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メッシュ無線センサ機能を追加、省スペース型センサマネジメントユニット「RMS-5000」

東京エレクトロン デバイス(株)〔以下、TED〕の子会社である東京エレクトロン デバイス長崎(株)〔以下、TED長崎〕は、環境監視アプライアンス製品「RMS-3200」にメッシュ無線センサ機能を追加した省スペース型センサマネジメントユニット「RMS-5000」を2024年6月25日より販売開始する。

「RMS-5000」は、データセンターの環境監視と予兆検知を一体化した省スペース型のセンサマネジメントユニットです。今回新たに追加したメッシュ無線センサ機能により、より高度な監視と管理が可能になるという。

■主な特長
1. 高信頼性の温度監視
 温度センサにより、広範囲にわたって正確な温度データを提供します。ユーザーはデータセンター内のすべてのエリアの温度をリアルタイムで監視できる。これによって機器の過熱や冷却不足などの問題を早期に発見し、迅速に対策を講じることが可能である。

2. 予兆検知機能の強化
 RMS-3200の既存の予兆検知機能に加え、温度センサが温度変化パターンを継続的に監視し、異常を検知した際には即座にアラートを通知する。これによってデータセンターの機器故障を未然に防ぎ、稼働率の向上とメンテナンスコストの削減が期待できる。

3. 設置と運用の容易さ
 温度センサはワイヤレスであり、配線の手間が不要で設置が容易である。電池寿命は10年と長く、頻繁なメンテナンスが不要で、運用コストの抑制が可能である。

4. 高いスケーラビリティ
 最大100台の温度センサの接続が可能で、大規模なデータセンターにも柔軟な対応が可能。
 規模に応じてシステムを容易に拡張することができる。

5. エネルギー効率の向上
 正確な温度データに基づいて冷却システムを最適化することで、エネルギーの無駄を削減し、データセンター全体のエネルギー効率を向上させることができる。これによって、コスト削減と環境負荷を軽減する。

■システム構成
 https://www.ngs.teldevice.co.jp/seihin/download/RMS5000Brochure.pdf
■製品仕様
 https://www.ngs.teldevice.co.jp/seihin/download/RMS5000Specs.pdf
■販売価格 販売目標
 495,000円 今後3年間で2億円
■サポート体制
 TED長崎では導入・構築・検証までをサポートするとともにヘルプデスクサービスを提供。

プレスリリースサイト:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000019.000046612.html

フリアー、都市間交通インテリジェンス用TrafiBot AI 4K可視カメラシステム

  フリアーシステムズ(株)は都市間交通インテリジェンス用 TrafiBot AI 4K可視カメラシステムを発表した。このクローズドサーキット型トラフィックカメラにより、高速道路からトンネルに至る都市間道路において、画像解像度を落とすことなく、また帯域幅の問題によるデータ損失もなく、優れた検知性能と最も信頼性の高いトラフィックデータ収集のための最も堅牢な人工知能(AI)が提供されるという。

 Trafibot AIは、過去30年間に世界中で収集された数百万枚のフリアーシステムズの画像から開発されたフリアー独自の2つのAIモデルを使用している。1つは落下物を識別・分類し、もう1つは歩行者や自転車などの脆弱な道路利用者だけでなく、電動スクーターや自動車輸送車のような特殊な車体を含む車両を分類する。

 フリアーシステムズの特許取得済みの3Dワールドトラッカーと組み合わせることで、TrafiBot AIはシーン内の事故を検知する能力が向上した。車両が視界に入ると、追跡対象が他の車両や物体、道路インフラに遮られたり、不明瞭となった場合でも、カメラは車両の速度や軌道を予測する。また、TrafiBot AIは、突然の車線変更、あおり運転、逆走ドライバーなどを検知し、交通管理者に重要なデータを提供することで、誤警報を減らしつつ安全性に関する事故をよりよく管理することができる。

◆全天候型ハウジングと柔軟な設置
 パン、チルト、横回転する3軸カメラスイベルがあるため、設置に時間のかかるカスタムアダプタープレートは不要である。内蔵のチルトセンサも自動的に較正されるため、カメラ設定にかかる時間とそれに伴う交通の混乱をさらに軽減する。
 Trafibot AIはIP66/67準拠のステンレス鋼製筐体に収められており、塩気や湿度などあらゆる天候、道路やトンネルの清掃作業による高圧放水などに耐えるように設計されています。また、この4Kカメラは、6~22mmの光学ズームと最大300mの検知範囲を備えており、従来のフリアーシステムズのインテリジェントトラフィックカメラと比較して、カメラ1台あたりの検知範囲が広く、意思決定のサポートが向上している。

