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無線ソーラー人感センサおよびビームセンサと警報器の新製品

インフィパワー(同)は、2021年7月6日から、セキュリティシステム[InfiPower GUARD 2]用の無線ソーラー人感センサおよびビームセンサ、警報器の三種類の提供を開始した。(画像:IMS1S)

共通の特徴として、ソーラーパネルおよび電池内蔵で電源が不要となり、今までは電源と配線が必要だった各種センサや警報器の取付を簡単且つ自由にでき、誰にでも手軽に設置できるようになった。

・遠距離無線(1Km、5段中継)、無線は最長5段中継5Km先まで届くので、大規模施設もカバーできる。
・電池と死活監視機能付きで、装置の状態を遠隔で確認可能なことは、長期運用に不可欠。
・セキュリティシステムサーバ「InfiPower Guard 2」とこれらの各種センサ、警報器、カメラを連動することにより、太陽光発電所、工場、倉庫、農園などへ低コストの無人遠隔防犯システムを簡単に構築することができる。

ソーラー無線人感センサ IMS1S
・ソーラーパネル及び内蔵電池で電源不要
・遠距離無線(1Km、5段中継)
・IP66防水防塵
・外部から充電可能
・感度調整可能
・電圧・死活監視機能付き

ソーラー無線赤外線ビームセンサ IBS1S3
・ソーラーパネル及び内蔵電池で電源不要
・3ビーム同時遮断で作動、応答速度調整可能
・遠距離無線
・IP66防水防塵
・外部から充電可能
・外光、他の赤外線干渉に強いエンコード赤外線
・死活監視機能付き
・LCD数字表示で照準しやすい
・水平器付きで取付しやすい
・壁用とポール用2種類の金具

無線ソーラー警報器 OFS1S
・ソーラーパネルおよび電池内蔵で電源が不要
・遠距離無線(1Km 5段中継)
・IP66防水防塵
・外部から充電可能
・大音量フラッシュライト

ニュースリリースサイト(infipwr):http://infipwr.com/2021/07/06/

橋梁健全性評価における無線・電池駆動「省電力構造物モニタリングシステム」の長期安定動作を検証

OKIは、前田建設工業(株)をはじめとする5社が設立した愛知道路コンセッション(株)が運営する愛知県内の有料道路において、無線・電池駆動の「省電力構造物モニタリングシステム」を用いた橋梁支承(注1)部の健全性評価の実証実験を2018年8月から2021年1月までの2年半にわたり実施した。その結果、従来の健全性評価で必要だった現地における電源工事や配線工事を行うことなく、遠隔からの橋梁の正常性確認が長期にわたり実施できることを確認した。
なお本実証実験は、総務省戦略的情報通信研究開発推進事業(注2)の一部として開発したモニタリングシステム技術の検証・評価を目的に、愛知県有料道路運営等事業における新技術実証のしくみを構築している「愛知アクセラレートフィールド®」に応募して実施したもの。

高度成長期以降に建設された社会インフラ構造物は老朽化が進み、定期的な点検による予防保全とともに、いつ起こるか分からない事故や災害に備えた常時監視が必須となっている。このため、たとえば、橋梁のジョイント部で発生した段差などの異常をすぐに把握し、インフラの安全を維持・管理するモニタリングシステムが求められているが、これまでのモニタリングシステムは設置や導入に電源工事や配線工事が必要で、コストや時間がかかることが、普及の障壁となっていた。

OKIは、本実証実験において電池駆動の無線加速度センサ、無線変位計、無線カメラセンサおよびゼロエナジーゲートウェイ(以下、ZE-GW)を活用した「省電力構造物モニタリングシステム」を橋梁の近くに設置し、桁(注3)の固有振動やたわみおよび主桁の伸縮をモニタリングした。ZE-GWは太陽電池と2次電池を組み合せて効率的に充放電する仕組みを備えており、電源工事が不要。またデータセンターとの間はモバイル回線で接続することにより、通信回線の配線工事を不要とした。その他にも、省電力な計測データ収集を実現するため、無線加速度センサ側で計測データを分析処理することで、不要なデータ送信を削減している。たとえば2分間の加速度データから平均周波数スペクトルを分析する場合、データセンター側に送信して分析する場合と比較して送信データ量の96.5%、測定時消費電力量の2/3を削減できたという。

また、本実証実験では、主桁の伸縮量の分析を、無線カメラセンサで撮影した画像からも実施し、無線変位計で分析したデータと比較して、2㎜以下の誤差で分析できることを確認した。無線カメラセンサは、測定対象に接触させることなく離れた位置に設置することができるので、センサの設置に対する制約を大きく緩和することができる。さらに、ZE-GWは1日の電力消費を十分上回る発電量を確保できていることが確認でき、長期運用が可能であることが実証されたとしている。

