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光加速度センサシステムの実用化~技術ソリューション事業発の地震計測機器

 JOGMEC(独立行政法人 石油天然ガス・金属鉱物資源機構)は、技術ソリューション事業(注1)「新しい光干渉法を用いた無電源 4D モニタリングシステムの開発」および「光加速度センサシステムの技術開発と実証試験」を通じて、白山工業(株)と共同で、光加速度センサシステムの技術開発を実施しましたが、今般、白山工業(株)は、同技術をベースとした地震計測機器の実用化に至り、「光センサ地震計測システム」の提供を令和2年7月から開始したと発表した。
(画像:3成分光干渉加速度センサ)

 本光加速度センサシステムは、位相シフト光干渉法(注2)により、センサ部への電源供給なしの地震計測が可能であり、実証試験でその有効性が確認されれば、長期安定性や高温耐久性を有する本技術を適用して、過酷な環境下にある石油・ガスの地下探査、CO2地中貯留や石油ガス備蓄基地でのモニタリングなどの課題解決に貢献することが期待されるとのこと。

(注1)技術ソリューション事業:JOGMECが2013年より実施している、産油国等が抱える技術課題(ニーズ)に対して、JOGMECと我が国企業が一体となって解決策(ソリューション)を提供することで、我が国企業のビジネス創成を支援するとともに、産油国等との関係を強化することを目的とした事業。
(注2)位相シフト光干渉法:振動子の変位をレーザ光の位相のズレから捉える技術であり、計測光の一部の位相を変えることで通常の干渉計の計測範囲を超えた変位の測定が可能となる。

ニュースリリースサイト(JOGMEC):
http://www.jogmec.go.jp/news/release/news_08_000089.html?mid=pr_200903

温度測定機能付きICラベル開発、バッテリーレスで個品単位の温度情報取得

トッパン・フォームズ(株)は、個品管理と温度測定が同時に可能なUHF帯ICラベルを新たに開発した。2020年12月に発売する予定。

本製品は温度センサを内蔵したICチップを搭載しており、固有のIDと温度情報をひも付けた個品管理が可能。このため、温度履歴を必要とする製造現場や食品物流などの工程管理、在庫管理における業務効率化を簡単に実現でき、企業のIoTソリューション導入に貢献する。
また、本製品はリーダー・ライターから発せられる電波を電源として作動するため、電池交換が不要になるなどメンテナンスコストの削減を実現するという。

〔背景〕
UHF帯ICラベルは長い通信距離や一度に複数を読み取りできる特長があり、RFID(電波による個品管理)ソリューションとして、製造や物流における工程管理や在庫管理、入出庫管理などさまざまな場面で利用が広がっている。
その中でも製造現場や食品物流では、ICラベルによる個品管理とともに温度計測器での温度管理が実施されているケースがあり、特に冷蔵・冷凍環境で保管されている材料は温度測定による品質管理が必要である。個品単位での温度測定にはニーズがあるものの運用コストや作業効率の問題から実施が難しく、保管庫内や作業場の室内温度で管理されることが多いのが現状だとのこと。

〔特長〕
1.複数の物品を一括で温度管理
長距離通信・一括読み取りが可能なUHF帯の特長を活かし、一度で複数対象の温度測定が可能。記録の書き間違えなどの人為的なミス削減や作業工数の削減に貢献する。
また、用途に応じて、大きさ・形状などさまざまなタイプでの提供が可能。

2.バッテリーレスでメンテナンス不要
本製品はリーダー・ライターからの電波のみで動作が可能。温度管理は測定のみに機能を絞ることで電池交換の必要が無く、電池式の温度ロガーやバッテリー付きのICラベルと比較して大きくコストを抑えられる。

3.RFID対応プリンターでの印字発行が可能
本製品は市販のRFID対応プリンターで印字発行も可能。
※ICラベルの形状の場合に限る。

4.当社オリジナルのリーダーとの組み合わせにより、簡単・低コストな運用が可能
当社オリジナルの軽量、低コストで携帯性に優れた「小型RFIDリーダー」と組み合わせて使用することができ、現場への導入が簡単に実現可能。
※「小型RFIDリーダー」を使用する際は、ソフトウエアのアップデートが必要な場合あり。
※市販のリーダー・ライターを使用する場合は、本製品に合わせたソフトウエア開発などが必要になる場合あり。

ニュースリリースサイト(TOPPAN):https://rfid.toppan-f.co.jp/news/#year2020

機械の目となる3Dセンサ、組み込み型TOFセンサモジュール「B5Lシリーズ」

オムロン(株)は、組み込み型3D TOFセンサモジュール「B5Lシリーズ」を9月1日から日本国内、10月1日からグローバルで発売する。
「B5Lシリーズ」は、独自の光学設計技術により太陽光の下でも広範囲の3次元距離情報を安定して測定でき、また長期間の連続稼働にも耐えられる機器組み込用途に最適化された仕様となっている。これにより、周囲の状況をより正確かつ簡単に把握することができる「機械の目」として、人々の生活シーンで活用が進む自律走行ロボットを始めとした機械・機器の自律化と普及に貢献するという。