◆ソフトウェアとの統合
 このカメラは、Trafibot AIからデータを収集して整理できる新発売のソフトウェア製品「FLIR Cascade」と統合できるように設計されており、最先端でインテリジェントな事故フィルタリングシステムにより、関連する事故のみを交通管理者に表示する。事故が検知されると、トラフィック管理チームが即座に確認できるように、シーンの短い4K解像度のビデオクリップにフラグが立てられる。Trafibot AIはさらに、ビデオ管理システムと統合してライブ映像を提供することができる。

プレスリリースサイト:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000041.000027932.html

日本初、グリーンエネルギーとIoTを活用したエビ養殖に挑戦

 裕幸計装(株)、九州大学(※1)、工学院大学 、(株)インターネットイニシアティブ〔以下、IIJ〕は、ベトナムにおける環境汚染の原因のひとつであるエビ養殖汚泥を活用し、温室効果ガス削減や電力の安定供給などを目指す「省エネ型エビ養殖統合システム」を開発し、その実証運転を開始する。本実証は、裕幸計装が新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の「脱炭素化・エネルギー転換に資する我が国技術の国際実証事業」 (※2)の助成を受け、九州大学、工学院大学、IIJが委託先として参画し、実施するものである。

 本実証は、(株)三菱総合研究所(※3)をはじめ、日越の研究機関・民間企業より技術支援を受け実施されるものであり、両国間の産学連携を通じ、日本の先進技術がベトナムの主要産業であるエビ養殖業に大きく貢献することが期待されているという。

▮省エネ型エビ養殖統合システム導入により、ベトナムのエビ養殖の効率向上を実現
 ベトナムの主要産業であるエビ養殖は、電力の供給不足や、養殖汚泥による周辺土壌・地下水の汚染、温室効果ガスの発生、養殖池での病気蔓延など複合的な課題を抱えており、エビの大量死や周辺地域の環境汚染を低減する低環境負荷型システムへの転換が急がれている。

 これらの課題を解決すべく、「循環型エネルギー創出ユニット」と「エビ増産ユニット」から成る「省エネ型エビ養殖統合システム」を開発した。

 「循環型エネルギー創出ユニット」では、養殖汚泥とレモングラスの加工廃棄物を混合・発酵させ、生成されたバイオガスを、固体酸化物形燃料電池(SOFC)に燃料として供給することで発電を行う。発電した電気は、曝気装置など養殖設備に使用されるため、循環型の創エネ技術であると言える。当該システムは、カーボンニュートラル2050(※4)を目指すとしている日越両政府の取り組みに貢献するもの。

 IoTによる「エビ増産ユニット」では、IoTデバイスを使い、溶存酸素濃度、pHなどをセンサで計測するほか、IoTプラットフォームを設計、養殖池の水質データに加え、バイオガス発酵槽とSOFCの状態監視などを含むデータの保存、可視化を行い、データの閾値監視やアラート通知機能などのシステムを構築することで、養殖環境とエビの育成状況との相関性を分析する。エビにとって最適な養殖環境を見出し、養殖効率向上を目指す。

 実証期間は2024年7月~2025年6月まで、ベトナム南部ティエンザン省にて実施予定で単位養殖池(1,000m3)あたり年間約40t-CO2の削減、およびエビ生残率85%(年間平均生残率57%)という成果を見込んでいるという。

(※1)九州大学が先行研究として、地球規模課題対応国際科学技術協力プログラム(SATREPS)で実施された「高効率燃料電池と再生バイオガスを融合させた地域内エネルギー循環システムの構築」を実施した。
(※2)この助成事業は、3E+S(安定供給、経済性、環境適合、安全性)の実現に資する日本の先進的技術を海外で実証し、技術の普及に結び付けること、さらに、制度的に先行している海外のエネルギー市場での実証を通じて、日本への成果の還元を目指すことを目的としている。裕幸計装は、NEDOの「脱炭素化・エネルギー転換に資する我が国技術の国際実証事業」の一環として「地域のバイオマスを利用した省エネ型エビ養殖システム高度化実証研究」を提案し、2021年9月に助成事業として採択された。
(※3)本事業の外注先として、IoTデータ分析を担っている。
(※4)日越両政府は2050年までに温室効果ガスの排出実質ゼロ(カーボンニュートラル)を目指すと表明した。