(注1):支承
 橋梁において、上部構造(主桁・主構)と下部構造(橋台や橋脚)の間に設置する部材
(注2):戦略的情報通信研究開発推進事業
 総務省SCOPE(国際標準獲得型)JPJ000595
(注3):桁
 建造物において柱間に架ける水平部材

プレスリリースサイト(OKI):https://www.oki.com/jp/press/2021/07/z21021.html

機能安全用の診断機能を搭載し、出力電圧を設定可能な車載用低ドロップアウト・レギュレータ

STマイクロエレクトロニクスは、AEC-Q100認証取得済みの低ドロップアウト・リニア・ボルテージ・レギュレータ「L99VR01」を発表した。同製品は、8種類から選択可能な固定出力電圧、機能安全用の診断機能、および優れた熱特性を備え、さまざまな車載アプリケーションにおいてシステム設計と在庫管理の簡略化に貢献するという。

L99VR01は、ボディ・モジュール、ジャンクション・ボックス、計器盤、サンルーフ・コントローラ、キーレス・エントリ・コントローラ、およびセンサなどの電源用に最大200mAを供給しする。出力電圧は、0.8V / 1.2V / 1.5V / 1.8V / 2.5V / 2.8V / 3.3V / 5V より3本の外部ピンで設定可能で、外部分圧器と比べ、より正確に設定することができる。出力精度は、公称値の± 2%以内。

L99VR01には2つのバージョンが用意されており、標準のSO-8パッケージで提供される「L99VR01S」は、イネーブル・ピンとリセット・ピンを備え、高速出力放電、低電圧ロックアウト(UVLO)、サーマル・シャットダウン、短絡保護などの安全機能を搭載している。ディスエーブル時の暗電流は1μAで、動作温度範囲は-40°C~+150°C。

PowerSSO-12パッケージで提供される「L99VR01J」は、短絡電流制限の設定が可能で、高温警告や出力過電圧状態の表示、ホスト・マイクロコントローラが正常に動作しているか診断するプログラマブルなウォッチドッグなどの機能を搭載している。また、-40°C~+175°Cの広い接合部動作温度範囲を備えている。

両製品ともに出力過電圧検出機能を内蔵しているため、安定した負荷保護を実現する。また、診断機能により、機能安全が要求されるアプリケーションの設計を簡略化し、必要とされる自動車用機能安全規格(ISO 26262)の安全性レベル(ASIL)への準拠をサポートする。サポート文書についても提供。

さらに、2.15V~28Vの幅広い入力電圧範囲を備えているため、バッテリ電圧(VBAT)に直接接続するアプリケーションや、調整済みの電圧を変換するポスト・レギュレーションにも使用することができる。入力は、40Vのロード・ダンプ耐性を備えている。

L99VR01SおよびL99VR01Jは、現在量産中。1000個購入時の単価は、L99VR01Sが約0.28ドル、L99VR01Jが約0.35ドル。

ニュースリリースサイト:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000001167.000001337.html

ロボットの「鋭い目」ams OSRAMが3Dセンシングのポートフォリオを拡充

ポイント
・Belago1.1ドットプロジェクタは、VCSELチップと光学系、そして堅牢なパッケージを組み合わせている。
・このコンポーネントは高解像度の環境マップを作成し、ロボットが人や障害物との衝突を避けることを可能にする。
・Belago1.1は、3つの3Dセンシング法すべてに対する、ams OSRAMの包括的なポートフォリオを拡充する。

ams OSRAMは、Belago1.1ドットプロジェクタでその3Dセンシングのポートフォリオを拡充する。自動運転車が主流になるまでにはまだ時間がかかる一方で、ロボットや無人搬送車はこれまで以上に進化し、より多くの役割を担うようになっている。このような流れを後押ししているのが、3Dセンサ技術の分野における技術開発と言える。これらのシステムの重要なコンポーネントが、ams OSRAMのBelago1.1をはじめとする赤外線光源である。このドットプロジェクタは、VCSELチップと特殊な光学系、およびロボットや無人搬送車(AGV)のアクティブステレオビジョン(ASV)による環境センシングに理想的な、堅牢性の高いパッケージを組み合わせている。

