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Microchip、タイミング部品に必要な基板面積を最大80パーセント縮小する、MEMSクロック ジェネレータ

Microchip Technology Inc.は基板上の最大3つの水晶振動子とオシレータを置き換える事ができ、タイミング部品が占める基板面積を最大80パーセント縮小できる小型のMEMSクロック ジェネレータ「DSC613クロックファミリ」を発表した。。このデバイスは、低消費電力かつ高安定のMEMS振動子を内蔵しているため外付け水晶振動子が不要である。


さらにこのDSC613クロックファミリには、
・1つのMEMS振動子と2つの低消費電力PLLを1.6 mm×1.2 mmの6ピンDFNパッケージに統合したシングルチップソリューション。
・パッケージサイズがコンパクトで、周波数の柔軟性が高いため、低消費電力動作を必要とする小型機器(例: デジタルカメラ、スマートスピーカ、VR(仮想現実)用ヘッドセット、ストリーミングスティック、セットトップ ボックス)に適している。
・2 kHzから100 MHzまで最大3つのクロック出力をサポートしており、マイクロコントローラ ベースの組み込みシステムに理想的。例えばあるIoTアプリケーションの場合、このクロック ジェネレータを使うと、マイクロコントローラ(MCU)のためのMHz帯のメイン参照クロックと32.768 kHzのリアルタイム クロック(RTC)の他にコネクティビティとセンサ等に別のMHz帯クロックを提供できる。
・AnyRate(R)クロック シンセサイザを備えた2つの低消費電力フラクショナルPLLを内蔵しているため、2 kHz~100 MHzの任意の周波数を生成できる。本ファミリは、3つの出力を動作させた場合の消費電流が約5mAであり、低消費電力水晶振動子オシレータを3つ使ったソリューションと比べて最大45%低消費電力。出力イネーブルピンを使って一部のクロック出力を無効にすると、消費電力をさらに低減できる。
等の特長がある。

ニュースリリースサイト:https://www.dreamnews.jp/press/0000184471/

ジオマテック、マツダと共同で新規流量センサを開発

ジオマテック(株)はマツダ(株)と共同で新しい流量センサを開発したと発表した。

従来の流量センサは配管に組み込む形態で用いられており、検知方法は様々だが、基本的に「配管」で形成されている箇所にしか適用できなかった。
今回開発の流量センサは樹脂フィルム上に直接センサを形成したもので、流量を妨げる事の無い薄さと流路の形状を問わない柔軟性を持ち合わせるため配管に限らずどのような流路でも流量を測定することが出来るというもの。 なお、この測定手法は現在特許出願済とのこと。


リリースサイト(ジオマテック):https://www.geomatec.co.jp/pdf/20181107.pdf

順天堂大とNTT Comが農作業によるストレス軽減に関する実証実験開始

順天堂大学とNTTコミュニケーションズ(株)(以下 NTT Com)は、農作業を行うことでストレス軽減を実現する「アグリヒーリング」の効果を医科学的に確立した手法をより広く普及させるため、ウェアラブル生体センサhitoe®(以下 hitoe)※1をはじめとするICTを活用したストレス測定システムの開発を行う実証実験(以下 本実証実験)を2018年11月16日より開始する。

1.背景
近年、日本の精神疾患患者数は、従来の4大疾病(悪性新生物、糖尿病、脳血管疾患、虚血性心疾患)の患者数を上回り、平成26年度には約400万人に達している。また、精神疾患患者の年間医療費は医療費全体の約6.5%に相当する約1兆9,000億円※2に上り、社会的・経済的な損失および医療費負担は非常に深刻化している。精神疾患の要因に上げられるストレスは、職場や家庭などの環境を問わず発生し、人々はストレスを無意識のうちに蓄積している傾向にある。このようなストレス社会においては、ストレスを自分自身でコントロールする手法や軽減する環境の創出が重要である。

順天堂大学は、一次予防手法として着目する「アグリヒーリング」などの園芸療法※3において、心理負担の緩和によるストレス軽減効果の定量・数値化(以下 可視化)に近年取り組み、具体的な成果を確認している。ストレス軽減効果は、「アグリヒーリング」参加者の唾液から採取するストレスホルモンを計測して判定しているが、唾液採取キット※4が高価で、かつ取り扱いに制約※5があり、参加者が抵抗感※6を抱くこともある。このため、「アグリヒーリング」のストレス軽減効果を医科学的に証明しても、会社や学校などで取り組まれているストレス対策プログラムとして活用されにくいという課題がある。

今回、順天堂大学は、ストレス軽減効果の可視化を唾液採取ではない手法で、より簡易かつ高精度に実現するため、「DX Enabler」としてICTを活用した社会問題の解決や企業のビジネス変革を行うデジタルトランスフォーメーション(DX)を推進しているNTT Comと共同で本実証実験を実施する。

