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筋変位センサで筋肉の膨らみを計測。エクササイズアプリ「Reborn(リボーン)」リリース

2019年8月10日、大学初スタートアップH2Lより、プライベートトレーナーのように正しいエクササイズにユーザを導くスマートフォンアプリ「ReBorn(リボーン)」がリリースされる。
「ReBorn(リボーン)」は、バンド型デバイスFirstVR(ファーストブイアール)と連携するスマートフォンアプリ。
FirstVR(ファーストブイアール)は、筋肉の膨らみを測定し、今まで見えなかったエクササイズ時の筋肉の膨らみを、筋変位センサで捉えられるようになった。この筋肉の膨らみデータに加え、加速度ジャイロセンサによる体の姿勢データをもとに、アプリ「Reborn(リボーン)」がエクササイズを支援する。

【「ReBorn(リボーン)」の特徴】
●特徴1. バンド型デバイスFirstVR(ファーストブイアール)でエクササイズ時の筋肉の膨らみと体の動きを測定
●特徴2. AIトレーナーにトレーニングをチェックしてもらえる
●特徴3. プライベートな空間で誰にも邪魔されず短時間でエクササイズが可能
●特徴4. ショートファスティングに対応したタイマー機能で間食を防ぐ

※FirstVR(ファーストブイアール)について:https://first-vr.com/

なお、「ボディメイキング+賞金で生まれ変わろう!」として、AIエクササイズアプリ「ReBorn」を1ヶ月間(30日間)利用し ボディメイキングに成功された方を対象に、賞金を授与するキャンペーンを行うとのこと。
※キャンペーンサイト:https://reborn.best/

三菱、サーマルダイオード赤外線センサ「MelDIR(メルダー)」の発売

三菱電機(株)は、防犯機器や空調機器、人数カウントソリューション、スマートビルなどの幅広い分野において、人・物の識別や行動把握を高精度に実現するサーマルダイオード赤外線センサ「MelDIR{※1}(メルダー)」を11月1日に発売すると発表した。
この製品は、同社が設計・製造を担当した陸域観測技術衛星2号「だいち2号」{※2}に搭載したサーマルダイオード赤外線センサ技術の活用により、高画素化・高温度分解能化{※3}を実現し、詳細な熱画像を取得できるとのこと。

〔製品の特長〕

1.高画素化・高温度分解能化により、人・物の識別や行動把握を高精度に実現
・「だいち2号」に搭載したサーマルダイオード赤外線センサ技術の活用により、従来比{※4}10倍の高画素化(80×32画素)と、従来比{※4}5倍の高温度分解能化(100mK{※5})による0.1℃単位での温度分析を実現
・高画素化、高温度分解能化により、詳細な熱画像が取得でき、人か物かの識別や人が歩く・走る・手を挙げるなどの行動把握が可能

2.真空封止チップスケールパッケージ技術により、小型化・省スペース化に貢献
・独自開発のチップスケールパッケージ技術{※6}により、これまで真空封止に必要であったセラミックパッケージを用いることなく、真空状態での動作を実現
・新パッケージ技術により、製品サイズを従来比{※4}約80%縮小し、小型化・省スペース化に貢献

※1.Mitsubishi Electric Diode InfraRed sensor
※2.同社が宇宙航空研究開発機構(JAXA)から主契約者として受注・製造した地球観測衛星。2014年5月24日に打ち上げられ、現在、軌道上で運用中。
※3.温度分解能:どれだけ細かい温度差を見分けられるかの指標
※4.市場で一般的に採用されている16×16画素サーモパイルとの比較
※5.mK:ミリケルビン
※6.チップサイズと同程度のサイズのパッケージを実現する技術

〔概要〕
製品名    :MelDIR
型名     :MIR8032A1
画素数    :80×32
温度分解能  :100mK (典型値)
画角     :78°×29°(典型値)
サンプル価格 :8,000円(税抜き)
発売日    :11月1日

ニュースリリース(三菱電機):http://www.mitsubishielectric.co.jp/news/2019/0806.html

サイレックス、低遅延ワイヤレスコンバータ『SC-400ACL』を発表

サイレックス・テクノロジー(株)は、主に産業・医療・測定機器メーカを対象に、当該分野で多く使用されている、RS-422/RS-485、および、Ethernetの省配線化を実現する低遅延ワイヤレスコンバータ「SC-400ACL」を発表した。

