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小型・軽量・低価格な「グレーティング型分光器」

浜松ホトニクス株式会社は、10月23日、近赤外光に高い感度を持つ小型、軽量、低価格な 世界最小サイズ(当社調査)のグレーティング型分光器「ミニ分光器 SMD シリーズ C14384MA」を新たに開発し、11月1日にサンプル出荷を開始すると発表した。従来のミニ分光器 MS シリーズと比べ、体積が約 40 分の 1、重さが約 30 分の 1、感度が約 50 倍を実現。現場での リアルタイム測定が求められる食品、農作物の品質検査やドローンからの環境分析などの 用途として活躍が期待されている。

「11種類のセンサーを置くだけ」LoRaWAN対応IoTセンサーサービス

センスウェイ株式会社(本社:東京都中央区、代表取締役社長:神保雄三)と、センサーを置くだけで簡単に導入できるIoTセンサーサービスである「Webiot(ウェビオ)」を提供しているピクスー株式会社(本社:東京都墨田区 CEO:塩澤 元氣)が連携して、初期費用0円のLoRaWAN対応センサーサービスの提供を10月22日より開始することが発表された。このサービスでは、11種類のセンサーモジュールを選んでLoRaWN対応のセンスウエイ社の機器に「置くだけ」で、センサーのデータをサーバーなどに転送できる。

BlackBerryはソフトウエア主体で行く

スマートフォンの前の時代に、キーボードつきのスマートフォンを多く販売したBlackBerry社は「QNX」というセンサーの情報を統合して扱うソフトウエアを発表した。今度のセンサーの話題はソフトウエアに重点が置かれる、という流れを受けたものだ。特に自動運転車の分野での拡大を図るという。

NTN、工作機械主軸用「センサ内蔵軸受ユニット」を開発

 

NTN(株)は、軸受軌道面周辺のセンシングにより、工作機械主軸の高度な状態監視と、焼付きの未然防止を可能にする工作機械主軸用「センサ内蔵軸受ユニット」を開発した。
焼付きを未然に防止することで、これまで工作機械の主軸が焼き付いた際に発生していた部品調達や主軸交換の工数および費用、工作機械の再稼働までの時間を削減し、生産性の向上やコストの低減を実現する。また、定期的なメンテナンスをより的確に行うことができるため、信頼性の向上にも貢献するという。

開発の背景としては、近年、工作機械は人手不足などから、より高度な状態監視および制御、IoTやAIを活用した無人化や省人化、そしてさらなる生産性の向上が求められている。これらを実現するため、工作機械の基幹部品である主軸や、それを支える主軸用軸受の異常を早期に検知し、突然の予期せぬ損傷や、それに伴う稼働停止、主軸の交換などの損害を防ぐことが強く望まれる。しかし、一般的な主軸外径面での温度や振動の計測は、センサの取付けやすさにメリットがある反面、計測位置が軸受軌道面から離れているため、軸受の急激な温度上昇などの異常を早期に検知することは困難であった。

[製品の特長]
今回開発した工作機械主軸用「センサ内蔵軸受ユニット」は、軸受に隣接する外輪間座にセンサを内蔵し、軸受軌道面の近くで軸受の温度、振動、熱流束(*1)を計測する。主軸外径面での計測に比べ、軸受の状態を高感度に計測することができるほか、熱流束を計測することにより、温度や振動よりも軸受の状態変化を早く正確に読み取り、軸受が焼き付く前に異常を検知することが可能。NTNの評価試験では、焼付き発生までの熱流束の上昇率が主軸外径面の温度の上昇率に比べ、約40倍も高いことを確認しているとのこと。これにより、工作機械主軸の高度な状態監視が可能となり、軸受の焼付きによる損害を未然に防ぐことができる。熱流センサ(*2)を内蔵した工作機械主軸用軸受ユニットは業界初である。


工作機械主軸用「センサ内蔵軸受ユニット」の構造(断面図)

(*1)単位時間あたりに単位面積を通過する熱量
(*2)熱流センサは、直列に配置された複数の熱電対を内蔵し、1つの熱電対で構成される温度センサに比べ、高感度な計測が可能。

ニュースリリースサイト:
https://www.ntn.co.jp/japan/news/new_products/news201800097.html

「自動車用センサ」(4)

