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カメラベースのライフセーバー:車両による乗員のモニター・見守りをボッシュが支援

人工知能(AI)により安全性と利便性を向上
〇車室内モニタリングシステムがドライバーの眠気や不注意を検知し、走行を支援
〇ボッシュが開発する、自動運転に向けた車両とドライバーの新たな共生・相互システム
〇ドライバーに眠気や不注意を警告するなどの新たな安全技術により欧州では今後約20年間で2万5,000人の命が救われる見込み

マイクロスリープや注意散漫、シートベルトの非着用など、車内での出来事が重大な事態につながる可能性がある。危機的な運転状況を回避し、時には事故を防止するために、車両のセンサは将来的には道路だけでなく、ドライバーや乗員をモニターするためにも使用されると考えられる。こうしたニーズに対応するため、ボッシュでは、カメラと人工知能(AI)を備えた新しい車室内モニタリングシステムを開発したとのこと。

欧州では、2022年以降に発売される新車に対して、眠気や不注意をドライバーに警告するなどの安全技術が標準的な装備となる予定とされている。ボッシュが開発する本システムも、2022年に生産段階に入ることを見込んでいる。なお、欧州委員会では、新たな安全基準の導入により、2038年までに2万5,000人以上の死亡者と14万人を超える重傷者の発生を防止できると見込んでいる。車内で起きていることをモニターすることで、自動運転車両の根本的な問題の一つが解決されることが期待されているという。

ニュースリリースサイト(BOSCH): https://www.bosch.co.jp/press/group-1912-03/

視覚を超えた機能:ボッシュが実現する次世代スマートグラス

スマートグラス向けの革新的なLight Drive システムが、透過型、軽量かつスタイリッシュなユーザー体験を提供。
〔Bosch Smartglasses Light Drive〕
〇世界初、昼夜を問わず使用可能な透過型スマートグラス ソリューション
〇市場最小の Light Driveで奥行を30%削減
〇重量10g以下の高効率、軽量システム
〇直射日光下でも鮮明で明るい画像
〇すぐに使えるLight Drive ディスプレイソリューション

ボッシュ・センサーテックは、ネバダ州ラスベガスで開催されるCES2020において、スマートグラス向けの革新的なオプティカル Light Drive システムを初公開すると発表した。ボッシュのスマートグラス向け Light Drive モジュールは、MEMS ミラー、光学部品、センサ、オンボード処理を搭載したシングルソース、オールインワンのテクノロジースタック。この統合型ソリューションが、直射日光の下でも鮮明でクリアな画像を表示するという。

ボッシュ・センサーテックの革新的なLight Drive テクノロジーは、網膜に画像を直接投影することで、ユーザーにプライバシーを確保しながらクリアな画像を提供するとともに、昼夜を問わず着用することを可能とする。さらに、現在開発中の統合パッケージを利用することで、ウェーブガイドシステムのパフォーマンスの最適化も可能になる。

スマートグラス技術の採用を阻害する、目立つディスプレイや統合型カメラは必要無く、製品デザイナーが抱えている、従来の大きく扱いにくいといったスマートグラスの課題をも解決。初のターンキーシステムによって、小型化、軽量化に加え、よりスタイリッシュなスマートグラスのデザインが可能になり、高画質と快適性の両方を求めるユーザーのニーズを満たす。この小型モジュールは、視力矯正眼鏡のユーザーにとっても画期的で、10人中6人が毎日視力矯正レンズを使用している(1)ことから大きな市場になると見ているとのこと。

(1) “How Many People in the World Wear Glasses?”. URL: https://www.reference.com/world-view/many-people-world-wear-glasses-e1268cfa00bdbd41 [05.11.2019].

ニュースリリースサイト(BOSCH): https://www.bosch.co.jp/press/group-1912-02/

センサ技術は何を変えたか? 未来に向かって何を変えるのか?(2)

(公財)野口研究所 学術顧問
柴﨑 一郎

§3 ハイブリッドホールIC

高感度磁気センサは薄膜ホール素子だけでは終わらなかった。更に、応用を拡げる事も、拡げやすくすることも必要であり、回路技術との組み合わせ、即ち、集積回路と磁気センサのハイブリッド集積による新規磁気センサ機能の実現も求められた。

3.1 デジタル出力のハイブリッドホールIC
1980年代初頭、当時のハードデスクドライブのモータに使う磁気センサはSiの集積回路で製作された磁界をON-OFF検出するホールICが使われていた。SiのモノリシックホールICは、電子移動度の小さい(InSb薄膜の1/50~1/60程度)Siのn型導電層のホール素子を使うので、感度の低い物しか市販されておらず、ホール素子と比較して一桁以上高価格であった。この為、ハードデスクの普及のために、低価格で供給できる高感度のデジタル磁気センサ、ホールICが求められた。こうしたニーズに応えるために、筆者らは、磁気センサである高感度InSb薄膜ホール素子とSiの集積回路(IC)増幅器を組み合わせ、1パッケージで集積化したハイブリッドホールICを実用化した。Fig.6はハイブリッドホールICの写真である。(a)は市販の樹脂パケージ製品、(b)はSi集積回路(IC)増幅器と高感度InSb膜ホール素子がワイヤー接続された写真である。この最初に開発されたハイブリッドホールICは、磁界の検出―非検出に対応して、ヒステリシスループを有し、駆動電源電圧レベルの増幅されたON-OFF信号が得られるデジタル磁気センサである。市販品では、増幅出力は、駆動電圧によるが6~24V程度あり、増幅された大きなセンサ出力は、電磁ノイズの大きい家電製品やエアコンや家電製品駆動用パワーモータの回転検出には極めて好都合であった。