2.実証実験の概要
両者は、NTT Comのhitoeと「データ流通プラットフォーム」を活用して、「アグリヒーリング」によるストレス軽減効果を医科学的に可視化する測定システムの開発に取り組む。

(1)順天堂大学がストレス軽減効果を判定する手法とアルゴリズムを確立
順天堂大学が、従来行ってきた「アグリヒーリング」参加者の唾液採取によるストレスホルモンの計測に加えて、hitoeで自律神経をリアルタイムに計測する手法を検証し、得られた自律神経などのデータを分析するストレス軽減効果の高精度かつ簡易な計測手法とそのアルゴリズムを確立する。

(2)NTT Comがソフトウェアとストレス可視化アプリケーションを開発し、「データ流通プラットフォーム」でストレス測定を実施
NTT Comが、アルゴリズムを反映するソフトウェアを開発し、「データ流通プラットフォーム」に組み込むことで、hitoeから得られた自律神経などのデータからストレスの可視化を行う。また、ストレス可視化アプリケーションを開発することで、スマートフォンやタブレットでリアルタイムにストレス軽減効果を確認する。

本実証実験により、今後は唾液採取ではなく、hitoeから得られるデータを「データ流通プラットフォーム」上のアルゴリズムで分析することで、ストレス軽減効果の医科学的な根拠データとしての有効性を見出し、この測定システムを用いた「アグリヒーリング」を精神疾患予防と将来的な治療へ活用することを目指すとのこと。

<実施期間>
2018年11月16日から2019年3月31日(予定)
<計測方法および計測物質>
・唾液採取により以下のストレスホルモンを計測
 コルチゾール、免疫グロブリン、αアミラーゼ、オキシトシン、クロモグラニンなど
・hitoeを活用し以下の自律神経などを計測 心拍数、心電位、加速度
■関連文献
・『花を介した軽園芸作業によるストレス軽減可能性の考察』千葉吉史、水嶋章郎、他(日本ストレス学会報告:2018)
・『農業公園での農作業および自然体験のストレス軽減作用』山口琢児、水嶋章郎、他(日本ストレス学会報告:2017)
※1: hitoeは、東レ株式会社と日本電信電話株式会社が共同で開発した機能繊維素材であり、両社の登録商標。
※2: 厚生労働省「平成26年度国民医療費の概況」第6表、性、傷病分類、入院-入院外別「精神および行動の障害」のデータを引用。
※3: 園芸療法(horticultural therapy)は、花の鑑賞や農作業の実施により精神疾患の改善や高齢者の認知レベルの改善を行う治療方法です。数値的なエビデンスの提示ができず、効果を確認しにくいと言われている。
※4: 唾液採取キットは、「Saliva Collection Aidキット」という唾液中のバイオマーカー研究用製品のリーディングカンパニーであるSalimetrics 社により開発された綿棒状の唾液採取用スワブを用いる。スワブ由来物質に影響されずに高回収率で唾液試料を採取し、保存することができる。
※5: 唾液採取キットは、医療従事者のみが取り扱うことができ、再利用ができないなどの制約がある。
※6: 唾唾液採取キットを活用したストレスホルモン計測は、高齢者や精神疾患患者のように唾液が出にくい方には、苦痛を感じる場合がある。

プレスリリースサイト(順天堂大学):https://www.juntendo.ac.jp/news/20181107-01.html

西菱電機、屋内位置情報ソリューション「オフィスIoT」の提供

西菱電機(株)は、2018年11月7日より、個人情報配慮型 屋内位置情報ソリューション「オフィスIoT」の提供を開始する。「オフィスIoT」では、従業員の在室状況の確認、会議室内の環境データ(温度、湿度、CO2)の収集が可能。収集したデータは、会議室の運用や動線の見直しなどにも活用できる。

■提供内容は以下の通り。
・機器(ビーコン、ゲートウェイ、環境センサー)
・オフィスIoTアプリケーション
 -オフィス内の従業員の居場所表示
 -会議室内の環境データの表示(温度、湿度、CO2)
 -居場所や環境データのCSV出力
・カスタマイズ
 -画面レイアウト変更
 -機能追加
※初期費用および月額サービス料は個別にお問い合わせのこと。

ニュースリリースサイト:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000026.000034925.html

パイオニア「3D‐LiDARセンサー」を搭載した自動運転シャトルバスの実証実験

パイオニア(株)は、シンガポールの自動運転関連スタートアップ企業MooVita Pte Ltd(以下「MooVita」)と、シンガポールの高等教育機関である「Ngee Ann Polytechnic(ニーアン ポリテクニック)」構内において、同社の「3D-LiDARセンサー」を搭載した自動運転シャトルバスを使った実証実験を開始する。
両社は、本実証実験を通じて、自動運転レベル4のサービス商用化を目指すとのこと。