千葉工業大学 教授 室 英夫

4.ITS用センサ

前回までで説明してきたのは主に車両の内部の状態を計測するセンサで、これらに対して車両外部の環境を認識するためのレーザレーダやカメラ(イメージセンサ)などのセンサをここではITS用センサと呼ぶこととする。ITS用センサを用いたシステムとしては走行支援のためのACCやLKAに加えて、最近では安全システムである衝突被害低減システムがあり、さらに将来の自動運転への適用も検討されている。これらのシステムについては国家プロジェクトである国土交通省によるASV(Advanced Safety Vehicle)プロジェクトにおいて自動車メーカ各社がプロトタイプカーを試作し、様々な検討が行われてきた。表3にASVの経緯を示す。現在は第5期までが終了している。これらの詳細については国土交通省のホームページを参照されたい7)
主要なITS用センサでは外部環境情報を1次元もしくは2次元の検出素子アレイで取り込み、それらのデータを画像処理することで障害物や走路の認識を行っている。画像処理には高速演算が要求され、専用のASIC(Application Specific Integrated Circuit)やGPU(Graphics Processing Unit)が用いられている。またITS用センサは外部環境情報を得るために外界にさらす形で車体の表面に取り付ける必要があり、デザイン上や信頼性上の課題をクリアしていく必要がある。
以下では代表的なITS用センサであるレーザレーダ、ミリ波レーダ、カメラについて説明する。なお、赤外線カメラについては前回のMEMSセンサのところで赤外線イメージセンサという形で取り上げたのでここでは省略する。

表3 ASVプロジェクトの概要

4.1 レーザレーダ

レーザレーダは検出方向に存在する物体までの距離と方位を検出する装置で通常近赤外線の半導体レーザを用い、物体にレーザのパルス光を照射して反射光が戻ってくるまでの時間を計測して距離を求めるToF(Time of Flight)方式が用いられている。検出する物体の方位を求めるためにレーザ光をスキャナでスキャンし、計測を繰り返すことで反射光強度の方位分布を得ることができ、これにより画像処理を用いて検出物体のある程度の形状や大きさを求め、物体の識別を行うことができる。スキャナとしては電磁アクチュエータでミラーを駆動する1次元スキャナの他、ポリゴンミラーをモータで回転させる2次元スキャ二ングも用いられている。

4.2 ミリ波レーダ

ミリ波レーダでは波長が1 cm以下の電磁波であるミリ波を検出方向の物体に照射し、その反射波を検出することで物体までの距離と方位を求める。さらに反射波の位相を使ってドップラー効果をもとに検出する物体との相対速度も求めることができる。距離検出方式にはモノパルス方式に加えて、FM-CW(Frequency Modulated-Continuous Wave)方式や2周波CW方式などがあり、搬送周波数としては76~77 GHzが主に使用されている。FM-CW方式では搬送周波数を三角波により周波数変調し、反射信号とのビート信号をもとに物体までの距離と相対速度を同時に求める。
ミリ波のスキャ二ングは機械式スキャニングからアンテナアレイを用いた電子式スキャ二ングへと移行し、小型化が進んでいる。またミリ波用高周波回路もGaAsやSiGeを用いたMMIC(Monolithic Microwave Integrated Circuit)から微細CMOS回路へと移行し、低価格も進んでいる。ミリ波レーダはレーザレーダと比較するとビーム幅が太い分、検出分解能は低くなるが、検出の最大距離が長く、雪や霧などの悪天候の影響を受けにくいという長所がある。

4.3 カメラ

カメラは悪天候や逆光に弱く、測距精度もレーダには及ばないが、画素数が極めて多いことから画像認識技術と組み合わせることにより検出物体の詳細な形状把握と物体認識をすることができる。また2個のカメラを用いたステレオビジョンとすることで視差により物体までの距離を計算することもできる8)。可視光のカメラは通常車室内のルームミラー付近に前方を向けて取り付けられ、白線などの走路情報と障害物情報を同時に得ることができる。ITSのシステムによっては認識の信頼性を上げるためにカメラとレーザレーダもしくはミリ波レーダの情報を融合させるセンサフュージョンの技術が用いられている。

参考文献

7) http://www.mlit.go.jp/jidosha/anzen/01asv/index.html

8) 「【最新版】車載用センサ/カメラ技術と安全運転支援システム」(技術情報社)、第1章第3節 ステレオ・カメラを用いた前方認識技術と運転支援システム、pp.33-44 (2009)

自動車搭載センサによるドライバ状態のモニタリング(4)

