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針の頭に載るLiDAR開発のVoyant Photonics、4億円超を調達

 LiDAR(Light Detection and Ranging、光による検知と測距)は、ロボットや自律運転車が周囲の世界を認識するのに欠かせない装置だが、レーザーやセンサは大変にかさばる。しかし、Voyant Photonics(ボヤント・フォトニクス)の場合は違う。彼らは、文字通り針の頭の上にバランスよく載ってしまうほどのLiDARシステムを開発したとのこと。



ニュースサイト(TechCrunch Japan)より:
https://jp.techcrunch.com/2019/07/17/2019-07-16-voyant-photonics-raises-4-3m-to-fit-lidar-on-the-head-of-a-pin/

CACH、IoT技術を活用し、施工中の地下工事現場での異常監視を開始

CACH(カック)(株)は西松建設㈱が施工中の地下工事現場において、人間では識別することができない異常を見つけることができる、ひずみモニタリングシステム『ST-COMM(エスティーコム)』よる異常監視を開始した。これによりi-Constructionを推進し、省人化・安全管理に貢献するとしている。

≪メリットと特長≫
本サービスを活用することで、作業員の目視点検に頼ることなく、定量的なデータをもとに対象物の異常を検知することができる。 これによって、建設現場での省人化、更には安全管理に貢献するという。
1 人間では識別することができない異常を検知
2 片手で持ち運びができる大きさと重量
3 電源不要。内蔵バッテリーで数年間の稼働
4 観測建屋は不要。スマホでデータ確認や設定変更も可能
5 ソフトのインストール不要。スイッチONですぐに計測

≪ST-COMM機器仕様≫
(※仕様は使用状況、設置状況、測定環境によって誤差が生じる場合がある。)
機器サイズ  :80x160x56mm(突起部除く)
質量     :500g(電池含む)
測定データ種類:ひずみ、温湿度(機器筐体内)
測定ひずみ点数:4点
ひずみ測定範囲:±3000μひずみ
適用センサ  :ひずみセンサ(1ゲージ法2線式・3線式120Ω)
防滴性    :IP54相当
連続使用時間 :約5年(1日4回測定の場合)
電源     :単3形リチウム電池
使用温度範囲 :ー10 ~ +50℃

ニュースリリースサイト(CACH):https://www.cach-inc.com/

高精度ガス計測センサ(Twin-QCMセンサ)の海外販売本格化

日本電波工業(株)(NDK)と宇宙航空研究開発機構(JAXA)が真空環境下において宇宙用材料等から放出されるガス(アウトガス)を計測するために共同で研究開発した高精度ガス計測センサ「Twin-QCM」について、このたびNDKは海外向け販売を本格的に開始したと発表した。
(画像は「Twin-CQCM センサモジュール」)

海外販売にあたり、欧州委員会(EU)の基準適合マークである「CEマーキング(*1)」対応を行った。これによりTwin-QCMは、国際的な安全性の基準を満たすとともに、EU域内への輸出に必要な安全指令に適合していることが証明され、欧州市場での販売が可能になるとのこと。

Twin-QCMは、従来品に比べて、その優れた精度、温度補償機能の安定性から、今後、国内外の宇宙機開発におけるコンタミネーション(汚染)(*2)対策に大きく貢献できるもの。JAXAでは人工衛星で使用される材料のアウトガス(コンタミネーションの原因)測定にすでに使用している。今後は使用範囲を拡大し、人工衛星実機スケールでの測定にも本センサを適用して、宇宙機のコンタミネーション対策の最適化を進めていくという。

NDKでは、宇宙産業以外の用途として車載機器用接着剤、放熱材等有機材料の分析もターゲットとしていく。JAXAと共同で研究開発した成果を利用したことを示す“JAXA COSMODE(*3)”付与製品として、コンタミネーション抑制のためアウトガス計測を必要とする有機材料、半導体、建材メーカー市場等一般産業分野への展開を本格化する予定だとしている。

(本センサの開発結果については2017年3月に発表済み。2018年11月より“Twin-CQCM”、“Twin-TQCM”の2種の受注活動を実施中。)