■マイクロレンズアレイによる特殊なドットパターン
Belago1.1のランダムドットパターンは、赤外線VCSELと独自の光学システム(マイクロレンズアレイ、MLA)を組み合わせて生成される、5,000に及ぶ個別の光ドットから構成されている。これにより、2つの赤外線カメラによる画像のコントラストが向上し、高品質な環境マップの作成が可能となっている。Belago1.1は波長940ナノメートルの光を発射し、最大750mWの光出力を実現している。1~3メートルの距離でロボットの進路を確実に検知し、衝突を回避することができる。このドットプロジェクタは、VCSELチップ、マイクロレンズアレイ、パッケージを1つのコンポーネントに組み込んでいるため、システムメーカーの集積化作業を大幅に軽減することができる。
また、4.2mm×3.6mm×3.3mmというコンパクトなサイズは、顧客の省スペースなシステム設計を可能にする。さらに、眼の安全を確約するため、独立した安全なコンポーネント(いわゆるインターロック)を組み込んでいる。このコンポーネントは、光学系の破損や取り外しを検知すると、直ちに光源をオフにする。

Belago1.1ドットプロジェクタは、ams OSRAMの包括的な3Dセンシングポートフォリオを拡充する。このデバイスは、VCSELチップ、光学系、パッケージを組み合わせたもので、システムメーカーの集積化作業を大幅に簡素化する。

アクティブステレオビジョンソリューションの一部として、Belago1.1は高解像度の三次元環境マップを作成し、移動型ロボットが人、およびフォークリフトといったその他の車両との衝突を避けることを可能にする。

3Dシステムで使用されるBelago1.1ドットプロジェクタは、アクセス管理や決済端末の顔認証など、高解像度の三次元マップを必要とする新しいアプリケーションの追加を可能にする。また、物流現場でのカメラによる体積計測や、ゲーム、ホームジム、デバイスコントロールといった、コンシューマ製品でのジェスチャー検知などのアプリケーションも容易に実現できる。

ams OSRAMは、Belago1.1ドットプロジェクタと、それに組み込まれたアクティブステレオビジョンシステムの3D性能を評価するための3Dカメラ評価キット、Hermesを提供している。このキットは、お客様のコンポーネント評価とシステム評価を支援するために設計されている。追加のソフトウェア開発キットにより、Hermesはさまざまな環境に簡単に組み込め、ラボで概念実証を構築することができる。
Belago1.1以外にも、ams OSRAMは、アクティブステレオビジョン(ASV)、ストラクチャードライト(SL)、タイムオブフライト(ToF)の3つの3Dセンシング法すべてに対応した、照明モジュールとセンサの包括的なポートフォリオを有しているという。

ニュースリリースサイト(ams):https://ams.com/ja/-/belago1.1-dot-projector

加齢や病気の男性の尿漏れを小型デバイスと専用アプリで対策。初の男性用骨盤底筋トレーナー「ウイル」

(株)ライフセンスグループジャパンは、男性の失禁の悩みケアに向け男性用骨盤底筋トレーナー「ウイル」を7月3日から応援購入サービス「Makuake」から支援金額15,000円にて先行発売した。

■ウイルの特徴
ウイルは次の3つの機能で構成される。
1.洗濯可能な尿漏れ防止機能付き布製パッド
2.ウエアラブルセンサーが尿漏れ測定・アプリに記録
3.スマホでビデオを見ながら骨盤底筋トレーニング

尿の吸収のために開発された専用の生地を使った尿吸収パッド(機能下着)で漏れた尿を吸収(50mlまで吸収可能)。このパッドに極小のセンサを装着することで尿漏れ状況(量・回数等)を測定・記録し、結果はアプリをインストールしたスマホに表示する。尿漏れの量や回数の減少を感覚だけでなく目で見て確認することができる。アプリからは骨盤底筋トレーニングビデオを視聴することができ、症状に合わせて提供されるビデオに従い骨盤底筋トレーニングを行うことができる。これを毎日10分継続することで骨盤底筋強化を図り、尿漏れをケアすることができるという。

■ウイルの製品構成と仕様
<1>プロテクター型機能下着(パッド)
1)吸収量 :50ml(*1)
2)洗濯可能 :30°Cでデリケートな洗濯をしてください
3)繊維構造 :ニットリブ
4)撥水加工 :レイヤーに織り込み
(*1) 本機能下着は、あくまで漏れた尿の測定用であり、市販の尿漏れシートのように多量の尿を吸収するためのものではない。尿漏れ量が多く、本機能下着からあふれることが予想される場合には、専用の尿漏れシートとの併用を推奨。

<2>尿漏れ検知センサ
1)センサ表面積 :12 cm2
2)重量 :8.88g
3)尿漏れ検出精度 :1ml
4)平均消費電力 :150 mW
5)使用時間 :480時間使用可能
6)バッテリー :リチウム電池(Maxell CR2032)