Fig.6 ハイブリッドホールIC、(a)樹脂パケージ製品、
(b)Si集積回路チップと高感度InSb膜ホール素子がワイヤー接続された写真

このハイブリッドホールICは、磁気センサとして、非接触スイッチ、非接触センサとしてホール素子応用を大きく拡げた。更に、センサと集積回路のハイブリッド集積の有効性を示した例でもあった。

3.2 リニア―出力のハイブリッドホールIC
薄膜ホール素子とSiの集積回路との組み合わせによる磁気センサの高度化は、デジタル磁気センサに留まらなかった。更に、磁界比例の増幅出力が得られるハイブリッドホールIC(LHHICと略記)も開発されている。LHHICの磁気センサ出力は、駆動電圧の中点を起点とした、検出磁界に比例するレシオメトリックに設計されている。Fig.7には、磁気センサとしてInAs量子井戸(DQW)ホール素子を使ったLHHICの例が示されている。Fig.7の左上は、パッケージされた磁気センサとSiのリニアアンプのイメージで、左下の写真は、実際のパッケージ製品である。中央は、InAsDQWホール素子のチップとSiの集積回路チップ(リニア増幅器)がワイヤー接続された写真である。右上の図は、回路イメージである。リニアハイブリッドホールICの応用は、各種の非接触センサの他、非接触電流検出センサ等に広く使われる。

Fig.6 リニアハイブリッドホールIC、パッケージされたホール素子とSiのリニアアンプのイメージ(左上)、製品(左下写真)、InAsDQWホール素子のチップとSiの集積回路チップ(リニア増幅器)がワイヤー接続された写真(中央)、回路図のイメージ(右上の図)

§4 高感度薄膜ホール素子の応用と未来

高感度薄膜ホール素子は、モータ応用と共に、非接触センサ、非接触スイッチとして、また、非接触の電流センサ等に広く使われており、快適な社会生活と地球環境を守る省電力化等にいまや大きく貢献している。以下、応用を紹介する。
高感度薄膜ホール素子の最初の大きな応用は、【角速度が自由に可変制御できる超小型電子制御モータ、ホールモータを実現】である。そして、ホールモータはPCやVTR等の駆動に応用された。現在は、PC等の駆動に使われる超小型モータ、所謂マイクロモータ分野のみでなく、我々の身の回りで、家電製品やエアコンなどの駆動のパワーモータにも今や広く使われている。車載のセンサも大きな応用分野である。Fig.8は、PCやVTRカメラ、自動車等、戦後日本人が描いた豊かな社会生活の夢を叶えた良く知られた製品の例である。

Fig.8 身の回りで使われる高感度薄膜ホール素子の応用例

ところで、ホールモータは、回転子の電力消費や角速度制御によりブレーキロスの無い、本質的な省エネルギーモータである。国内の総発電量の50%以上は、動力モータが消費している。モータの省電力による発電所のCO2排出や放射性廃棄物の削減は、環境負荷低減上極めて重要である。この為、家電製品やエアコン等の駆動モータのホールモータ化やインバータ駆動による省電力化が急速に進んでいる。特に、動力モータの省電力駆動に広く使われるインバータには、ホール素子を使う非接触電流センサが必須である。

高感度薄膜ホール素子は、最大のモータ応用の他、電力分野の計測でも必須の非接触電流センサ、更に、非接触スイッチ、非接触センサ、普通車は勿論、HV、EV等の車載センサ等にも多数使われる。Fig.9には、高感度薄膜ホール素子の応用の年次推移の一部を示した。1997年以来、30年以上にわたり、毎年10億個を超えて使われてきた。2017年には史上最高の16億個、開発以来の累積では350億個を超えて使われ、応用は今も拡がる。

Fig.9 高感度薄膜ホール素子の応用の分野別年次推移

こうした事から、2014年、社会貢献の大きい電気技術を顕彰する、電気学会第7回「でんきの礎」顕彰では「電子制御モータを生んだ高感度InSb薄膜ホール素子」として顕彰された。
この顕彰は、磁気センサが、動力技術のイノベーションに貢献し、人類社会のライフスタイルの変革、進歩に貢献した証である。それだけではなく、21世紀の中葉、未来へ向けた磁気センサへの更なる期待のメッセージである。

§5 まとめと未来への期待

21世紀は、世に言うAI、IoT時代である。高感度InSb薄膜ホール素子は、未来に向けて、磁気を利用した超小型の非接触センサを自由に使える時代を招来した。開発以来、VTRやPC等、時代を象徴する映像、電子情報産業の発展と普及、インターネットに象徴される豊かな情報化社会の実現を支援し、今も続く。

