型機器に依存する部分は省かれない。そのため、海洋観測が多くのテクニシャンによって支えられる現状は変わらず、未曽有の少子高齢化に見舞われ、労働人口は減る一方である日本において、観測の維持がより困難になっていくことは自明である。さらに、航海の費用も削減の一途で、広大な海を理解するに十分な観測データを取得できる状況であるとはおよそ言い難い。
現代においては様々な分野で機械化、自動化が進められてきたが、より効率的に多くの観測データを取得し、海洋の理解を進めるには、観測の自動化が必要である。しかし、そこには海洋という特殊な環境を相手にする難しさがあり、日本のみならず海外においても未だ過渡期であり、様々な手法の模索が進められている状況である。
このような背景から、海洋データの取得を促進し海洋の解明の進展に寄与することを目的に、観測の自動化、省力化のための技術開発を行ってきた。

2. 国産CTDセンサの開発

国立研究開発法人海洋研究開発機構(JAMSTEC)では2008年頃から、大型の長期係留観測ブイである「トライトンブイ」用に国産のCTDセンサの開発に着手し、その性能向上、検定方法の検討など、長期観測可能な高精度センサ開発に注力してきた。
海洋観測において最も基本的なデータを計測するのがCTDセンサである。CはConductivity(電気伝導度)、TはTemperature(温度)、DはDepth(水深)の略であり、これらのデータを利用して、塩分、密度を算出する(UNESCO, 1978)。CTD観測から得られた水温、塩分、密度の鉛直プロファイルからは海洋の構造を考察できるため、鉛直方向に複数のCTDセンサを搭載した係留ブイを面的に展開することで、エルニーニョ現象や、地球温暖化等、地球環境変動の研究を目的とする観測を行ってきた。これらの現象を長期間観測するセンサには、1)低消費電力、2)高精度、3)低ドリフトの3点で優れた性能を有することが求められる。JAMSTECでは長きに渡る開発の結果、これらを満たすCTDセンサ「JES10」を開発した(Fig. 1)。このセンサはトライトンブイにも搭載され、試験観測が行われた。

Fig. 1 JAMSTECが開発したCTDセンサ「JES10」
Fig. 1 JAMSTECが開発したCTDセンサ「JES10」

3. センサの小型化

しかし、JAMSTECでは、予算不足から係留ブイの展開数そのものが減ってしまい、開発したCTDセンサの必要数も激減してしまった。開発知見を活かし、多くのニーズを満たす目的でJAMSTECではより小型のCTDセンサ「JES10mini」の開発を行った。(Fig. 2)

Fig. 2 小型CTDセンサ「JES10mini」
Fig. 2 小型CTDセンサ「JES10mini」

経年精度を緩和して、センサ素子のサイズを小型化すること、また応答性の高いサーミスタプローブを搭載することで、係留だけでなく、ウィンチなどで吊り下げるプロファイル観測に対応した。JES10miniは、全長約170mm、空中重量約640gと小型軽量ゆえ、組込用途にも適しており、電動リールで観測が可能など、従来機に比して簡便に扱うことが出来た。(Fig. 3)

Fig. 3 観測の様子
Fig. 3 観測の様子
Fig. 4 他社製センサとのドリフト比較
Fig. 4 他社製センサとのドリフト比較

合同会社オフショアテクノロジーズでは、これらCTDセンサに関する知的財産権の使用許諾を受け、製品化を行っている。製品化により、学術研究用途のみならず、小型ROVなどの海洋観測プラットフォームへの搭載(Fig. 5)や水族館での海水のモニタリング(Fig. 6)など、幅広い用途に利用されるようになった。このように様々なインターフェースを実装することで、多様なニーズに対応しながら少しずつ実績を積んでいる。また、新しいJES10miniを利用した観測手法の開発などにも挑戦し、研究者や観測従事者に新しい視点を届けようと製品開発が進められている。