<3>専用アプリ(アンドロイドおよびiOS対応)
1)排尿日誌に合わせた水分摂取情報入力
2)実時間で自動的に尿漏れ情報を専用携帯アプリに記録
3)尿漏れケア度のグラフ表示
4)失禁の症状、ケア度、に応じた骨盤底筋トレーニングビデオ(1本は1-3分)

「Makuake」販売サイト:https://www.makuake.com/project/wilwear/

コーンテック、プリマハムグループと共同でAIカメラの実証実験

(株)コーンテックは、プリマハム(株)の養豚食肉事業を展開する子会社の太平洋ブリーディング(株)と、畜産DX事業の一環としてIoT・AIカメラを設置し豚の個体別データの蓄積及び画像データ解析の取組みのほか、自家配合プラントの導入をする。

■1.養豚農家向けの畜産DX|IoT・AIカメラの設置
畜産業界においては未だアナログな業務管理が多く、人材確保が難しくなっている昨今の労働者背景や防疫の観点からも人の介在を減らすことが重要である。
コーンテック社は独自にAI開発を行い、監視カメラやセンサを施設導入することで豚の行動を解析。解析データに基づき、豚の体重測定や健康状態の把握のほか、施設の気温・湿度の監視し、データ管理やアラート通知を行うことが可能という。
▽豚の個体識別による成長管理や健康管理を目指す
現在公開中のベータ版に加えて、今後は豚の個体識別ができるようなAI。
これにより、これまでは見えてこなかった個体ごとの成長管理や、衰弱や死亡判定などの健康管理などの実現を目指しているとのこと。

■2.自家配合プラントの導入について
コーンテック社は、「自家配合プラントの構築」と「飼料マネジメント」を畜産農家ごとにコンサルティングし、畜産における”手間”と”コスト”の削減を行っている。
同社がこうした事業に取り組むのは、家畜の餌にかかる割合が経営コストの60%以上を占めるほど大きく、畜産の儲からない体質の要因となっているからである。
そこで、「自家配合プラントの構築」とエコフィードの活用など「飼料マネジメント」を通して餌のコストダウンを実現するほか、肉質の改善等を目指し、プリマハム(株)の養豚食肉事業を展開するプリマハムグループの太平洋ブリーディング(株)におけるコンサルティングを開始するとしている。

ニュースリリースサイト:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000007.000058347.html

高専の新技術を紹介する「高専新技術説明会」を7月6日オンライン開催

国立高等専門学校機構は、科学技術振興機構(JST)との共催で、高専新技術説明会(2021年7月6日(火))をオンラインにて開催する。

◆高専新技術説明会の目的・詳細
全国の国立高等専門学校(高専)から生まれた研究成果の実用化に向けて、広くライセンス先・共同研究パートナーを募ることを目的として実施する。当日は、全国の高専を代表する5名の教職員が、自身で発明した技術を発表する。各発表終了後は、発表者へ技術相談や質問が行える。

◆発表新技術一覧
1.新技術名: ハードウェアのバイオメトリック的機器識別技術、クロックフィンガープリンティング【分野:情報】
発表者(発明者): 小山工業高等専門学校(栃木県小山市) 電気電子創造工学科 准教授 干川 尚人

2.新技術名: AIと自動運転技術によるインフラ内部自動点検ロボット【分野:計測】
発表者(発明者): 仙台高等専門学校広瀬キャンパス(宮城県仙台市) 総合工学科 教授 園田 潤

3.新技術名: 天然シルク由来の構造タンパク質を乾式法で自在に成形する!【分野:製造技術】
発表者(発明者): 鶴岡工業高等専門学校(山形県鶴岡市) 創造工学科 講師 佐藤 涼

4.新技術名: 菌をこちらの都合に合わせる。新たな微生物分離戦略【分野:アグリ・バイオ】
発表者(発明者): 呉工業高等専門学校(広島県呉市) 環境都市工学分野 准教授 木村 善一郎

5.新技術名: 農林水産物加工方法における新提案(衝撃波処理を用いた瞬間的非加熱破砕・抽出向上・軟化・殺菌)【分野:アグリ・バイオ】
発表者(発明者): 沖縄工業高等専門学校(沖縄県名護市) 技術支援室 技術専門職員 比嘉 修

