加藤 智久
3.湯水内の入浴姿勢を捉えるとりくみ
一方、浮力によって体重が軽減されるといった免荷の影響のみが入浴感を左右するのであれば、浴槽の形状に関わらず、湯水を張りさえすれば入浴したときの感覚が変わらないことになる。しかし、クレイドル浴槽を筆頭に、これまで先人たちの開発してきた浴槽形状を鑑みると、首、背中、そして脚部や臀部の当たる浴槽壁面の形状が変わることでお客様からの評価が変わることも報告されていた。そこで、我々はこれまで開発者・デザイナーの経験によって作られてきた浴槽形状を、ヒトと浴槽の関係を詳細に調査するために計測系、入浴感を捉えるための生体力学モデルの両方を構築することを目指して研究に取り組んだ。
その結果、湯水中でのヒトの三次元的位置座標や力点に生じる三次元的力情報を捉える独自の計測システムを大型水槽内に構築するに至った。加えて、3Dプリンターを活用し、上記計測システム内において試作された各パーツを組み上げ、任意の浴槽形状を再現して計測することを可能にした。得られたヒトの三次元座標情報と各力点における三次元的力情報をもとに入浴姿勢保持時の生体力学モデルを構築した3-5)。上記モデル式には、各セグメントに働く浮力の影響、陸上では十分影響が小さいと無視されてきた、受動抵抗の影響を考慮した。これによって、入浴姿勢と浴槽形状の関係を可視化し、浴槽によって誘導される入浴姿勢を各関節に働く関節トルクによって評価した。(図2)浴槽毎にヒトが感じる脱力の程度を代用特性(トルク量)によって議論することが可能になったことで、「脱力感」を満足する目標値を定め、ものづくりの仕様に反映させることに繋げた。
4. 入浴感を脳神経科学の視点から可視化する
湯水浸かる入浴行為に関しては、静水圧や温熱効果が安全面に与える影響を自律神経の視点から議論する報告が多くなされている。しかし、浴槽内で身体が受ける力学的変化と脳神経系を紐づけて議論した研究は少ない。そこで、浴槽形状を変形させて力学的に身体を脱力させた(脚部の関節トルクが低く抑えられた)入浴状態と脱力できていない窮屈な(脚部の関節トルクが増加した)入浴状態において、ヒトはどのような脳活動変化を取るのか?を脳機能計測技術を用いて定量的に評価した。(図3)
結果、関節への力学的負担が減った状態(脱力した状態)に導くことで、大脳左半球の言語関連領域(腹外側前頭前野)の脳活動が抑制されることが示唆された6)。これらの結果は、入浴したときに体と心をリラックスするといった我々日本人が日常的に感じている経験を、定量的に示している。よって、湯に浸かる経験の少ない海外のお客様に向けて、浴槽での入浴の良さを、例えば禅のように心を落ち着かせることができる浴槽といった具合に、お客様のイメージしやすい訴求で価値をお伝えできるようになった。
5.おわりに
日常生活の中で気にも留めず、入浴時の快適さを体感してきた。そうした日本の生活文化に浸透した湯に浸かる行為について、改めて最新のセンシグ技術を駆使して可視化することに挑戦し、知見を商品に実装した。活動を通じて、上述したセンシング技術や学術領域の知見を取り入れる活動は、外部有識者の協力が不可欠と感じている。TOTOにおける感性工学等の学術的知見は信州大学の上條先生をはじめ、多くの大学有識者から指導を受けて獲得・実現している。ヒトの感覚といった曖昧な情報を正しく捉えて、商品開発、訴求に繋げていく活動は今後もセンシグ技術を切り口として様々な学問領域と連携する必要があると感じている。新しいセンシング技術を取り込むことで、TOTOはこれからもお客様の感性に訴える新しい価値を提案し続けていきたい。
参考文献
3) Fuji T, Kamada A, Nakamura R, Kato T, Nakashima M., Development of an algorithm to estimate reaction forces from bathtub during soaking in the bathwater, Mechanical Engineering journal, 4(5), 17-00243, (2017).