Fig. 5 市販の小型ROVにCTDセンサを搭載
Fig. 5 市販の小型ROVにCTDセンサを搭載
Fig. 6 水族館でのCTDセンサ利用の様子
Fig. 6 水族館でのCTDセンサ利用の様子


次回に続く-



出典,参考文献

  1. 高精度CTDセンサーの開発
    高橋 幸男, 渡 健介, 石原 靖久
    JAMSTEC Report of Research and Development 2018 年 26 巻 p. 36-53
  2. Argo 計画:気候監視のために 全球海洋の変動をリアルタイムで捉える観測システム 細田 滋毅,須賀 利雄(Bull. Soc. Sea Water Sci., Jpn., 65, 29 - 34(2011))


【著者紹介】
渡 健介(わたり けんすけ)
合同会社オフショアテクノロジーズ 代表社員
/国立研究開発法人海洋研究開発機構(JAMSTEC)
 経済安全保障重要技術育成プログラム統括プロジェクトチーム
 スマートセンシング技術開発プロジェクトチーム 海況観測・解析ユニット
 ユニットリーダー代理

■略歴

  • 2005年東京都立科学技術大学 工学部 航空宇宙工学科 卒業
  • 2007年首都大学東京大学院 工学研究科 航空宇宙システムデザイン専攻 修了
  • 2007年ソニー株式会社 デジタルイメージング事業本部 PV機構設計部
  • 2013年国立研究開発法人海洋研究開発機構 技術開発部 海洋観測技術グループ
  • 2018年合同会社オフショアテクノロジーズ 起業 代表社員

海洋pH観測のセンサ開発とXPRIZEへの挑戦(1)[再掲載]

海洋研究開発機構
研究プラットフォーム運用開発部門
三輪 哲也

Wendy Schmidt Ocean Health XPRIZEの開催

イノベーションコンテストで圧倒的な知名度のあるXPRIZEは、Xプライズ財団が運営する「人類に利する技術開発を促進し、よりよく安全かつ持続可能な世界を目指す」を掲げ運営されている1)。 XPRIZEコンテストに参加すると、その設立のきっかけとなった「スピリット・オブ・セントルイス」の大西洋単独無着陸飛行の話が紹介される。1919年にパリ・ニューヨーク間での無着陸飛行の成功者に懸賞金を提示した「オルティーグPRIZE」というコンテストでは、ホテル経営者のレイモンド・オルティーグが資金提供をし、8年後の1927年にチャールズ・リンドバーグという若者が大西洋単独無着陸飛行の実現をした。この課題解決型のコンテストは多数の挑戦者とその失敗を重ねることとなるが、技術促進の種になる、という考え方によって、受け継がれてきている。XPRIZEは、Xのワードに、様々なスポンサーを冠し、トーナメント形式のような関門を設け、エンターテインメント的な要素も含みながら進められていく。

2010年にメキシコ湾沖の石油掘削施設からので発生した大量の原油流出事故は、メキシコ湾沿岸の海洋生態系にとても大きなダメージを与えた。当時のオイル除去作業は遅々として進む様子もなかったため、大手検索サイトGoogleのCEOであったエリック・シュミットらが設立したシュミットファミリー財団(ウェンディ・シュミット理事長)2)が、「ウェンディ・シュミット原油クリーンアップXチャレンジ(Wendy Schmidt Oil Cleanup X Challenge)」と冠したXPRIZEを立ち上げた。その後、古くから行われているようで技術波及が進んでいない海洋観測手法に興味を持ち、2013年より、大気中の二酸化炭素の増加による海洋酸性化する問題がクローズアップされた時期と重なり、海洋のpHセンサが、より広く普及することを目指した、賞金総額200万ドルの海洋pHセンサのイノベーションコンテスト「Wendy Schmidt Ocean Health XPRIZE」を開催した。シュミットファミリー財団は、その後も海洋に関する技術開発のイノベーションを支援し、Schmidt Marine Technology Partnersというシステムを作り、持続可能の漁業、海洋研究支援、海洋プラスチック汚染、ハビタットヘルスなどについて取り組んでいる3)