今回発売する「B5Lシリーズ」は、0.5~4.0mの近距離で、広範囲の人や物との距離をリアルタイムで測定できる3Dセンサモジュール。検出原理にTime of Flight(ToF)を採用しながらも、独自の光学設計技術により、ToFの弱点であった太陽光下でも安定した検出を実現することで、様々なシーンでより正確に対象物との距離が検知できるようになる。また、機器への組み込みに最適化した高精度±2%(検出距離:2m時)、連続駆動5年相当*¹もの長寿命を備えてモジュール化するとともに、温度補正機能などを内部搭載して設計者側の補正処理を不要とすることで、幅広い用途で活躍する自律走行ロボットなどの機器への搭載が容易となる。
この「B5Lシリーズ」はロボットのみならず、介護見守りなど、プライバシーを保護しながら、広範囲で動きまわる人を検知する必要がある用途での使用も可能とのこと。

主な特長
①耐外乱光 強い太陽光耐性だから、明るい場所でも飽和せず、安定検出。太陽光強度100,000lx 相当に対応。*²
②高精度 補正済みの信号出力で高精度を実現。±2%(検出距離2m時)
③長寿命 独自の回路設計と放熱設計により長寿命を実現。連続駆動5年相当。*¹
④干渉防止 相互干渉防止機能付き。(最大17台 業界最多クラス)*³
ロボットなど複数台を同時使用するアプリケーションにも最適

*¹ 長寿命:2020年3月 当社調べ(当社評価方法 周囲温度20℃、湿度:65%RH を基準にした信頼性加速度試験結果)による)
*² 耐太陽光強度100,000lx:使用条件によっては機能や性能が低下する場合もある。
*³ 干渉防止機能(最大17台):2020年3月 当社調べ(ただし、製品仕様を保証するものでは無い。)

ニュースリリースサイト(omron):https://www.omron.co.jp/press/2020/09/c0901.html

自動運転システムでパーソナルモビリティによる患者の院内移動を実証実験

慶應義塾大学病院とWHILL(株)は、院内地図情報をもとに患者を搬送する自動運転システム(画像)の実証実験を開始する。
本システムでは、スタッフのサポートを必要とせず、パーソナルモビリティを使って自身の操作で院内の目的地まで移動することが可能とのこと。

実証実験は、院内の診療エリアが広くなったことで歩行距離が長くなり長距離歩行に不安のある患者や、足腰に障害がある患者など、自身で目的地まで移動するのが困難な患者に対して、院内の移動手段を提供し歩行時の転倒防止を図り、院内の快適な医療環境を整え医療サービス向上を図るもの。あわせて、自動運転により病院スタッフがサポートすることなく目的地まで移動することで病院スタッフの負担軽減を同時に達成することを目標としている。

本システムは予め院内の地図情報を作製し、地図情報を記憶した自動運転、衝突回避機能を搭載したパーソナルモビリティが、センサ群で探知した周囲の状況を解析しながら運行し、出発時に設定した目的地へ搭乗者自身は操作することなく乗っているだけで移動するシステムであるという。

慶應義塾大学病院は、2018年にSociety 5.0を実現する内閣府の戦略的イノベーション創造プログラム(SIP)の「AI(人工知能)ホスピタルによる高度診断・治療システム」事業の公募に採択され、病院のIT化・AI化を推進している。この取り組みは、このAIホスピタルプロジェクトの支援によって行われているとのこと。

実証実験概要
・時期:2020年9月1日(火)~2021年3月31日(水)
・場所:慶應義塾大学病院内(1号館1階総合案内~正面入口総合案内)
・内容:患者さんを「WHILL自動運転システム」(注釈/図)により、所定の場所に搬送する。往路は運転を必要としない自動運転モードで走行し、利用終了後は無人運転により元の場所に返却される。
・対象:慶應義塾大学病院の患者

プレスリリースサイト:https://whill.inc/jp/news/28597

長野計器がご提案するワイヤレス製品

長野計器株式会社 

あらゆるモノがネットワークにつながり、そこで生まれる多様で膨大なデータの利活用により、全く新しい価値・サービスが創造される。そんなIoTがもたらす社会へのインパクトは計り知れない。
来たるIoT時代に対応するべく、スマート化が進む工業計測分野において、長野計器のご提案する「省力化・省人化」に貢献できるワイヤレス製品を紹介する。

【BR12 ワイヤレス圧力計】

BR12 ワイヤレス圧力計は、Bluetooth®と圧力センサ内蔵の機械式圧力計を組み合わせて、圧力値をiPadでデータ収集・監視を行うことができる製品である。
機械式圧力計に電池駆動の圧力センサと通信モジュールを搭載しており、従来の圧力計から容易に置き換えることができる。圧力値をCSVデータで保存することができ、日常点検により蓄積されたデータを基に、統計的な設備の維持・管理に活用できる。

[製作仕様]
大きさ φ100
ケース構造・材質 屋内用(結露無きこと)・アルミニウム合金
圧力レンジ 0~0.4MPa→0~5MPa、-0.1~0.3MPa→-0.1~2MPa(13種類)
接続ねじ G3/8B、R3/8、G1/2B、R1/2
精度等級 圧力指示:1.0級、圧力センサ:1.6級
使用温度範囲 -5~45℃
接液材質 SUS316、SUS630
通信距離 10m以内(障害物が無い場合)
電源 ボタン電池(CR2032)
電池寿命 2年(2回/日点検用途)
受信ハードウェア iPad(Bluetooth®4.2以降、iOS11以降推奨)
受信ソフトウェア iPad用アプリ「PG-Link」(App Storeよりダウンロードしてください)
RoHS指令 EU RoHS指令適合
質量 約0.8kg