従来、産業用途で使われる機器ケーブルをワイヤレス技術で省配線化するには、ワイヤレス規格の制限により発生する、遅延、ジッタ(ゆらぎ)に対して、データ伝送の欠損を抑えながら、安定的に通信を行うことが課題だった。
サイレックスは、自社独自開発のハードウェアとソフトウェアを組み合わせ、遅延・欠損・ジッタの3要素を最適化・低減化するLow Latency Wireless (以下LLW)技術開発に成功した。『SC-400ACL』は、その技術ショーケースとしてRS-422/RS-485シリアル通信に適応することで、配線工事やレイアウト変更等でのケーブル敷設の煩わしさを軽減すると共に運用コストを大幅に削減するという。

■背景―産業用ネットワークの進化
IoTの普及により、工場の製造現場では膨大な数のセンサや製造機器などをネットワークに接続し、リアルタイムで制御することが求められている。これまではリアルタイム性を確保する目的で、PROFIBUSやModbus-RTU、CC-Linkなど、さまざまなフィールドバスが使われてきた。近年では、工場設備やIT/OTシステム間の統合等を目的に、より高速なEthernet/IPやPROFINET、EtherCAT、Modbus-TCPなど産業用Ethernetがシェアを伸ばしている。
しかし、無線接続は有線接続よりもパケットのロスト率が高い上、再送による遅延が発生する。センサやアクチュエータなど入出力デバイスの無線接続では、このパケットロスや再送遅延が課題であり、産業用ネットワークに無線を導入するために、低遅延、低欠損で信頼性の高い無線技術が求められているとのこと。

【SC-400ACLの主な特徴】
■低遅延無線伝送技術 AMC LLW搭載
■産業・医療に組込み実績の多いインテリジェントモジュール「SX-590」を採用
■高速無線LAN規格IEEE 802.11acをサポート。短時間でのデータ伝送を可能にする
■通信インタフェースとしてRS-422/RS-485、および、有線LANをサポート
■ディップスイッチ切り替えによる簡単な無線設定変更

プレスリリース(サイレックス):https://www.silex.jp/doc/PR190805_vol224_SC-400ACL.pdf

センサを利用したスマート農業の現状と今後の動向(1)

三重大学
大学院生物資源学研究科
教授 亀岡 孝治

1.はじめに

データ駆動型アナログ社会(デジタル社会)が深化する中で,地域振興の核となる「スマート農業(デジタル農業)」を起点とする「食・農エコシステム」の構築が求められている。弱者のツールとして情報通信技術(ICT)をとらえ,「儲かる農業」を起点とする,美味しい食を消費者まで繋ぐ理想の「食・農エコシステム」を実現させたいものである。ここでは,圃場ベースの「スマート農業」を中心にその過去・未来について概説した。

2.精密農業からスマート農業へ

2.1 農業における計測と制御

農作物の生育環境計測は可能であるが,制御は不可能である。一方,対象農作物の荒っぽい制御は可能であるが,草丈などの簡単な計測を除けば植物生理・機能などの複雑な計測は極めて難しい。そこで,生育環境制御が可能な施設栽培(植物工場)が登場する。
植物工場は,「完全人工光型」と「太陽光利用型」に大別される。「完全人工光型植物工場」では,太陽光に比べて遙かに小さい人工光量の制約から,栽培農作物はほとんど葉菜類に限定されているが,栽培法の工夫により野菜中のミネラル成分(例えばK)の制御などが可能となる。植物工場では培地・養液栽培,EC(電気伝導度)センサとpHセンサによる生育環境制御で,最適生育環境制御に加え農作物の糖度の制御などが容易になっている。
生育環境制御が必須の植物工場ではセンサが多用されるが,露地栽培でも,近年,生育環境計測に同様のセンサが用いられる。

2.2 精密農業(PA:Precision Agriculture)1)

欧米の大規模圃場を対象に,圃場環境(土壌,雑草など)をトラクター,GPS,衛星リモートセンシングなどを用いて精密に地図情報化し,最終的に農作物の最大収量を実現する農業システムとして1980年代にPAが登場した。現在のEUのPAは「環境への影響を潜在的に削減する一方で,技術投入に対するリターンを最適化する」という目標を達成するために,すべての圃場を対象に,現在の栽培体系のなかで量よりも質の改善を可能にする「センサなどを通して収集された生産に関するデータを基に効率的な生産を目指す」農業システムと定義される。

2.3 スマート農業 1)