海洋の健康とpH計測

海洋の酸性化は大気中の二酸化炭素の濃度と深くかかわっている。大気と海表面は平衡関係にあり、二酸化炭素ガスは海中に溶けると、炭酸イオンとして海洋を酸性化する。酸性化が進めば海洋の二酸化炭素を吸収する能力が低下するばかりか、プランクトン、サンゴ、貝類のミネラリゼーションのバランスが壊れ、海洋の生態系に大きな変化が現れる恐れが指摘された4)。これまでの研究から、海水は弱アルカリ性の特徴を持ち、海表面ではpH 8.1程度に、水深1,000m付近でpH 7.4程度になることが、日本の太平洋の沖合、北太平洋亜熱帯域でわかっている。これらはCTD採水器とよばれる装置を海中に投入し、それぞれの深度での海水サンプリングから、船上の実験室でpH計測をして得られる。(図1)

図1 CTD採水器。カルーセル状に並んだニスキン採水器とよばれる塩化ビニル製の筒の中に、水深ごとに海水を採取する。センサは塩分、水温、圧力を現場計測している。ウインチワイヤーで下し、船上に回収してから採水し、サンプルを計測する。(写真提供:JAMSTEC)

海洋研究開発機構(JAMSTEC)では、西部太平洋亜寒帯域の時系列観測点Station K2(北緯47度、東経160度)において海洋酸性化研究のための定点観測を実施している。脇田らはStation K2での長期的な時系列観測データ取得を行い、2013年に表面海水のpHの低下速度が10年あたり-0.024±0.007であり、水深200~300mでのpHの低下速度が10年あたり-0.051±0.010であると報告した5)。Doreらが2009年にハワイ沖の時系列観測点Station Aloha(北緯22度45分、西経158度)での海洋酸性化のデータを報告し、水深約250mでのpHの低下速度が最も早いことを示した6)。世界各国の時系列観測点は9か所程度あるが、すべてでpHの低下傾向が観測された。海洋酸性化の進行については今後も進行することは予測されているが、その実態は観測点の少なさから、まだ実態がよくわかっておらず、今後も海洋の監視を継続して、科学的知見を集積していくことが求められている。

海水のサンプリングによるラボでの計測は、高精度のpHセンサで実現できるのであるが、時系列データの高密度化においては乏しく、pHセンサの現場計測ができないか検討された。

ハイブリッドpHセンサ(HpHS)の開発

JAMSTECでは海底探査技術の開発を行ってきており、水中グライダーやランダー、自律型海底探査機(AUV)等の開発を行ってきた。そのため、これらに搭載可能なセンサの選定や開発を行ってきており、海洋においては少ない「現場型センサ」の研究開発に注力してきた。「現場型センサ」は数日から1年以上の外洋係留を想定したり、無人機への搭載を想定し、省電力・小型で高い安定性が求められた。前述の海洋酸性化のためには10-3の精度が求められ、CTD採水器などに搭載する場合には、降下上昇速度に合わせ計測するため、短い計測時間が求められる。また、pH計測では常識になっている「較正作業」を現場でどのように行うかも課題となる。JAMSTECでは、紀本電子工業と協力して海洋pH計測が可能な現場計測装置の開発を試みた。

pH測定法には様々な方法があるが、主なものはガラス電極法、pH指示薬を用いた比色法、ISFETなどを用いた半導体電極法がある。これらの中でpH指示薬を用いた比色法は、指示薬を選ぶことにより特定の範囲で高い精度での測定が可能であり、指示薬の劣化を防げれば、長期的に安定している利点がある。しかし指示薬や海水の混合、セルの洗浄などを行うため、分光解析にかかる電力の他、ポンプやバルブを設置し、駆動させるための電力も必要となり、試薬の保管・調整も必要で、取り扱いが煩雑になる。ガラス電極やISFET半導体電極を用いる方法は、計測の応答が早く、手軽に連続測定でき、消費電力が少ないという利点がある。一方、長期の利用では、個々の電極が持つ特性により、測定値が実際の値から離れていく“ドリフト”と呼ばれる現象が大きくなり、正しい計測ができなくなる。少しでも安定した計測ができるように、ガラス電極や半導体電極の工夫がなされてきたが、“ドリフト”は抑えられない。そんな中、Wendy Schmidt Ocean Health XPRIZEの開催が知らされた。