【ER31 バッテリレス圧力センサ】

ER31 バッテリレス圧力センサは、圧力センサにRFID(NFC)を搭載し、ワイヤレス給電方式を採用したバッテリレスの圧力センサである。電池が不要であり、従来の圧力計に比べて小型・軽量であるため、圧力計から簡単に置き換えでき、現場でのデータ取得が可能となる。
データの取得は、専用アプリをインストールしたスマートフォンを製品にタッチすることで、S/Nごとに圧力値データや温度データを取得する。日常点検などの圧力計の目視点検作業を簡易化し、データ読み取り・記入ミスを削減できる。また、取得したデータはCSVファイルにて保存できるため、設備の維持・管理に活用できる。
幅広い圧力レンジ(最低圧力レンジ:0~35kPa、最高圧力レンジ:0~50MPa)をラインアップしており、様々なアプリケーションに対応できる。

[ER31バッテリレス圧力センサ]
[用途例]
[製作仕様]
絶対圧・低圧レンジ品 中圧・高圧レンジ品
圧力レンジ 0~35kPa→0~300kPa
-20~+20kPa→-100~+100kPa
-100~0kPa→-100~300kPa
0~120kPa abs.
0~0.5MPa→0~50MPa

-0.1~0.5MPa→-0.1~2MPa
接液部材質 ダイアフラム材質:SUS316L
継手:SUS316L
ダイアフラム材質:SUS630
継手:SUS304
封入液 シリコーンオイル
接続ネジ R1/4、G1/2A(先端ダイアフラム) R1/4、G1/4A、G3/8A
測定流体 空気、水、油(接ガス、接液部を腐食させない流体)
使用温度範囲 -10~60℃、85%RH以下(結露、凍結なきこと)
電源 ワイヤレス給電(バッテリレス)
無線方式 RFID(NFC Tag 13.56MHz、ISO/IEC 14443 Type B)
保護等級 IP65(大気開放穴あり)
伝送データ 圧力、温度、シリアルNo.、TAG No.、圧力レンジ、ピークホールド値
機能 ゼロ点調整、ゼロ点調整クリア、ピークホールド
応答速度 2s以下
通信距離 2mm以下(スマートフォン)、8mm以下(送信出力200mW品)
耐振動性能 100m/s2(10~2000Hz) JIS C 60068-2-6-2010
耐衝撃性能 1000m/s2(6ms、各方向3回) JIS C 60068-2-27-2011
質量 約100g
[スマートフォン(Android)専用アプリ]
アプリ名称 RFID Sensor(Google Play Storeよりダウンロードしてください。)
OS Android 5.1.1以上
データ読み取り画面 Status、TAG No.、圧力表示、温度表示、ゼロ点調整機能、ロギングの有効無効
設定画面 Status、TAG No.、ピークホールド表示、圧力レンジ表示、TAG No.変更機能、ゼロ点調整リセット機能、シリアルNo.
機能 ロギング機能
管理機能 伝送データをCSVファイルで保存


【ワイヤレス微差圧監視システム】

ワイヤレス微差圧監視システムは、ER63 ワイヤレス微差圧計により計測したデータを、低消費電力で長距離通信が可能な無線通信方式:LPWAにて転送し、遠隔にてデータの一括監視・管理を行うことができる。このため、現場での確認業務を削減できる。
ER63は電池駆動により配線が不要なため、簡単に設置ができる。また、汎用ブラウザにより、差圧・温度・湿度・電池電圧のデータを取得でき、設備管理において重要な情報である圧力警報、電池電圧低下警報は、即時に送信・表示する機能がある。

[システム構成]
■ER63 ワイヤレス微差圧計
 微差圧計測用センサで、最大200台接続可能
■ER90-100 ゲートウェイ
 ER63の測定データを受信し、専用サーバPCにLAN接続にてデータを転送
 最大30台接続可能
■ER90-110 リピータ
 ER63とゲートウェイとの通信を1段まで中継
 最大10台接続可能
■モニタリングソフトウェア
 測定データを監視・管理するソフトウェア
■専用サーバPC
 測定データを保存管理するPC

[ER63 ワイヤレス微差圧計]
[ER90-100 ゲートウェイ]
[モニタリングソフトウェア(設置場所と最新データ表示)]
[モニタリングソフトウェア(測定データのグラフ表示)]
[設置例]

[用途例]
■クリーンルームの室圧監視
室内状況(差圧・温度・湿度)を一括監視・管理ができる。

■ビルの空調フィルタ管理、各種フィルタ目詰まり監視
空調機などの各種フィルタ目詰まりを遠隔で一括監視でき、効率の良いフィルタ交換作業、メンテナンスに役立てられる。