(*1) CEマーキング
欧州地域で販売される、指定の製品に貼付を義務づけされた基準適合マーク
(*2) 宇宙機開発におけるコンタミネーション(汚染)
宇宙空間においてはプラスチックや接着剤等の材料から放出されるアウトガスによるコンタミネーション(汚染)が問題となる。例えば、地球観測衛星や天文観測衛星の望遠鏡レンズ表面等にアウトガス由来の物質が付着しコンタミネーションが生じると、光学性能や画質を低下させ、ミッションとしての衛星寿命が短くなってしまう。このため、材料からのアウトガスの発生を可能な限り抑えられるよう、正確な計測結果に基づく部材選定が重要になる。
(*3) JAXA COSMODE
企業等と連携し、宇宙開発の成果を広く社会に還元し、宇宙航空の魅力を地上の生活へ届けるためJAXAが展開している「ブランド」です。COSMODE付与対象となるのは、JAXAの特許・技術を利用して生まれた商品や、JAXAの画像・映像等の著作物を活用し生まれた商品 。

プレスリリースサイト(JAXA):http://www.jaxa.jp/press/2019/07/20190712b_j.html

味と匂いのセンシングの現状と展開(3)

九州大学高等研究院/
五感応用デバイス研究開発センター
特別主幹教授/特任教授
工学博士 都甲 潔

3.人工嗅覚システム

化学物質を受容する嗅覚レセプターは「化学物質の特徴的な分子構造」を認識する。そのため、ある1種類の匂い分子は複数種のレセプターに結合するし、1種類のレセプターは複数種の匂い分子を受容できる。「レセプター:化学物質=複数:複数」という関係である。
他方、味覚では、1つのレセプターが複数種の味物質を受容する。これをパターン認識ならびに選択性の視点から整理すると次のようになる。抗原抗体反応や酵素反応では原則、レセプター:化学物質=1:1対応である。一般の嗅覚では、レセプター:化学物質=複数:複数である。その結果が脳の入り口である嗅球へ集約され、情報統合がなされ、脳へと至り過去情報と照合される。「リンゴの匂い」「バラの香り」といった具合である。これは、状態(匂いの質)への高い選択性と言える。複数のデータを同時に扱うため、パターン認識が必須となる。一般の匂いとは、低分子化合物の組み合わせに他ならない。

そこで、人工嗅覚システム開発では、複数種の化学物質を認識するセンサを多数用意し、その出力をAI(人工知能)でパターン認識するという手法を採った。これは強調すべきであるが、味覚センサではAIは使用していない。

人工嗅覚システムの構成であるが、化学物質のサンプリング、捕捉・濃縮、検出(分子認識材料とトランスデューサの開発)、パターン認識、そして集積化・モジュール化という一連の作業からなる。民間企業であるパナソニックと強力な連携体制を敷き、東京工業大学、東京医科歯科大学、大阪大学、九州大学という複数の大学で共同研究開発を行った。

図4は受容材料としてガスクロマトグラフィー(GC)材料とカーボンブラックを用い、トランスデューサとして同心円型電極による電気化学インピーダンス測定を利用したケモレジセンサ(chemosensitive resistor)の作製方法、電流電圧特性、そして芳香族化合物ピロールへの応答を示している5)
ピロール添加ON/OFFで電気抵抗が増減しているが、これは受容材料のピロールの吸着による膨潤/収縮の効果と考えられる。0.9 mmサイズの電極16個を同一基板上に作製し、その部分に異なる電気化学特性を有する受容膜を塗布した。ナノワイヤを用いた濃縮機構により約100倍の濃縮に成功し、ppbレベルの検出を可能としている。結果、ピロールやベンズアルデヒド、ノナナールといった匂いガスを90%以上の精度で識別・同定に成功している。また、人工嗅覚システムによるトイレ臭気の測定を行い、臭気判定士による官能評価と完全に一致する結果を得ることができた。

図4 GC材料を使用した受容膜の電気抵抗変化検出デバイス(ケモレジ)5)