日本では,圃場への様々なセンサ導入を目的とする研究開発プロジェクトが世界に先駆けて1997年から2005年まで実施された。この中で,2001年に世界初の農業用センサネットワークであるフィールドサーバ(FS)が開発されるなど,世界をリードする形で「スマート農業」の要素技術が開発された。
EUでは2011年から5年計画の農業分野を含むFI-PPP(Future Internet Public-Private Partnership)プログラムが実施された。その特徴は,「スマート農業」などの実証に必要な,次世代インターネット技術のアプリケーション開発/普及を支えるソフトウェアモジュールの集合体(データ管理,IoTデバイス管理,ビッグデータ分析機能などの基盤ソフトウェア)の分野共通の研究開発を行うFIWAREにある。FI-PPPでは,EUのPAは,「ICTを核とし消費者起点(マーケットイン)で,生産だけでなく経営や市況などあらゆるデータを基に,農業全体(生産・輸送・販売)の効率化を目指す農業でPAもその一部に含まれる」と定義される「スマート農業」に発展的に移行している。さらに現在は,2017年に開始されたIoF(Internet of Food and Farm)2020によるスマート農業起点のフードシステムの実証実験が始まっている。
日本では,2006年以降,前プロジェクトを引き継ぐ農業ICTプロジェクトはしばらく実施されず,2014年のSIPプロジェクトでようやく大規模稲作圃場を主たる対象とする本格的な「スマート農業」プロジェクトが開始され,2019年現在では,SIPの第2フェースとして,EUを後追いする形で「スマート農業」を起点とするフードシステムを対象とするプロジェクトが開始されている。

次週に続く-

参考文献

1) 農業情報学会編(2019):新スマート農業 -進化する農業情報利用-,農林統計出版

【著者略歴】
亀岡 孝治(かめおか たかはる)
1978年,東京大学農学部農業工学科卒業
1980年,同大学院農学系研究科修士課程(農業工学専門課程)修了
1984年,同大学院農学系研究科博士課程修了(農学博士)
1984年,カナダ国サスカチュワン大学工学部農業工学科博士研究員を経て,
1985年,三重大学農学部助手
1988年,三重大学生物資源学部助教授,1998年,教授
研究テーマは、農業ITと農作物・農産物の品質同定のための色彩画像処理とFTIR/ATR法による分光解析
2001年 3月 スウェーデン王国ルンド大学 ケミカルセンター客員教授(10ヶ月)
2004年から2007年まで,理事・副学長(情報・国際交流担当)図書館長、国際交流センター長
2007年から現在,三重大学大学院生物資源学研究科教授
現在の研究テーマは、圃場における農業IoT、農産物・食品・調理におけるマルチ分光センシングの応用。デジタル農業を起点とする食・農エコシステムなど
現在、農業情報学会副会長、一般社団法人ALFAE代表理事
2005年に「農業情報学会顕彰学術賞」、2015年に「農業情報学会功績賞」
2018年に「農作物・農産物のマルチ分光計測」の功績に対して日本農業工学会賞

農業用センサ製品解説「農業AIブレーン e-kakashi」

製品名
「農業AIブレーン e-kakashi」  ソフトバンク株式会社

e-kakashiは農業現場向けのIoTソリューションであり、栽培環境の見える化、さらには計測データと栽培技術、植物生理に関する科学的知見の融合によって植物目線での栽培ナビゲーションを実現する製品である。

社会的背景
近年、わが国では農業従事者の高齢化と後継者不足が深刻な問題になっている。総務省の統計によれば、農業就業人口は昭和60年から平成17年、平成29年にかけて636万人から335万人、182万人と連続して減少しており、しかも60歳以上の高齢者が占める割合は79%(平成29年)に達している。日本は世界有数の農業技術を有する国であるが、これは農業機械の発展のみならず、優れた技術を持つ篤農家の存在が大きい。しかし、担い手不足の問題が進む今日では農業技術の伝承が難しい状況にあり、近い将来における農業技術の低下、消失が懸念されている。こうした中で今日では、優れた農業技術を保存し、さらに次世代に継承していくための技術開発が急務となっている。

