(ウエハン フミアキ)
◆上半文昭(ウエハン フミアキ)
鉄道総合技術研究所 鉄道力学研究部 構造力学研究室 研究室長
東京大学生産技術研究所および鉄道総合技術研究所ユレダス開発推進部地震防災研究室で、鉄道の早期地震検知警報システム、災害予測・復旧支援システムの研究を担当の後、平成13年より鉄道力学研究部構造力学研究室で、鉄道構造物の災害対策、維持管理、鉄道車両の走行安全性向上などに関わる研究開発に従事。
本記事で紹介した「構造物検査用遠隔非接触振動計測システムの開発」で平成22年度科学技術分野の文部科学大臣表彰(開発部門)等を受賞。博士(工学)。
─実際にはどれくらいの距離を測れるのでしょうか
普及機である「UドップラーⅡ」のレーザー出力は0.6 mWで、市販されているレーザーポインターと同じクラス(クラス2)です。長距離測定を行なう場合は、測定対象に反射材料を取り付けて行なっています。反射材を用いない場合は、きれいなコンクリート面にレーザーをほぼ垂直に照射する場合で測定距離は20~50 mくらいです。普及機なので価格の安い赤色のHe-Neレーザーを用いています。
先ほど長大橋などの検査装置として説明した新しい長距離型のUドップラーは、反射材を使わなくても数百mの長距離測定を行なえる性能があるので、我々は実際に測定距離300 m程度の常時微動測定などに活用しています。赤色レーザーと比べて現状高価な不可視光レーザーを光源として使っており、レーザー出力は10 mWに高まりましたが、不可視光とすることでクラス2を確保しています。
─ドローンを使った研究もされています
提供:鉄道総研
そうですね。実は先ほどのレーザーによる非接触測定距離の話題が、我々がドローンを用いた研究を行なうようになったきっかけと大きく関係しています。我々は約10年前からレーザー振動計測で落石発生の危険箇所を見つける検討を行なってきました。鉄道沿線の岩盤斜面からの落石で鉄道に大きな被害が発生することがあり、崩落の危険がある岩塊を見つけることは重要な課題です。
安定した岩塊は殆ど揺れないのですが、不安定化すると常時微動でその固有振動を検出できるようになるので、振動数などから安定性を評価することができます。当時既に振動を測って危険な岩塊を探す研究がなされていましたが、岩に振動計を付けるには急で危険な岩盤斜面に人が登って作業をする必要がありました。そこで、我々の非接触振動測定システムで岩の振動測定作業を安全化する研究に着手しました。
我々のセンサーは岩塊の微小な振動も測れる精度を持っていましたが、岩の表面はレーザーの反射に適しておらず、当時の「UドップラーI」では遠方に位置する岩塊の振動をそのままでは測定できませんでした。そこで岩の表面のレーザー反射性を向上するために、再帰性反射塗料を岩の表面に塗布して測定することにしました。
再帰性反射塗料は、透明な液体に直径数十μm程度のガラスのビーズがたくさん混ざり合った塗料です。ガラスビーズは半球部分にだけアルミを蒸着してあり、レーザーがガラス面からビーズに入射するとガラス面での屈折と、アルミ蒸着面での反射によってレーザーが入射方向に再帰的に反射されるよう物性が与えられたものです。我々は岩に適した再帰性反射塗料を開発して、棒状の治具の先端にスプレー缶を取り付けた装置などを用いて比較的近傍にある岩塊の反射性向上に成功しました。しかし、人が立ち入れる位置から数十m、数百m離れた位置にある岩塊を調査しなければならない場合もあります。
そこで、我々はラジコンヘリコプターで反射塗料を岩に噴き付ける研究を始めました。ヘリコプターの機体前方の映像を操縦者に無線送信して、その映像を見ながらヘリコプターを岩盤斜面に接近させ、目標の岩に再帰性反射塗料を噴射する装置を開発しました。さらに、ラジコンヘリコプターに搭載したステレオカメラで岩の外観情報や形状・寸法を捉える検討もはじめました。周辺の亀裂の分布や、形状・寸法が岩塊の振動に影響しますので、それらの情報も加味することで落石危険度の評価精度の向上を図りました。
岩塊の測量にはステレオ相関法という平行ステレオカメラの視差を利用した手法を用いましたが、ラジコンヘリコプターはドローンのように安定しておらず機体の振動も大きかったので、カメラの防振技術も自分たちで検討しました。