プレスリリースサイト(IIJ):https://www.iij.ad.jp/news/pressrelease/2024/0613.html

ST、産業機器・医療機器・スマート家電向けワイヤレス充電評価ボード

 STマイクロエレクトロニクスは、50WのQi準拠ワイヤレス充電トランスミッタ評価ボード「STEVAL-WBC2TX50」およびレシーバ評価ボード「STEVAL-WLC98RX」を発表した。これらの製品は、医療機器、産業機器、生活家電、およびコンピュータ周辺機器等の大電力アプリケーションにおいて、ワイヤレス充電機能の開発期間短縮に貢献するという。

 STの新しいワイヤレス充電ソリューションにより、大電力や短時間での充電が求められるアプリケーションにおいて、高速かつ利便性に優れたワイヤレス充電技術を活用することができる。掃除機、コードレス電動工具、ドローン、携帯型ロボット、医薬品デリバリー機器、携帯型の超音波システム、舞台照明、携帯用ライト、プリンタ、スキャナなど、幅広いアプリケーションに最適である。ケーブルやコネクタ、それらの接続や配置の煩雑さがなくなるため、製品開発の簡略化やコスト削減、堅牢性の向上に貢献する。

 トランスミッタ評価ボード「STEVAL-WBC2TX50」は、ST Super Charge(STSC)プロトコルを使用して最大50Wの電力を無線供給できる。STSCは、ST独自のワイヤレス充電プロトコルで、スマートフォンなどで使用されている標準的なプロトコルよりも高速なため、大容量バッテリの急速充電が可能である。
 STEVAL-WBC2TX50は、Qi 1.3準拠の5W BPP(Baseline Power Profile)および15W EPP(Extended Power Profile)をサポートしている。同ボードには、主要コンポーネントとしてSTのトランスミッタSiP(システム・イン・パッケージ)「STWBC2-HP」が搭載されており、Arm® Cortex®-M0+コア搭載STM32G071マイクロコントローラおよびアプリケーション専用のフロント・エンドを集積している。このフロント・エンドは、信号処理、周波数制御、およびトランスミッタを駆動する高分解能のPWM(パルス幅変調)ジェネレータを備え、4.1V~24VのDC電圧範囲で動作する。また、MOSFET用ゲート・ドライバとUSB Power Delivery用のD+/D-インタフェースも搭載されている。さらに、STWBC2-HPは、STのセキュア・エレメント「STSAFE-A110」と組み合わせて動作させることで、Qiの認証取得が可能である。

 レシーバ評価ボード「STEVAL-WLC98RX」は、最大50Wの充電に対応し、STSCの急速充電とBPPおよびEPP充電を安全に処理できる。適応型整流設定(ARC)モードにも対応しているため、充電距離を最大50%延長でき、低コストのコイルや、柔軟性に優れた構成が可能である。また、高精度の電圧 / 電流測定による異物検出機能(FOD)や、熱管理機能、およびシステム保護機能も備えている。同ボードに搭載されているSTのワイヤレス電力レシーバIC「STWLC98」は、Arm® Cortex®-M3コアおよび、最大20Vの出力電圧を設定できる高効率・同期整流パワー段を内蔵している。

 また、専用ソフトウェア・ツールとして、STEVAL-WLC98RX用の「STSW-WPSTUDIO」およびSTEVAL-WBC2TX50用の「STSW-WBC2STUDIO」が提供されており、設定パラメータを変更してカスタム・アプリケーションの仕様に合わせた機器の動作調整が可能。開発をサポートする包括的な設計用ドキュメントも提供されている。

 STEVAL-WBC2TX50およびSTEVAL-WLC98RXには、EUの無線機器指令(RED)への適合宣言書が付属している。両製品ともに、STのウェブサイトまたは販売代理店から入手可能である。STEVAL-WLC98RXの単価は約113.93ドル、STEVAL-WBC2TX50の単価は約109.03ドル。