Wendy Schmidt Ocean Health XPRIZEに参加するにあたり、海洋における既存のpHセンサの欠点を克服する新しいpHセンサを開発することとした。XPRIZEの開始まで4か月程度の余裕があったため、既存の海洋pH計測で良い精度を示していたガラス電極センサと、海水pH計測で高い精度が出る現場型比色pHセンサをハイブリッド化させ、それぞれの欠点を補いながら長所を生かすHybrid pH Sensor System(HpHS)を開発した。(図2)HpHSは省電力なガラス電極法で、高頻度測定を行い、移動速度が速い時にも追従できるようにした。一方、ガラス電極法の数回~数十回の計測に対して、高精度な比色法で連携測定を行い現場補正することにより、長期間で安定したpH測定を可能とした。

図2 海洋pHセンサHpHSの構成図。ガラス電極と比色を行う光学セルがあり、計測されたデータがロガーに記録される。ポンプ・バルブユニットで、海水・pH指示薬・標準試薬等を混合し、光学セルに送液する。海中におけるトラブル回避のため、バッテリーは別に接続して計測を行う。

次回に続く-

参考文献

1) https://www.xprize.org/

2) https://tsffoundation.org/

3) https://www.schmidtmarine.org/

4) IPCC(2013),Climate Change 2013:The Physical Science Basis.Contribution of Working Group I to the Fifth Assessment Report of the Intergovernmental Panel on Climate Change.Cambridge University Press,Cambridge,United Kingdom and New York,NY,USA,1535 pp.

5) Wakita,M.,S.Watanabe,M.Honda,A.Nagano,K.Kimoto,K.Matsumoto,M.Kitamura,K.Sasaki,H.Kawakami,T.Fujiki,K.Sasaoka,Y.Nakano,and A.Murata(2013),Ocean acidification from 1997 to 2011 in the subarctic western North Pacific Ocean,Biogeosciences,10,7817-7827.

6) Dore,J.E.,R.Lukas,D.W.Sadler,M.J.Church,and D.M.Karl(2009),Physical and biogeochemical modulation of ocean acidification in the central North Pacific,Proc.Natl.Acad.Sci.U.S.A.,106,12,235-12,240.

【著者紹介】
三輪 哲也(みわ てつや)
国立研究開発法人海洋研究開発機構 研究プラットフォーム運用開発部門
技術開発部 調査役

■略歴
愛知県名古屋市生まれ
1991年 東京工業大学大学院理工学研究科化学工学専攻博士課程修了
同年 新技術事業団創造科学技術推進事業 永山たん白集積プロジェクト 研究員
1995年 東京大学大学院工学系研究科応用化学専攻藤嶋研究室 助手
1998年 海洋科学技術センター 深海環境フロンティア 研究員
2008年 独立行政法人海洋研究開発機構 海洋工学センター先端技術研究プログラム グループリーダー
2019年 国立研究開発法人海洋研究開発機構 研究プラットフォーム運用開発部門 技術開発部 調査役 現在に至る。 博士(工学)。