4) Nakamura R, Kato T, Sato M, Fujii S, Nakashima M, Evaluation of soaking postures in bathwater using a biomechanical model considering buoyancy and passive elastic joint moment, Mechanical Engineering journal, 5(3), 18-00006, (2018).
5) Nakamura R, Yoneda T, Kato T, Nakashima M, Development of an algorithm to estimate soaking posture in the bathwater, Mechanical Engineering journal, 6(4), 18-00532, (2019).
6) Kato T, Sato M, Matsushita H, Nozawa T, Kawashima R., Effects of sitting posture in bathtub bathing on joint torque and brain activities, Journal of Japanese Society for Medical and Biological Engineering (in Japanese), 54(1), 22-27, (2016).
【著者略歴】
加藤 智久(かとう ともひさ)
TOTO(株)ビジネスイノベーション推進部
■略歴
2005年 TOTO株式会社へ入社
同社総合研究所の主席研究員を経て
2019年10月から、同社ビジネスイノベーション推進部
ビジネスイノベーション推進グループに在籍
■専門分野
制御工学、生体工学、神経生理学
生体医工学会、人間工学会の各会員
現在、米国シリコンバレーにて新技術・新事業の探索活動に従事
博士(工学)
テキスタイルの外観評価における感性計測の活用(2)
先進繊維・感性工学科
准教授 金井 博幸
繊維技術支援センター
技師 丸 弘樹
2.3 布の外観の印象を決める織物の特徴は何か[6-7]
小林[4]は、風合い評価結果をものづくりにフィードバックするためには、織物のもつ物理的性質を何らかの方法で計量して、特徴化し、主観的な風合いと対応づけることが必要であると述べている。
織物の表面はたて糸とよこ糸の交絡による微細な凹凸があり、複雑な光反射分布を有している。このため、空間反射光分布(特定の角度から見た場合に強い光反射が生じる等の特徴)や異方性反射光分布(回転させた場合にある方向で強い光反射が生じる等の特徴)が重要とされており、3次元変角測光・測色法が研究されてきた。これらの測光・測色法は、いずれも変角に伴う反射光強度の変化を精度よく測定することを目的としているため、一定範囲の平均値を計測する、いわば巨視的な測光・測色法である。しかし、先の専門評価者が見た目の風合いを評価する場合に微視的な明るさ感が価値判断において重要な要因になっていることからしても、人間の視覚機能に備わる微視的な空間分解能を備えた微視的測光法が有効ではないかと考えた。そこで本研究では、図5に示すように3次元変角機構を実現し、かつ視覚的な弁別距離と同程度の空間分解能で反射光強度分布を計測できる方法(以下、変角輝度分布計測法)を提案した。
図6に3原組織(平織、綾織、朱子織)で試作した紳士用ブラックフォーマル織物の計測例を示す。織組織によって輝度変動の様子が異なっている。これは,たて糸とよこ糸の交絡パターンによって生じる微小な凹凸が反射光強度(輝度)の空間的な変動を生じさせた結果である(以下、輝度分布曲面)。また、この輝度分布曲面には、素材の反射率、染色・仕上げの状態、糸の撚りや織組織の構造要因の影響が反映されていると考えられるので、見た目の風合いと対応付けるには重要な情報であると考える。
そこで、この輝度分布曲面から織物の光反射特性を示す特徴量を定義することにした。すなわち、輝度分布曲面を構成する谷-山-谷からなる円錐形状を構成要素として抽出し、その形態的特徴を図7に示す山高さ[Zp]、谷高さ[Zv]、深さ[Zd]、平均高さ[Zt]、長さ[w]、エネルギー[e]、傾き[s]、単位面積当たりの構成要素の数,すなわち密度[D]と定義して導出した。