環境データの計測
e-kakashiのデバイスは、センサノード、ゲートウェイ、各種環境センサで構成される。いずれも日立製作所謹製の製品であり、厳しい品質管理を通した頑健なつくりとなっている。また、屋外対応での利用に対応しており、露地栽培と施設栽培のどちらでも利用できる。これらのデバイスはすべてクラウドで動作監視をしており、機器の自動異常検知などにも対応している。
センサノードは、各種環境センサが計測した環境情報を収集する装置である。電源は、内蔵バッテリーと商用電源のいずれかを選択可能であり、商用電源が確保できないほ場でも利用できる。バッテリー駆動の場合でも、最長3年程度(利用環境による)はバッテリー交換が不要な省電力設計である。なお、執筆現在では、温度、相対湿度、日射、土壌温度/水分/EC、水温、CO2濃度などを計測する環境センサに対応している。環境計測に適した箇所は作物や栽培体系によって異なり、その設計には専門的知識が必要となるが、e-kakashi では設置支援などのサービスも提供している。
ゲートウェイは、センサノードから受信した環境情報をクラウドサーバーに転送する装置である。センサノードとは920MHzの無線通信に、クラウドサーバーとは3G/4Gの無線通信にそれぞれ対応している。

ekレシピと栽培ナビゲーション
多くの農業者が求めているのは、単なる環境の見える化ではなく、カーナビのようにこれまでの栽培環境、そして近未来の栽培環境の予測をもとに、高糖度や高収量といった目的を達成するための最適経路を示唆してくれる意思決定支援システムではないだろうか。
そこで開発されたのが、「ekレシピ」という機能である。ekレシピには、ある作物を育てる上での最適な栽培環境や栽培工程が体系的にまとめられている。ekレシピは、いわゆるビッグデータ的なアプローチによって生成されるものではなく、篤農家や指導員の経験や勘、そしてそれらを裏付ける植物生理学的な根拠に基づいて記述される。産地独特の環境特性を鑑みた栽培方法、あるいは同じ産地でも糖度や収量、果実の大きさなど目的に違いがある場合には、その部分を調整してレシピを記述する。このekレシピと環境データ、そして近未来の気象予測データが組み合わせることで、e-kakashiの栽培ナビゲーションが実現され、栽培に関する技術習得の支援や植物管理におけるリスクヘッジに貢献する。
また、e-kakashiのアプリケーションは分析ツールも備えており、環境データに対して様々な集計処理、統計処理を加えることで、ekレシピの材料となる知見の構築が簡単に行える。

導入事例
執筆時点で、国内外の約500箇所にe-kakashiが導入されている。詳しい利用事例については、下記リンクをご参照。
●福岡県宗像市 https://www.softbank.jp/biz/case/list/munakatashi/
●京都府与謝野町 https://www.softbank.jp/biz/case/list/yosanocho/
●静岡県川根本町 https://www.softbank.jp/sbnews/entry/20190701_01
●コロンビア https://blog.e-kakashi.com/case/details09

参考リンク
総務省統計局、日本の統計2009
http://www.stat.go.jp/data/nihon/back09/index.html(最終アクセス日: 2019年7月11日)
総務省統計局、日本の統計2019
http://www.stat.go.jp/data/nihon/index2.html(最終アクセス日: 2019年7月11日)

応用範囲
●スマート農業
●施設栽培
●露地栽培
●植物工場

主な仕様

ゲートウェイ センサーノード
基本機能 無線通信機能
・920M 無線通信 IEEE802.15.4g/e
・3G/4G 無線通信 FDD-LTE/AXGP/HSPA/W-CDMA
位置情報取得(GPS)
計測データの測定
計測データの保持
状態モニタリング
位置情報取得(GPS)
電源 AC 給電:AC100/200V リチウム電池(一次電池)
AC 給電:AC100/200V
※オプションセンサ使用時は、AC給電とする。
電池寿命(参考値) 計測周期10分:3年
※使用条件により異なる
動作環境 温度:-10~60℃
湿度:20~90%RH ※結露なきこと
温度:-20~60℃
湿度:5~95%RH ※結露なきこと
使用条件 屋外(IP55 以上)※塩害、温泉地域を除く 屋外(IP55 以上)※塩害、温泉地域を除く
外形寸法 196mm×196mm×68mm ※突起部除く 196mm×196mm×68mm ※突起部除く
質量 0.8kg 以下 1.0kg 以下
消費電力 10.0W 以下 2.0W 以下

問合せ先
ソフトバンク株式会社 e-kakashi推進課 sc@e-kakashi.com
e-kakashi公式サイト https://www.e-kakashi.com/

農業用センサ製品解説「農業ITプラットフォーム みどりクラウド」

製品名
「農業ITプラットフォーム みどりクラウド」
株式会社セラク みどりクラウド事業部

みどりボックス・みどりモニタ

みどりクラウドは、これまで勘と経験で行われてきた農業のデータ化を行うことにより、農業の可視化、農業生産の機械化、AI・機械学習を活用した生産技術の向上、付加価値の高いフードバリューチェーンを実現する農業ITプラットフォームである。その中で「みどりボックス」・「みどりモニタ」は圃場の環境を計測・撮影することでデータ化を行い、そのデータを可視化する役割を担っている。

