アーカイブ

IoTおよびAI技術を活用。国内初「牛の診療費補償サービス」を開始

 三井住友海上火災保険(株)とデザミス(株)は、デザミスが開発した牛の行動モニタリングシステム「U-motion※1」に保険を付帯した「牛の診療費補償サービス」の提供を開始したと発表した。
三井住友海上とデザミスは、今後も畜産農家の課題解決に向けた新たなサービスを研究し、畜産業の発展に貢献することで、社会との共通価値の創造に取り組んでいくという。

「牛の診療費補償サービス」の特長
(1)U-motionの導入による牛の疾病・事故早期発見
U-motionの行動モニタリング機能・アラート機能により、牛の健康状態をリアルタイムで把握し、疾病・事故の早期発見が可能である。

(2)畜産農家の診療費自己負担分を補償
U-motionを装着している牛が家畜共済※2の疾病傷害共済の補償対象となった場合※3に、 組合員等の1割自己負担部分を支払う。そのため、診療費の全額が病傷共済金と損害保険金によって補償される。なお、U-motionに保険が自動付帯されるため、畜産農家に保険料負担はないとのこと。

※1:U-motionは、牛の首に取り付けたセンサーが牛の行動をモニタリングし、反芻・動態・横臥・起立等の牛の主要な行動を24時間365日記録することで、牛の健康状態をリアルタイムに把握できるサービス。 集積された行動データを用いて、人工知能が牛の異変を自動で検知し、疾病・発情・起立困難等の場合はアラートで知らせる。
※2:「農業保険法」に基づいて実施される家畜共済は、農業者があらかじめ農業共済組合(NOSAI)に共済掛金を出し合って共同準備財産を造成しておき、「家畜の死亡または廃用による損失」や「家畜の疾病または傷害の診療費の支払い」が発生した場合に、農業共済組合が被災した農業者に共済金を支払う制度。2020年1月以降に開始する疾病傷害共済では、初診料を含めた診療費全体の1割が自己負担となる。
※3:U-motionを導入していない牛は本サービスの対象外。プレゼントされる損害保険は、疾病傷害共済の共済金が支払われる場合のみ補償される。国が示す病傷事故給付基準外の診療費や、給付限度額を超える診療費については、病傷共済金と同様に保険金も支払われない。

ニュースリリースサイト(MS&AD):https://www.ms-ins.com/news/fy2020/pdf/0420_1.pdf

施設入口対策に最適な非接触式セルフ検温端末

iFLYソリューションズジャパン(株)は新型コロナウイルスの感染拡大を防止するため、AI顔認証とサーモグラフィ技術を組み合わせ、タブレット型の端末だけで、手軽に安価に施設入口での検温が可能となる非接触式セルフ検温端末を発表した。 日本版を深センの上場会社MeiG Smart Technologyと共同で開発した。5月1日より提供可能とのこと。

〔製品について〕
・シンプル:通電後に設定なしですぐ検温可能
・高速&高精度:マスク着用時でも0.5秒~1秒の検温、室内環境(10℃~30℃)において精度±0.3℃
・拡張性:外部通信インターフェースを提供することにより、複数端末のリモート監視や外部のシステム連携(例:勤怠管理)が可能

・「セルフ」「リモート」なので、スタッフが、近づかなくても良い又はいなくても良い
・アラーム音が鳴るので、スタッフがいる場合でも離れて見る、複数列でも一人で対応可能

・Android OS
・7インチディスプレイ
・USBポート、外部通信インターフェース(WiFi、LANポート)
・顔認証
・検出基準値変更
・リアルタイム通知音
・検温データ保存/エクスポート
・3種類の設置方法(三脚/スタンド、壁掛け、既存セキュリティーゲート)

ニュースリリースサイト:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000001.000056637.html

IoT-EX、企業BCP対策として濃厚接触者特定サービスの提供開始

2020年4月20付 IoT-EX(株)は社員のプライバシー保護とセキュリティ確保を両立し、企業向けBCP対策を可能にする、「濃厚接触者特定サービス Corona Tracer™(コロナ・トレーサー)」の提供を、2020年5月11日より開始すると発表した。