人工嗅覚システムを使い、ウィスキー、ブランデー、ワイン、吟醸酒の識別が行えるのは当然のことであるが、(同じアルコール度数の)ビール種の識別、沖縄の焼酎である泡盛種の識別も可能となっている。なお、ヒトではビール種の匂いによる識別は(味と異なり)容易ではないことを一言付記しておく。
また、その際に、電位応答の大きさ(振幅)のみでなく、動的変化(過渡応答)をフーリエ変換し特徴量として抽出することで、識別能力が格段と上がることも判明している。この人工嗅覚システムは14×14×15cm3サイズであるが、ごく最近、専用ASIC(Application Specific Integrated Circuit)を開発することで、手の平サイズへのコンパクト化にも成功した。

以上のように、広範囲の匂い(多種類の化学物質)受容を行う人工嗅覚システムの開発に成功し、その実用化も間近となっている。

次週に続く-

参考文献

5)B. Wyszynski, R. Yatabe, A. Nakao, M. Nakatani, A. Oki, H. Oka and K. Toko: Sensors, 17, 1606 (2017)

【著者略歴】
都甲 潔(とこう きよし)
九州大学高等研究院/五感応用デバイス研究開発センター
特別主幹教授/特任教授 工学博士

昭和55年3月 九州大学大学院博士課程修了、九州大学工学部電子工学科助手、助教授を経て、平成9年4月より九州大学大学院システム情報科学研究院教授。
平成20年~23年、システム情報科学研究院長。21年より主幹教授。25年より味覚・嗅覚センサ研究開発センター長。
30年より高等研究院特別主幹教授ならびに味覚・嗅覚センサ研究開発センター(現 五感応用デバイス研究開発センター)特任教授。

においセンシングの現状とこれからの展開(3)

(株)島津製作所 分析機器事業部
喜多 純一

4.複合臭測定ににおい識別装置を利用した事例

3項で記載したように、電子鼻が複合臭分析に不可欠であれば、複合臭の象徴であるマスキング効果を評価できるはずである。
そこで、実際に弊社の電子鼻(におい識別装置FF-2020シリーズ3))を用いてマスキング効果の評価に適応した例を図3に示す。

図3(a).模擬汗臭のわさび臭によるマスキング
図3(b).マスキングをにおい識別装置で評価する原理
図3(c).におい識別装置、マスキング評価結果

FF-2020シリーズにおいては、種類の異なる酸化物半導体センサ10種を内蔵し、そのセンサに、直接においガスを当てる測定(ダイレクトモード)と、においを一旦捕集管に集めて濃縮し、水蒸気を除去してからセンサににおいを供給する捕集管モードの測定モードがあり、一つのサンプルに対して両方の信号を得ている。いずれにせよ、その信号解析方法は、図4に示すように、10個のセンサ出力でできるセンサ出力ベクトルを考えたときに、そのベクトルの方向がにおい質を表し、ベクトル長がにおいの強さを表すとしている。ただし、ベクトル長とにおいの強さの関数は、におい質方向ごとには異なったものになるという前提としている。

図4.におい識別装置FF-2020の信号解析方法

ここでは、マスキングの評価に絞って説明するが、マスキングをされるにおい(元悪臭)だけが存在したときには、図3(b)のように、マスキングされるにおい(複合臭を想定して雲のようなイメージで記載している)がレセプター群のある位置に収まっていて、そこにマスキングをするにおいが混合されることにより、その雲の形が変形して、その収まりの位置からずれていくものと考えている。
このとき、雲の形が変わればマスキングされるので、マスキングするにおいは、においが強くなくても機能するものと考えている。

におい識別装置の出力としては、マスキングされるにおいを測定したときにあるベクトル方向を示し、またそのにおいの強さに応じてあるベクトル長になる。そこに、マスキングするにおいが加わると、雲の形が変わることにより、ベクトルの方向が少し変化する。 少ししか加えていないにも関わらず、ベクトルの方向が大きく変わるものがマスキング剤としては好ましいということになる。