オムロン(株)技術・知財本部 センシング研究開発センタ
木下 航一

6.ディープラーニング技術を活用した認識処理

本センサでは近年急速な発展を遂げているディープラーニング技術を活用して、高精度なドライバ状態認識を実現している。以下では本センサで用いているCNNおよびLSTMについて概説する。

6.1 CNN

CNNは従来の全結合型のネットワークと異なり、学習により取得された小領域のフィルタと画像を畳み込み演算を実施する畳み込み層、および畳み込み層で得られた画像を所定のルールで圧縮するプーリング層を幾重にも重ねた構成を持ち、画像の変形に対するロバスト性を向上させたネットワークである。ネットワーク自体は古くから知られていたが、近年の汎化性能を向上させる学習方法の提案により、様々な画像認識系のベンチマークテストの最高性能を更新しており、昨今のディープラーニングブームの牽引役となっている。本センサでは、画像全体からドライバの大まかな姿勢に相当する特徴量を抽出するためにCNNを用いている。

6.2 LSTM

LSTMは入力として時系列データを扱い、所定の1フレームの認識結果を得るために該当フレームの情報に加えて前フレームの中間出力を入力とする。また、セルと呼ばれる内部記憶を保持し、この値によって出力に対する該当フレームの入力の重みを計算する。この重みは事前学習によって挙動が設定されており、従来の再帰型ニューラルネットワークに比べてより長期の記憶が可能になることで知られている。図5にLSTMの概略を示す。

図5 LSTMの概略

7 運転集中度センシングの認識例

図6に本センサによるドライバ状態の認識結果例をいくつか示す。各画面で左側にドライバの画像、右側にはその時のEyes-on/off、Readiness-high/mid/lowおよびSeated-on/offの3指標による認識結果が表示されている。図6左上は運転中の正常状態、すなわちドライバが前方を監視している状態であり、Eyes-on、Readiness-highおよびSeated-onと認識されている。一方図6右上は運転しながらスマホによる会話を行っている状態であり、この場合視線は前方監視しているためEyes-onとなっているが、緊急事態の際にすぐに運転動作ができる状態ではないため、Readinessはlowとなっている。また左下の例では視線、姿勢とも運転に適さない状態となっておりEyes-off、Readiness-lowと認識される。右下の例も同様である。このように、自動運転中に起こりうるドライバの様々な動作を、「運転に責任が持てる状態か」を識別するための3指標で評価し、リアルタイム認識することが可能である。

図6 ドライバ運転集中度センシングの認識結果例:
(左上)前方監視(右上)スマホ会話(左下)スマホ操作(右下)体調異変

8.おわりに

画像による車載センサによるドライバ状態のセンシング技術について、われわれの技術を例に取り上げ解説を行った。事故防止、あるいは快適な運転環境実現のために、これらの技術は今後ますます重要性が高まってくるものと考えられる。また本稿では触れなかったが、他の測定情報(たとえば脈拍、体温、ステアリング履歴等)の活用、意識低下時等のドライバへの効果的な働きかけ手法など、安全・快適な自動運転システムを実現する上で必要であると考えられる技術要素は数多く存在する。今後は各要素技術の性能向上はもちろん、これらの技術を有機的に組み合わせる取組みも重要になってくるものと考えられる。

携帯型微量水分計「FalconTrace mini (FT-300WT)」販売開始

 

ボールウェーブ(株)は、このたび工業用高純度ガスや製造環境に残存するごく微量な水分子を高感度に検出する携帯型微量水分計Falcon Trace mini (FT-300WT)の受注を開始した。

[開発の背景]
半導体デバイスの急速な高集積化・微細化に伴い、製造工程で使用される材料ガスの残量水分は1ppm以下の値が要求されている。 しかしこの感度を有する微量水分計は大型で高価な光学式測定器しかなく製造ラインへの導入が難しく、さらにこれまでの微量水分計は応答速度が不十分であり製造ラインの制御に用いることができなかった。
また、リチウムイオン電池製造工程では電極材料をフィルム基材にウェットコーティングしてそれを乾燥し巻取って組み込むという作業が行われる。その工程で水分が残留すると最終製品である電池の性能あるいは寿命がはなはだしく低下するため、これらの工程をスーパードライルームと呼ばれる超乾燥雰囲気中で実施するが、これまでの微量水分計は応答速度が不十分であるためスーパードライルームの制御に用いることができなかった。