このようにFPVカメラ(一人称視点)を用いた遠隔操縦で空撮や何らかの検査作業を行なうという、昨今、多くの方々がドローンで研究開発を行なっているようなことに、我々は約10年前から取り組んでいた訳です。
その後に登場したマルチコプタードローンはより簡単に操縦でき、より安定して飛行するので、ラジコンヘリコプターと置き換える形で現在のドローンの研究につながった訳です。
現在開発している長距離型のUドップラーは性能向上により、反射塗料を用いなくても遠方の岩の振動を計測できるようになりました。そのため、ドローンは岩盤斜面の計測ではもっぱら岩の形状のステレオ空撮に使用しています。得られた岩の3次元測量結果から岩塊の数値解析(FEM)モデルを作成して、落石危険度の評価の精度を高める検討を行なっています。
─ドローンの登場で状況が大きく変わったということですね
提供:鉄道総研
その通りです。操縦やメンテナンスが簡単で、飛行時の機体の安定度も高いので様々な用途に応用しやすくなりました。ラジコンヘリコプターだと人によっては何ヶ月練習してもホバリングすらできなかったりしますし(笑)。ただ、ドローンも強風や機体のトラブルで操縦不能に陥るケースがあります。そのようときに鉄道橋の上にドローンが飛んでいってしまうと困ったことになります。架線にドローンをひっかけたり、線路上に落としたり、車両に衝突させたりすると、大変な事故につながりかねません。そのような事態は絶対に避けなければならないので、鉄道分野ではドローンの活用に少し慎重です。既にドローンが配備されている現場もありますが、列車が走っている営業時間帯に使うのではなく、災害が起こって列車が止まっている時の被災状況の調査など限定的な活用が検討されています。
そこで我々は、鉄道橋検査用のドローンとして付着走行型というドローンの開発に取り組んでいます。このドローンは橋桁の下面や高架橋の床版の裏側などの下向きの面にドローンの上昇力を利用して付着し、付着後は電動の無限軌道やタイヤで走行しながら、近接画像撮影や打音検査を行ないます。気流の乱れや機体制御用のGPS信号の途絶が発生しやすい橋の下の空間でも安定した付着走行で移動できるので、ブレの無い近接画像撮影や打音検査を行なうことができ、操縦ミスによるドローンの橋梁上部への侵入リスクも低減できます。
─研究のためにこういった光学機器が欲しいというのはありますか
LDVよりも安価で十分な精度を持った非接触の振動計測装置を開発したいと考えており、画像計測で微小な振動を測れるような装置、しかも対象物にターゲットを取り付ける必要が無い装置が欲しいですね。大型の構造物などにターゲットを付けるのは大変なので(笑)。
我々もビデオカメラを使った手法の開発を検討しています。モアレを使った手法や、4K・8Kのビデオカメラを利用する手法などを検討していますが、コンクリート橋梁などの測定を行なう場合、表面がのっぺりとした鼠色一色で特徴が無いので、振動解析に必要となる複数画像間の相関分析をうまく行なえません。測定用のターゲットなどを設置することなく、コンクリートのような表面の特徴が乏しい対象を、比較的安価なビデオカメラなどで撮影するだけで、振動やひずみの分布などを分析できる技術があれば、すぐにでも採用させて頂きたいと思います。
(月刊OPTRONICS 2017年10月号より転載)
ケンコー・トキナー、高性能大口径超広角ズームレンズ「opera 16-28mm F2.8 FF」発表
(株)ケンコー・トキナーは、高画素フルサイズ撮像素子に対応した、高性能大口径超広角ズームレンズ「opera 16-28mm F2.8 FF」のキヤノンEFマウントとニコンFマウントの販売を、2019年3月15日より開始する。希望小売価格はいずれも118,000円(税別)とのこと。
※主な特長
・「作品を撮るためのレンズ」opera 第二弾
opera 第二弾は人気の高い大口径超広角ズームをラインナップ。星景写真にも使いやすい焦点域。
・高画素フルサイズ映像素子に対応した、高性能大口径超広角ズーム
最新の光学設計により、ワイド端16mmからテレ端28mmまでコンスタントF2.8を実現し、実用撮影領域を考慮した焦点距離を設定。
・新開発大口径56mmP-MO非球面レンズの改良
AT-X 16-28 F2.8 PRO FXに使用していたP-MO非球面レンズを新規に作成し、面精度、コートの改善により、ゴースト・フレアを低減。