[製作仕様]
ER63
ワイヤレス
微差圧計
差圧レンジ 0~50, 100, 200, 500Pa、0~1, 2, 5kPa
±50, ±100, ±200, ±500Pa
表示精度 ±(1.0%F.S.+1digit) at 23℃  1kPa以上
±(2.0%F.S.+1digit) at 23℃  500Pa以下
電池/電池寿命 単三アルカリ電池[LR6] × 2
約2年(転送速度50kbps、通信周期1時間)
通信方式 920MHz帯特定小電力無線(ARIB STD-T108)
転送速度 FSK:50kbps(標準)、LoRa:1.7kbps
電波到達距離 直線見通し約300m(転送速度50kbps)
通信周期 1分、10分、30分、1時間(標準)
6時間、12時間、24時間
通信項目 差圧、日時、S/N、(温度、湿度、電池電圧)
警報(H、L、電池低下)
データ保存項目 通信項目を1000データ保存
時計機能 ゲートウェイの時計と同期
ER90-100
ゲートウェイ
電源 ACアダプタ
通信方式 920MHz帯特定小電力無線(ARIB STD-T108)
転送速度 FSK:50kbps(標準)、LoRa:1.7kbps
電波到達距離 直線見通し約300m(転送速度50kbps)
インターフェース 有線LAN
ネットワーク接続 イーサネット(IEEE802.3 100BASE-TX)
時計機能 専用サーバPCの時計と同期
ソフトウェア 表示機能 ER63の測定データを一覧表示
グラフ機能 各センサの測定データを任意の期間でトレンドグラフ表示
データ保存 各センサの測定データをCSV形式で保存(自動・手動)
警報機能 ・各センサの測定データが設定範囲外の場合、色を変えて表示
・警報メールを送信
グループ管理 レイアウト画像の登録、ER63の登録
推奨ブラウザ Mozilla Firefox

問い合わせ先
長野計器株式会社
代表 TEL:03(3776)5311
   FAX:03(3776)5320

お問い合わせは下記フリーコールをご利用下さい。
コールセンター :0120-10-8790
ホームページURL:http://www.naganokeiki.co.jp/

KRIのご紹介

株式会社KRI 

1.はじめまして

株式会社KRIは1987年2月に大阪ガスの100%出資の元に設立し、ラボとコンサルティング部門を併せもつ日本で唯一の民間の総合受託研究機関として30年以上にわたり研究ビジネスに携わってきた。1989年に京都市に全国初の民間運営の都市型の京都リサーチパーク(KRP)が京都市内に設立したのを機にKRIも同年にKRPに移転した。 現在は本社機能および材料、調査、電池の部門がラボを構えて業務を行っている。また大阪にもラボ機能を持つ、分析・解析、燃料電池、バイオおよび化学プロセス部門があり、現在のKRI組織は図1に記載したように、各研究部、研究室合わせて22の研究組織より編成されている。発足以来、基幹産業を牽引するトップメーカを中心に、ベンチャー企業含め延べ2000社以上のクライアント様があり、日本以外にもヨーロッパ、US、東アジアなどの各国の企業様からも受託を受けてきた。図2には一例として各研究部の研究例や設備を載せたが、どれも自社技術に基づく研究例である。

図1 KRIの組織図
図2 KRIの研究テーマ・事例の紹介

2.KRIの委託研究の特徴

KRIの研究員はほとんどが中途採用者で企業での研究開発の経験がある方が多い。また大学のスタッフや国内外の研究機関で研究員として活動されていた方も在籍しており経歴も専門分野も様々である。またそれぞれが専門領域で尖った技術を持ち合わせており、それを基軸として受託研究を行っている。実際にはプロジェクトチームを作り受託研究を実施することが常であり、このチーム編成は研究テーマやクライアントの要望をお聞きしてから短期間に行われる。またKRIの研究部間でのコラボレーションによるプロジェクトメンバーの編成も容易である。異なる専門分野の研究員が集まって複眼でものを見ることの重要性は科学技術の発展を見れば否定されることではなく、受託テーマにおいて専門外の研究員がブレークスルーを成し遂げることも多く経験してきた。

我々の受託研究は機密保持の徹底と成果は原則、お客さまのものという二大成約のもと、クライアント様の技術課題の解決に徹することで民間企業からの受託のみで人件費や設備費、将来のへ投資を含めて会社の経営を維持してきており、世界でも類を見ない独自の受託研究の事業スキームを確立してきた。世間ではオープンイノベーションによる課題解決も図られているがKRIでは徹底したクローズドな環境下で課題を解決してきたことが長年支持されてきた結果の一つと受けとめている。KRI発足の当初は世界最先端の研究開発を行いその成果を企業に提供し社会に大きなイノベーションを起こすことを目指していたが、日本では企業での技術創造の中心であった中央研究所が廃止されていく中、開発環境が変わり研究開発のあり方、進め方自体が大きく変わってきた。そのような中、KRIも体制や考え方を変えながら事業を継続してきた。

一般の製造メーカにも研究開発部門があるが、メーカのプロの研究員がなぜKRIに研究開発を委託するのであろうか。研究開発は製造メーカにとって将来への投資と言えるが、経営上はコストであり、リスクを抱え込むことになるので、効率よく研究開発を行い成果を出すことが当然目標とされる。しかし研究現場ではテーマの設定には様々な要因が絡んでくるのが常で、全て自前で成し遂げられるわけではなく、状況においては、KRIと委託研究をすることにより利点が生まれ、事業経営の効率化に役立つと考えられることも多い。その例を下記に示した。