以上述べたような高感度薄膜ホール素子の研究開発は、強力な志と粘りで、多くの曲折と困難を乗り越え実用化する迄頑張ることが必要であった。キーワードは、
①先輩がやらなかったこともやる、
②学会の話題にない事にもイノベーションのシーズがある、
③やれば出来る。やらなければ出来ない。
であった。

工学研究は、実用化し、社会で役立てることが目標である。研究開発では、若い人の出番がある。成功も失敗も挫折もある。困難は知恵を絞り乗り越えればよい。科学や技術は常に味方である。科学が足りなければ自ら創る。夢を決して忘れない事である。科学を創り、科学を応用(創理応用)が大切である。科学を大切にした研究が成功に道を拓く。失敗に学び、科学を見つけることが成功の基になる。若いセンサ研究者、技術者の皆さんに、【未来に向かって何を変えるか?】への挑戦を期待したい。

謝辞
最後に、筆者がホール素子研究を始める15年前、東京工業大学の酒井善雄先生、大下正秀先生が実施した InSb蒸着ホール素子の研究、また、当時の電気試験所の片岡照栄博士とそのグループのホール素子の研究があり、ホール素子研究をスタートした筆者にとっては貴重な情報であった。こうした先見性ある先駆的研究の大切さを述べ、心より感謝と敬意を申し上げる。
また、ホール素子の研究開発と物造りは、旭化成(株)の多くの先輩、後輩の協力と努力、チームワークで実現した事を述べ、筆者の心よりの謝意としたい。

【著者略歴】
柴﨑 一郎(しばさき いちろう)
(公財)野口研究所 学術顧問

■略歴
1942年生まれる。
1966年東京理科大学理学部物理学科卒業
1971年、東京教育大学(現 筑波大学)大学院博士課程修了、理学博士
物理教室教務補佐(ポスドク)をへて、1974年旭化成工業株式会社(現 旭化成株式会社)
入社、ホール素子の研究開発を担当、技術総合研究所室長などを経て、
2003年旭化成のグループフェロー就任(2004年より柴﨑研究室長兼務)、2008年旭化成退職
2009より、公益財団法人 野口研究所学術顧問(現在に至る)
豊橋技術科学大学特命教授(2009-2016)、福岡大学客員教授(2019~現在)

1988年大河内記念生産賞(社名表彰)、1995年科学技術庁長官賞、2005年発明協会会長奨励賞、2017年電気学会業績賞、2018年山崎貞一賞を受賞。2003年には紫綬褒章を受章した。

専門分野:化合物半導体薄膜技術と薄膜磁気センサ応用

進化するフラックスゲート磁界センサ(2)

笹田磁気計測研究所
笹田 一郎

3.基本波型直交フラックスゲート

図3は磁性ワイヤコアの一部を拡大したもので、基本波型直交フラックスゲートの動作に関する通電電流、それが作る直流バイアス磁界Hdc, 交流励磁磁界Hac、コア軸方向に印加される検出したい磁界Hex、ワイヤコアの飽和磁化Js、および磁気異方性Kuの関係を示す。磁気異方性とは、磁性体を磁化するときに方向によってその容易さが異なる性質である。磁性体の外形あるいは結晶質磁性体の場合は結晶軸を基準として最も磁化するのが容易な方向を磁化容易軸と呼ぶ。磁化(J)が容易軸方向にあるときが磁気異方性エネルギは最小になるので、Kuはエネルギ密度の次元を持ち、飽和磁化Jsをその容易軸方向に向けようとするトルクを与える。Kuが大きいと磁化方向は磁界の印加では変化しにくくなり感度低下に繋がる。直交FGのコアには磁気異方性の小さい高透磁率材料が適し、材料としてはパーマロイワイヤあるいはアモルファス磁性ワイヤがある。しかし、熱処理を施したパーマロイワイヤは弾力が無くなり取り扱いが難しいので、アモルファスワイヤが良く用いられる。またアモルファス磁性薄帯も用いられる。

図3 直流電流が重畳した交流励磁電流が通電されたワイヤコア外周部における飽和磁化Jsと磁化過程に関係する諸量

検出コイルはワイヤコアの周りに巻かれるので、ワイヤ軸方向の磁束の時間変化が検出コイルに誘起電圧を与える。軸方向の磁束の大きさは飽和磁化Jsの向きが決定するので、計測したい磁界Hexがどのように磁化方向の決定に関与するのか図4で説明しよう。