また、ベクトルの方向が変わったときに、人の鼻の感じるもとの悪臭の強さは、図3(b)左型の三角形の内側であると計算をしている。これにより、模擬汗臭(臭気指数30)に、わさび臭を加えていくことにより、FFで求めた元の悪臭の臭気指数を記載しているが、わさび臭を50μL加えることによりにおいが消えた結果になっているが、実際に官能でもその濃度でにおいが消失した。
この正しさを確認するため、元の悪臭を臭気指数20にして追加試験をしたところ、5μLでにおいが消え、これも官能と一致した。

5.センサ方式が陥りやすい誤測定例

現在、自動車の室内臭及び部品臭の評価方法ついて、ISO化が進んでおり、その機器分析法を担当されている、いすゞ自動車の達様にご検討内容の一部をにおいかおり環境学会誌4)にご紹介いただいた。それによると、新車の室内大気をGC/MS分析すると図5となり、このピーク面積をすべて加算したTVOC量と官能評価による臭気強度は図6のように相関はしない。その理由も説明されていて、自動車室内に青葉アルコールの香気を漂わせたときの大気分析の結果(図7)のようになっていると説明されている。具体的には、TVOCの中には、青葉アルコールの測定のトルエン溶媒のように、量は多いけれども検知閾値濃度が高くそれほどにおわないものが多数あり、実際ににおいを出しているのは、青葉アルコールのように、検知閾値濃度が低い物質で、ピークとしては観測されないぐらい小さいのだが、嗅覚からすると強いにおいということになる。

図5.新車臭をGC/MSで測定した結果
図6.GC/MSのTOCと臭気強度の関係
図7.車室内に青葉アルコールの香気を漂わせたときの大気のGC/MS測定結果

このことをより明確に記載したものが図8であり、左上の図が通常のGC/MSのピークでそのピーク面積は、通常濃度に比例する。

図8.通常のクロマトからアロマクロマトへの変換

匂いの強さは、下記の臭気指数の式にあるように、物質濃度を検知閾値濃度で除したものである

臭気指数=log(物質濃度/検知閾値濃度)

「臭気濃度」の対数になるので、右上の図には、臭気濃度に対応した図を(物質濃度を検知閾値濃度で除したもの)、右下の図には、臭気指数に相当したもの、すなわち通常アロマクロマトグラムと呼ばれるものを記載した。以上より嗅覚からみると右下の図となるが、GC/MSでみれば左上に図のようになっているということになる。
ここで、通常の電子鼻も、センサがそれほど成分によって感度が違わない場合には、GC/MSと同様の結果になってしまう。

弊社のFF-2020の場合では、センサに酸化物半導体を用いており、その出力は物質濃度の対数に比例しており、センサによっては閾値の低いものに対応しているので、GC/MSほど極端ではないものの、例えば、通常測定したい悪臭のイソ吉草酸と通常悪臭検出の妨害になってしまうトルエンの閾値を比較すると、1000倍以上の差があり、これだけ差が大きいとベクトルの方向だけで分けるのは厳しい場合がある。

次週に続く-

参考文献

(3)J. Kita et.al. Sensors and Materials, Vol. 26, No. 3 (2014) 149–161

(4)達晃一:においかおり環境学会誌 Vol.50 no.1 (2019) 9

【著者略歴】
喜多 純一(きた じゅんいち)
(株)島津製作所 分析機器事業部

1.最終学歴
1981年3月 京都大学 工学部 化学工学科卒業
2014年3月 九州大学大学院システム情報科学府電気電子工学専攻博士課程卒業

2.受賞歴、表彰歴
平成13年 におい識別装置FF-1 第4回日食優秀食品機械資材賞受賞
平成19年 におい識別装置FF-2A (社)においかおり環境協会 平成18年度 技術賞
平成23年 電気学会進歩賞受賞
平成26年 希釈混合装置FDL-1を用いた簡易官能評価装置
(社)においかおり環境協会 平成26年度 技術賞
同年 長年におけるにおい識別装置の開発研究
(社)においかおり環境協会 平成26年度 学術賞