クライアント様の委託研究の動機 KRIとの委託研究で期待できる効果
すぐに研究を始めて早く結果が欲しい。 研究開発のスピードアップ。いつでも必要な時期に始められる。
技術課題の解決に自社内に専門家がいない。
設備やインフラもない。
自社のリソース不足をカバーできる。
いつでも必要な時期に始められる。
新テーマを研究設備や研究員を確保し自社で開始するにはリスクが高い。
フイジビリティをすぐにしたい。
固定費の変動費化(人件費や設備費削減)
いつでも必要な時期に委託でき、自社の研究部門と同様の立ち位置で研究できる。
新しいテーマを探している。新規分野に進出してみたい。 KRIが所有している技術を活用できる。
技術や市場調査からでも始められる。
技術トラブルの問題解決への道筋をつけたい。 違う視点での提案が得られる。専門家により確実性や高品質な結果が得られる。
共同作業により早期解決が図れる。
自社内では煮詰まってしまったR&Dの状況を新たな発想や技術との融合で打破したい。 独創的で専門性の高いアイデアの獲得。
複眼による気づき。

2つめは双方の成長をあげる。委託研究は実際には試作したサンプルをお互いに評価したり、検討内容の分担等、共同研究のスタイルで進行する場合も多くある。その中でクライアント様とKRIの研究員とで行われる様々な議論を通じて、発明や気づきがなされ、お互いに触発され成長していくことにより課題解決が図られることも多いように思う。このような共同作業は緊張感があるものの大変楽しくもある。KRI問わず大学や海外の研究機関など、企業の研究員にとっては外部との共同作業は成長のために重要な経験になると確信している。

3.KRIとの研究の進め方

KRIの委託研究の流れを図3に示した。最初の打合せ段階から秘密保持契約を締結する場合も多いですが、フランクに相談いただいても問題はない。研究テーマや課題解決に対してはKRIから、背景や目的・目標、研究のコンセプトやアイデア、検討内容、研究期間、費用などが記載された提案書を提出する。これをもとにクライアント様と納得するまで何度か打ち合わせを持つ。そこで合意が得られれば契約書を締結して研究に入る。また研究期間中は進捗の打合せや特許出願の準備も行い、期日内に最終報告書を提出し終了する。成果は研究報告書や特許出願、試作サンプルやデバイスである。また最終報告会の時に次の検討(次Phase)に入るか、あるいは新しいテーマに取り組むかなど話し合いも持たれるが、実は、KRIにおいて同一クライアント様から継続して受注するリピート率は70~80%を占め非常に高いことがある。前述したなぜKRIに委託すのかという背景が継続委託に繋がっているのではないだろうか。毎年委託費を予算化して頂くクライアント様も多くおられる。

図3 委託研究のフロー

KRIではクライアント様の受託研究以外に、社内での自主研究を推進しており、KRIが所有している有効特許も約180ある。これらを使ってマーケティングや研究プロジェクトを企画しクライアントを募集している。一例として2000年代後半から2010年代前半にかけマルチクライアントプロジェクトとして企画したセルロースの溶解技術と応用研究の概要を図4に示した。

図4セルロースの溶解技術と応用研究 マルチクライアントプロジェクト(2007年)

難溶性であったセルロースを溶解させる技術をKRI内で開発し、国内・海外に出願し、その技術情報の詳細な開示と技術移転ならびに商品化への応用研究を募集したプロジェクトである。現在は終了しているが、このようなKRIが保有している特許や技術ノウハウを元にした受託研究も多くなされている。センシング技術について言えば社会的ニーズを元に、応用物理や材料科学、精密加工、電気、機械、数理工学の技術が複合化された高度なエンジニアにより実現される場合も多い。KRIのホームページ http://www.kri-inc.jp/ にはセンシング技術以外にも微細加工や材料など様々な分野の技術紹介や提案が掲載されているので、ご覧頂ければ幸いである。
技術分野に限らず委託研究などについてお問い合わせやご要望、ご相談などがあれば下記までご連絡いただければありがたい。

株式会社KRI
材料統括 工博 堀 正典
直通: 090-5668-4801 tel: 075-322-6830
e-mail: hori(a)kri-inc.jp

電源フリー究極の磁性流体循環熱輸送デバイス

株式会社KRI 

近年の微細加工技術の進展により、マイクロエレクトロニクスやパワーデバイスなどが高性能化・高密度化・小型化が図られ、デバイスからの発熱は増加の一途にある。これまでは、熱対策としてヒートパイプなどが多く使用されて来ていたが、徐熱の問題は一段と深刻になってきており、新たな革新的な熱輸送・冷却技術の開発が待たれている。
弊社では、従来からマイクロポンプを用いた水冷の研究をおこなっていたが、冷却性能が追い付かないばかりか、ポンプを作動させる消費電力の問題があった。

これらの問題の解決策として、新規な磁性流体を用いた循環熱輸送デバイスの研究を進めている。磁性流体は粒子径10nm 程度の強磁性微粒子に界面活性剤を付着させ,水などの母液中に安定分散させたコロイド溶液である。磁性流体は液体状態で磁場に感応する性質を持った、黒色・不透明の液体である。この磁性流体の中でも、感温性磁性流体は,感温磁化特性(常温域において流体温度の上昇に伴い磁化が著しく減少する性質)を有するため,磁性流体の動力学的特性を磁場および温度により制御することが可能である。