プレスリリースサイト:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000001389.000001337.html

アロマビット、世界最小「e-Nose型ニオイ可視化センサー」試作品の製造に成功

 (株)アロマビットは、このたび、世界最小※1 高機能CMOS半導体型ニオイ可視化センサデバイス「e-Nose型ニオイ可視化センサー」の試作品の製造に成功した。

 本試作品では、京セラ(株)の持つ超小型セラミックパッケージ技術を採用し、ニオイセンサデバイスとして世界最小※1サイズを実現した。これはアロマビット従来品と比べ、製品面積が1/10以下のサイズ※2となる。これにより、さまざまな機器への実装が可能となることから、アロマビットは本試作品をもって、今後、家電やIoT、モバイル機器など量産時の低コスト、多数量が必要な用途向けに市場を開拓していくという。

■e-Nose型ニオイ可視化センサーデバイス仕様概要
 ダイサイズ       3.2ミリ x 3.4ミリ
 センサエリアサイズ   1ミリ x 1ミリ
 有効センサ素子数    240 x 240素子(約56,000素子)
 その他         センサドライバ回路、AD変換回路内蔵
 半導体パッケージサイズ 6.0ミリ x 6.0ミリ

■e-Nose型ニオイセンサーとは
 従来のガスセンサーでは、ニオイ自体の相違を判断することはできなかった。e-Nose型ニオイセンサーでは、生物の嗅覚のように、主観的で曖昧なニオイを可視化できるため、例えば、食品・農業の製品開発支援や品質管理、遠隔地にある機械の故障や異常検知、建物内の焦げ臭による早期火災の検知、体臭による疾患や健康状態の管理などを検知ができることが期待されている。
 アロマビットでは、多数のセンサ素子上に異なる化学親和性を有するニオイ吸着膜を多数実装することで、人の鼻がニオイを判断するのと同じ原理でニオイをデジタルパターン化がすることができるようにするe-Nose型ニオイセンサーを2タイプ(水晶振動子型とCMOS半導体型)、製造・販売してきた。そして今回、そのCMOS半導体型のニオイ可視化センサーデバイスのさらなる小型化を実現した。

※1 e-Nose型ニオイ可視化センサーとして。2024年6月 アロマビット調べ
※2 アロマビット従来製品との面積比

プレスリリースサイト(aromabit):https://aromabit.com/news/3946/

Orbrayとエレメントシックス、大口径 単結晶 人工ダイヤモンド事業で提携

 エレメントシックスとOrbray(オーブレー)は2024年6月11日、大口径単結晶人工ダイヤモンドの量産に向けた戦略的提携を発表した。

 電気通信、防衛、人工知能(AI)など明日の最先端産業装置に使用される半導体には、従来の素材では達成できない高い電力とエネルギー効率が求められる。これらの技術の可能性を最大限に引き出すには、斬新な材料ソリューションが必要である。

 高絶縁破壊電界や高熱伝導性など、その卓越した特性により人工ダイヤモンドは究極のソリューションであり、今後100年の技術の基礎となる半導体材料として期待されている。しかし、このような革新的なビジネスチャンスは、信頼できる大口径の単結晶ダイヤモンドの安定的な供給なくして実現できない。

 エレメントシックスは、最大で直径150mmの大面積で均一な多結晶ダイヤモンドの成長を可能にする化学気相成長(CVD)プラットフォームを構築・開発した最初の企業である。その後、エレクトロニクスグレードの単結晶ダイヤモンドのパイオニアとして幅広い用途の製品の開発・製造を加速させ、ヒッグス粒子の同定や製薬業界における計測用光学技術などで重要なマイルストーンを実現した。最近では、オレゴン州グレシャムに世界トップクラスのCVD施設を開設し、高品質の単結晶ダイヤモンド製品の持続可能な大規模生産を可能にした。

 一方、Orbrayは、コスト効率の高いサファイア基板上に単結晶ダイヤモンドを成長させる独自のヘテロエピタキシャルプロセスの研究開発を推進、世界で初めて直径55mmの大口径単結晶ダイヤモンドの量産技術を確立した。その結晶性の向上と高純度化は日々進歩し続けている。