・外観デザインの変更
opera 専用の外観デザインに変更いたしました。より洗練されたデザインを施し操作性、操作感も向上。
・静穏性の高いSD-M(Silent Drive-Module)を搭載
DCモーターと減速ギアユニットを一体成型に密封状態にすることにより、 AF駆動音の静穏性を高めている。
・GMRセンサ(高精度磁気センサ)を駆動部直近に搭載
通常AF制御用センサとして用いられている回転検出センサではなく、高分解能でより検出精度の高いフォーカス制御による、素早いAFスピードを実現。
・フォーカスリング
operaは、フォーカスリングの回転方向をニコン・キヤノンの純正レンズと回転方向に合わせることにより違和感のない操作性を実現。
ニュースリリースサイト:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000806.000008859.html
KITとセンスウェイ、LoRaWAN ™を活用したIoT分野での共同研究で提携
金沢工業大学(以下、KIT)とセンスウェイ(株)(以下、センスウェイ)は、LPWA(※1)であるLoRaWAN(※2)を活用したIoTの新たな価値創出と、サービス実現を目指した共同研究と、相互での協働を実施していく旨の提携を締結した。本提携の取組みの一環としてセンスウェイは金沢工業大学の主要2キャンパスにLoRaWAN基地局設備を構築、金沢市周辺におけるLoRaWAN通信が可能な大規模IoT研究フィールドを展開していくという。本提携の取組み第1弾として、2019年2月15日(金)に扇が丘キャンパスへの基地局を設置し、2019年2月16日(土)には扇が丘キャンパスにて本基地局を使ったLoRaWAN技術セミナーを開催した。
センスウェイはこの度のKITとの学術研究に向けた提携によって、相互協働によるIoT分野の研究を推進することでIoTエンジニアの育成に貢献するとともに、本研究を契機に国内における先行事例の研究成果を発表していきたい意向。さらには、IoT分野における技術的な支援と人的交流を促進することで、LPWAのLoRaWANの普及、ひいてはIoTの普及に通じる社会的基盤を拡大することを目指すとしている。
今後は、本連携を通じて石川県内で大規模な実証実験フィールドを構築し、技術セミナー等を積極的に行うことで研究成果を広く発信していく予定。また、本連携をモデルケースとすることで、全国の学術機関との連携を強化しIoTエンジニアの育成、IoT分野での研究開発成果の拡大を促進していくとのこと。
※1 LPWA:Low Power Wide Areaの略。消費電力を抑えて、長距離のデータ通信を実現する通信方式
※2 LoRaWAN™:大量のセンサー・デバイスを接続するための、低電力・広域のカバレッジを可能にするIoT通信技術。通常の規格に比べ、デバイスとアプリケーションの双方向通信ができることが特徴。
ニュースリリースサイト:
https://www.senseway.net/press-release/institute-of-technology-senseway_20190221/
ST、機械学習機能を搭載した高精度・低消費電力モーション・センサ発表
STマイクロエレクトロニクス(以下ST)は、機械学習技術を搭載した先進的なモーション・センサを発表した。同製品は、モバイル機器やウェアラブル機器のアクティビティ・トラッキング性能を向上させ、バッテリ駆動時間を延長するという。
iNEMO(TM)モーション・センサであるLSM6DSOXは、機械学習用コアを搭載し、既知パターンに基づいてモーション・データを分類します。メイン・プロセッサで行うアクティビティ・トラッキングにおける最初の工程が不要になるため、消費電力を低減できるとともに、フィットネス・データの記録、健康モニタ、携帯型ナビゲーション、落下検出といったモーション・ベースのアプリの効率化を促進する。
LSM6DSOXは、AndroidやiOSといった広く普及しているモバイル・プラットフォームに簡単に組み込めるため、コンスーマ機器、医療機器および産業用スマート機器に適しているとのこと。
LSM6DSOXは、3軸MEMS加速度センサと3軸MEMSジャイロ・センサを集積している。機械学習用コアを使用することで複雑な動作をトラッキングすることができ、消費電流は0.55mA(標準値)と低いため、バッテリ負荷を最小限に抑えることができるという。