IoT-EX社は、企業のBCP対策を目的として、会議室等に設置したIoTルータを活用した「濃厚接触者特定サービス Corona Tracer™」を開発した。このサービスは、プライバシー保護と企業のセキュリティ確保を両立することができる。まず、企業の会議室など「三密」になりやすい場所に、IoTルータ(親機)を設置。そこに、Beaconアプリをインストールしたスマートフォン(子機)を持った社員が近づくと、社員の子機UUIDと距離を検知し、時刻と共に記録する。そのため、総務部門等の管理者は、感染した社員名を指定するだけで、濃厚接触の可能性のある社員名を簡単に特定することができるという。

この「濃厚接触者特定サービス Corona Tracer™」は、「Beaconデータ収集システム」と「濃厚感染者特定システム」という別々のシステムを、IoT-EX社が提供する「IoT-HUB*1」と「IoTルータ*2」を経由し、必要なデータを必要な時に必要な分だけ取得する仕組み(特許取得済)になっており、管理者が誰かの行動を監視し続けることはできない仕組み(特許取得済)になっている。そのため、高いプライバシー保護とセキュリティ確保を両立することが可能。現時点では、企業のBCP対策として使える特徴を持った世界初の濃厚感染者特定サービスとしている。(特許出願中)

*1 *2 この技術は東京大学生産技術研究所での研究成果を社会実装したもの。

ニュースリリースサイト(IoT-EX):https://www.iot-ex.co.jp/news/news_200420.html

マウザー、ボッシュ・センサーテック社のスマートセンサの取り扱い開始

ネット販売商社のマウザー・エレクトロニクスはボッシュ・センサーテック(Bosch Sensortec)社が提供する新世代超低消費電力のスマートセンサ「BHI260AB」および「BHA260AB」の取り扱いを開始したと発表した。
ウェアラブル、ヒアラブル、AR/VR、スマートフォンなどの常時接続センサアプリケーション向けに開発されたBHI260ABとBHA260ABは、パワフルなコプロセッサを使用し、メインのアプリケーションプロセッサのセンサ処理をオフロードで実現するので、消費電力を低減し、バッテリ寿命を延長できるという。

現在、マウザーより発送可能なBosch Sensortecの BHI260AB、および注文可能なBHA260ABは、クラス最高の3軸MEMS加速度センサ(BHA260AB)、または6軸ジャイロスコープ/加速度センサ慣性測定ユニット(BHI260AB)を内蔵している。いずれのデバイスも256 kBのオンチップSRAMを搭載した32ビット浮動小数点マイクロコントローラ、Bosch Sensortec製Fuser2 Coreを採用。この構成可能なFuser2 Coreは、高効率なロングランモードでは20MHzで950μA、高性能なターボモードでは50MHzで2.8mAの消費で抑えるとのこと。

BHI260ABは、最大25のGPIO(汎用入出力)、BHA260ABは、最大12のGPIOを提供する。両デバイスともホストインターフェイスを含んでおり、SPIとして、または電力効率にすぐれたデータ伝送に向けたデータ速度最大3.4MBit/秒の高速I²Cとして構成可能。また、両センサはGNSSやさまざまなローカリゼーションシステムなど、他のセンサデバイスとの統合をサポートしているとしている。

ニュースリリースサイト:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000215.000034430.html

IBCとIoTBASE、IoTセキュリティサービス提供に向けて業務提携

 アイビーシー(株)が提供するブロックチェーンを利用した新PKI技術(※)である「kusabi™」と、IoTBASE(株)が提供するIoTプラットフォーム「IoTBASE Cloud」はAPI連携し、専門技術や開発環境がなくともセンサデバイスへ高度なIoTセキュリティ対策を実装できるサービスの提供に向けて4月14日より業務提携を開始したと発表した。