図4 飽和磁化の方向を決める諸因子の関係

図4は図3のワイヤ外周部での諸量の関係を平面的に描き直した図で。横軸が円周方向に対応する。ワイヤコアの半径をrとすると、直流電流成分idcによってワイヤコア表面付近で、Hdc≈idc/(2πr)の磁界が円周方向に生じる。例えば直径120µmのアモルファス磁性ワイヤを用いる場合は、idc=50 mAに対しHdc≈132 A/mとなりワイヤコアの外周部は至る所磁化飽和して単磁区状態となる。このJsに対する磁界の影響は地磁気中の方位磁針の振る舞いのように、その磁界方向に向けようとする。一方、磁気異方性Kuはその容易軸方向に留めておこうとする。したがって、飽和磁化Jsの方向はHdcとHexおよびKuによるトルク(引きつける力)のバランスで決まる。図4のように磁気異方性Kuの容易軸が水平方向から角αにあり、計りたい磁界HexおよびHdcとの3者からのトルクバランスで、Jsが角θにあるとき、交番するHacの作用はJsを角θの周りに小さな上下振動を引き起こす。Hdc+Hacとなる(1)のタイミングではJsは最も横軸に引き寄せられ、Hdc-Hacとなる(2)のタイミングではJsは最も横軸から遠くなる。Hacの一周期間に1度上下に振動するので検出コイルへの鎖交磁束も一周期で1度増減する。この結果誘起電圧の周期はHacの周期と同じになる。これが基本波型と呼ぶゆえんである。Hexの大小がどのように誘起電圧に効くかは詳細にはトルクバランスの式(sin(θ)の3次式になる(11))を数値的に解く必要があるが定性的には次のように考えれば良い。Hexが大きくなるとθ(<π/2)が増加する。HacによるJsの振動角はθがπ/2に近づくほど大きくなる。一方では鎖交磁束の変化はJssin(θ(t))の時間微分に比例するのでcos(θ(t))の因子が出てきてθがπ/2に近づくと磁束変化は逆に小さくなる。つまり、Hexのある範囲までは、鎖交磁束変化はHexと共に単調に増加し、あるところで飽和しその後減少する。以上が定性的な基本波型直交フラックスゲートにおける変調のメカニズムであるが、もう1つ重要な点を指摘しておきたい。上記の変調プロセスでは磁化の微少な回転のみが関与し磁化の反転(例えば第1象限から第2象限への反転、Hex<0の場合は第4象限から第3象限への反転)が一切起きないので、原理的に磁壁移動がなくバルクハウゼン雑音が生じないことである(7)。これが基本波型直交FGの低雑音性のゆえんである。
本基本波型直交フラックスゲートの磁界検出過程をブロック図で示したのが図5である。同図には低周波の入力磁界がセンサの出力までの各段階でどのような波形に変えられているかも示している。

図5 基本波型直交フラックスゲートにおける磁界検出の流れ

図5における波形の縦軸は増幅作用を表している。ワイヤ磁気コアではHex=1の入力磁界がコア内で濃縮され(多くの磁束線がコア内を通過するので濃縮される)濃縮率をaとしている。例えば直径100µmで長さが30mm程度のワイヤコアであればa=800程度になる。図4で説明したようにコア内の磁束はHacの作用によって周波数fで変化する。図5では簡単のために変調操作を搬送波との掛け算で示している。検出コイルの巻き数N、コアの実行断面積s、角周波数ω=2πfの係数で誘起電圧になり、Gvの増幅率で増幅され、同期検波においてもう一度搬送波と掛け算され、その低周波分がフィルタによって分離出力される。磁界センサの実際の構成ではこれに負帰還ループを加え、入出力の線形化と安定化を図っている。
写真1に無磁歪組成のアモルファス磁性薄帯から幅1mm長さ35mmを切り出し熱処理してコアとした実際のセンサヘッドを示す。その上段には用いる際にプラスティックのカバーとケーブルを付けたセンサヘッドの外観も示している。写真2に基本波型直交フラックスゲートの1チャンネル評価キット(笹田磁気計測研究所製)を示す。このキットは6V〜7.5 VのacアダプタあるいはUSBからの電源供給で動作する。消費電力はセンサヘッドが必要とする直流バイアス電流によって多少変わるが0.5~0.7Wである。このキットで得られる雑音スペクトルを図6に示す。

写真1 幅1mmのアモルファス磁性薄帯をコアとするセンサヘッド
写真2 基本波型直交フラックスゲート(FM-OFG)1チャンネル評価キット。前面のBNCコネクタは直流結合1倍出力、交流結合100, 1000倍出力。
図6 写真1に示したセンサヘッドを写真2の装置で駆動したときの雑音スペクトル密度。低域カットオフ周波数は0.3 Hz。高域カットオフ周波数は200 Hz。

直交FGはT. Palmerの原型のままでは、交流励磁電流の符号反転にもとなって磁化反転が生じるのでコアからの磁気雑音が大きくて平行FGに太刀打ちできずあまり使われなかったが、基本波型とすることによって雑音を大幅に抑制することができ、今では平行FGを凌駕している。

4.心臓磁界計測

著者が九州大学在職中にFGで32chの規模で心磁界を計測することに世界で初めて成功した(8-9)。これは、著者の研究室ではセンサと能動補償磁気シールドの両方を手がけていたことが大きいが、何よりも、基本波型直交FGは平行FGのような励磁磁界の大きな漏洩が無く、センサアレイにするときクロストークに対する対策がしやすかったことも重要な点である。心室が収縮する直前に発生する心磁界のR波は個人差はあるが100pT程度と一番大きいので、リアルタイムでこのピークを観測することができるが、胸壁面近傍の磁界分布の強度は1 pTに満たない所から100 pTを超える範囲にある。図6の雑音密度のセンサでは平均化が必要である。平均化は両腕から簡単に取れる心電波形のR波を同期のタイミングとして同期加算処理によって行った。同期加算処理の一例図7に示す。心磁図計測に用いたセンサはアモルファスワイヤ45 mmをコアとするもので図6の雑音スペクトルよりももう少し雑音は小さい。