機械学習用コアは、センサに内蔵されたステート・マシンのロジック回路とともに動作し、モーション・パターン認識や振動検出を処理する。機器メーカーは、アクティビティ・トラッキング機器にLSM6DSOXを組み込むことにより、Weka(PCベースのオープンソース・アプリケーション)を使用して決定木による分類をコアに学習させることができる。これにより、加速度、速度、磁気角度などのサンプル・データから、検出するモーション・データのタイプを特徴付ける設定値や閾値を生成する。
自由落下検知、ウェイクアップ、6軸 / 4軸方向検知、クリック、ダブル・クリックなどの割込みに対応しているため、アクティビティ・トラッキングに加えて、ユーザ・インタフェースの制御やノートPCの保護といった幅広い用途で使用できる。また、光学式手ブレ補正機能(OIS)にも簡単に用いる事ができる独立した補助出力と設定オプションを有しているとのこと。
ニュースリリースサイト:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000947.000001337.html
エクサウィザーズと大成建設、力触覚伝達型遠隔操作システムとAIを連携
(株)エクサウィザーズと大成建設(株)は共同で、大成建設が開発した力触覚伝達型遠隔操作システム(以下、遠隔操作システム)とエクサウィザーズが開発したマルチモーダルAI※1(以下「AI」)を組み合わせ、ロボットアームの動作検証実験を実施し、遠隔操作システムとAIが連携して、ロボットアームの自律動作が可能であることを確認した。本結果より、今後は様々な生産現場における遠隔操作システムとAIを活用したロボット自動化の実装に向けた取り組みを進めていくとのこと。
両社は、遠隔操作システムにおける特定の作業について、人間が事前に行った遠隔操作データを収集し、手本となる元データをディープラーニング(深層学習)によってAIに学習させ、作業時動作の学習モデルを構築することで、ロボットアームが人間の操作と同様の動きを自律的に再現できることを検証した。
【検証手順】
検証実験では、物体把持などの「力加減」を正確に伝える力触覚伝達提示デバイスを備えた人協働ロボット(操作側)とロボットアーム(遠隔側)を用い、広口瓶から一定量の液体をビーカーに注ぎ、液切りして瓶を元に戻すという一連の秤量作業について、以下のような手順で実施した。
1.上記作業におけるロボットアームの動作に関する各種データ※2を、AIが学習するための元データとして連続的に記録・蓄積する「遠隔ダイレクトティーチング」を実施。
2.データ形式の異なる動作に関する上記元データを「マルチモーダルAI」により一括学習し、一連の作業に関する学習モデルを構築。
3.学習モデルを用いて、ロボットアームが状況を判断して、自律的に液体秤量作業を行えるかを検証。
【検証結果】
1.一連の液体秤量作業について、100パターン程度の連続取得したロボットアーム動作の各種データをAIが一括学習し、作業時の動作を制御する学習モデルに基づき、自律的な動作を実現した。
2.遠隔操作システムと「AI」の連携により、ロボットアームの自律動作が可能となるため、ロボットアームによる一連の作業工程の自動化にかかる時間と費用の大幅な削減効果が見込まれる。
今回の検証を通して、動作による未来の状態を予測した自律的な作業が可能であることを確認した。今後、両社は、生産施設ほか様々な生産現場での遠隔操作システムとAIを活用したロボット自動化技術の実現に向け、多くの知見を集約・連携しながら、関連技術開発と社会実装への取り組みを進めていくという。
※1マルチモーダルAI
人間の操作と同様の動作を行うために必要な複数のデータ要素を人間の脳のような働きをする数理モデル(ニューラルネットワーク)を用いて連動させ、これらの要素を一体化し、動作データとして認識させ、自らの判断による動作を可能とするAI。
※2ロボットアームの動作に関する各種データ
人間が人協働ロボットを用いてロボットアームを手動で直接操作しながら、秤量作業に関連する以下のデータを連続して取得。(ロボットアームの軸角度/電流負荷/ロボットハンド開度/触覚センサの値/カメラ動画/電子天秤の秤量値 他)