◆高専新技術説明会の実施概要 イベント名:高専新技術説明会
イベントHP:https://shingi.jst.go.jp/kobetsu/kosen-k/2021_kosen-k/tech_property.html#pbBlock118283
[リンク先:科学技術振興機構(JST)]
開催日:2021年7月6日(火)13:25~15:55
会場名:オンライン
参加費:無料
参加:リアルタイムでの参加は、イベントHP内にて、事前の申込みが必要(7月5日(月)正午まで)。
参加を逃した方は、後日、イベントHP内に掲載される発表資料及びプレゼン動画を視聴可能とのこと。

イベントHP:https://shingi.jst.go.jp/kobetsu/kosen-k/2021_kosen-k/tech_property.html#pbBlock118283

人とロボットが共に暮らす未来社会の実験場「コモングラウンド・リビングラボ」グランドオープン

大阪商工会議所は、2025年大阪・関西万博を見据え、人とロボットが共に暮らす未来社会の実現に資する「コモングラウンド」の検討を進めてきた。その趣旨に賛同する異業種企業が、7月1日、世界初の共同実験場として「コモングラウンド・リビングラボ」を中西金属工業(株)敷地内にグランドオープン。このラボは、様々な人の価値観に合ったスマートシティ向けのサービスやアプリケーション開発を後押しし、より豊かな都市生活の実現に貢献することを目指す。

■コモングラウンド:フィジカル空間とデジタル空間のつなぎ方を変え、より豊かな都市生活へ
コモングラウンドは、大阪・関西万博が目指すSociety5.0の実現に貢献する次世代都市の空間情報プラットフォーム。コモングラウンドの共通仕様を活用し、フィジカル空間の様々な情報を都市や建築等の3Dデータに紐づけることで、人やロボット、デジタル空間のキャラクター等が同じ認識を持ち得る環境が実現され、それらが共に暮らす未来都市の基盤になるという。

■コモングラウンド・リビングラボ:異業種でコモングラウンドを実装/実証する世界初の実験場
●ラボは、プラットフォーマー、サービサー、メーカー等様々な立場の企業が集うコモングラウンドを備えた環境を実現した世界初の共同実験場。 シェアオフィス(95㎡)と共同実験場(138㎡)から構成される。カメラやLiDAR等のセンサ技術を活用し、フィジカル空間とそれを再現したデジタル空間との間で、リアルタイムかつ双方向に情報をやり取りすることが可能。この環境を活用し、センサを持たないモビリティが自律走行したり、フィジカル空間とデジタル空間にいる人々が同じ場にいるかのように自然に会話をしたり、といった実験が可能になるとのこと。
●ラボは、コモングラウンド・リビングラボ運営委員会が会員制で運営する。現時点の参画企業は15社で、今後も幅広く参画企業を募集するとしている。

プレスリリースサイト(osaka.cci):https://www.osaka.cci.or.jp/Chousa_Kenkyuu_Iken/press/210701cmn.pdf

圧力真空標準の整備とその普及活動について(1)

産業技術総合研究所
計量標準総合センター
圧力真空標準研究グループ
吉田 肇

1. はじめに

真空装置に、複数の圧力計や真空計を並べて取り付けて測定した場合、両者の値が完全に一致することは珍しく、多くの場合、多かれ少なかれ差が観測される。それでは、どちらの値が正しいのであろうか?それとも、どちらも間違っているのであろうか?
正しい値とはいったい何なのかということについて、突き詰めて考えると、疑いなく正しいのは、定義であるという結論に到達するはずである。メートル条約に基づく国際度量衡総会(CGPM)は、「時間」、「長さ」、「質量」、「電流」、「熱力学温度」、「物質量」、「光度」の7つの単位を基本単位とし、それぞれを定義した1-3)。基本単位の場合、CGPMの定義が世界共通のわかりやすい基準となっている。
それでは、基本単位以外の単位はどのように定義されるかというと、それは基本単位の組み合わせによる。例えば、力の単位ニュートン[N]は[kg m s-2]に等しいので、「質量」、「時間」、「長さ」という基本単位の組み合わせとして定義することができる。同様に、電位差(電圧)の単位ボルト[V]は、[kg m2 s−3 A−1]に等しいので、「質量」、「長さ」、「時間」、「電流」の組み合わせとして定義することができる。基本単位以外の多くの単位は、組立単位と呼ばれ、基本単位の組み合わせとして定義される。
本稿では、同じく組立単位である圧力(真空)の単位パスカル[Pa]が、どのようにして定義され、さらには、どのようにして、圧力計や真空計を校正する基準として用いられているかについて解説する。次いで、日本の基準と世界各国の基準とはどのような関係にあるのか解説し、最後に、一般で使用されている圧力計・真空計の指示値に、どのように反映しているのかについて説明する。