MooVitaは、自動運転に関する技術開発を推進するシンガポールの科学技術庁である「A*STAR」(Agency of Science, Technology & Research)出身者により創設されたスタートアップ企業で、シンガポールのほか、マレーシアやインドにおいて自動運転関連事業を開発、展開している。

「3D-LiDARセンサー」は、レーザー光で対象物までの正確な距離を測定し、遠方や周辺の状況をリアルタイムかつ立体的に把握できるため、レベル3以上の自動運転の実現には不可欠なキーデバイスと言われている。パイオニアは、2020年以降の量産化を目指し、高性能で小型かつ低コストなMEMSミラー方式の「3D-LiDARセンサー」の開発を進めており、本年9月下旬より、計測距離と画角が異なる「3D-LiDAR センサー」 3 種 4 モデルを国内外の企業に順次提供開始している。また、同社はこれらの「3D-LiDARセンサー」を活用した高精度の「物体認識アルゴリズム」および「自車位置推定アルゴリズム」の開発を進めていくという。

ニュースリリースサイト:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000486.000005670.html

釣りでもIoTセンサの実証実験

(株)スマートルアーは、水中環境やルアー(疑似餌)のアクションをセンサーで計測できる世界初のIoTルアー「スマートルアーα」を完成させ、屋外環境での実証実験を開始した。現在、2019年のIoTルアー発売に向け、複数のルアーメーカーと協議を進めているという。

スマートルアーは、水中環境や気象条件、釣り人の行動をビッグデータ化し、釣り人向け情報サービスを提供するスタートアップ。詳細な釣り関連データを自動的に生成、記録し、得られたデータを分析して「どのような釣り方をすれば釣果が上がりやすいか」といった情報提供を行っていく(2017年10月、特許出願済み)。

「スマートルアーα」は、市販ルアーをモデルに、形状や重さをほぼ同じにした試作品である。自然湖や実験水槽でのテストで加速度や温度、照度などを計測しており、従来は高速度カメラのような特殊な機材がなければ確認できなかったルアーの詳細な動きをデータ化するなどの成果を挙げている。「スマートルアーα」に搭載しているセンサーモジュールは、低コストでの調達・製造が可能な汎用パーツを使用し、自社開発しているとのこと。

ニュースリリースサイト:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000006.000033750.html

アフレル、子供ロボットプログラミング教室の運営セミナー

(株)アフレルは「こどもロボットプログラミング教室 全国縦断 事例・開設セミナー」を10月5日からスタートした。今年の10月から来年1月までに7回5会場(東京・大阪・愛知・宮城・福岡)で行われる。
これはプログラミング塾の開校を目指す事業者を募り、サポートするためのセミナーで、ロボティクス教材として(※注)教育版レゴ® マインドストーム® EV3をつかうものである。

背景には、新学習指導要領の2020年全面実施に伴い、小学校でのプログラミング教育の必修化が決定しており、レゴ等の教材を使って新たなプログラミングという教科について学べる塾を開校し、広めたい思いがあるようだ。

(※注)教育版レゴ® マインドストーム® EV3とは
MIT(マサチューセッツ工科大学)とレゴ社の協力により開発されたロボットプログラミング教材で、発売開始から今年で20年をむかえ、これまで世界70カ国以上、 5万以上の教育機関で採用されている。教育版レゴ® マインドストーム® EV3はCPUを内蔵したインテリジェントブロックとセンサーやモーター、ギアで自在にロボットを組み立てられ、作成するプログラムによって自律制御が可能で、科学技術、ロボティクス、コンピュータ教育を強力にサポートする教材とのこと。

ニュースリリースサイト:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000089.000007203.html

センサベンチャーのボールウェーブ、資金調達6億円

ボールウェーブ(株)は、微量水分計への市場要求にタイムリーに応える量産体制整備と、水素ガスセンサおよびとハンディ・ガスクロマトグラフの開発加速を目的として、東北大学ベンチャーパートナーズ株式会社、リアルテックファンド、大和企業投資株式会社、三菱UFJキャピタル株式会社およびSMBCベンチャーキャピタル株式会社から合計6億円の出資を受けたとのこと。

同社は、東北大学の山中一司名誉教授らが開発した革新的センサであるボールSAW(surface acoustic wave=弾性表面波センサの研究開発成果を、文部科学省「大学発新産 業創出拠点プロジェクト(START)」 (平成 26 年度)および科学技術振興機構「大学発新産業創出プログラム (START)」(平成 27 年度)の支援を受けて、2015年11月に起業している 。