ニュースリリースサイト:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000020.000030192.html
IoT活用の登り窯焼成公開実証実験と仮想体験イベントの開催
(株)アイエスエイ(以下ISA)、(株)エスプレス・メディア出版(以下陶遊)と増穂登り窯(ますほのぼりがま)(以下窯元)と東日本電信電話(株)(以下NTT東日本)、の4団体は伝統技術と文化の継承を目的として、最新IoT技術を活用した、登り窯焼成の公開実証実験を行うとのこと。
実証実験は、広く全国からプロ、アマを問わず、伝統的な登り窯での焼成を希望する参加者の作品50名分を募集(焼成費無料)し、誰でもどこでも登り窯焼成を体感できる、新感覚の陶芸仮想体験イベント「未来につなぐ伝統とIoTの環」として実施する。設置された現場カメラ、光回線を利用した動画配信とLPWA技術によって計測される3点の窯内温度、外気温度等をクラウド上で視覚化処理し、焼成に直接参加できない人にもPCやスマホで臨場感をもって仮想体験ができる仕組みを提供するという。
【イベント概要】
ゴールデンウィークの2019年4月27日から5月4日にかけて、山梨県増穂登り窯で行う、薪による「登り窯」焼成の様子を、いつでも、誰でも、どこにいても、PCやスマホを通し、臨場感を持って”仮想”体験してもらうイベントである。事前に登り窯での焼成を希望する50人の作品を募集し、抽選のうえ当選した50組の作品を「登り窯」の中に並べていくところから映像配信は開始。
その後、5日間かけて薪をくべる様子や、逐一変化する焼成温度、外気温などのデータや映像を視覚化してライブ配信する。イベント期間中は、期間限定のサイトを公開するので、陶芸ユーザだけではなく、誰でも登り窯での陶芸仮想体験に参加できるとしている。
詳細は、陶遊171号(2月23日発売号)、172号(4月23日発売号)で案内される。
【イベント開催(登り窯焼成)場所】
増穂登り窯(代表 太田治孝)
〒400-0514 山梨県南巨摩郡富士川町平林2144-4
【イベント日時】
・窯詰め 4月27日(土)~30日(火)
・窯焚き 4月30日(火)夕方~5月4日(土)
・窯出し 5月11日(土)10時~
※都合により変更になる場合あり。
【作品の募集】
イベント開催記念として50人分の作品を無料で焼成する。
陶遊171号(2月23日発売号)と、ISAホームページ上で応募者を募り、抽選で決定。
【プロジェクトメンバーの共通の意義と目的】
職人の伝統技術の継承、陶芸文化を未来へ繋げていくための取り組み。
現代では機会が少なくなった、登り窯による陶磁器焼成は、アマチュアや作家を問わず貴重な体験である。その伝統技法に最新のIoT技術を融合させ、焼成に立ち会えないユーザに対しても現場状況のリアルタイム画像や逐一変化する焼成温度、外気温などの視覚化データを居ながらにしてPCやスマホで確認できれば、ユーザは臨場感を持っての仮想体験が得られ、その結果、更なる陶芸への理解や展望を持てるようになり大きな意義があるものと考える。また、これまで長年培われてきた焼成技術の”経験”や”勘”という伝統技法をデータ化することにより、伝統技術の継承へ貢献するとともに、日本の伝統文化のすばらしさを伝える事を目的とするとのこと。
ニュースリリースサイト:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000028.000006131.html
インフラ保守におけるレーザーの役割とは(3)
(ウエハン フミアキ)
◆上半文昭(ウエハン フミアキ)
鉄道総合技術研究所 鉄道力学研究部 構造力学研究室 研究室長
東京大学生産技術研究所および鉄道総合技術研究所ユレダス開発推進部地震防災研究室で、鉄道の早期地震検知警報システム、災害予測・復旧支援システムの研究を担当の後、平成13年より鉄道力学研究部構造力学研究室で、鉄道構造物の災害対策、維持管理、鉄道車両の走行安全性向上などに関わる研究開発に従事。
本記事で紹介した「構造物検査用遠隔非接触振動計測システムの開発」で平成22年度科学技術分野の文部科学大臣表彰(開発部門)等を受賞。博士(工学)。
─これが開発した装置ですか