2. 圧力真空標準 4-6)

圧力真空標準とは、基本単位と物理法則に基づいて実現される“絶対値のわかった圧力場(標準圧力場)”である。圧力の単位パスカル[Pa]は、圧力範囲や目的に応じて、表1に示した4種類の方法で実現されることが多い。
先ず、圧力[Pa]は、力[N]を面積[m2]で除した値として定義される。この定義を使って標準圧力場を発生する方法に、液柱形圧力計と重錘形圧力天びんがある。また、圧力[Pa]は、気体の状態方程式を用いて、nRT/V (ここで、n:モル数[mol]、R : 気体定数[J mol-1 K-1] 、T:温度[K]、V:体積[m3])と表すこともできる。この物理式を使って標準圧力場を発生する方法が、膨張法である。さらに、圧力[Pa]は、真空容器に導入した気体の流量[Pa m3/s]を、排気のコンダクタンス[m3/s]で除した値としても表すことができる。この物理式を使って標準圧力場を発生する方法が、オリフィス法である。

表1 圧力の定義式、物理式と圧力真空標準を実現する方法

産総研は、国家計量標準機関(NMI)として、これら4つの方法を用いて圧力真空標準を実現し、発生した標準圧力場の圧力と、圧力計や真空計の読み値を比較することで、校正サービスを行っている 5,6)。また、産総研では、真空中の分圧計測のための基準として分圧標準や、漏れ検査のための基準としてのリーク標準の整備をしているので、これらについても紹介する。

(1)液柱形圧力計(液柱差真空計)

液柱形圧力計(液柱差真空計)の概略図を図1に示す。液体として、水銀が用いられることが多く、この場合、水銀マノメータとも呼ばれる。液柱両端の圧力差Δp [Pa]は、液柱の高さの差をh [m]、液体の密度をρ[kg m-3]、重力加速度をg [m s-2]とすると、以下の式で表される。p = pp 0 = ρgh

図1 液柱形圧力計(液柱差真空計)の概略図

さらに、液柱の高い方の圧力p0 を無視できるくらい低くすることで、液柱の低い方の絶対圧力 p [Pa]を求めることができる。なお、ここで絶対圧力とは、絶対真空を0 Paとした時の絶対値のわかった圧力を意味している。産総研では、水銀を用いた光波干渉式標準圧力計 (U 字管内の水銀柱の高さの差を、白色光干渉を用いてレーザー測長することで、正確に圧力の絶対値を決めることができる装置)で1 kPa から113 kPa までの圧力真空標準を実現している 7)

(2)重錘形圧力天びん

図2に圧力天びんの概略図を示す。圧力 [Pa]は、力F [N]を面積A [m2]で除した商(F/A)であると定義されるが、重錘形圧力天びんは、この定義をそのまま実現する方法である。力Fはピストンと重錘の質量M [kg]と重力加速度g [m/s2]の積から求められる。ピストン・シリンダの有効断面積Aeff [m2]は、形状測定から求める方法と、他の方法(液柱形圧力計など)で実現した圧力真空標準との比較から求める方法とがある。圧力天びんの外側をベルジャーで覆って真空排気し、圧力天びんの周囲圧力p0を無視できるくらい低くすることで、ピストン下部に絶対圧力p を発生できる。産総研では、重錘形圧力天びんを用いて、5 kPa から1 GPaの圧力標準を実現し、圧力天びんや高精度デジタル圧力計の校正サービスを実施している 8, 9)

図2 圧力天びんの概略図

(1)や(2)の方法は、圧力の定義そのものであり、再現性に優れ、大気圧付近では、非常に小さな不確かさ(~数 ppm)で圧力の絶対値を定めることも可能である。しかし、圧力が低くなってくると、(1)では液体の蒸気圧、(2)では圧力天びんの製作限界のため、圧力の発生が困難になってくる。そこで、(3)膨張法や(4)オリフィス法といった方法が用いられる。

(3)膨張法 10)

図3に膨張法の原理図を示す。膨張法は、気体の状態方程式を利用して、(1)や(2)で実現した圧力真空標準を、より低い圧力に拡張する方法である。バルブで連結された容積VaVbの二つの真空容器があり、バルブを閉じた状態で、容積Va内に圧力p1の気体を導入し、容積Vb内は真空排気する。次に、バルブを開けることで、容積Va内の気体を膨張させる。温度を一定とすると、膨張後の圧力p2は、膨張比(容積比)Va/(Va+Vb)と圧力p1の積に等しくなる。圧力p1を、(1)や(2)で実現した圧力真空標準を基準に測定することで、膨張後の圧力p2の絶対値を定めることができる。産総研では、膨張法を用いて10-4 Pa から2 kPa までの圧力真空標準を実現し、隔膜真空計やスピニングロータ真空計の校正サービスを行っている。