両社は共同でIoTセキュリティ運用環境構築の実証実験を進めており、kusabi™の実行環境として日本オラクルが提供するOracle Blockchain Platform Cloudを活用し、クラウド完結でスピーディなIoTデバイスセキュリティサービスの提供を目指すとしている。

(※)PKI技術とは:公開鍵暗号方式に基づく電子認証の技術基盤(Public Key Infrastructure)

◇kusabi™️は、あらゆる「モノ=IoT」の安全な相互通信を目指した新PKI技術を提供し、IoTのシステムモデルに最適なセキュリティを実現する。kusabi™️が提供する新PKI技術は、ブロックチェーンが持つ論理的特性をシステムとして提供し、機密性(Confidentiality)、完全性(Integrity)、可用性(Availability)に適応。さらに、新PKI技術をデバイスプロビジョニング技術に利用することで、ソフトウェアだけで高度なIoTセキュリティを実現するという。

◇IoTBASE Cloudは、IoT技術に詳しくなくても、クラウド上で接続済みのデバイスやアプリケーションを選択し、組み合わせるだけで、簡単にIoTシステムを導入することができるサービス。さまざまなIoTセンサから取得した情報を、パネル・リスト・マップ・グラフ画面を切り替えながら分かりやすく可視化するIoTアプリケーション「IoTCanvas」をセットで提供しており、開発不要で自社の課題にあったIoTサービスを簡単・低コストで導入することができる。IoT導入時に直面する複雑な導入プロセスを変革し、あらゆる企業やスマートシティ化を目指す自治体が簡単にIoTを導入できる仕組みを提供しているとのこと。

ニュースリリースサイト(IoTBASE):https://iotbase.co.jp/news/3049/

非破壊・非接触のテラヘルツ波IoTセンシングとデータサイエンス(1)

日本電信電話株式会社
NTT先端集積デバイス研究所
  味戸 克裕

緒言

テラヘルツ波を用いたセンシング技術は電波の材料透過力と光の材料識別力(物質同定能力)の2つの能力があり、新しい非破壊検査手法として注目される。図1に示すように、テラヘルツ(THz)という言葉は、電波では周波数がおよそ300GHz(3×1011Hz)以上の未アロケーショの周波数から10THz(1013Hz)を示し、光は波長1mm以下(周波数換算で300GHz以上)を示す。そのため、2つの能力を併せもつ周波数の領域として狭義のTHz波あるいはTHz光は0.3〜3THzとなるが、一般ではもう少し広くとって、0.1〜10THzを示す[1]

図1:テラヘルツ波の周波数帯域と材料透過性・材料識別力との関係.

THz波センシングの手法は、基本的には非破壊・非接触のセンシングであり、電波の材料透過力を生かした材料内部のイメージング、光の材料識別力を生かした分光センシング、その両方を生かした物質同定の分光イメージングなどがある[2]

ソサイエティ5.0 やインダストリー4.0におけるスマートファクトリーのIoT (Internet of Things)センシングは、インラインモニタリングであり、工場の製造ラインの中にセンサを組み込むことが必要とされ、THz波はIoTセンシング技術の1つと期待されている。THz波は金属を透過できないが、プラスチック、テフロン、セラミックスなど誘電体を透過ことができる。ガラスについては透過しにくいが、結晶である石英はZ軸方向に高い透過性があるため、IoTセンシング装置におけるTHz波の窓材として利用することができる。また、水分の吸収が高いため、含水率の高い材料を透過することは難しいが、薄膜状にして液体を測定することは可能である[3]
THz分光スペクトルのピークは比較的ブロードであるため、単純にピークの周波数をデータベース化するのでは定量分析をすることは難しいため、カーブフィッティングや多変量解析が有効である。また、THzスペクトルの解析は複雑であり、分子動力学によるシミュレーションなどデータサイエンスの活用が必要である[4]
本稿では、THz波センシング技術で何が分かり、IoTセンシング技術はどのような分野に広がるのか、さらに、THz分光センシングシステムはどのような装置構成で、データサイエンスがなぜ必要なのかなど、THz波センシングの現状と将来について述べる。