本デバイスの原理・性能・応用

本デバイスの具体的な構成を図1に示す。テフロンやCuなどのチューブ状の流路の中に磁性流体を100%封入し閉ループ状に繋げ、排熱(図ではヒータ)を印加し、その近傍に永久磁石を配置するだけである。図2に示す通り、チューブの中の磁性流体が熱を吸収し動き出し、磁性流体がチューブを1周する間に熱を放熱し、また排熱を印可して駆動するという原理である。すなわち、熱だけを印加していれば永続的に駆動し続ける消費電力0の循環ポンプ型の熱輸送デバイスである。基本的には配置した磁石の前後の温度差に比例した駆動力が得られ、水系の磁性流体は低温排熱約30℃~約100℃範囲の印加であれば駆動が可能である。駆動能力としては、図1のφ3mmで長さ1mのチューブで約100℃印加により、原理的には40mm/秒程度の流速が得られる。

図1:磁性流体熱輸送デバイス
図2:熱輸送冷却のイメージ

これまでの研究によりブレークスルーした点は、主に2つある。1つめは、ポンプとしての発生圧力つまり磁気体積力を向上させるために永久磁石磁気回路の工夫した点である。磁気体積力は磁性流体の磁化と磁場勾配の積で表され、f = M・∇H 磁性流体の磁化を上げるため高磁場で尚且つ流体進行方向の磁場勾配を高める適正な磁気回路をシミュレーションにより求めた結果、図3に示す様なネオジム磁石を用いた異極並列配置の磁気回路を考案した。

図3-a:磁気回路斜視図
図3-b:磁気回路断面図

ちなみに磁気回路の中心部分は1Tの磁束密度となっている。2つめは、磁性流体の改良である。もともと磁性流体は油系のケロシンが一般的であったが、法規制に該当しない安全で熱物性の良い水を母液とし、磁性粒子を安定分散させ、感温磁化特性(磁化率)が高く、その上に粘度も約5cpsと低い磁性流体を開発できた点である。

本デバイスの熱輸送としての特性を見積ってみる。図4にチューブ径による熱輸送量を示した。熱輸送量=流体の比熱容量×流体の密度×体積流量×温度差(磁気回路前後)である。この値は、チューブ(流路)が1本で長さ1.2m磁気回路のギャップ=7mmの条件の場合である。チューブ径φ5mmの場合には、本開発品の水系磁性流体では約2kW~2.8kWもの熱輸送が達成される。これは、通常のヒートパイプと比較するとφ5mmと同サイズでは約100倍もの熱輸送量に当たる。さらにヒートパイプは熱輸送方向に重力依存性があるが本デバイスは重力依存性がない。

図4:チューブ径による熱輸送量理論値
 

想定される応用例について図5に示す。電気・電子機器や通信機器、自動車分野などの冷却や熱輸送・熱制御、排熱回収など非常に多岐に渡る用途が考えられる。また、紙面の都合上説明は割愛したが、本デバイスは磁性流体が駆動している運動エネルギーを電磁誘導で外部に電気として取り出すことも可能である。これが実現できれば排熱を冷却・熱輸送しながら発電ができる夢のデバイスになり得る。

図5:本デバイスの想定される応用例

受託研究プロジェクト

弊社ではこれまで、図6の様な評価系を構築し、本熱輸送デバイスの基本的な熱輸送性能を評価し、応用の為のデーターを蓄積している。現在、「電源フリー磁性流体駆動デバイスの開発研究 Phase1」のマルチクライアントプロジェクトを募集しており、プロジェクトの成果として、下記の1)~3)を提供している。

1) 技術資料:理論検討結果、試作結果、評価結果、課題などのまとめ
2) 試作サンプル:磁性流体駆動デバイスの試作品を1台提供
3) 特許ライセンス:本技術に関するKRIの基本出願特許の有償での通常実施権の付与(一時金なしの通常より低率のランニングロイヤリティ)

図6:本デバイス測定評価系例

また、Phase1プロジェクト終了のクライアント様を対象として、磁性流体駆動デバイスを各種用途に合わせた応用開発研究Phase2(シングルクライアントプロジェクト)も実施中である。一用途一クライアント様を基本とし、Phase2で得られた成果は全て個々のクライアント様に帰属する。

最後に、本磁性流体熱輸送デバイスの特徴を述べる。本技術は、ヒートパイプの同等サイズと比較して、①熱輸送量が2桁近く優れていること、②3m以上と長い距離の熱輸送も可能であること、③設置の制約がなく、フレキシブルな流路が使用できること、④将来的には熱輸送しながら発電も望めることなどが挙げられる。特に、入り組んだ筐体の中に3次元的に自由に流路を配置したい熱輸送・冷却などの用途がより好適であると思われる。

問い合わせ先
株式会社KRI フェロ&ピコシステム研究部
TEL: 075-322-6832 FAX:075-315-3095
藤井泰久
E-mail: ya-fujii(a)kri-inc.jp
http://www.kri-inc.jp/tech/dept/magnet.html

専門分野・研究テーマ
マイクロTAS、磁気応用、MEMSセンサ

昆虫のバイオミメティックに基づく新しい抗菌、抗ウイルス技術(1)