みどりボックス

みどりボックスは通信ゲートウェイとセンサを備えたIoTデバイスであり、2分おきに圃場環境を計測し、そのデータをクラウドに送信する。センサは有線(RS-485ベース)、もしくは無線(プライベートLoRa)にて、最大で1台のボックスに36個のセンサを接続することができる。(有線で接続した場合は最大50m、無線接続の場合は最大500m離れたところを計測可能)ボックスに集約されたデータは3G回線、もしくはWi-Fi回線にてクラウドに送信される。
計測可能な項目は、温度・湿度・日射量・土壌水分・CO2濃度・土壌EC・養液pH・風向風速・水位であり、そのほか、カメラによって静止画の撮影を行う。農業生産を最大化するためには光合成に最適な環境を作り出すことが不可欠であり、これらの項目を計測し可視化することが、光合成により適した栽培環境を作り出すことにつながる。

・利用可能なセンサ

温湿度センサ
温度精度±0.3℃、湿度精度±2%RHのチップを採用。センサチップはバンドギャップ式温度センサと静電容量式湿度センサを内蔵し、同一ポイントで温度と湿度を計測、表面には防塵防水カバーを備え付けることで悪条件下にも耐え得る性能としている。

温度センサ
誤差1%程度の高精度のサーミスタ。作物により測定すべき箇所が異なるため、測定項目を温度のみに特化し、耐水性を向上させることで気温だけでなく、培地温度や養液の水温も測定可能。

日射量センサ
可視光領域から近赤外光領域の領域に感度を持つフォトダイオード(400 ~ 1100 nm)を採用し、光の強度を測定。実際の太陽光はさらに幅の広い領域であるため、測定可能領域から太陽光の強度を算出している。日射量センサは屋外の設置も想定されるため、耐塵・耐水性能を有する。

土壌センサ
株式会社A・R・P製の土壌センサを採用。土壌中の水分量・温度・電気伝導度の3項目を測定可能としており、潅水の目安や施肥管理に利用されている。

CO2センサ
非分散型赤外吸収法によって測定された空気中のCO2の体積混合比を測定。光合成速度と強い相関を持つCO2濃度を把握し、適切な管理を行うことで植物の生育を最大化することに利用される。

風向風速センサ
超音波式で風向、および、風速を計測。風の状態に合わせた施設管理を行うことによって、品質の向上や安定した生産に役立てることができる。

水位センサ
水圧をもとに水位を計測することができる投げ込み式水位センサ。遠隔から水位を確認することができるようになることで、水位管理の見回りにかかる労力を削減することができる。

静止画カメラ
120万画素のWEBカメラにて撮影を行う。静止画撮影は、制御機器の動作監視や植物体の生長記録、圃場内の監視などに利用されている。

センサ類 測定項目 測定範囲 精度 測定最小分解能
温湿度センサ 温度 -20~60 ℃ ±0.5 ℃ 0.1 ℃
湿度 0~100 %RH ±2.0 %RH 0.1 %RH
温度センサ 温度 -20~60 ℃ ±1.0 ℃ 0.1 ℃
日射量センサ 日射量 0~1100 W/m2 ±3 % rdg. 1 W/m2
土壌センサ 体積含水率 0~100 %VWC ±5 %VWC F.S. 0.1 %VWC
温度 -10~50 ℃ ±1.0℃ 0.1 ℃
電気伝導度 0~7000 μS/cm ±5 % F.S. 10 μS/cm
CO2センサ CO2体積混合比 0~5000 ppm ±30 ppm ±3% rdg. 10 ppm
風向風速センサ 風速 0.0~40.0 m/s ±1.0 m/s 0.1 m/s
風向 0~359° ±5°
水位センサ 水位 0~1000 mm ±5 mm 1 mm

・制御機能

みどりボックスには三基計装株式会社の複合環境制御盤「ふくごう君」を接続することができる。「ふくごう君」は自動で環境制御を行う装置であるが、みどりボックスと接続することで、遠隔からその設定を確認、変更することができるようになる。施設園芸における環境管理にかかる工数は全体の30%にも及ぶが、この機能により、その省力化を実現することができる。