1.テラヘルツ波センシング技術で何が分かるのか。

図2に示すように、中赤外線領域には分子内振動のモード、マイクロ波領域には分子の配向緩和のモードのあることが古くから知られていたが、THz波領域には分子間振動のモードがあることが分かってきた。中赤外線領域の分子内振動のモードを「分子の指紋」と呼ぶのに対して、THz波領域は「分子間の指紋」ということができる。これは、分子同士がどのように結びついているかということであり、医薬結晶の溶解しやすさや体内吸収のしやすさなど、これまで得られなかった物理パラメタを得られることがTHz波センシングの特長である。具体的には、水素結合の振動モードや分子の歪みモード、クラスタ・ナノ粒子の振動モード、低周波数分子振動モード、結晶のフォノンモード、気体分子の回転モードなどがある。1THzは波長0.3mmに相当し、その波長の大きさから微粒子の材料識別力は無いように思うかもしれないが、実際はクラスタやナノ粒子といった超微小な数原子の物質種の識別が可能である[5]

図2:テラヘルツ波センシングで得られる分子情報

THz波センシングの主な応用分野として、非破壊検査、セキュリティー、環境、バイオメディカル、高分子制御の5分野を示す(図3)。非破壊検査分野として、薬効のある医薬成分と錠剤を形作る賦形剤の成分が複雑に混合される医薬品の製造工程のモニタリングなど医薬品検査、食品の原材料や製造工程におけるプラスチック破片など異物混入に関する食品検査、複数層の自動車塗装の膜厚やガスタービンのセラミックコーティングの膜厚分布などの工業材料の膜厚評価などがある。これらは、THz波を用いたIoT センシング技術として工場の製造ライン中での非破壊検査を可能とするものである。その他の非破壊検査の適用例としては数層に絵具が塗られた絵画などの美術工芸品や古墳内の壁画などの文化財の検査、外壁内部の木材などの建材点検、被覆された電線などのインフラ点検などがある[6]

図3:テラヘルツ波センシングの主な応用分野

セキュリティー分野では、空港の手荷物の危険物探知や駅などでの不審物所持検査などがあり、環境分野では、THz波の電波としての透過性を生かして煙の多い火災現場難度での有害ガス分析や宇宙探査での酸素・水分・氷の検出などがある。また、また、バイオメィカル分野では、メタマテリアルで高感度化して染色せずに特定の生体分子を検出する非染色バイオセンサ、大規模な火災を想定して負傷者のやけどの深度を迅速に判定するやけど診断、正常細胞と異常細胞のスペクトルの違いを利用する皮膚ガンや胃がんの診断、医療材料として軟骨などに用いることができるハイドロゲルなどの含水率や構造評価などがあるが、基本となる測定原理は水素結合などの分子間の相互作用の検出となる。その他、新しい分野として、分子が強いTHz波によって高分子構造が変化することによる高分子材料やDNAの制御技術が報告されている[7]

2.テラヘルツ波IoTセンシング

THz波IoTセンシングの例として図4に医薬成分の非破壊・非接触検査に向けた概念図を示す[8]。医薬品錠剤をインラインでTHz分光センシングあるいは分光イメージングによって医薬品有効成分(API: Active Pharmaceutical Ingredient) の量や結晶多形を識別することであり、いわゆる全品検査である。