明治大学大学院理工学研究科 客員教授
横浜市立大学大学院生命ナノシステム科学研究科 客員教授

海洋研究開発機構(JAMSTEC)の情報誌「Blue Earth」海洋ロボティクス特集号

海洋研究開発機構(JAMSTEC)の情報誌
「Blue Earth」171号 海洋ロボティクス特集号のご紹介


 海洋研究開発機構(JAMSTEC)が発行している海と地球の情報誌「 Blue Earth 」の171号(海洋ロボティクス特集号:2023年3月発行)についてご紹介する。
 記事は以下の9項目の解説が掲載されており、JAMSTECが開発した、有人潜水調査船、自律型無人探査機(AUV)と有索式の無人探査機(ROV)の紹介に始まり、調査船や探査機に搭載された通信装置、センサ、カメラなどの機器とそれらを用いた制御や解析などの関連技術が解説されている。また、記事の後半には、調査船や探査機を用いた深海資源の調査や海洋ロボティクスで実現する未来像などが図を用いて分かり易く示してある。この分野に興味をお持ちの方には、一読の価値がある。

【解説項目】
1.JAMSTECの深海探査機
同機構が開発した有人潜水調査船「しんかい6500」、また、AUV「うらしま」、「じんべい」、「AUV-NEXT」、さらには、ROV「かいこうMk-Ⅳ」、「ハイパードルフィン」が紹介されている。

2.日本の周りにある深い海と日本のAUV
AUVに求められている主要な任務である海底地形データの取得についての現状と課題が述べられている。

3.8000m級AUVを開発する
水深8,020mの日本海溝最深部の地形データを採取できるAUV開発計画について述べられている。

4.水中音響通信をもっと高速に。そして通信と測位の統合も
AUVや「しんかい6500」と母船間の音波を用いた通信(画像データ送信、測位)と、効率化のための画像データ通信と測位の統合について解説されている。

5.新コンセプトの超深海作業型ビークルシステムを開発する
JAMSTECが提案している水深7,000mで運用できるランダーとROVで構成される新しいコンセプトの超深海作業型ビークルシステムが紹介されている。

6.画像処理技術で深海を検出する、海底の3次元形状を復元する
同機構が取り組む機械学習を利用した深海生物の自動検出と、複数の2次元画像から3次元画像を復元する2つの画像処理技術について紹介されている。

7.船や人に頼らない自動観測の世界を開く
AUVを用いた海洋観測の自動化について述べられている。目標は、岸壁を出発し海底の観測装置を巡りデータを回収したのちに岸壁に戻る技術の確立である。

8.水中光無線通信によって観測データを自動で”収穫“する
AUVで海底の観測装置からデータを回収する無線通信は現状では音波が主流であるが、大容量のデータ転送が可能な光通信技術の開発が進められている。

9.深海資源の調査効率を飛躍的に向上させる
深海資源調査の効率化のため、複数のAUVを同時に運用し広範囲の海底調査を同時に行う実験が進められており、その概要が解説してある。

記事の全体監修、取材協力は、本記事発行時、下記の方々が行っている。
【全体監修】
 同機構 研究プラットフォーム運用開発部門 技術開発部
 海洋ロボティクス開発実装グループ 石原靖久氏
【取材協力】
 同機構 研究プラットフォーム運用開発部門 技術開発部
 海洋ロボティクス開発実装グループ 
 中谷武志氏、澤 隆雄氏、前田洋作氏、各務 均氏、麻生達也氏
 基盤技術研究開発グループ 志村拓也氏
 深海資源調査技術開発プロジェクトチーム 大澤弘敬氏

本誌にご興味のある方は、下記URLよりアクセス頂きたい。
 https://www.jamstec.go.jp/j/pr/blueearth/


(文)一般社団法人 センサイト協議会 海洋産業部会 高橋 良文

CAST、徳島津田バイオマス発電所にて実証実験を開始

 (株)CASTは、(株)レノバが出資する徳島津田バイオマス発電所〔画像〕にて実証実験を開始した。同社の「配管減肉モニタリングシステム」を発電所内に設置し、同社としては初のバイオマス発電業界にて固体燃料による配管摩耗箇所などで同システム動作実績の獲得を目指す。