図3 膨張法の原理図

(4)オリフィス法 11 12)

膨張法では、真空容器からのガス放出の影響が大きくなるために、10-4 Pa以下の標準圧力場の発生が困難になる。そこで、10-4 Pa以下の標準圧力場の発生には、オリフィス法(図4)が用いられる。オリフィス法とは、流量計を用いて、真空容器に流量Q [Pa m3/s]の気体を導入し、コンダクタンスC [m3/s]のオリフィスを介して排気することで、真空容器内の圧力p [Pa]をQ/Cから求める方法である。コンダクタンスC は、オリフィスの形状から求めることができる。オリフィス法の一種であるが、分子流でコンダクタンスが一定になることを利用して、標準圧力場を発生する簡易的な方法もある 13)。産総研では、これらの方法を用いて、10-9 Pa から10-4 Pa の圧力真空標準を実現し、電離真空計の校正サービスを行っている。

図4 オリフィス法の概略図

(5)分圧標準 14,15) とリーク標準 16, 17)

真空容器内の全圧だけでなく、分圧(混合気体中の特定成分の圧力)を測定することは、真空の質を診断する上で重要である。産総研では世界に先駆けて、分圧標準の確立に向けて取り組んでおり、分圧真空計(質量分析計)の校正サービスや、分圧真空計を“その場”で校正するための定量ガス導入素子“標準コンダクタンスエレメント”の校正サービスを行っている 14)。標準コンダクタンスエレメントを用いることで、水蒸気を含む24種類のガスを用いて、分圧真空計の”その場”校正が可能であることを確認している 15)
また、漏れ検査装置に使用される標準リークを校正するためのリーク標準についても整備している。産総研では、透過型ヘリウム標準リークを校正するための定圧流量計(容積変化法)16) と、よりリーク量の大きいキャピラリー等を用いた標準リークを校正するための定容流量計(圧力変化法)17) を保有し、校正サービスを行っている。

発表文献

1) Bureau International des Poids et Mesures (BIPM), The International System of Units (SI) 9th edition (2019), https://www.bipm.org/en/publications/si-brochure

2) 国立研究開発法人産業技術総合研究所 計量標準総合センターホームページ, https://unit.aist.go.jp/nmij

3) 堂前 篤志, “我が国における計量標準とその供給体制(1)”, センサイトホームページ, https://sensait.jp/16955/

4) 国立研究開発法人産業技術総合研究所 計量標準総合センター 工学計測標準研究部門 圧力真空標準研究グループ ホームページhttps://unit.aist.go.jp/riem/pv-std/index.html

5) 日本真空学会 編, 真空科学ハンドブック 4.6 校正と標準, コロナ社, (2018) , p428-435.

6) 吉田 肇, J. Vac. Soc. Jpn., 56 (11), 2013, 449-456.

7) A. Ooiwa, M. Ueki and R. Kaneda: Metrologia, 30 (1994) 565.

8) 小畠時彦, 高圧力の科学と技術, 14 (2004) 184.

9) K. Kobata, M. Kojima and H. Kajikawa, Synthesiology, 4 (2011) 209.

10) Yoshinori Takei, Hajime Yoshida, Eiichi Komatsu, Kenta Arai, Vacuum 187 (2021) 110034.

11) K. Arai,H. Yoshida, M. Shiro, H. Akimichi andM.Hirata: Abstructs of the 4th Vacuum and Surface Sciences Conference of Asia and Australia (VASSCAA-4), Matsue (2008) p. 359.

12) H. Yoshida, M. Shiro, K. Arai, H. Akimichi and M. Hirata, Vacuum, 84 (2010) 277.

13) H. Yoshida, M. Hirata, H. Akimichi, Vacuum 86 (2011) 226-231.

14) Hajime Yoshida, Kenta Arai, Masahiro Hirata, Hitoshi Akimichi, Vacuum 86 (2012) 838-842.

15) Hajime Yoshida, and Kenta Arai, J. Vac. Sci. Technol. A 36, 031604 (2018).

16) K. Arai, H. Akimichi and M. Hirata, J. Vac. Soc. Jpn., 53 (2010) 614.

17) Kenta Arai and Hajime Yoshida, Metrologia 51 (2014) 522–527.