これらの特徴量を用いて、視覚的風合いの影響要因である「明るさ感」との関係を検討した。その結果、既存の測光法を用いた場合と比較して、「明るさ感」を高精度に推定し得ることがわかった。このことから提案した変角輝度分布計測法が見た目の風合いを数値化する際の有効な計量法になることが期待できる。
3.展望
経済産業省の我が国におけるデータ駆動型社会に係る基盤整備 (電子商取引に関する市場調査)に関する報告書[8]によれば、将来の国際的なE-comas市場のポテンシャルは、対米国、対中国で右肩上がりの成長が見込まれる。最も大きな売り上げが見込める分野は、アパレル、靴、アクセサリーであると予想され、対米国市場では全体の48%、対中国市場では全体の55%を占めると予測されている。この予測を踏まえると、見た目の風合いの計測・評価についても、国際市場に対応できる技術でなければならない。しかし、風合いに対する市場の要求や価値基準は、必ずしも市場間で共通したものとは言い難い。そこで、各市場における見た目の風合いの評価構造を明確にするための調査・研究を進め、市場の要求の違いを正確に理解する必要があると考える。その上で市場に共通する評価項目については、計量化法の国際標準化に向けた努力も必要になるだろう。
また、優れた視覚的風合いをもつ布を効率的に開発することを目指せば、繊維素材、糸構造、織物構造、染色・仕上げ工程などの個別の設計要因を原因、つくられた布の光反射特性や視覚的風合いの評価を結果とみて、データを蓄積し、ビックデータを構成することで、視覚的風合いの要求を満たす布の製造レシピともいえる設計指針を得ることが可能性になると期待される。さらにデータベースや人工知能技術を活用して、生産工程の最適化を図ることができれば、製造に要する時間の短縮化や過剰生産、在庫管理のリスクを低減するオンデマンド生産体制の実現にも近づけるのではないかと考える。
4.謝辞
本研究の実施にあたり試料の提供を頂いた三菱ケミカル株式会社、ならびに株式会社AOKIホールディングスの関係各位に深謝する。また,本研究の一部は独立行政法人日本学術振興会(JSPS)「科研費 16700203」、ならびに、独立行政法人科学技術振興機構(JST)「平成 20 年度シーズ発掘試験(06-026)」の助成を受けて実施したものである。
参考文献
4) 小林茂雄,風合いの評価法,繊維工学,26 ( 2 ), 16-22, 1973
5) Hiroyuki Kanai, Mika Morishima, Kentaro Nasu, Toyonori Nishimatsu, Kiyohiro Shibata, Toshio Matsuoka, Identification of principal factors of fabric aesthetics by the evaluation from experts on textiles and from untrained consumers, Textile Research Journal, 81 ( 12 ), 1216-1225, 2011
6) Hiroyuki Kanai, Hirokazu Kimura, Mika Morishima, Uesaka Shouji, Toyonori Nishimatsu, Kiyohiro Shibata, Takanori Yamamoto, Microscopic photometry and its parameterization for objective evaluation of aesthetics of woven fabrics, Textile Research Journal, 82 ( 19 ), 1982-1995, 2012
7) 丸弘樹 , 齋藤奨司 , 金井博幸 , 西松豊典,黒色織物の明るさ感評価を代替する計量法ならびに特徴化法の提案,Journal of Textile Engineering,63(2), 2017
8) 経済産業省,我が国におけるデータ駆動型社会に係る基盤整備 (電子商取引に関する市場調査),2018
【著者略歴】
金井 博幸(かない ひろゆき)
信州大学 繊維学部 先進繊維・感性工学科 准教授
■略歴