これは鉄道事業者や大学などに多数導入していただいている実用化システムです。地面に置いて、橋梁などにレーザーを照射するだけで振動が測れます。普及が進んだ「UドップラーⅠ」に続いて、昨年の夏に「UドップラーⅡ」という新製品をリリースしました。これらのシステムはレーザーを使って、数m~100 m程度離れたものの振動を測ることを目的としています。振動周波数にもよりますが、速度振幅で0.2μm/s、変位振幅でもミクロンオーダーの微小な振動を測ることができます。
鉄道橋には列車通過時のたわみ量の基準値があり、昔は橋の桁と地面との間にピアノ線を張って、地面側に設置したたわみ計でたわみを直接的に測っていました。ただ、この方法だと橋桁にピアノ線を付けるのに高所作業が必要ですし、地面側が道路や河川だと計測が困難でした。Uドップラーの普及によって、地上から簡単に橋のたわみを測れるようになりました。
提供:鉄道総研
橋梁と走行列車の共振現象の評価にもUドップラーが役立っています。列車の荷重はほぼ等間隔に並んだ台車を介して橋に伝わります。列車が橋を渡るとき、その橋の固有の振動数と、台車が順次橋梁に進入することによって生じる加振の振動数とが一致すると、共振という現象が起こります。共振が発生すると橋が健全でも過大な振動が発生し、場合によっては橋の劣化を進行させる原因にもなります。Uドップラーを用いて列車通過時の橋桁の振動を計測することで、共振現象の発生の有無や程度を評価することができます。
Uドップラーは、先ほど説明した常時微動を利用した高架橋の健全度検査にも使われています。これは高架橋の地面に埋まった基礎やコンクリート製の柱が、地震等で損傷すると固有振動数が低下することを利用した検査手法です。一般的なLDVで高架橋の常時微動を測定する場合、三脚上に設置したLDVセンサーの揺れが、構造物の揺れと比較して無視できない大きさになります。LDVは自身と測定対象の間の相対的な振動を測定するので、LDV自身の揺れはノイズの原因となります。それを防ぐため、LDV自身の揺れと傾きをリアルタイムで測定し、LDVが測定した振動データを補正する機能を搭載しているのが、このシステムの一番の特長です。
提供:鉄道総研
補正の効果を示すための実験結果を紹介します(右図)。LDVセンサーと測定対象の両方を揺らしながら測定をする実験をすると、普通のLDVでは揺れを上手く測れません。一方、我々のシステムは補正をすることで、測定対象の振動だけを計測することができます。
このUドップラーは非常に幅広い分野で使われています。橋の振動問題が一番ですが、後程お話しする岩盤斜面の落石危険度の評価や、橋に付属する架線柱や防音壁などの付帯構造物、さらには建築物の検査などにも使われています。研究段階のものも含め様々な分野で使って頂いています。
─こちらはさらに発展したシステムですね
最近は、より長大な橋梁の検査への非接触振動測定技術の適用を検討しています。このシステムは、不可視光のLDVを用いて非接触での測定可能距離を数百mに拡大するとともに、遠方にある測定対象の表面から非接触測定に適した点を自動的に検出する機能や、測定点の位置座標を測量する機能を加えた長距離型のUドップラーシステムです。
遠隔位置からのレーザー照射によって、例えば長大橋を支持する数多くの吊りケーブルの検査を効率的に行なうことができます。長大橋の吊りケーブルが徐々に緩んできて、それぞれのケーブルが支える荷重の分担が不均一になったりすると橋にとって良くないので、定期的にケーブルの張力を測定・管理する必要があります。このシステムを用いてケーブルの常時微動を測定することで、ケーブルの張力を求めることができます。
このシステムはまだ開発中のものですが、回転台で水平・鉛直方向にLDVを制御しながら測定を実施することができ、これまでの検証実験では、ケーブル1本あたり2分程度のスピードで振動を測定し、張力を正しく推定できました。ある長大橋では、かつては四夜間かけてケーブルの振動を測定していましたが、このシステムを用いれば、日中に1~2時間で測定できるようになりました。
このシステムでは数百m遠方の対象物を測ろうとしています。測定対象物の表面はいろいろな方向を向いたり、汚れや材質により反射しにくい状態だったりするので、特に長距離の測定では、非接触測定に十分な光量の反射レーザーが得られない場合が少なくありません。そこで、測定に十分な反射が得られる場所、特にレーザーの戻りが大きくて良質な測定ができる場所を、自動的に見つける技術を開発して、このシステムに採用しました。