みどりモニタ

みどりボックスで収集したデータは、クラウドに蓄積され、そのデータをみどりモニタ(PC・スマートフォン・ガラケーに対応)にて確認することができる。みどりモニタでは、各計測項目の現在値、前日、および、前々日の最大値・平均値・最低値を確認することができる。また、1時間~1年間の各項目の推移をグラフで確認することができる。計測データの他に、計測値をもとに算出した有効積算温度・低温積算温度・日照時間や、気象庁が提供している全国を5kmメッシュに区切った気象予報データ(気温・雨量・雲量・風向・風速)を提供している。こうしたデータにより、適切な作業タイミングや収穫時期の予測、将来の環境を予測することに活用することができる。
各項目には上限・下限の閾値を設定し、その閾値を超えた場合に警報を通知する警報機能が備わっており、圃場が異常な環境になった場合にすぐに把握することができる。こうした機能により、農業生産におけるリスクを回避することができる。
みどりモニタのデータは承認しあった他の生産者と共有することができる。例えば、生産技術の高い生産者と新規就農者が共にみどりモニタを利用し、そのデータを比べることで新規就農者の技術力の底上げに活用することができる。

データの活用

みどりボックスにて収集されたデータは、統計やAI・機械学習を用いて分析することで、生産性の向上やより安定した農業経営に活用することができると考えられる。 当社では、立体画像を取得可能に改良したみどりボックスを利用し、植物体の草丈を自動的に計測し、その草丈と環境データから収穫時期の予測を実現する試みを行った。画像内の植物体のみを抽出するため、緑色に近い色を対象ピクセルとして抽出を行い、カメラから一定範囲内の奥行きにある対象ピクセルを植物体として、その他のピクセルを黒色へと加工した。こうして加工された画像をもとに植物体の高さを算出し、実際に目視で測定した結果を比較したところ、高い一致性を示した。現時点では草丈を自動的に計測するところまで実現したのみであるが、将来的には、こうしたデータとみどりボックスにて計測する環境データから、収穫時期を予測することができるのではないかと考えている。

問い合わせ先
株式会社セラク みどりクラウド事業部
TEL:03-6851-4831 FAX:03-6851-4832
e-mail: info@midori-cloud.net
https://info.midori-cloud.net

農業用センサ製品解説「農業の未来へ貢献するITセンサ MIHARAS(ミハラス)」

製品名
「農業の未来へ貢献するITセンサ MIHARAS(ミハラス)」
ニシム電子工業株式会社

農業向けITセンサ「MIHARAS」(ミハラス)は、各種センサ端末とデータ収集装置、クラウドシステムにより、圃場環境の「見える化」を実施して、農業の「省力化」や「生産性向上」に貢献するセンサシステムである。
センサ端末については、用途に合わせ、水位や地温、EC(電気伝導度)、土壌含水率、気象情報など計測ができる。計測データは、ユーザー所有のパソコンやタブレット、スマートフォンを使ってリアルタイムで遠隔監視が可能となっている。

【システム構成】

【特徴】
農業向けITセンサ「MIHARAS(ミハラス)」の主な特徴は次の3つ。
①低コストでシステム導入が可能
これまで、高価であった水位センサを自社開発することで低コスト化を実現した。また、データ収集装置とセンサ端末間は、特定小電力無線(920MHz帯)の採用により、通信費が不要となりランニングコストを抑制できる。
②長距離通信で、広範囲・大規模圃場の監視が可能
データ収集装置とセンサ端末間の無線通信は、距離5km以上の通信を行なうことが可能である。また、データ収集装置1台に対し、最大100台のセンサ端末を接続する。
③設置が容易
センサ端末は保管性、可搬性を考慮し、細型、軽量設計(質量2.5kg以下)とした。また、乾電池で動作する為、商用電源を不要とし、設置方法も、付属品の杭を打ち、杭にセンサ端末を固定するだけで容易に設置できる。

【主な仕様】

【優位性】
スマート農業の普及には、機器の低コスト化が一つの鍵となっており、センサの低コスト化を実現するためには、出来る限りの部品を農業用途に合わせて自社開発する必要があった。水位センサは、1mm単位の分解能と、0~30cmの測定範囲に仕様を絞ったことで、水田用MIHARASのコストダウンに大きく貢献している。また、MIHARASのデザインにも意味がある。水稲のシーズンは台風が多く、出来るだけ風の影響を受けにくいポール形状とし、動物が配線をかじるなどの被害を無くすために配線も全てポールの中に納めた。
さらに、特定小電力無線(920MHz帯)での無線通信部分に関しては、長距離通信の特徴と併せ、データの欠測を無くすために独自の伝送方式を開発した。