 この先駆的な技術を持つ2社の提携により、単結晶 CVDダイヤモンドの大口径化に対するOrbrayの革新的なアプローチと、エレメントシックスが実績を持つ大面積成膜システムおよび高純度単結晶ダイヤモンドの製造に関する比類のない専門技術を組み合わせることで、6Gワイヤレスコンポーネント、高度なパワーエレクトロニクスおよびRFエレクトロニクス、センシング、熱マネージメント、量子デバイスなどの重要分野向けに、高品質な大口径単結晶ダイヤモンドの信頼性の高い供給を実現する。

 また、Orbrayとエレメントシックスは、大口径高品質単結晶ダイヤモンドの製造に必要な知的財産と設備のライセンスを相互に提供し、ダイヤモンドの半導体生産技術のコアコンピタンスをさらに高める。

 エレメントシックスの高品質 単結晶 CVDダイヤモンドに関する特許技術と専門知識は、すでに原子粒子検出で活用され、無線周波数(RF)トランジスター、量子センシング、量子セキュア通信などの新規用途の研究が行われている。一方、Orbrayはダイヤモンド基板の大口径化研究と同時にヘテロエピタキシャル人工ダイヤモンドの各種デバイス用途での実用化研究を進めている。エレメントシックスの技術とヘテロエピタキシャル人工ダイヤモンド製造におけるOrbrayの卓越した技術と大口径化に向けたアプローチを組み合わせることで、現在10mm未満でしか製造できない高い品質レベルの大口径単結晶ダイヤモンド基板の提供を目指すという。

プレスリリースサイト(orbray):https://orbray.com/magazine/archives/8085

アーカイブティップス、TRAIN.RED社のウェアラブル筋酸素飽和度計測センサシステムの国内販売。

アーカイブティップスは、TRAIN.RED社のウェアラブル筋酸素飽和度計測センサシステムの日本国内販売を開始する。

TRAIN.RED社は、同じくオランダに本社がある近赤外分光法NIRSシステムのグローバルカンパニーartinis社システムの長年蓄積された研究/技術を元に設立された企業である。

TRAIN.RED社は長年研究/開発現場で使用されてきたartinis社のNIRSシステムを技術者・研究者ではない一般のアスリートに向けて視覚的に簡素化したNIRSデバイスを開発した。

近赤外分光法(NIRS)テクノロジーを使用してトレーニング中の筋酸素飽和レベルを測定する事でアスリートは常にトレーニングによる筋活動を把握/評価する事が可能である。

プレスリリースサイト:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000007.000077875.html

OKI、「海面から海底に至る空間の常時監視技術と海中音源自動識別技術の開発」を受託

 OKIは、(国研)科学技術振興機構(以下JST)が進める経済安全保障重要技術育成プログラム「先端センシング技術を用いた海面から海底に至る海洋の鉛直断面の常時継続的な観測・調査・モニタリングシステムの開発」における研究開発課題「海面から海底に至る空間の常時監視技術と海中音源自動識別技術の開発」を受託した。
 これにより、水中音響技術とAI技術を用いたスマートセンシング(注1)の研究開発を開始し、「海洋の見える化」の実現に向けた「海洋プラットフォーム」の構築を進めて、海洋環境の把握に貢献する。なお、本研究開発課題は、(国研)海洋研究開発機構(以下JAMSTEC)が研究代表機関となり、共同で研究を進めていく。

 日本は海に囲まれた海洋国であり、海運業や水産業などの海に関わる事業を通して、多大な恩恵を受けてきた。しかし、近年では、日本の領海や排他的経済水域(EEZ)を取り巻く情勢は厳しさを増し、海洋温暖化や漁業資源の減少といった海洋環境の変化が見られる。このため、海洋環境の状況を見える化(可視化)させる重要性が高まっているが、海の中では光や電波は減衰してしまうため、海の中を可視化するには、より遠くまで届く「音」を利用する必要がある。