図7 約120ビート心磁波形の同期加算。波形の1つ1つには不規則な雑音が含まれているが時間軸をそろえて全部加算して波形の数(N)で割ることで信号成分はそのままで雑音成分が1/√Nになる。

図8にTDKとの協力の下36ch(グリッド間隔4 cm)での基本波型直交フラックスゲートアレイで計測した心磁図を示す(10)。これは健常な被験者がセンサアレイの上にうつぶせになった状態で胸壁に垂直な磁界成分を約3分間計測して同期加算処理した結果である。図9に等磁界線図を示している。R波は中央の鋭い波形で、T波は右寄りのなだらかな波形である。明るい領域(右上)が磁界の沸きだし、青い色の領域(左下)が同吸い込みに対応する。更に詳細な情報および磁気シールドについては文献(11)を参照頂きたい。

図8 36チャンネル基本波型直交FGによる心磁界計測(3分間の同期加算)
図9 磁束密度の等高線図。左はR波ピーク時点、右はT波のピーク時点。
図の縦軸横軸の数値はセンサアレイのグリッド番号。

5.おわりに

基本波型直交FGの分解能は1 Hzにおいて、1 pT/√Hzに迫ろうとしている。現在実用化されている磁界センサの中で最も高分解能なのが液体ヘリウム温度(4.2K)で動作するSQUID磁界センサで、その分解能は数fT/√Hzにも到達するので、FGの雑音はざっとその数百倍にもなるが、この雑音の差が直ちにセンサの検出能力の差にはならない。強磁性異物検出のように磁界の信号源が小さい場合は磁界は距離の3乗で減衰するので、信号源にどれくらい接近できるかが重要なファクタになる。装置コストや運用コスト、使い勝手の良さも加味すると、FGが活躍する場は今後ますます広がっていくだろう。

参考文献
7) E. Paperno, Sens. Actuators, A 116, 405-409 (2004).
8) H. Karo, I. Sasada, J. Appl. Phys. 117, 17B322 (2015); doi: 10.1063/1.4918958
9) H. Karo, 九州大学学位論文 (2017) http://hdl.handle.net/2324/1807076 (open access)
10) 松田篤史、栗原弘, 笹田一郎 日本生体磁気学会誌, Vol.31, No.1、P04-002 (2018)
11) 笹田一郎、まぐね、Vol.14、No. 4 (2019)

【著者略歴】
笹田 一郎(ささだ いちろう)
笹田磁気計測研究所

■略歴
1974年九大工電子工学科卒、1976年同修士修了、
1986年 工学博士(九大)。日本電気(株)を経て1977年7月同上助手、1986年助教授、1997年教授。
1998年から大学院総合 理工学研究科(2000年改組により研究院へ名称変更)、2017年3月定年退職。
同年5月笹田磁気計測研究所(株)設立、この間、1988年8月から1年間MITにて、1995年10月から3ヶ月トロント大学にて在外研究。磁気応用の研究に従事し、主な仕事は磁歪効果を用いたトルクセンサ、磁気シールドのための磁気シェイキング、能動磁気シールド。基本波型直交フラックスゲートの研究。
1995年磁気シールドの研究で市村学術賞。
1993年および1996年IEEE Magnetics Society 主催国際会議IntermagのEditor、
2010年~2015年電気学会マグネティクス技術委員会委員長。九大名誉教授。

3次元磁気センサ用新規永久磁石エラストマー(2)

(株)KRI フェロ&ピコシステム研究部
山本 日登志

表面磁束密度測定

今回作製したφ18×18mm円柱状のエラストマー磁性粉末重量比の違いによる表面磁束密度を測定、図3(z軸方向)と図4(r軸方向)に示す。加圧前後で最大磁束密度はz軸方向は加圧前約33mT(z=18mm)から28mT(z=13mm)、一方r方向は32mTから22mT(いずれもz=0mmの中央部)に減少した。
別の作製試料では加圧前磁束密度約70mTあるのに対して10mmに加圧後約30mTにまで約40mTと大きく磁束密度が変化した試料も得られている。4)

図3 z軸方向加圧前後の表面磁束密度Bz
図4 r方向加圧前後の表面磁束密度Bz

この理由は以下の図5のように説明出来る。通常の状態では個々のネオジム磁石粉末粒子は着磁方向(z軸)方向に磁気モーメントの大部分が概ねそろって並ぶ。(これを配向と呼ぶ)このエラストマーを軸方向(z軸)に圧縮するとシリコーンゲルが大変形を起こしそれに伴いネオジム磁石粉末はz軸から回転かつ磁石寸法比の低下によるパーミアンス係数の低下により磁束密度z成分が低下する。今回表面磁束密度の計測はz成分のみであるが、z成分減少と共にx、y成分はむしろ増加しているものと推察される。すなわち磁気センサの用途を考えると、エラストマーの変形量はx、y、zの3方向の磁束密度の変化でありそれら全てを検出できる一体物の3軸磁気センサの用途が期待される。