[製品の特長]
FalconTrace miniはボールウェーブのコアテクノロジーであるボールSAW(surface acoustic wave=弾性表面波)センサを用いた微量水分計である。ボールSAWセンサは、物理学の常識を超えた球上のSAW の長距離伝搬現象を利用した高速・ 高感度なガスセンサであり、センサ本体が直径 3.3mmの小さな水晶球であるため半導体製造ライン、リチウムイオン電池製造ラインなどに容易に導入することができる。またセンサ本体の応答速度が速くセンサセルの体積も小さいため、水分量の変動にも1秒以内で反応し正しい値をモニタすることができる。

ニュースリリースサイト:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000001.000038635.html

排泄予測デバイス「DFree Personal」において、Androidアプリをリリース

 

トリプル・ダブリュー・ジャパンは、同社が販売・提供している排泄予測デバイス「DFree Personal」において、Androidアプリをリリースしたと発表した。

 DFree Personalは、年齢や要介護の有無に限らず、さまざまな理由で「尿意を感じにくい人」や「トイレに不安を感じる人」向けのサービス。超音波センサーにより膀胱の変化を捉え、スマートフォンやタブレットに導入された専用アプリによって、排泄のタイミングが確認できる。

なお、本体と携帯端末(スマートフォン・タブレット)がBluetooth通信によって連携するため、外出先でも利用が可能。これまで、専用アプリはiOS版のみの提供だったが、今回Android版のアプリをリリースしたもの。

 同社は、超音波センサを用いて膀胱の変化を捉えることで排泄のタイミングを予測するIoTウェアラブルデバイス「DFree」を開発。
従来の排泄ケアでは困難であった、被介護者に合わせたパーソナライズケアをサポートし、被介護者のQOL向上と介護者の負担軽減を実現した。
2018年7月からは個人向けのサービスとして「DFree Personal」を提供していた。

ニュースリリースサイト:https://japan.cnet.com/article/35127143/

六花亭製菓、他2社と製造ラインの故障をAIで予知する実証実験を開始

 

六花亭製菓(株)、IMV(株)、NTTテクノクロス(株)は、六花の森工場において、振動データとAIを活用して工場内設備の予知保全に関する実証実験を開始した。

背景としているのは、工場内の設備機械には、1台の停止がライン全体の停止に直結するような重要なものが存在しており、ラインの稼働率を高めるため昨今では、不具合のある箇所を早期に発見できるようにIoT を活用した機械の状態監視が注目されてきている。
飲食の製造ラインにおいても、設備の突発的な故障は商品の生産計画に大きな影響を与え、これまでは定期的な設備点検や部品交換により故障を防いでおり、故障の予兆を検知し効率よく対処するまで至っていなかった。
この実証実験では、IMVが持つ振動計測に関するノウハウとNTTテクノクロスが提供するAI・見える化技術を活用し、設備の予知保全を検証する。

実証実験の概要としては、オーブンのモータとファンに振動センサを取り付け、収集したデータをAIエンジンに学習させることで、設備機械が故障する予兆を検知する「見える化」に取り組むとのこと。

期待するのは、(1)人手による巡回型の点検稼働の削減 (2)データに基づく故障予兆検知による点検精度の均一化(3)設備故障による製造ロスの削減 等の効果であるという。

ニュースリリースページ:https://www.ntt-tx.co.jp/whatsnew/2018/181017.html

テレマーク、エコカウンター社の屋外用ピープルカウンタ販売

(株)テレマークは、フランスのエコカウンター社の屋外用ピープルカウンタ「スラブ感圧マットセンサ アコースティックスラブ」と「パイロ赤外線感熱センサ(フィールド用)」の販売を開始した。
これらは自然や公園、登山道などで正確な人数データの取得を可能とし、地方自治体等が実施する自然保護や観光資源の開発、地域活性化施策などにおける現状把握に有用なツールとなる


「スラブ感圧マットセンサ アコースティックスラブ」の概要
地中埋め込みで人の重さを感知するピープルカウンタ。地中に埋めた感圧板スラブを人が踏むとその微妙な重力の変化を感知して人数をカウントするしくみで、タイマーが同じ人のステップのタイミングを判別して重複カウントを防止し、広い通路では並列して歩く人の距離を区別できる。

 
「パイロ赤外線感熱センサ(フィールド用)」の概要
赤外線でカウントするフィールド用のピープルカウンタ。屋外のハードな環境に対応でき、歩行者はもちろんサイクリスト、カヤッカー、スキーヤー、インラインスケーター、登山者など、アウトドアの様々な利用者を多用途でカウントできる。

ニュースリリースサイト:https://www.value-press.com/pressrelease/209736