【応用】
農業以外の分野でも、センサと無線技術を活用した遠隔環境モニタリングを望む声がある。農業向けにとどまらず、水産業や林業分野への応用や土木・建築分野などへの展開を推進していく。

【今後の展開】
農業における課題は、農業従事者の減少とその高齢化であり、今後、農業のIT化は急速に拡大することが予想される。
従って、圃場の「見える化」にとどまらず、遠隔で制御したいというお客様の声にもお応えするため、当社が培った高度な制御技術を適用することにより、更なる省力化や生産性向上につなげ、お客さまとともに、「魅力のある農業」の実現に向けて、MIHARASをはじめとするソリューションでスマート農業の加速化に貢献していく。

【問合せ先】
ニシム電子工業株式会社
TEL:092-482-4700
https://www.nishimu-products.jp/miharas

農業用センサ製品解説「スマート農業用IoT土壌センサMJ1011」

製品名
「スマート農業用IoT土壌センサMJ1011」 ラピスセミコンダクタ株式会社

地中のリアルタイムモニタリングを実現

農業分野においてもIoT化が進展している中、収量や品質向上を目的として、様々な環境情報の見える化を実現する機器導入が始まっている。最近では気温や湿度など、地上の環境情報を計測できるようになってきているが、今後は地中の情報についても見える化のニーズは高まるのではないかと考えられる。
ロームグループのラピスセミコンダクタは、土壌の指標であるEC(電気伝導度)、PH(酸性度)、地温の各センサを集積化した一体型の土壌センサ「MJ1011」を開発した。また、このセンサを活用したソリューションとして、環境モニタリングシステム「フィールドスキャンシステム®」、ワイヤレスハンディメータ「MJ8973」もラインアップしており、これらを活用することで地中の情報をリアルタイムに取得できるようになる。

土壌センサMJ1011は、ラピスセミコンダクタの半導体技術をベースにした一体型のセンサであり、ISFETなどチップから内製化できる強みを活かして、小型で低消費電力を実現、加えてコンパクトで使い易いデザイン(図1)を特徴としている。機能としては土壌の基本情報であるEC、PH、地温を計測することで、営農管理、施肥設計等のデータとして利用可能にする。防水性能は土耕、水耕など各種栽培方法に対応できるようIP67に対応している。

図1

また大規模圃場や山間地での利用も見据え、小型ソーラー等の自立電源で利用できるように、消費電力は計測時20mA、待機時27μAと低く抑えている。さらに、実際の露地などの現場では、圃場内での電源確保や配線の引き回しが難しいと言われているため、半導体による低消費電力・小型化技術だけでなく、無線、マイコン、センサを集積したIoT化技術も組み込んでいる。ここで表1にMJ1011の製品スペックを示す。

表1

本センサの具体的な使用方法としては、一般的には根の深さに相当する15cm程度の土壌中に埋設して使用するケースが多い。センサを設置後、灌水しても安定化できる施工を行なっており、土壌中にセンサを埋設したまま使用できるため、リアルタイムの測定データを取得することができる。

次にMJ1011を使った土壌環境モニタリングシステムである「フィールドスキャンシステム®」について説明する。
図2にシステム構成例を示す。機器は管理棟に設置するゲートウエイと圃場に設置するコンセントレータ(中継機)、エンドポイントで構成される。圃場に設置された複数のエンドポイントには土壌センサを接続しており、取得した測定データはサブギガ帯の長距離無線によりコンセントレータまで伝送される。このとき電源はソーラーパネルを用いるため電源の確保は不要である。

図2

本システムの無線方式では、見通しが良ければ500m程度の通信が可能なため、複数の大規模圃場をカバーできる。また、土壌センサの測定データは15分ごとに自動的に収集され、無線でコンセントレータを介して、ゲートウエイからクラウドに上げられる。このように、本システムを使うことにより、ユーザーはいつでもどこでも、手元のスマホやタブレット、PCで各圃場の土壌データを確認することができる。

最後にワイヤレスハンディメータMJ8973について紹介する。本製品は「お手軽に」「低コストで」土壌モニタリングを行いたいユーザーに向け開発した製品で、土壌センサMJ1011を接続してデータロギングを行う機器である。製品スペックを表2に示す。ハンディメータで取得したデータはBluetooth経由でスマホに送信され、スマホアプリでデータを管理する(図3)。