図5 加圧変形前後の磁気モーメントベクトルの変化模式図

このエラストマーを用いコイルを周囲に配置するとエラストマーの発生する磁束密度が変動するため原理的に発電が可能となる。(図6)

図6 エラストマー発電模式図

このエラストマー発電の応用例として「環境振動発電」への応用例を紹介したい。
「環境振動発電」とは我々日常環境の中で目にする例えばビルや建造物の振動、車の走行に伴う橋梁の振動、ボイラーやコンプレッサ―から発生する振動、エンジンの振動等熱エネルギーとして捨てられているエネルギーを発電する事によりこのエネルギーを回収するという新たな環境技術である。

発電の原理は以下電磁気学のファラデーの電磁誘導の法則である。
発電電圧(V)はコイルの巻き数(N)とコイルと鎖交する全磁束(φ)の時間微分の積で決まる。

V= -N x  (d∅)/dt

環境発電の応用実験例を以下にしめす。実験方法詳細は文献を参照されたい。4)
図7に磁粉60wt%、圧縮量6㎜のエラストマーをz軸方向に強制加振させた時の発電電力の周波数依存性を示す。周波数の増大と共に発電量は急激に増大し、周波数10Hzで最大発生発電電力57μWが得られた。5)
なおこの時にコイルに発生した誘起電圧は周波数10Hzで最大約28mVであった。
最後にエラストマー磁石の現物写真を掲載しておく。

  
図7 磁粉60wt%, 圧縮量6㎜のエラストマー発電電力の周波数依存性実測値
図8 エラストマー磁石サンプルの写真

参考文献

4) 岩本、井門、出口、藤井、第37回ロボット学会学術講演会資料予稿集(2019)
5) 佐藤、竹内、岩本、出口、藤井、山崎、山口、平成29年度磁性流体連合講演会 (2017)
特許、参考記事;
6) 特許;特願2018-131172
「発電デバイス 磁気的硬質粘弾性材用の製造方法及び発電デバイスの使用方法」
7) 出口、「月間マテリアルステージ」第17巻、第12号、技術情報協会 (2017)

【著者略歴】
山本 日登志(やまもと ひとし)
(株) KRI フェロ&ピコシステム研究部

■略歴
九州工業大学電気工学科 (1970-1974)
九州大学大学院電気工学科修士課程、博士課程 (1974-1979)
住友特殊金属(1979-2006)、工学博士取得 (1980)
日立金属 (2007-2009)
KRI (2010-現在に至る)

国内登録特許件数;永久磁石材料、製造方法、磁石応用関連で約120件以上
国際規格IEC/TC68の永久磁石国際規格主査 (1998-2002, 2006-2008)
JEITA(電子情報技術協会)マグネット技術委員 (1998-2008)
NEDO「フライホイール電力貯蔵用超電導軸受け技術開発」委員(2003-2006)
世界人名辞典 “Who’s who in the world” に日本人永久磁石研究者として初掲載 (2006)

■専門分野・研究テーマ
永久磁石材料、磁石材料応用技術、磁性材料全般、磁気計測

磁気通信技術と実用事例(2)

坂田電機(株) 技術部
藏谷 朋哉

3.2ダム構造物の計測

3.2.1 従来の計測方法の課題
フィルダムのような盛土構造物において、ダム提体内などの盛土内には間隙水圧計や土圧計、沈下計といったセンサが埋設される。これらのセンサは、センサから伸びたケーブルを監査廊などに配置してあるデータロガーや測定システムに接続するため、ダム軸方向に掘削したトレンチ内にケーブルを配線し、そのトレンチを埋め戻すという方法が一般的である。このため、ケーブルルートが、構造物の品質から見て弱部になる可能性を有しており、ケーブルの費用に加え、施工性低下など、施工コストへの影響も大きくなる。また、ケーブルは断線や絶縁低下といった計測不能状態の原因ともなる(3)

 

3.2.2 地中無線通信システムによるダム構造物の計測
図4にワイヤレス間隙水圧計の概略構造を示す。

図4 ワイヤレス間隙水圧計

ワイヤレス間隙水圧計は、アンテナ、データロガー、間隙水圧計、バッテリーで構成されている。データロガーには、複数の測定スケジュールを登録することができ、地上側の受信器からの指令によって任意に切替が可能である。このため、ダムの安全管理において定められている「ダム構造物管理基準」のⅠ~Ⅲ期に対応した測定頻度を選択することが可能となり、運用可能期間を10年以上とすることも可能である。また、通信距離は100m程度である。
  計測機器からケーブルがなくなることにより大きく分けて3つのメリットがある。第1に計測対象である構造物自体への影響を減らすことができる。これはケーブルルートが原因の水みちの形成がなく、転圧不足といった弱部の形成の原因を作らない。第2に計測自体の安全性の向上が見込まれることである。施工中のケーブル断線や、誘導雷によるセンサの故障、長期運用に伴うケーブル絶縁性の低下といった、ケーブルに起因する計測不能状態を引き起こす可能性が無い。第3に、施工面から見た場合、短時間で設置可能であることに加え、ケーブル配線のためのトレンチ掘削や埋め戻しが不要であるため、材料コスト・時間コスト縮減にも大きく貢献することができる。
図5にフィルダムにおける本システムを用いた計測システムの概要を示す。