ニュースリリースサイト:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000004.000038635.html

【最新の赤外線センサ】目立たない人感センサ「低背型 焦電センサ」

センサ単品 センサモジュール(レンズレス) センサモジュール(レンズ付き)
PL-N823-01 SS-430 SS-430L-N

焦電型赤外線センサ(以下、焦電センサ)は、人体などから発する赤外線を圧電セラミックスが吸収し、その温度変化によって電荷を生ずる焦電効果(パイロ効果)を利用しているセンサである。
当社の蓄積された圧電セラミックス技術で、高感度・リフロー可能なSMD型を実現しており、また独自の素子構造により、人体検知の際はレンズ有り無しの選択ができるだけでなく、ガラス・ABS越しでの近接検知も可能である。

近年、IoT化が進みセンシング技術も身近なものになりつつある現在、センサデバイスに求められることは、「目立たないこと」と言われている。レンズの有り無しや、ガラスなどとの組み合わせは、市場ニーズやデザインの向上に対し有効であり、様々なアプリケーションに対応することができる。

<デザイン性について>

本製品のラインナップとしては、センサ単品PL-N823-01、センサモジュール(レンズレス)SS-430、センサモジュール(レンズ付き)SS-430L-Nがある。周辺回路を自作、もしくはメイン基板に搭載する場合は、センサ単品を選択。設計工数の削減、小基板での組込みを検討される場合であれば、モジュールタイプなど、用途に合わせて選択が可能である。
なお、検知範囲は、レンズの有り無しによって異なる(下図)。

<外観図>

<検知範囲>

※1 水平視野角
※2 検知範囲は、環境・熱源の条件によって変化致します。

問合せ先
株式会社トーキン
センサ・アクチュエータ事業部 販売推進部
TEL:03-3515-9275  FAX:03-3515-9276
E-mail: a-genshin-xc@tokin.com

非冷却赤外線イメージセンサ①

立命館大学 理工学部特任教授
木股雅章

1.はじめに

非冷却イメージセンサは、代表的な集積化MEMS (microelectromechanical systems)デバイスである。非冷却赤外線イメージセンサを搭載した赤外線カメラは暗視と非接触画像温度計測を中心に幅広い応用分野で活用されている。MEMS非冷却赤外線イメージセンサとして多くの方式が提案されてきたが、ハイエンド分野で進歩を続けるのは抵抗ボロメータ方式とSOI (silicon on insulator) 方式に絞られた。これらの方式では、画素ピッチ縮小が進み、フルハイビジョンの解像度も実現されている1)。高性能化と並行して低コスト化の努力も続けられており、コストに敏感な車載ナイトビジョンシステム市場やスマートフォン用赤外線カメラなどのローエンド新規市場で生産数量の急速な拡大が予想されている2)

ここでは、本格的なビジネス拡大のフェーズに入りつつある非冷却赤外線イメージセンサについて技術動向と今後拡大が期待される応用分野を紹介する。

2.非冷却赤外線イメージセンサ

非冷却赤外線イメージセンサは、熱型赤外線検出器を用いた画像デバイスである。熱型赤外線検出器は、図1に示すように受光部(赤外線吸収部)、支持構造、基板(ヒートシンク)からなり、受光部が赤外線を吸収すると温度が変化するので、この温度変化を温度センサで計測することで赤外線を検出する。熱型赤外線検出器の感度は、受光部の温度変化の大きさと温度センサの感度で決まり、前者は、受光部と基板をつなぐ支持構造の熱コンダクタンスに反比例する。

図1 熱型赤外線検出器の構造と動作

図2に代表的な非冷却赤外線イメージセンサである抵抗ボロメータ方式の構造を示す。左上の図が赤外線イメージセンサ全体の構成で、右下が画素の断面構造である。抵抗ボロメータの画素は、酸化バナジウム(VOx)やアモルファスシリコン(a-Si)を抵抗材料としたボロメータ薄膜と赤外線吸収膜からなる受光部を基板から浮かせて保持した構造となっている1)。受光部を空間に保持しているのは2本の細長い支持脚で、支持脚の熱コンダクタンスは、できるだけ小さくなるよう設計される。図の画素構造は、MEMS技術で作製される。全体構成の図のように、抵抗ボロメータ方式の非冷却赤外線イメージセンサは、画素をアレイ状に配置し、基板上に形成した回路を通して可視光用のCMOSイメージセンサと同じように信号読み出しを行なう。

図2 抵抗ボロメータ型非冷却赤外線イメージセンサ

参考文献

1) 木股, “赤外線センサ 原理と技術”(科学情報出版)(2018).

2) 2105-2016年度版非冷却赤外線イメージング市場のマーケティング分析(株式会社テクノ・システム・リサーチ)(2016).

次週へつづく―