図4:テラヘルツ波IoTセンシングによる医薬成分の非破壊・非接触検査の概念図

全品検査では、工場ラインにおいて、医薬錠剤の各1個ずつに含まれるAPIの結晶構造や量を確認する。この図では錠剤成型直後の段階での非破壊検査の概念図を表す。APIの結晶多形は水への溶解性、すなわち体内への吸収性(バイオアベイラビリティ)を向上させるため、あえて不安定な結晶形を用いる場合が多い。そのため、周囲の環境によって徐々に安定な別の構造(結晶多形)に変化して水への溶解性が低くなる場合や空気中の水分を結晶内に取り入れてより安定な水和結晶になる可能性がある。このような水和結晶を擬似結晶多形とよび、広義の結晶多形に含める。テラヘルツ分光は「分子間の指紋」を識別できるため、結晶多形の違いを含めたAPIの品質管理に有効と考えられる。図の右下には胃薬の成分で、H2受容体拮抗剤に含まれるファモチジンの例を示している。結晶多形として安定なA型と不安定で溶解性の高いB型があり、B型のみが薬効を示す。同じファモチジンという分子であっても、結晶多形が変わればTHzスペクトルのピークは全く異なり、実際には薬効が異なる。製造の工程によって薬効の小さな安定した結晶形に変移する可能性があるため、IoTセンシングでのインラインモニタリングが重要となる。ドラッグストアで購入した市販薬では、ほとんどがB型であることが確認できた[8]

錠剤成形前の原材料の段階や包装後の段階でもTHzセンシングは有効と考えられる。包装後の医薬品製造の過程のユースケースを考えると、プラスチック包装をTHz波は透過するがアルミ箔は透過しないため、透過配置ではなく反射配置にするなど工夫が必要となる。アメリカ食品医薬品局(FDA: The United States Food and Drug Administration)では、PAT (Process Analytical Technology)とよばれる製造プロセスにおける品質管理を医薬品生産に導入するためのガイドラインを公表しているが、安心・安全のための全品検査のニーズは高まっており、テラヘルツ分光を使ったIoTセンシング技術もそれに向けて、他の分光法と共に進歩していくことが期待されている。また、最近では個々の患者さんが一度に複数の錠剤を服用する場合に、3Dプリンターにより複数の錠剤を一個にまとめるようなことが可能な医薬品がアメリカでは認可されていて、いわゆるデータメード医療であるが、それに使われる生分解性ポリマーの評価にテラヘルツイメージングが有効であることが報告されている[9]

次回に続く-

参考文献
1) 味戸克裕,光アライアンス, 30, 8(2019) 59-63.
2) K. Ajito, IEEE Transactions on Terahertz Science and Technology 5, 6 (2015) 1140-11457.
3) M. Kondoh, M. Tsubouchi, Optics Express, 22, 12 (2014)14135-14136.
4) Y. Ueno, K. Ajito, N. Kukutsu, E. Tamechika, Analytical Sciences, 27,4 (2011) 351-356.
5) 味戸克裕, Optronics, 38, 5(2019) 68-72.
6) Y. Ueno, K. Ajito, Handbook of Terahertz Technologies: Devices and Applications (Terahertz chemical spectroscopy, Chapter 14, pp. 430-446), 2015.4, Pan Stanford, CRS Press; D. M. Mittleman, Optics Express, 26, 8(2018) 9417-9431; T. Jyo, H. Hamada, IEEE Transactions on Terahertz Science and Technology, 8, 3(2018) 278-286.
7) H. Hoshina, H. Suzuki, C. Otani, M. Nagai, K. Kawase, A. Irizawa, and G. Isoyama, Scientific Reports, 6 (2016) 27180.
8) 味戸克裕, 製造プロセスにおけるIoT、ICT技術の活用(第3章4節連続波テラヘルツ分光法による錠剤中の分子種・結晶種識別, pp. 180-190, 2017.04, 技術情報協会.
9) D. Markl, J. A. Zeitler, C. Rasch, M. H. Michaelsen, A. Müllertz, J. Rantanen, T. Rades, J. Bøtker, Pharmaceutical Research, 34, 5 (2017)1037–1052.