図5 フィルダムにおける地中無線通信システム

また、ボーリング孔内に設置するタイプのワイヤレス間隙水圧計も実用化されており、維持管理を目的とした既設の土構造物への設置等、ワイヤレス間隙水圧計が有効に利用できる範囲は広がっている。これらのワイヤレス間隙水圧計は、ケーブルレス化による計器の延命、総合コスト縮減により、これからの土構造物の維持管理に貢献できる。
今後の課題は、機器の小型化と通信距離の延伸である。機器のサイズを小さくしながらも通信距離を向上させることが望まれる。

4. 地中無線通信システムの仕様

表1に地中無線通信システムの標準的な送信器の仕様例を示す。

表1 地中無線通信システム 送信器仕様例
名称 海・地中両用データ送信器 地中埋設用データ送信器 ワイヤレス間隙水圧計
型式 TR-071 TR-063 TR-044b,TR-049
接続可能
センサ方式
差動トランス、摺動抵抗、
ひずみゲージ、電圧、
電流、デジタル
差動トランス、摺動抵抗、
電圧、電流、デジタル
差動トランス式間隙水圧計
接続可能
センサ数
10ch 4ch 1ch
搬送周波数 1.2kHz 8.5kHz
通信距離 地中:100mもしくは
200m程度
海中:40m程度
地中:100mもしくは200m程度
通信速度 75bpsもしくは18.75bps 75bpsもしくは18.75bps
測定頻度 3分~24時間間隔で任意 10分~1年間隔で任意
通信頻度 5分~1ヵ月 10分~1年間隔で任意

送信器外観図

図6 送信器外観図(左図:地中用[TR-063] 右図:海中用[TR-071])
図7 ボーリング孔内用ワイヤレス間隙水圧計外観図[TR-039]

受信器外観図

図8 受信器外観図(左図:ポータブル受信器[EO-029] 右図:設置型受信器[EO-030])

5.おわりに

本システムを利用した計測機器のケーブルレス化は、従来のケーブル等を用いた計測方法と比べて以下のような利点がある。

①土中、岩盤中、水中、空気中でデジタルデータ伝送が可能
②構造物への悪影響の低減
③ケーブルに起因する計測機器の故障・欠測を回避することが可能である。
④計器設置時間の短縮による総合コストの縮減

また、維持管理計測としてみた場合、以下のような利点がある。

①施工から供用まで一貫した連続計測が可能となるため、合理的な維持管理に必要な種々の挙動等の履歴を知ることができる。
②計測対象内部に立ち入る必要が無く、地上や周辺の地下構造物からデータを収録することができる。

 

一方、以下のような課題が考えられる。

①埋設される送信器が内蔵の電池で動作することから、運用可能期間が有限となってしまう。種々の計測目的に合わせて必要な運用期間が得られるように、長寿命化を図る。
②通信可能距離の延長
③機器の小型化

 

本技術は、これからの維持管理時代に貢献できる技術であると考えられる。今回紹介した事例は、ほんの一部であり、より多くの分野での利用が期待される。

参考文献
3) 藤井敦、鈴木慎也、森川嘉之、中山敦:磁気伝送水圧式沈下計による大規模埋立地の沈下計測、地盤の環境・計測技術に関するシンポジウム2005 pp.17-24

【著者略歴】
蔵谷 朋哉(くらたにともや)
坂田電機㈱ 技術部

2012年 国立都城高等工業専門学校 卒業
         化粧品メーカーおよび医薬品メーカーを経て
2016年 坂田電機株式会社 入社(技術職)
2019年 現在に至る

360度が見渡せる 天井設置型・フルHD高画質カメラを発売

プラネックスコミュニケーションズ(株)は、スマートフォンで簡単に設定できる、かんたんネットワークカメラ「スマカメ」シリーズの新ラインアップとして、天井や壁に1台設置するだけで、360度 空間のすべてを見渡すことができ、防犯や見守りの最適な「スマカメ360 天井タイプ(型番:CS-QV360C)」を12月16日より発売すると発表した。
 また、LANケーブル1本でネットワーク接続と電源供給が可能となるPoEに対応したスイッチ「SWE-0008F5」をセットにした「CS-QV360C-IMP」、および既存のネットワークに組み込むことでLANケーブル経由の電源供給が可能となるPoEインジェクター「ING-ADE3AT2」をセットにした「CS-QV360C-ING」も合わせて発売するとのこと。

「スマカメ360 天井タイプ」は、フルHDの高画質で360度の全方位撮影が可能。1台設置するだけで極めて死角の少ない映像を記録することができる。また、360度映像だけでなく、2分割、4分割した映像を見ることができ、魚眼レンズの360度映像を補正して表示する「歪み補正機能」により違和感の少ない映像が表示できる。
 外部からスマートフォンなどでいつでも映像を見ることができるので、夜間、休日のオフィスや留守中の自宅の様子をどこからでも見ることが可能となるという。