次回に続く-



【著者紹介】
吉田 肇(よしだ はじめ)
国立研究開発法人 産業技術総合研究所・計量標準総合センター
工学計測標準研究部門 圧力真空標準研究グループ・主任研究員

■略歴
2004年 北海道大学工学研究科博士後期課程修了、博士(工学)
2004年 (独)日本原子力研究所那珂研究所 博士研究員
2005年より現職、2020年より、産業技術総合研究所 イノベーション推進本部 連携企画部企業・大学室 を併任

極高真空(XHV)技術とその応用(1)

一般社団法人センサイト協議会
常務理事 島田芳夫

この文章は、センサイト協議会が東京電子株式会社殿にインタビューした内容を記事にしてあります。
面談に応じていただいたのは以下の方々です。

東京電子株式会社
代表取締役社長
黒岩 雅英 殿
東京電子株式会社
シニアマネージャー
岸川 信介 殿


1 はじめに

真空はその度合いによっていくつかの領域に分類される。低真空(大気~102)、中真空(~10-1)、高真空(~10-5)、超高真空(~10-8)(単位はいずれPa)などがある。ここではさらに高度な真空である(10-8~)Paを実現する極高真空(XHV)に関する技術と応用について、この分野で特徴的な技術を有する東京電子(株)の製品を元に説明する。
極高真空の技術はその使用材料から構成要素技術にいたるまで、それ以外の真空機器とは異なっている。極高真空技術の広まりによって、半導体製造及び検査分野から各種超精密分析分野など幅広い用途での活用が期待されている。

2 極高真空用材料 0.2%BeCu

真空構造材と言えば通常ステンレス、あるいはチタンなどが使われているが、熱線(赤外線~可視光)の吸収率が非常に大きくまた熱が伝わりにくいため一旦熱が吸収されると、熱が逃げにくく、チャンバーやフランジなどの温度が上昇、ガス放出が大きくなり極高真空の実現は困難となる。そこで極高真空領域では構造材にベリリウム銅を採用、熱伝導率が高く、高温にならないためガス放出を抑えることに成功している。東京電子では0.2%BeCuを実現、極高真空で課題となっていた水素ガス放出率の低減を実現している。この0.2%BeCuは真空構造材に適するように機械加工、研磨工程、還元・脱ガス工程、バリア膜形成工程を経て製造されている。この素材は極高真空実現には不可欠な材料で、以下で説明される各種極高真空機器に多く使用されるようになっている。(図-1)

図-1 0.2%BeCu製品

3 極高真空向け真空計とポンプ技術

3.1 極高真空計 3B-Gauge

10-8Pa以下(極高真空)の圧力を正確に測定するには、測りたい圧力より一桁以上低い圧力まで測定出来る測定子が必要である。測定限界値付近の誤差としては、測定子の感度変化(軟X線効果)、残留電流変動によって誤差が変動する場合ESDイオンとガス放出などがある。一般的に表示される圧力は実際よりも-10%あるいは-100%低く表示される。極高真空を実現するのは難しいのに、真空度が低めに表示されることは大きなトラブルにつながる恐れがある。この問題を電子回路で補正するには複雑なパラメータの変化を把握し、超微小電流(fA)を測定しなければならず極めて難しい問題と練っている。この問題に対応する最もシンプルな解決方法は残留電流の極めて小さい測定子を用いる事である。
3B―Gaugeはこの問題に答えるべく極高真空向けに開発された技術である。3B(Bent Belt-Beam)―Gaugeは(図2)に示すようにイオンビームを円筒グリッドの外側からベルト状にして取り出し、240°Bent(偏向)した位置で捕捉している。これによって軟X線、ESDイオン、ガス放出による測定限界を改善している。電極は超低ガス放出真空構造材である0.2%BeCu合金のフランジの中に埋め込まれ、低ガス放出化が図られている。
(図-2)

図-2 3BーGauge

3.2 極高真空向けNEGポンプ マジックNEGポンプ

0.2%BeCu合金の真空容器に小型ニップルNEG(Non-Evaporable Getter)カートリッジを円筒状に挿入したポンプで、ケーシングに銅合金を採用しているため輻射熱は殆ど吸収されない。これによって温度上昇を防ぎ、省電力でNEGの活性を可能とした。これをマジック効果と称している。NEG素子はZr/V/Feの3元合金で数10ミクロンの粉末状をバインダーなしで固化・ピル状にし、このピルがガスを吸着する。このポンプはターボ分子ポンプや小型イオンポンプと組み合わされることで、大気圧から10-10Paの極高真空を24時間以内に実現可能としている。
(図-3)

図-3 マジックNEGポンプとカートリッジ

次回に続く-