■実証実験内容について
 実証実験で使用する配管減肉モニタリングシステムは、独自の耐熱・フレキシブル・薄型の特徴を有する圧電センサを用い、高温環境でも壊れず、工場配管やタンク等の厚み変化をモニタリングし、腐食などによる配管・タンクの減肉を検知するもの。検知したデータはネットワーク上に格納され、「いつでも・どこでも・誰でも」確認できる。常時かつ遠隔でモニタリングでき、検査コストの削減や高所・高温など危険場所における作業安全リスクの低減を可能にするという。

 この度の実証実験では、徳島津田バイオマス発電所内に同システムを設置し、現場環境において100日以上にわたる長期(2024年3月までに実証終了想定)の実証データを取得するとともに、無線データ伝送の実証を実施する。

実証概要は以下のとおり。
・ボイラ燃料系統 固体燃料による内部の摩耗減肉が予想される燃料投入シュートへのセンサ取付
・ボイラ給水系統 稼働時180℃程度の高温水配管保温材下へのセンサ取付
・1日2回の定時計測結果をリアルタイムにクラウドに格納し、オンラインでどこからでも確認できる環境の構築

ニュースリリースサイト:https://www.cast-sensing.com/post/20231225

「仙台MaaS」デジタルマップにて リアルタイムにイベント混雑状況を配信

 ボールドライト(株)と仙台市は12月15日〜12月25日の期間で、観光DXプラットフォーム「プラチナマップ(Platinumaps)」をシステム基盤とした「仙台MaaS」デジタルマップにて、イルミネーションイベント「2023 SENDAI光のページェント」各スポットの混雑状況をリアルタイムに配信する実証実験を行った。データ連携基盤FIWAREを通じ、BLEセンサ(※)で取得した人流データをデジタルマップへ連携することで実現するものであるという。
※ビーコンから送信されるBluetooth Low Energy(BLE)の電波をレシーバーが受信することで、人や物の位置を測定するセンサ

●実証実験の概要
 仙台市では、(一社)まちくる仙台、定禅寺通街づくり協議会、ゼロワ(株)、東北大学データ駆動科学・AI教育研究センター(酒井正夫准教授)等関係者と連携のもと、中心市街地の約30ヵ所にセンサを設置し、歩行者通行量等を可視化する取組を行っている。この一環として、仙台市街地のイルミネーションイベント「2023 SENDAI光のページェント」において、BLEセンサーから得られる通行量データ(人流データ)を、データ連携基盤FIWAREを通じて「仙台MaaS」デジタルマップへ連携することにより、来訪者がスマートフォンから会場内各地点の混雑度をリアルタイムに確認できるようにした。実施期間は12月15日〜12月25日。
 一般の来訪者に対して混雑状況を配信することで、まちで過ごす時間をより楽しんでもらうことを目指す。スポット毎の混雑状況がわかることで、来訪者は比較的混雑の少ないスポットから順番に回るなどの選択ができるようになる。イベント全体の回遊促進や安全性向上、来訪者の満足度向上に貢献する。

●FIWAREの活用で、人流データとイベントデータの統合を実現
 FIWARE(ファイウェア)は、国や自治体、民間企業などの枠を超えて、それぞれが保有するデータの利活用を相互に促すために開発されたソフトウェア群の総称である。スマートシティの実現のために欠かせないIoTプラットフォームとして注目されている。EUの次世代インターネット官民連携プログラム(FI-PPP)で開発・実装された基盤ソフトウェアで、欧州を中心とした多数の都市や企業でスマートシティを実現するシステムに活用されている。
 今回の実証実験では、「仙台MaaS」デジタルマップに登録されたイベントデータに、BLEセンサから得られた人流データをFIWAREに連携後、デジタルマップへ反映することで、デジタルマップ上で人流データとイベントデータの統合が実現したとのこと。

プラチナマップ公式サイト:https://platinumaps.jp/

仙台MaaS公式サイト:https://sendai-maas.jp/