株式会社KRI 

株式会社KRIでは薬剤や熱、光等のエネルギーを一切用いない長期的な抗菌効果を発揮する機能表面形成技術を開発した。
本技術により形成された機能表面は、菌だけでなく不活化が困難なカビ等の芽胞体の成長抑制にも効果がある事が実証されており、更には昨今、喫緊の課題となりつつあるウイルスの不活化にも効果が期待できる。
本機能表面は昆虫の羽が有する強い抗菌効果の源泉である微細ナノ構造のバイオミメティックに基づく。KRIではこの殺菌、防カビ効果を持つナノ構造を簡易、且つ安価なプロセスで構造表面に形成する事に成功した。
今回は人々の生活において身近な問題である菌やカビ対策、更にはアフターコロナにおいて安心・安全空間を提供できる技術の一端となりうる新しい概念に基づく衛生保持技術についてご紹介させて頂きたい。

【はじめに:水回り清掃におけるやっかいな菌、カビ】

生活環境における衛生保持は古くから身近な課題であり、誰しも1度は家庭の水回り清掃をして菌やカビと格闘した経験があるだろう。そして、菌、カビの除去が精神面、労力面含め大変な作業であるという実体感をお持ちではないだろうか。
菌、カビの清掃が埃や油汚れよりも大変なのは「彼ら」が生物である事による。菌であれば粘膜のような分泌物を自らを守るバリアとしてバイオフィルムを形成し、カビであれば簡単に胞子が飛散しないように根を張り強く固着する。
そのため菌、カビは一度繁殖してしまうと除去するためには、強力な薬剤を用い、且つ力強く払拭する必要があるが、頑張って綺麗にしても、清掃の手が届かない局所、例えばバスタブと壁の隙間のように清掃が困難な場所にカビの巣がある限り、何度でも胞子をまき散らしカビは生えてしまう。
つまり、面倒な水回り掃除から解放されるには永久的に菌、カビの増殖を抑制する事が必要となる。しかし、薬剤を用いた既存方法はいずれも有限の化学反応エネルギーや強い払拭力等の力学的エネルギーを都度必要とするため、短期間しか抑制機能を維持できない。
そこでKRIでは、化学反応などのエネルギーを用いない新しい殺菌原理に基づく事により、長期的に抑制効果が持続する新しい殺菌、カビ抑制技術の実現をターゲットとした研究を行っている。

【昆虫の羽が持つ殺菌力のバイオミメティクス】

実は昆虫の羽には興味深い生体機能として、殺菌効果を持つ事が知られている。
オーストラリアの生物学者であるElena Ivanova氏はこの抗菌効果について調べるため、トンボの羽を微視的に観察したところ、羽の表面は数百nm程度の超微小な突起に覆われている事が分かった(ref.1)。トンボの羽の材料自体には抗菌効果はないため、著者はこの突起構造自体が殺菌効果を持つのではないか、という仮説から、Si微細加工技術により人口的にトンボの羽の構造を再現したSiナノ突起構造(一般的にはブラックシリコンの呼称)を形成し、トンボの羽と幾つかの菌、胞子に対する不活化効果を検証した所、安定で不活性な材料(殺菌性がない)であるSiのナノ突起でもトンボの羽と同程度の効果が得られることがわかった。
この結果が指し示す重要な知見としては、トンボ等昆虫の羽が持つ殺菌効果は【材料に因らずナノサイズの構造によってのみ定義される】という事実である。つまり、殺菌力を発揮するナノ構造さえ形成すれば、どんな材料を使っても構わない、と言える。

ナノ構造に基づく殺菌原理は、微細な構造が対象に物理的なダメージを与え続ける事で不活化される、と考えられているため、本稿ではこの殺菌メカニズムを物理殺菌力と定義する。(ただし、この殺菌原理については未だ議論の渦中であり、本稿著者も観察等から鋭意解析中である)
物理殺菌力は上述のようにナノ構造に基づく物理的なダメージを源泉とするため、薬剤を用いた化学反応に基づく方法のような殺菌に伴う材料消費がない。よって、ナノ構造を維持できていれば、原理的には半永久的に殺菌効果を持続できる、と言える。
このようなエネルギー消費を伴わない殺菌方法は、化学反応以外の方法(例えばUVによるDNA損傷はUV励起に電気エネルギー、光触媒であれば光エネルギーが必要で暗環境では効果が得られない)を見ても他にないユニークな特徴であり、高度な生体機能のバイオミメティックならではの特徴と考える。

図1:昆虫の羽のバイオミメティックに基づくエネルギー不要の物理的殺菌効果

【KRIの物理殺菌技術開発方針とアプローチ】

KRIの本技術における基本的な開発方針は、量産性がある事を前提とした物理的殺菌効果をもつナノ構造形成プロセスの開発である。

殺菌やカビ除去などの衛生保持技術、製品は基本的に安価で大量生産を前提となることが一般的である。そのため、前述の微細加工Siナノ構造は緻密なナノ構造制御が可能ですが、高価な半導体加工技術を用いた枚葉加工なので、工業的な殺菌用構造材料としては不向きと考える。勿論、トンボの羽を大量に毟って使う事もできない。
そこでKRIでは、衛生保持技術の実用化に不可欠な要素として【安価である】【大量生産できる】、そして様々な製品に適用できるように【形状、基材材料自由度の高い形成プロセスである】、以上3点を前提にした昆虫のバイオミメティックナノ構造の概念を実現する構造形成プロセス開発を基本的な開発方針として研究を進めている。