○主な研究論文及び著書(レビュー)
J.Kita, etal :Quantification of the MOS sensor based Electronic nose utilizing trap tube,
Technical Digest of the 17th Sensor Symposium,m301 (2000)
島津評論第59巻第1・2号 p.77~85 (2002)
島津評論第64巻第1・2号 p.63~79 (2007)
アロマサイエンスシリーズ21〔6〕におい物質の特性と分析・評価 5章3 半導体センサ(2)
におい香り情報通信 第3章 12.におい測定装置 p.177~p.187
超五感センサの開発最前線 2.3.7 におい識別装置の開発 p.197~p.205
Sensor and Materials vol.26 no.3 2014 149-161
味嗅覚の化学 においセンサおよびにおい識別装置を用いた臭気対策 p.207。
※現在ゴルフにはまってます。

味覚センサで世界をむすぶ(3)

(株)インテリジェントセンサーテクノロジー
代表取締役社長
池崎 秀和

4 今後の激動の30年で味覚センサに期待されること

今後、従来の官能検査だけでは対応ができなくなることが予想される。それは、世界中が豊かな世界と世界中が超高齢化社会という人類史上初の出来事が2つ同時並行で進んでいることと密接につながる。それについて下記に概要を述べる。

農林水産省の予測では、現在世界の食品市場は、340兆円であるが、この10年間に、東南アジアを中心に倍の680兆円となるそうである。その後、南アメリカやアフリカも豊になると予想されている。世界中が豊になると、宗教や価値観が全く違うように、味の好みも違うことに対応しなくてはならない。

図5は、味覚センサで測定したベトナムと日本のカップラーメンのスープの結果である。両者は全く別物であることが分かる。特に塩味は日本の方が3目盛りほど濃く、塩分濃度的には2倍近く濃い。日本食は今、世界中でブームであり、ベトナムに売り込む際も、日本食の特長である「うま味」や「うま味の後味のコク感」は残しながら、塩味はベトナムに合わせたような開発が必要となってくる(図5中のNew zone)。ただし、これを日本人が食しても、塩味が足らないので、全くおいしく感じられない。従来は、開発者が美味しいと感じる物を作るのが鉄則であったが、相手の好みが極端に違うと、この従来の開発手法が使えなくなるのである。食品開発のパラダイムシフトである。

図5:こんなに違う!カップラ-メンス-プの差

日本国内は既に超少子高齢化社会になってきているが、10年後には世界中が超少子高齢化社会に突入する。従来は美味しいが一番で、それに高機能化があると高付加価値と言われていた。ところが超少子高齢化社会になると、体に良いことが一番になり、次に美味しさが求めらる。糖尿病や高血圧等の成人病のための食事、病院食や介護食の需要はますます増えてくる。このような需要の中では開発の仕方が従来とは全く異なる(図6)。

図6:体に良くて美味しい新たな食品設計

シャトレーゼ社では、味覚センサを活用して、重度の糖尿病患者用の糖質約90%オフの「どらやき」を開発されている。糖分はもちろん、小麦粉や小豆等も材料として使えない。糖質がほとんど含まれない材料で作ったところ、味が通常の「どらやき」と全く違い、どうしてよいか分からなかった。味覚センサのデータも同様に全く違った。それで材料を替えたり足したりして、味覚センサの通常のどらやきの数値に近づくようにすると4~5回のトライアルで非常においしい「どらやき」が完成した。

プロフェッショナルは、通常の材料では、おいしい「どらやき」はもちろん作れるが、このような通常と全く違うきびしい制限下ではどうやっていいのかが分からない。これまでの経験が使えないのである。これも食品開発のパラダイムシフトである。
国内海外ともに激動の時代になるなかで、美味しいものを食べて笑顔の世界になるように貢献していく。そのために今は、お役にたてる社員の育成とお役にたてる会社を目指している。