 OKIは、長年培ってきた「音」に関する技術をベースに、海中の音響センサや各種信号処理の開発を継続しており、近年では、独自のAI技術による「音」の識別に関する研究(注2)も行っている。本研究開発課題ではそれらの技術を結集し、海底から海面に至る空間の常時監視を実現する「鉛直断面観測システム」の構築をJSTのもとでJAMSTECと協力しながら進めていく。
 この「鉛直断面観測システム」は、音響センサを取り付けたケーブルを海底に敷設することで、海底から海面までをカーテンを引くように海中音を常時観測し、海面や海中を移動する船舶や生物などを識別検知するシステムである。これにより、海中音による航行船舶の識別を可能とし、海上輸送の監視や港湾作業に携わる人々の安全確保へ貢献する。また、漁獲対象種を含む海洋生物の分布の情報を提供することで新たな漁場の創成に、海洋生物の生息確認や行動生態等の情報を提供することで海洋生物の保護の研究などにつながるものとなるという。

注1:スマートセンシング
 光、温度や音といった情報を検出し数値化する処理機能が組み込まれたスマートセンサーによるセンシング技術。スマートとは、高性能や多機能などを意味する。
注2:独自のAI技術による「音」の識別に関する研究
 収集・蓄積(カタログ化)された船舶などの音情報を用いて識別を行うOKI独自のAI技術研究。

プレスリリースサイト(OKI):https://www.oki.com/jp/press/2024/06/z24010.html

JR博多シティ、AI警備システム「AI Security asilla」を導入、400超の防犯カメラ映像を解析

 (株)JR博多シティは複合商業施設「JR博多シティ」に(株)アジラのAI警備システム「AI Security asilla(以下asilla)」を導入、400を超える防犯カメラ映像の解析を開始した。

 アジラとJR博多シティは2023年10月より複合商業施設JR博多シティ内にてAI警備システムasillaが、施設の警備・管理にどのような形で安全や安心の確保に寄与できるかを調査するため実証実験を行ってきた。両社は実証実験を経て蓄積された検知データやそれを元にした現場警備員のレギュレーションの集約などを慎重に考査し、asillaが実証エリアにおける警備品質と警備効率の向上に一定以上の役割を果たしたとの結論をもって本格導入を決定した。

■今回の本導入の概要
導入施設:JR博多シティ
映像解析数:400以上
導入目的:警備効率の向上、警備品質の向上、車椅子や白杖ご利用者の早期アテンドなどによる施設ご利用者の利便性向上など

プレスリリースサイト:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000259.000043312.html

コダシップ、業界最高レベルの電力効率、カスタマイズ可能なRISC-Vコア

ドイツ、ミュンヘン –
 RISC-Vカスタム・コンピュートのリーダーであるコダシップは、新しい低消費電力組込みプロセッサ・コアと、プロセッサ設計自動化ツールセットCodasip Studioの次世代製品を発表した。

 Codasip L110は、消費電力制約が厳しいアプリケーション向けで、クラス最高の性能を提供する。 加えてユーザーはPPA (電力、パフォーマンス、およびエリア)を、特定アプリケーション向けに改善するために、簡単に独自のカスタマイズを施すことができ、特定アプリケーション専用プロセッサを手に入れることで、かつてないほどPPAを向上させることができる。
 同時に発表したCodasip Studioの次世代製品であるCodasip Studio Fusionは、新しいレベルのカスタマイズである「Bounded Customization」を可能にし、ユーザーは完全に検証された高品質RISC-Vコアを迅速に市場投入できるようになる。Codasip Studio Fusionの「Bounded Customization」とCodasip L110の組合せでは、ベースライン コアの機能は保証されたまま、ユーザーはリスク無しでコアに新しい命令を拡張できる。またCodasip Studio Fusionが提供する新しい検証フレームワークは、カスタム命令の検証を大幅に楽にする。

■新しいCodasip L110 RISC-V CPU コアは市場を一変させる。
 Codasip L110は、市場の同等コアと比較して、ワット当たりのパフォーマンスが最大50%向上し、コードサイズも20%小さくなる。コアは、さまざまなパフォーマンスとエリアのトレードオフレベルを可能にする柔軟かつ広範なコンフィギュレーションと、RISC-V標準拡張とコードサイズ拡張をサポートする。 加えてL110 は完全にカスタマイズ可能であるため、開発者はコアを拡張してPPAを大幅に向上させ、製品の差別化を図ることができる。
 Codasipが、Codasip Studio Fusionを使用して開発したCodasip L110は、ステートマシンの置き換え、センサーコントローラ、IoTエッジなどの小面積、低消費電力アプリケーションに最適だという。

プレスリリースサイト:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000010.000099181.html