遠方に位置する小さな測定箇所に正確にレーザーを照射するために、測量機並みの回転精度があるLDV専用の回転台も開発しました。装置を小型化するにはガルバノミラーなどでレーザー光を制御する方が良いのですが、数百m先の対象物に数cm程度の精度を持ってレーザーを照射する必要があるため、装置がやや大掛かりになりますが、このような装置構成としました。
現在は測定用のソフトウェアの改良に取り組んでおり、長距離型Uドップラー2台を無線でコントロールしながら同期計測することによって、より高度な検査を行なえるようにする予定です。
次週に続く-
(月刊OPTRONICS 2017年10月号より転載)
センサイト・キュレーション「インフラ関連センサ」(3)
センサイト編集部
17.「橋梁モニタリングシステム実証実験」 運営:オムロンソーシアルソリューションズ(株)
こちらはオムロンの系列で、複合的にセンサを組み合わせたシステム等を販売している企業で、橋梁のモニタリングのシステムについて東工大の先生のアドバイスを受けながら実証実験を行ったことが記述されている。
https://www.oss.omron.co.jp/pickup/bridge.html
18.「インフラモニタリングシステム」 運営:三菱電機(株)
高密度三次元レーザと高解像度ラインカメラを搭載し、道路・鉄道・トンネルの高精度な計測・解析を可能とした「三菱インフラモニタリングシステムⅡ(MMSD®Ⅱ)」のリリースのサイト
http://www.mitsubishielectric.co.jp/news/2017/1106.html
19.「路面性状モニタリングシステム」 運営:(株)リコー
リコーのステレオカメラによる路面状態の計測技術。一般車両に搭載して、走行しながら路面の「ひび割れ」「わだち掘れ」「平たん性」を自動測定・分析する。
https://jp.ricoh.com/technology/institute/research/tech_road_surface_monitoring.html
20.「道路管理支援」 運営:国土技術政策総合研究所
国土技術政策総合研究所のサイトで、センサでの道路管理に関する研究が記述されている。
http://www.nilim.go.jp/lab/qcg/japanese/2reserch/1field/13support/index.htm
21.「環境条件が湿度計測に与える影響」 運営:ヴァイサラ
計測機器を扱う企業のサイトだが、「湿度・露点計測の基礎知識」と「環境条件が湿度計測に与える影響」とした計測をする際の注意点等が記してある。
http://www.vaisala.co.jp/jp/products/Pages/default.aspx
22.「路面センサー」 運営:山田技研(株)
路面センサーにおける開発の背景と技術、機能と実績、メリットなど基本的な要素を分かり易く説明しているサイト。
http://www.yamada-giken.co.jp/index.php?kbnkey=romen&honbun_dev=1#kiji10
23.「ロボット・AIによるインフラ点検の効率化、どこまで{目視}を置き換えられるか」
運営:ビジネス+IT
ビジネス関連のITに関する記事を掲載しているWEBジャーナルサイトの中で掲載されているインフラの点検についての記事。無料登録で会員になれる。
https://www.sbbit.jp/article/cont1/33990
土木と光技術のいま(3)
(センサイト 企画運営委員)
●3D計測のためのレーザーの利用と画像処理ソフトウエア
また、非破壊検査の範疇になるのだが、レーザー光線の利用も進んでいる。レーザー光線は非常に細い光を出せるので、構築物にレーザー光の高速のスキャンを行い、構築物に描かれた縞模様を複数の方向から記録し、画像処理ソフトウエアによって、構築物の細部の欠陥を得よう、という技術である。
基本的に、これらのクラック検査装置だけでなく、多くの光系のクラックなどの発見の仕組みは、描かれた光の線をソフトウエアで画像処理を行い、建物の詳細な部分も含めた3Dデータを得て、クラックの発見につなげる、というものが多い。時代はセンサだけのハードウエアから画像処理ソフトウエアの利用の時代に移った、といえるだろう。