2003年4月より信州大学繊維学部助手
2005年博士(工学)
2007年4月助教
2009年4月講師を経て,
2011年12月より准教授となり現在に至る。
感覚計測工学に基づく繊維製品設計法に関する研究に従事。
繊維学会、日本繊維機械学会、日本繊維製品消費科学会、日本感性工学会の会員
丸 弘樹(まる ひろき)
栃木県産業技術センター 繊維技術支援センター 技師
■略歴
2017年3月信州大学大学院総合工学系研究科修了 博士(工学)
2017年4月より栃木県産業技術センター繊維技術支援センター技師となり現在に至る。
繊維に関する試験研究業務および中小企業等の新技術・新製品開発を支援する業務に従事。
繊維学会、日本繊維機械学会、日本繊維製品消費科学会、日本人間工学会の会員
風合い計測技術の紹介(2)
松平 光男
2.4 圧縮特性(Compressional Property)
布の圧縮特性とは、布面に垂直方向に圧縮した時の布の厚みと圧力との関係をいう。図52)にKESで計測される布の典型的な圧縮特性図を示す。引っ張り特性同様、下に凸の非線形挙動を示すが、これは糸の織りクリンプの圧縮や糸自身の圧縮が効いているからである。一般に糸の織りクリンプ率の大きな布やバルキーな糸からなる布は圧縮柔らかいといえるが、その理由は布を圧縮したときに繊維が容易に曲がるからである。紡績糸織物の場合、表面毛羽の効果が初期圧縮特性に顕著に表れ、自由な繊維が容易に曲げられるため圧縮柔らかい。図5に示す3つの力学特性値が定義されており、風合い客観評価に役立てられている。LCは圧力と厚みとの関係が直線にどの程度近いかを表し、この値が小さいほど布は初期に圧縮柔らかい。WCは最大圧力までの仕事量であり、一般にこの値が大きいほど布はつぶれやすい場合が多い。RCは圧縮時のエネルギーに対する回復されるエネルギーの割合であり、この値が大きいほど布は圧縮変形からの回復性(レジリエンス)が高い。
2.5 表面特性(Surface Property)
表面特性は前記4種類の力学特性とは異なり、力と変位との関係ではない。布の摩擦特性を代表する指標としては摩擦係数があり、KESでは平均摩擦係数(動摩擦係数)MIUや摩擦係数の変動(平均偏差)MMDを求めることが出来る。図62)にKESの表面特性測定原理及び計測される特性値を示す。一般にMIUの値が大きいほど、布の表面はざらざらして手指にひっかかり、小さいほどスムーズである。MMDの値は小さいほどMIUが一定であることを意味しており、布はより滑らかになる。
布表面の凹凸感も表面特性の重要な因子であり、特性値SMDが布の平均的な厚みの変動(平均偏差)として定義されている。この値が小さいほど布の厚みが一定であり、場所による厚みのバラツキが小さいことを意味している。
これら測定信号の低周波成分はフィルターで除去され、人間が感覚的に敏感な100Hz近傍の変動成分を埋没させないように、1Hz以下がカットされている。
2.6 厚みと重量(Thickness and Weight)
布の構造的な特性値として重要な、一定圧力(0.5 gf/㎠)下における厚みT0、及び単位面積あたりの布重量W(mg/㎠)も加えられている。図72)に特性値の定義を示す。
3.KES基本力学特性値(パラメータ)を使う風合い客観評価法
風合いの判断は布の初期力学特性を判断しているのであるから、KESで計測される16個の力学特性値から、基本風合いを客観的に算出する方法が川端・丹羽らによって開発された1)。客観評価式の誘導には、150点あまりの試料に対する熟練者の主観評価値と16個のパラメータとを多重回帰をする方法を用いた。一方、布の総合風合い客観評価式は、客観的に求めた基本風合い値を用い、基本風合いの二乗の値も変数にして主観評価値と多重回帰して求めた。
客観評価式の定数については、現在、紳士秋冬用スーツ地、紳士春夏用スーツ地、婦人用薄手布、外衣用ニット地、肌着用ニット地、衣料用不織布、等の用途別に客観評価式(KNシリーズ)が決定されおり4)、これら以外にも、ふとん地、紙おむつ用トップシート、ティッシュペーパー、毛布、タオル地、等、広く報告されている4)。
参考文献
1) 川端季雄:「風合い評価の標準化と解析、第2版”」、日本繊維機械学会、風合い計量と規格化研究委員会、大阪、(1980).