Sony製高感度CMOSセンサ「IMX323」を搭載し、月明かりほどの光でのカラー撮影が可能。
ほんのわずかな照明があれば、赤外線照射なしで夜間のカラー映像の撮影ができる。
 映像圧縮技術には最新規格の「H.265」を採用。業界スタンダードである「H.264」の約2倍の圧縮率により、フルHDの高画質映像を低容量で記録することができるとしている。

ニュースリリースサイト(planex):
https://www.planex.co.jp/news/release/2019/20191216_cs-qv360c.shtml

DENSO、垂直多関節ロボット新型「VM」シリーズと 「VL」シリーズを新たにラインナップ

(株)デンソーウェーブは、このたび垂直多関節ロボット 新型「VM」シリーズと新たに「VL」シリーズを開発し2020年7月に販売を開始すると発表した。価格はオープン。

総務省によると、15歳から64歳までの生産年齢人口の割合 は59.7%(1)で昭和25年と並んで過去最低を記録した。働き手不足の深刻さが増しており、労働力不足問題に対して、産業用ロボットの必要性が高まっている。

垂直多関節ロボットの新型「VM」シリーズは、1800mm/1500mmのアームリーチ、最大可搬質量25kgを有す。機内配線によるフルカバー構造で、標準仕様に加え防塵防滴性(IP67)、クリーン度(ISO クラス5)を実現した仕様を用意し、様々な環境下で使用可能。また、ユーザー配線・配管・バルブを充実させ、EtherCATの機内配線を加えることで多様なセンサ,デバイスをロボットアーム上に装着することができ,ロボットの配線・配管の引きまわしに困っている問題を解決する。
また新たにラインナップに加わる「VL」シリーズは、デンソーロボット最大の可搬質量40㎏、最長のアーム長2,503mmを有し、パレタイジング・検査・移載・搬送・梱包などの工程にも活用できる。また、防塵防滴性(アーム:IP65、手首:IP67)を備え、悪環境下でも使用が可能である。

新型「VM」、「VL」シリーズは、新型コントローラー「RC9」との組合せで商品化する。「RC9」の内蔵PLCによる設備全体を統合制御することで,シンプルな設備を構築でき、また新開発のソフトウェア「WINCAPS Plus」の3D Visual Programmingを使用すれば、簡単にプログラミングが可能で、短時間でシステムが立ち上げられる。デンソーロボットを活用できるシーンは拡大し、多種多様な製造現場での自動化に貢献するという。

※(1)総務省「人口推計」(2019年10月1日)より。

ニュースリリースサイト(DENSO):
https://www.denso-wave.com/ja/robot/info/detail__191213-01.html

富士通ほか、北海道広域で観光客などの人の流れをIoTで可視化する実証を開始

富士通(株)は小樽観光協会をはじめ北海道内の複数の観光協会や企業と共同で、北海道後志地方の小樽市、余市町、倶知安町、岩内町、ニセコ町、積丹町、神恵内村、および札幌駅周辺、新千歳空港内の3市6町村において、同社製Wi-Fiパケットセンサを活用し観光客など人の流れを可視化・分析する実証実験を12月10日より開始すると発表した。

本実証では、北海道後志地方、札幌駅周辺、新千歳空港内の各エリアに設置した計40台のWi-Fiパケットセンサで、訪れた観光客などが所有するスマートフォン(Wi-Fi機能オンの状態)の固有IDを、データを匿名化した上で収集するとともに、収集データをグラフなどで可視化し分析する。

小樽観光協会などの実証協力団体および企業は、本収集データをもとに、観光客などの人の数や流れ、混雑状況や移動ルートなどを分析することで、今後の観光施策や各種事業の効果検証などに活用していく予定だという。

ニュースリリースサイト(富士通):https://pr.fujitsu.com/jp/news/2019/12/10.html

判別モデルの特徴を可視化し、予知保全と原因分析が可能な「CX-M ver5.0」

東京エレクトロン デバイス(株)(以下、TED)は、予知保全を実現する異常判別プログラム自動生成マシン「CX-M」に、原因分析を可能にする「マルチカラム(データ合成なし)モデル生成機能」を追加し、「CX-M ver5.0」として12月12日より提供を開始すると発表した。

予知保全では、装置の稼働データや、振動、センサなどの複数の時系列データカラムを分析し、特徴をとらえて判別モデルを生成する。これまでの「CX-M」は、複数の時系列データカラムを合成してからデータ分析し判別モデルを生成していたため、判別モデルの判断基準、判別モデルによる判定理由の明確化(定量化、可視化)が困難だった。よって、発生事象の原因分析をすることができず、ユーザーの活用方法は判別モデルの判定結果を用いた予知保全にとどまっていた。

「CX-M ver5.0」は、複数の時系列データカラムを合成せずに判別モデルを生成する「マルチカラム(データ合成なし)モデル生成機能」により、判別モデルの判断基準に各データカラムがどの程度影響するかを定量的に示すことが可能になり、判別モデルによる判定理由の可視化を実現した。ユーザーは判定根拠となったデータカラムをたどって発生事象の原因を分析することで、判別に影響を及ぼす要因に対して製造現場で具体的な対策を講じられるようになるとのこと。

ニュースリリースサイト(TED):https://www.teldevice.co.jp/pro_info/2019/press_191212.php