【著者略歴】
池崎 秀和(いけざき ひでかず)
(株)インテリジェントセンサーテクノロジー 代表取締役社長

1986年 早稲田大学大学院電気工学専攻 修士修了
 同年 アンリツ(株)入社、味覚センサの研究開発に従事
2002年 アンリツ㈱退社
 (株)インテリジェントセンサーテクノロジーを設立
現在 同社代表取締役社長、九州大学客員教授、博士(工学)

受賞歴 :
山崎貞一賞、井上春成賞(いのうえはるしげしょう)、
ものづくり日本大賞特別賞、
飯島記念食品科学振興財団技術賞

クラスメソッド、昭和女子大学での「スマートストア」実証実験を技術支援

クラスメソッド(株)は、昭和女子大学現代ビジネス研究所および(株)ダイエーが実証実験を行うデジタルラボの未来型店舗「スマートストア」の技術支援を実施。7月22日に実証実験がスタートする同ストアのキャッシュレス、ウォークスルー機能の開発・実装を行ったと発表した。
(画像はスマートストア設置イメージ)

今回、昭和女子大学内に設置される2.5m×2.5mの学生向け売場では、スマートフォンアプリを使ったキャッシュレス決済、センサとカメラを利用して商品を売場から持ち出すだけで購入が完了するウォークスルー機能が採用される。この売場の利用データは同大学の学生が調査・分析し、デジタルマーケティング学習や顧客体験の改善策検討に活用されるとのこと。

クラスメソッドは2019年2月に実験店舗「Developers.IO CAFE」(東京都千代田区)をオープンし、上記ウォークスルーやアプリ注文などの実用検証を日々行っており、今回のスマートストアはクラスメソッドが蓄積したノウハウを投入した社外初事例となるという。

スマートストア実証実験 概要

場所:昭和女子大学(東京都世田谷区太子堂1丁目7番57号)
期間:第1フェーズ 2019年7月22日(月)〜31日(水)
※ 土・日曜除く
※ 菓子類約50品目を販売
※ 上記第1フェーズ(調査)を経て2019年10月中旬より運営フェーズへの移行を検討

プレスリリースサイト(クラスメソッド):https://classmethod.jp/news/20190712-swu-wt/

IoTを活用した観客の熱狂度の見える化および熱狂度を活用したアクティビティ

―サポーターと共にデータを活用し、スタジアムの一体化を目指す。―
(株)ウフルは、スポーツ×IoT事業で研究・開発中であるスタジアム・アリーナにおける観客の熱狂度見える化および取得した熱狂度を活用したアクティビティを、(株)湘南ベルマーレが運営する湘南ベルマーレのJリーグ公式戦にて実施することとなったと発表した。
(画像:「SUPPORTERS’ SPRINT STATS」におけるシステム構成)

□実施概要
◎企画 「SUPPORTERS’ SPRINT STATS」
スタジアムに散りばめたセンサから取得するデータを、選手のスプリントスタッツ計測に似せた方式(閾値を超えた回数を利用)で集計し、試合中の一定時間ごとにその集計したスコアをビジョンに表示。そのスコアを参考に、より盛り上がった空気を目指し、ホームチームの一層の後押しになることを期待するとのこと。
◎日程
2019年7月14日(日) ヴィッセル神戸戦
◎スタジアム
Shonan BMW スタジアム平塚(神奈川県平塚市)
※湘南ベルマーレのホームスタジアム

プレスリリースサイト(ウフル):https://uhuru.co.jp/news/press-releases/20190712/

制御システム専用のサイバー攻撃センサ「VISUACT™-XA」リリース

azbilグループのアズビル セキュリティフライデー(株)(以下、同社)は、制御システムに特化したサイバーセキュリティ対策として、ネットワークセンサ「VISUACT™-XA」を7月10日にリリースすると発表した。

電力、ガス、水道、石油、化学など重要インフラ※に位置付けられている分野のプラントや工場には、その監視制御のために、制御システムが導入されているが、これらの制御システムに、一般的なITシステム用サイバー攻撃検知製品を導入すると、インターネットへの接続や、異常発生通知のために制御システムのネットワーク使用が必要となる場合があり、ネットワークに負荷がかかるなど、安全確保上のリスクが発生することがある。これが障壁となり、制御システムのサイバーセキュリティ対策が進まない現状があるとのこと。