また、これらの画像処理の技術は、クラック発見のみならず、構築物の精密な大きさ測定などにも使われている。これらの画像処理のソフトウエアのベースには、無料でインターネットからダウンロードして使えるソフトウエア部品:オープンソースソフトウエア(OSS)が使われることが多く、既に1行ずつソフトウエア技術者がプログラムを書く部分は非常に少なく、大きな結果を得ることができる、という時代に変わった。ソフトウエア開発の現場も進化しているのだ。今や、OSSを知らないソフトウエア開発技術者では、生産性に大きな差が生まれてしまう。そんな時代になった。
参考文献
(図1) 国土交通省 総合政策局 公共事業企画調整課 2015年11月時点資料
次世代社会インフラ用ロボット
http://www.mlit.go.jp/common/001111983.pdf
著者紹介
三田 典玄(みた のりひろ)
サイバーセキュリティ、コンピュータ言語、インターネット、IoT専門家。
2019現在 日本フォトニクス協議会知財戦略専門部会事務局長 センサイトプロジェクト企画運営委員
2013~2015 韓国・慶南大学・コンピュータ学科教授。専門:サイバーセキュリティ
2002~2004 経済産業省・産業技術総合研究所・ティシュエンジニアリング(再生医療)研究センター 特別研究員
1996~1997 東京大学・先端科学技術センター 協力研究員
その間、(株)シグマコーポレーション/(株)シースターコーポレーション/技能五輪 国内大会・世界大会の情報技術職種委員/台湾新聞/ジョルダン(株)/(株)プライムネット等
次週に続く-
遠隔地の見守り、施設の防犯、環境調査、行動調査などに利用できる2種類の「どこでもセンサー」
プラネックスコミュニケーションズ(株)は、遠隔地に住む親の見守り、無人施設の防犯、環境調査、行動調査などに利用できる2種類の「どこでもセンサー」を発売した。。
「どこでも環境センサー WS-USB01-THP」は気温、湿度、気圧のデータを、「どこでも人感センサー WS-USB02-PIR」は人や動物の接近を検知し、クラウドを経由して何処からでもデータを知ることができるとのこと。価格はオープンプライス。
(画像上部左側:「WS-USB01-THP」、右側:「WS-USB02-PIR」)
「どこでも環境センサー」は気温、湿度、気圧のデータを常時計測、「どこでも人感センサー」は赤外線検知により人や動物の接近を常時検知し、計測値や検知した回数をクラウドに保存する。
「どこでも環境センサー」は気温、湿度、気圧が設定値を超えたり、下回った際に、「どこでも人感センサー」は設定した検知回数を超えると、メールで通知することができる。加えて弊社IoT製品の「スマソケ」やかんたんネットワークカメラ「スマカメ」と連動することも可能で、「どこでもセンサー」からコンセントのオン・オフやカメラ映像の撮影を行うこともできる。
「どこでもセンサー」はUSB給電で稼働するので、USB電源アダプターやモバイルバッテリーがあれば何処でも設置できる。無線LAN(2.4GHz帯)を利用してクラウドにデータをアップロードするので、無線LANルーターやスマートフォンのテザリング、モバイルルーターなどと組み合わせて使用する。
<「どこでもセンサー」の特長>
・「どこでも環境センサー WS-USB01-THP」は気温、湿度、気圧を常時計測可能
・「どこでも人感センサー WS-USB02-PIR」は人や動物の接近を常時検知可能
・ 無線LANを利用して計測データをクラウドに保存
・ 保存されたデータは何処からでも確認可能
・ 電源はUSBから供給。USB電源アダプターやモバイルバッテリーが利用可能
・ 測定値が設定したしきい値を超えると、メールにて通知可能
・ 測定値が設定したしきい値を超えたら、スマソケによる電源のオン・オフが可能
・ 測定値が設定したしきい値を超えたら、スマカメによる動画撮影が可能
・ 管理サーバーは安心の国内運用
ニュースリリース(プラネックスコミュニケーションズ):
http://www.planex.co.jp/news/release/2019/20190215_ws-usb.shtml