表2
図3

このようにラピスセミコンダクタはスマート農業に向け、土壌センサを中心にしたソリューション製品を提供している。栽培規模の大小から、栽培方式も露地や施設、植物工場など様々な事例に適用可能なため、興味があれば是非下記までお問い合わせいただきたい。

問合せ先
ラピスセミコンダクタ株式会社
〒222-8575 神奈川県横浜市港北区新横浜2-4-8
電話:045-476-9212
問合せ先:
https://www.lapis-semi.com/ssl/jp/others-mailform.html
ホームページ:
http://www.lapis-semi.com/jp/solution/soilsensor/

機械工学分野の最新動向、技術トレンドがわかる『機械工学年鑑2019』公開

(一社)日本機械学会は機械工学に関連する前年度の研究および産業の動向・トレンドをまとめた『機械工学年鑑2019』を2019年8月5日(月)に公開した。

『機械工学年鑑』は、過去一年間の機械工業の改善・進歩をまとめた報告書として昭和9(1934)年に創刊され、日本機械学会誌特集や会員限定電子コンテンツなど媒体を変えながら、これまで発行されてきた。
『機械工学年鑑2019』では、26分野の専門家約200名が、機械工業の統計資料を含む産業動向や技術トレンドから国内・国際会議で発表された研究動向まで、関連分野の文献を網羅して解説している。
なお、これまでは会員限定の電子コンテンツとしていたが、『機械工学年鑑2019』は本会会員に限定せず、広く活用してもらうことを目的にフリーアクセスとしたとのこと。

『機械工学年鑑2019』では、
AI,IoTの活用/ディープラーニングによる外観検査/ヒューマンインタフェース・感性設計/ソフトマテリアル/機械学習・深層学習の活用/資源循環・廃棄物処理技術/機能安全/micro- Additive Manufacturing/新技術の社会受容/医工学ベンチャーワークショップ、
など26の章にわたって、機械産業・機械工学の動向を解説しているという。(A4換算約140ページ)

『機械工学年鑑2019』サイト: https://www.jsme.or.jp/kikainenkan2019/

江の島周辺の公道で「自動運転バスの実証実験」(8/21~8/30)実施

小田急グループの江ノ島電鉄(株)およびソフトバンクグループのSBドライブ(株)は、神奈川県と連携して、2019年8月21日(水)から30日(金)まで、江の島周辺の公道において、自動運転バスの実証実験を実施すると発表した。(画像は昨年度実施時の様子)

この実証実験は、神奈川県が取り組む「ロボット共生社会推進事業」と、小田急グループが目指す自動運転バスの実用化に向けた取り組みとして、昨年に引き続き実施するもの。セーリングワールドカップシリーズ江の島大会に合わせて、8月26日(月)からは一般の人に試乗して貰うことで(無料・事前申込制)、技術面に加えてサービス面での検証を行うという。

今回の実証実験では、車両が信号情報を取得して走行するほか、交差点に設置したセンサによって対向車の有無を確認して右折するなど、昨年より高度な技術検証を行う。また、車両に車掌が同乗して、試乗者の乗降の補助や乗車時の本人確認、車内外の安全確認を行うなど、自動運転バスの実用化に向けて、技術面以外の必要なサービスについても検証するとしている。

◎「自動運転バスの実証実験」の詳細
1 日程
2019年8月21日(水)~30日(金)の平日
※ 一般試乗:8月26日(月)~30日(金)
※ 天候・災害などの理由により、中止になる場合あり

2 運行ルート
「県立湘南海岸公園中部バス駐車場」(臨時バス停)~「湘南港桟橋バス停」
 往復約4km(片道約2km)

3 運行時間
10:00~16:00(往復5便)

4 内容
一般車両や自転車、歩行者が行き交う環境での自動運転バスの走行検証および技術面以外の自動運転バスに必要なサービスの検証

5 使用車両
小型バス日野ポンチョをベースにした自動運転車両(定員8名)
※ 自動運転レベル3(限定条件の下で、システムが全ての運転タスクを実施し、システムの要請などに応じてドライバーが適切に対応)相当で走行

6 乗車方法
一般試乗には事前予約が必要。
8月5日(月)10時から8月20日(火)15時まで、以下のサイトにて先着順で受付(募集人数400名)。乗車料金は無料。
<予約サイト>https://buscatch.jp/dtod/enoshima.php

プレスリリース:
https://www.odakyu.jp/news/o5oaa1000001lhjy-att/o5oaa1000001lhk5.pdf