2) 川端季雄:風合い計量のための、布の力学特性のキャラクタリゼーション、及びその計測システムについて、繊維機械学会誌(繊維工学), 26(10), P721-P728 (1973).
3) 川端季雄:繊維集合体と最終製品性能設計、繊維学会誌(繊維と工業)、42(3), P82-P89 (1986).
4) テキスタイル科学研究会:「KES特性値(パラメータ)を用いるテキスタイルの風合い・外観・快適性客観評価式」、日本繊維機械学会、大阪、(2015).
【著者略歴】
松平 光男(まつだいら みつお)
カトーテック(株)技術顧問(元金沢大学教授)
■略歴
1972年京都大学工学部高分子化学科卒業
1974年同大学院(修士)工学研究科高分子化学専攻修了
1988年同工学博士(繊維工学)
1974年東芝総合研究所化学材料研究所
1980年大阪信愛女学院短期大学を経て
1986年から金沢大学助教授教育学部
1995年同教授。被服科学、テキスタイル科学担当。ニュージーランド羊毛研究所(WRONZ)、ニューサウスウェールズ大学、アグリサーチ社客員研究員を経験。
日本繊維製品消費科学会論文賞(2001)、日本繊維機械学会論文賞(2002)、Holden Medal for Education (The Textile Institute, UK, 2019)を受賞。日本繊維機械学会フェロー(2010-)。
2015年3月金沢大学定年退職。
同年4月からカトーテック(株)技術顧問、現在に至る。
力加減を伴う動作を力センサレスで制御できる空気圧駆動システムを開発
モーションリブ(株)は、 リアルハプティクス(※1)ICチップ「AbcCore」を搭載した空気圧駆動システムの開発に成功した。これにより空気圧アクチュエータを用いた「センサレス力制御」「力触覚を伴う遠隔操作」「力加減を伴う動作の記録・再現」が可能となるため、空気圧アクチュエータを高度に知能化することができるとしている。
今回開発したシステムを利用することで、空気圧アクチュエータで力加減(位置・速度・力)のリアルタイム制御を力センサレスで実現し、力加減を伴う動作の記録・再現・伝送が可能となる。また、空気圧アクチュエータと電動アクチュエータといった異なる駆動機構の装置間での力触覚を有した遠隔操作が可能となるとのこと。
これまでの空気圧アクチュエータはあらかじめ決めた一定の力、ストロークでの動作は得意としていたが、リアルタイムな位置・速度・力の制御は難しいとされてきた。本システムを適用することで空気圧アクチュエータに加わる反力を力センサレスに推定することや、位置・速度・力の微細な調節が可能となるという。これにより、これまで空気圧アクチュエータでは達成が困難だった動作が容易に実現可能となり利用局面が飛躍的に広がるとしている。
本システムは、リアルハプティクス技術協議会(※2)の加盟企業との共同研究開発の中で提供を開始するとのこと。
※1 リアルハプティクス:慶應義塾大学で生まれたアクチュエータの力加減を制御する力触覚技術。
※2 リアルハプティクス技術協議会:リアルハプティクスを利用し、新たなビジネスの立ち上げ及び促進を目的とし、慶應義塾大学が運営する産学連携の協議会。
プレスリリースサイト(Motion Lib):https://www.motionlib.com/assets/press/PR20200001.pdf
「転倒リスク予測」機能を搭載したスマートベルトがCES 2020にて革新賞受賞
2020年1月7日(現地)から開催された世界最大の家電見本市CES 2020にてスマートベルトWELTの最新モデル「WELT PRO」が発表された。
ウエストサイズ、着用時間、座っていた時間、歩数、食べ過ぎ回数を測定し消費カロリーや推奨歩数を計測してくれる現行モデルに、世界初となる「転倒リスク予測」機能を追加してCESの革新賞(Innovation Awards)を受賞した。
転倒を感知する機能については、アップルウォッチを始め既存の様々なウェアラブルデバイスがリリースしているが、転倒してしまった状態を検出する機能である。