【著者紹介】
味戸 克裕(あじと かつひろ)
日本電信電話株式会社 NTT先端集積デバイス研究所 主任研究員

■略歴
1995年 東京大学大学院工学系研究科応用化学専攻博士課程修了、同年日本電信電話(株)(NTT物性科学基礎研究所)入社。ミリ波・テラヘルツ光を使った分析化学および超高速無線技術、多孔質材料や光ピンセット技術を使った脳神経伝達物質のラマン分光分析法、医薬品のIoT非破壊イメージング検査技術などのセンサとデータサイエンスの研究に従事。
2010〜2014年 日本分光学会理事
2017〜2018年 千葉工業大学機械サイエンス学科非常勤講師
2018年 横浜国立大学理工学部数物・電子情報系非常勤講師、京都大学農学部森林科学科非常勤講師
2018年〜 電気学会センサ・マイクロマシン部門幹事(広報担当)
2018年~ 早稲田大学先進理工学部非常勤講師
IEEE学会会員、電子情報通信学会会員、アメリカ化学会会員、電気学会会員、日本分光学会会員、日本分析化学会会員

新型コロナで封鎖中のカザフスタン首都の境域をドローン警備

テラドローングループのKazUAVは、新型コロナウイルスの感染拡大により封鎖されている、カザフスタンの首都ヌルスルタンの境域で、ドローン警備を実施したと発表した。本件は、政府の新型コロナ対策本部との連携の上、ヌルスルタン警察と共同で行われたとのこと。

このプロジェクトで、KazUAVチームは、可視光センサと赤外線センサを搭載したドローンによる数百時間の飛行を完了。 対象物の正確な座標を含む、ドローンが取得したすべてのデータを、新型コロナ対策本部の司令センターにリアルタイムで配信しました。 これにより、封鎖地域における複数の迂回路や不正行為を発見することができたという。

カザフスタン政府は、先月16日、最初の新型コロナウイルス感染者を確認した後、国境封鎖、そして首都ヌルスルタンを含む主要都市のロックダウンに踏み切った。 さらに、ロシアと中国に国境を接する同国は、今月15日まで効力を有するとしている非常事態宣言を発令し、パンデミックに対する厳しい対策法案を採択した。同政府が提示したガイドラインでは、全国的な旅行の制限、市民集会の禁止、衛生及び流行対策の実施などを呼びかける内容となっており、このプロジェクトはこのような施策をサポートする内容となっているとのこと。

ニュースリリースサイト:https://www.terra-drone.net/blog/page-7288/

クラウドプラットフォームを活用したセンサ・設備制御ネットワークシステムの協創

(株)日建設計、(株)協和エクシオ、(株)WHERE、オムロン(株)、神田通信機(株)は、働き方改革や脱炭素社会の実現のために、ワークプレイスの有効利用と室内環境の最適化を目指すクラウドプラットフォームを活用したセンサ・設備制御ネットワークシステムの開発・改善・普及に向けた取り組みを共同で実施していくことに合意したと発表した。
既に、実際のオフィスを利用したセンサ・ネットワークシステムの実証実験を開始しているという。今後は、設備制御やAIとの連携の拡大を図り、実フィールドにおける省エネルギー効果の検証や働き方改革への応用を試行していくとのこと。

昨今、国内労働人口の減少とその加速が予測され、国先導の下、各企業による労働力確保や生産性向上など働き方改革への取り組みが喫緊の課題となっている。また、地球温暖化の急速な進行が顕在化し、脱炭素化は今まで以上に社会全体での課題となるであろう。従来、空調・照明・防犯・防災・日射遮蔽・映像音響などの建築設備では、各システムが独自にセンサを設置しており、相互無関係に制御されてきた。これに対し、より快適に、より効率的に建築空間を運用し、生産性向上や脱炭素化を促進するためには、空間の全体最適化を可能とするシステム開発が必要となります。本協創は、ネットワーク、センサ、設備制御、建築設計などの各分野の連携による建築空間を様々な側面から統合的に全体最適化の実現を目的としているという。

ニュースリリースサイト(日建設計):
https://www.nikken.co.jp/ja/news/press_release/pj4urv0000001tjo-att/pj4urv0000001tkl.pdf

Bluetooth5.0に対応したIoT温湿度センサ「BC-10」を発売開始

CYBERDYNE Omni Networks(株)、ならびに(株)コヴィアは、Bluetooth5.0に対応したIoT温湿度センサ「BC-10」を実売想定価格6,800円(税抜)にて2020年5月より発売すると発表した。