参考文献

ref.1) Elena P. Ivanova et al., “Bactericidal activity of black silicon”, Nature Communications 4, Article number: 2838 (2013)

【著者紹介】
吉川 弥(よしかわ わたる)
株式会社KRI フェロ&ピコシステム研究部

■略歴
・2014 KRI入社
・MEMSや微細加工を主とした研究に従事
・2020 現在に至る

■専門分野・研究テーマ
殺菌技術、MEMS、形状記憶合金、半導体製造装置、プラズマ物理

医療機器版「AYUMI EYE medical」販売

(株)早稲田エルダリーヘルス事業団は、2018年4月より販売してきた「歩行解析デバイスAYUMI EYE」に医療機器認証を取得した医療機器版「歩行解析デバイスAYUMI EYE medical(※)」を新たに販売する。

■医療機器版「歩行解析デバイスAYUMI EYE medical」ラインナップ追加の背景
販売当初、当社が運営する介護予防特化型デイサービス「早稲田イーライフ」での活用経験から、主に介護事業所をターゲットに営業展開してきたが、医療、研究、自治体、地域支援事業、健康関連イベント、商品開発等での利活用事例も増え、特にリハビリ専門医や理学療法士など専門家から評価を得てきたことから、診療報酬算定可能な医療機器として認証を取得することとしたという。

■歩行解析デバイスAYUMI EYE medicalとは
3軸加速度センサが搭載されたモジュールとiOSアプリを用いて、歩行時の加速度データに基づき、歩行能力の数値化と歩行状態をマッピング・グラフ表示するデバイス。超小型で軽量設計、高精度で低価格を実現した。簡便な測定による歩行の可視化で、歩行能力の客観的な把握、リハビリテーションに対するモチベーションの浮揚とコミュニケーションの促進が期待できる。

加速度算出方法に関するプログラム等10種類以上の特許を有し、各変量を算出するために、独自のアルゴリズムを用いており、ヒールコンタクト検出、ヒールコンタクトに対する左右ラベリング、およびそれらと加速度データにて計算した値を使った各種パラメータ計算を行っている。

測定方法は、歩行者の第三腰椎に装着し、6~10メートルの歩行で、モジュールからデータが送信される。取得したデータはサーバ上で一元管理されるため、測定を実施したiPhone以外のパソコン等からでも自由にデータを取得・更新することが可能。

測定に際し、所要時間は約3分で、安全かつ特殊な技能等を必要としない。結果の解析・データ化も瞬時に可能なため、どのような環境においてもすぐに導入が可能とのこと。

(※)一般的名称:歩行分析計(JNDNコード:35757000)
販売名:歩行解析デバイスAYUMI EYE medical
種別:機械器具(24)
医療機器分類:一般医療機器
製造販売届出番号:20B3X10015000001
製造販売業者:株式会社コムズ
診療報酬点数:動作分析検査/250点

ニュースリリースサイト:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000005.000048898.html

必要なときだけ機能する省エネ実現センサ「リクレッサ」

リクレッサ・ラボは、送信機から受信機へ伝わる割合(伝達率β=受信量/送信量)の逆数(1/β)を検出する新しい技術、及びその技術を実現するセンサである「リクレッサ」*1を開発したことを発表した。
*1. 特許登録中(特願2020-012792)

【特長】
光電センサのような送受信を行う従来のセンサを、リクレッサに置き換えるだけで、以下の特長を獲得できる。
・必要最小限の電力消費
・動作距離の拡張(受信機による範囲の制約なし、設置時の送信量の調整が不要)
・検出遅延の短縮(距離換算が簡単なため高速)

【使用例】(画像参照)
不審者の侵入検出等に使われる赤外線センサ。通常時(左図)、送信機の送信量を自動的に最小限に抑えて、平均消費電力を減らす。検出時(右図)、受信機に赤外線が入ってくるまで自動的に送信量を増やす。霧や雨のときは必要な分だけ送信量が増えるので機能を損なうことはないとのこと。

【仕組み】
送受信を行う従来のセンサは、光や音等の送信量(Vt)を固定し、受信量(Vr)から伝達率を検出する(β=受信量/固定の送信量)。
一方、リクレッサは、受信量(Vr)を固定し、送信量(Vt)を変化させることで、送信量から伝達率の逆数を検出する(1/β=送信量/固定の受信量)。

【今後の取り組み】
リクレッサで使う技術は原理的であるため、防犯設備だけでなく、照明、FA機器 等、あらゆる市場へ応用できる。今後は各市場のニーズを知る企業や大学等と連携して共同研究・開発を行い、各市場に合う新技術・新製品を早期に世界へ送り出せるよう取り組む。また、様々な機器への組み込みを想定し、以下を提供していくとしている。
(1) 送受信を行う任意のセンサからリクレッサを作る基板モジュール
(2) リクレッサの特性を利用、超音波センサのような従来の距離センサでは作れない新距離センサモジュール

ニュースリリースサイト:https://www.atpress.ne.jp/news/223604