「WELT PRO」の場合は転倒するリスクを予測して知らせるので、転倒を未然に防ぐことができるとのこと。
この製品はベルトとしてウエストに着用するのでセンサが体の中心に位置することになる。体の中心から得られるユーザーの動きの情報は、他のウェアラブルデバイスと比べて正確で、より安定している。この情報からユーザーの歩行パターンを分析し、転倒のリスクを計測して事前に転倒を予防することができるという。
「転倒リスク予測」は、転倒が起きるであろうリスクを随時計測し、未来に発生するであろう転倒の危険を事前に防止するので、他のウェアラブルデバイスの転倒感知機能とは一線を画した機能だとしている。
日本での一般発売は5月以降を予定しているが、2月5日から2月18日まで「高島屋 日本橋店 本館2階」にて先行販売の予定で、予想販売価格は39,800円前後という。
プレスリリースサイト:https://www.atpress.ne.jp/news/203160
アラヤとモルフォが提携、AIモデル自動圧縮ソフト「Pressai」を共同開発
(株)アラヤと(株)モルフォは、業務提携契約を締結し、AIモデル(ニューラルネットワーク)の自動圧縮ソフトウェアである『Pressai(プレッサイ)』(CPU版)を共同で開発することを2020年1月16日に発表した。
このソフトウェアは、2020年3月リリース予定。エッジAIの実現を加速させるため、自動車、スマホ、家電、セキュリティカメラ、ドローン、ロボットなどの業界に向けたビジネス展開において、両社は密に連携していくという。
背景としては近年、ディープラーニング技術の普及にあたり、「エッジAI」が大きな注目を集めているが、自動車やモバイル機器、組み込み機器、各種センサ等のエッジデバイス上に高性能なAI(人工知能)/ディープラーニングモデルを実装して、よりリアルタイム・高速な推論処理を行うことが期待される。
Pressaiは、元のAIモデルと同水準の精度を維持したまま、演算量を最大で約1/30に圧縮し、チップへの実装プロセスまでを自動化する、エッジAI実現のためのソフトウェア。Pressaiの圧縮技術には、アラヤの独自手法をはじめ、複数の手法が組み込まれており、圧縮の後段では、モルフォのディープラーニング推論エンジンSoftNeuro®を利用してCPU処理最適化を行う。これにより、圧縮や実装の工程自動化による開発・作業時間の短縮や、エッジデバイス上でのより高速かつ低消費電力な動作を実現し、エッジAIの実用化を強力にサポートするとのこと。
Pressaiの顧客窓口はアラヤが行い、顧客個別のコンサルティングやカスタマイズなどにも対応していくとしている。
プレスリリースサイト(モルフォ):
https://www.morphoinc.com/news/20200116-jpr-araya_morpho_bp
ST、LoRa(R)無線通信に対応したIoT機器を実現するマイコンを発表
STマイクロエレクトロニクスは、長距離無線通信に対応したスマートIoT機器を実現する、世界初のLoRa(R) 対応マイクロコントローラ(マイコン)であるSTM32WLE5を発表した。
STM32WLE5 は、遠隔操作が可能な環境センサ、メータ、トラッカー、プロセス・コントローラなど、電力と資源の効率的な管理に貢献する機器の開発を実現するという。
STM32WLE5は、STの実績ある超低消費電力STM32マイコンの設計技術とLoRa規格に準拠した無線機能をワンチップに集積した製品で、無線パワー・マネジメント・アーキテクチャに関する複数の出願中特許の技術により、優れた性能を実現する。STのLoRaWAN(R)無線通信ネットワーク向けソフトウェア・ライブラリは、幅広い地域の認証を取得しており、各国で使用することができるとのこと。
STM32WLE5は、UFBGA73パッケージ(5 x 5mm)で提供される。実績あるSTM32の開発エコシステムと完全に統合されており、STM32Cubeソフトウェア・サポートのほか、幅広い地域の認証を取得しているLoRaWANスタックをソース・コード形式で利用することができる。入手状況、価格およびサンプル提供については、 STのセールス・オフィスまたは販売代理店までお問い合わせのこと。