こうした問題解決のために、同社は制御システム専用のネットワークセンサ「VISUACT-XA」を開発した。「VISUACT-XA」はインターネットへの接続を必要とせず、異常検知した場合はパトライト(回転灯)などの表示機器への直接通知も可能で、ネットワーク自体に悪影響を及ぼすことなく設置できる仕様となっているという。センサ部には、許可されているアクセス以外を検知するホワイトリスト型(安全対象検知)のセンサと、Windowsの通信の中に隠れているサイバー攻撃を検知するAI型センサを併用し、サイバー攻撃へのいち早い気づきを提供するとしている。

※重要インフラ:国民や社会活動に不可欠な基盤となる14 分野(情報通信、金融、航空、空港、鉄道、電力、ガス、政府・行政サービス、医療、水道、物流、化学、クレジット、石油)のインフラ。

価格(ソフトウェアライセンス) VISUACT-XA インストールライセンス:250 万円/年

ニュースリリースサイト(アズビル):https://www.azbil.com/jp/news/190710.html

50種類の電子部品と通信モジュールを組み合わせた かんたんIoT開発「obniz PoCキット」

プラススタイル(株)はIoTショールーム「+Style(プラススタイル)」において、センサーやカメラなどの電子部品と通信モジュールを組み合わせて、IoTのプロトタイプ開発を容易にした「obniz PoCキット」(オブナイズピーオーシーキット、出品者・メーカー:CambrianRobotics)50セットを、2019年7月11日より販売すると発表した。

+Styleでは、これまでもAIロボットキットや、IoTホームキットを販売してきたが、「PoCキット」においては、IoTの開発者が必要とする多品種の電子部品と組み合わせた「PoCキット」50セットを販売する。主に「通信」と「操作」、「測定」の3つで大別される。

これまで、IoTの開発には電子部品と開発ボードの組み合わせをあまたの数から選ぶ必要があり、開発言語についても通常のプログラミング言語に加えてファームウェアも細かくいじる必要があるなど、IoT機器開発者は限られたリソース・時間の中でさまざまな技能・知識を必要としていた。

obnizでは、IoT製品開発をする上で必要な、電子回路設計・ファームウェア設計・ネットワーク設計・クラウド構築がすべてパッケージ化されており、接続できる電子部品であれば、すべてクラウドから操作可能。そのため、エッジデバイス側のソフトを開発する必要がない。

JavaScriptやRuby、Pythonなどプログラミング言語を特定することなく、Web API経由で各種電子部品の制御が可能となります。obnizOSをインストールできるチップセットと通信モジュールがあればobnizクラウドと連携できるため、開発環境から量産化が容易で、ファームウェアの書き換え、アップデートを必要としません。そのため、IoT時代の「小ロット多品種生産」に最適化した製品設計や概念実証(PoC)が容易となるとのこと。

今回用意した50種類の電子部品とobniz boardのPoCキットは、開発者が求めるそれぞれの事情に合わせたセンサーやスイッチなど各種パーツ製品を選べるようにしたセット商品。
「ブザー」や「LED」「赤外線センサー」「サーボモーター」「ガスセンサー」「リレーモジュール」「USB電源」「ソレノイド」「MP3再生」「カメラ」「ディスプレー制御」「温度センサ」「湿度センサ」「距離センサ」「気圧センサ」「ジャイロセンサ」「加速度センサ」「人感センサ」「GPS」「心拍センサ」「地磁気センサ」「RS232モジュール」「XBee」など、多岐に渡るという。

PoCキットを活用する例としては、「人感センサーで反応があった場合にカメラ撮影をOFFにする」「土壌湿度センサーで湿度がしきい値より下がったら、サーボモーターをONにして水を撒く」といったIoT活用を、かんたんに検証できる。7月11日時点では50種類の電子部品セットを用意しますが、年内には最大で500種類のPoCキットの提供を予定としている。

ニュースリリースサイト: https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000051.000024393.html