現状、温湿度管理においては、アナログ温湿度計を設置して巡回管理したり、空調レベルでの温度調節に留まっており、また、従来品のネットワーク対応型温湿度センサは高額で、システムの自由度が低いため、管理・記録・異常の検知を自動化することは導入の敷居が高いものだった。

「BC-10」は、サイズ44mm×44mm×8mm、重さ19gのコンパクト設計。環境センサの中でも利用の多い温湿度に特化して低価格化したもので、交換可能なコイン形リチウム電池CR2450を搭載し、1時間に1回の測定データ送信の場合、電池交換無しで約1.5年(※1)動作するという。

「BC-10」のデータ通信はBLE(Bluetooth Low Energy)に対応し、アプリケーション(※2)を使用すれば簡単にスマートフォンにデータを取り込むことができる。 また、IoTゲートウェイを経由してクラウドサーバーに送信(※3)し、多地点の測定データを一元管理することも可能。 IoTゲートウェイには同社Actyシリーズの利用が便利とのこと。「BC-10」から収集したセンサ情報を束ねるIoTゲートウェイとして、日時や位置情報とともにデータをクラウドサーバーに送ることができる。
「Actyシリーズ」は、Androidを搭載しているので、アプリの開発や外部デバイスとの連携など機能拡張が容易な点が特徴。GPSの他に、加速度センサ、ジャイロセンサを搭載しているので、例えば、輸送中の振動や急挙動、荷物の傾きなども検出できるので、様々な環境情報を組み合わせてモニタリングすることが可能だという。

※1.パナソニック製造(620mA品)使用の場合
※2.Android用アプリケーションのみ
※3.サーバーに送信するためのソフトウェアの開発が必要

ニュースリリースサイト:https://www.cyberdyne-omninet.com/news/20200410.html

ST、産業用モニタリングに最適なMEMS加速度センサ

 STマイクロエレクトロニクスは、工場設備のスマートなメンテナンスに最適な新しい振動検知ソリューションを発表した。このソリューションは、次世代のIndustry 4.0向けアプリケーションの実現を加速させるという。

 3軸MEMS加速度センサの「IIS3DWB」およびマルチセンサを搭載した評価キットの「STEVAL-STWINKT1」は、状態モニタ・システムの開発を加速する。状態モニタは、設備のメンテナンス時期を推測することで生産性の向上に貢献。計測した振動データをローカルまたはクラウド上で分析し、メンテナンスの計画に活用することで稼働時間の最大化やメンテナンス・コストの最小化、および予知保全を実現するとのこと。

 IIS3DWBは、産業用の振動検出に最適な3軸MEMS加速度センサ。STEVAL-STWINKT1は、IIS3DWBに加えて、各種センサ、超低消費電力マイクロコントローラ(マイコン)と振動データ処理アルゴリズム、Bluetooth® ワイヤレス・モジュール、およびUSBコネクタを搭載しており、試作開発およびテストを簡略化する。STEVAL-STWINKT1はバッテリとともにプラスチック・ケースに封止されており、アプリケーション開発をすぐに始められる利便性に優れたリファレンス設計で。また、高速データ・ロガーとクラウド・ベースのダッシュボード・ユーティリティにより、データの収集・分析やその結果の可視化を簡単に行うことができるという。

◇IIS3DWBの主な特徴
・3軸すべてで広帯域かつフラットな周波数応答を持ち、他社製品で必要となる外部での複雑な信号処理が不要
・信号処理、A-Dコンバータ、フィルタ、帯域幅のイコライゼーションなど、すぐに使用できるデジタル機能を搭載
・低ノイズ: 75µg/√Hz(3軸モード)と60µg/√Hz(1軸モード)をオンザフライで選択可能
・動作温度範囲: -40°C~105°C
・動作電流: 3軸のフル動作モード時で1.1mA

ニュースリリースサイト:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000001049.000001337.html