ニュースサイト(ST):https://newsroom.st.com/media-center/press-item.html/p4208.html
味センサを利用した「コーヒーサミット2020」開催
「コーヒーサミット2020」が昨年に続き、二子玉川ライズにて1月30日(金)から2月2日(日)までの3日間開催される。
同イベントは味覚センサを使って味を数値化し、感覚だけでなく値としてコーヒー店ごとの味の違いを明確化することをしており、前回同様今年も人気が予想される。
イベントサイト(コーヒーサミット2020):https://www.ejcra.org/coffeesummit2020/index.html
スワローインキュベート、パナソニック特許活用の「視線検出技術」を提供
(株)スワローインキュベートは、 パナソニック(株)の特許技術・ノウハウを活用した「視線検出技術」を開発し、SDK(ソフトウェア開発キット)等の提供を開始したと発表した。
◆「視線検出技術」の特徴
1.非接触でも高精度を実現
本「視線検出技術」は、カメラをセンサとして「非接触」に視線検出が可能であり、ユーザビリティに優れている。また、特許ノウハウを活用した独自のアルゴリズムにより、ウェアラブルなどの接触型と比較しても同等な精度を実現しているという。
2.特殊なカメラ不要、スマホカメラでも実装可
「可視光カメラ」を利用するため、「スマホカメラ」などのデバイス搭載カメラや、ドライブレコーダーや車載カメラの「WEBカメラ(USBカメラ)」など、流通している多くのカメラを利用して手軽に「視線検出」を実装できるとのこと。
3.メガネ着用OK
目を対象とする技術では「メガネ」がネックとなりがちだが、本技術は「可視光カメラ」を使用しており反射の起こりやすい赤外線カメラを必要としないため、メガネ着用でも問題無い。
4.SDK提供が可能
従来は製品(完成品)での提供が多かった視線検出技術だが、当社では「SDK(ソフトウェア開発キット)」を提供しているため、様々な製品/サービスに組み込んで本機能を実装できる。自社で1から開発するより遥かに時間を短縮でき、比較的容易に実装可能だという。
プレスリリースサイト(スワローインキュベート):
https://swallow-incubate.com/archives/news/20200114/
南知多町日間賀島における自動運転の社会実装を見据えた実証実験
アイサンテクノロジー(株)はこの度、日間賀島(愛知県知多郡南知多町)において、「離島における観光型MaaSによる移動」をテーマとした自動運転の実証実験を実施する。
本実証実験は将来の自動運転サービスによる輸送の実現を見据え、自動運転車両(マイクロバス)には、路線バス等の運行を担う大型自動車第二種免許の保有者が運転席に乗車、監視する形で運行を行うとのこと。
本事業実施主体である、(株)NTTドコモをはじめ、岡谷鋼機(株)、損害保険ジャパン日本興亜(株)、(株)ティアフォー、名古屋鉄道(株)、名古屋大学と共同で本事業に参画するという。
1.実証日程 2020年1月25日(土)から1月27日(月)まで
2.事業実施体制 (株)NTTドコモを核とする共同体で事業実施【7社・1大学】
(株)NTTドコモ、岡谷鋼機(株)、損害保険ジャパン日本興亜(株)、(株)ティアフォー、名古屋鉄道(株)、日本信号(株)、国立大学法人名古屋大学、アイサンテクノロジー(株)
【協力】南知多町、(一社)日間賀島観光協会、日間賀島漁業協同組合、名鉄バス(株)、名鉄海上観光船(株)、(株)メイテツコム、名鉄EIエンジニア(株)、埼玉工業大学
3.ルート等詳細 高速船の発着点の一つである西港を起点とした外周道路で実施
4.車両概要(車両名 リエッセⅡ:画像)
ニュースリリースサイト:
https://www.aisantec.co.jp/company/information/2020/01/post-37.html
