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オン・セミ、16Mp XGSセンサが、FAと高度道路交通システム(ITS)に高品質な画像を提供

オン・セミコンダクターは、CMOSイメージセンサXGSシリーズの新製品「XGS 16000」を発表した。
XGS 16000は、1600万画素のセンサで、ロボット工学や検査システムを含むファクトリーオートメーションに、高品質なグローバルシャッタ・イメージングを提供する。XGS 16000は、65フレーム/秒(fps)での消費電力がわずか1ワットであるなど、低消費電力で優れた性能を発揮する。これにより、XGS 16000はクラス最高レベルの消費電力でありながら、29×29mmの標準的な産業用カメラでは最高レベルの解像度を実現しているという。

XGS 16000は、他のXGS CMOSイメージセンサと共通のアーキテクチャとフットプリントを採用しているため、カメラメーカーは単一のカメラデザインを用いて異なる解像度の製品を開発できる。XGS 16000は、フル解像度で最大65fpsの読み出しに対応し、様々なスピードグレードが用意されており、いずれもBayerカラーまたはモノクロを選択できる。

XGS16000の高解像度と高フレームレートは、高度道路交通システム(intelligent transportation systems: ITS)、マシンビジョン検査システム、産業用オートメーションのアプリケーションに使用されるカメラシステムの開発者にとって有益である。オン・セミコンダクターのグローバルシャッタのピクセル技術は、このようなアプリケーションにおけるローリングシャッタのピクセルに関する制限を取り除く。グローバルシャッタ方式を使用することで、モーションブラーやディストーションなどのアーチファクトを回避できる。これは、自動化、検査、および識別のアプリケーションにおいて、ますます重要になっている。

東芝テリー社は、マシンビジョン、医療用画像処理、セキュリティなどの主要な市場セグメントのアプリケーション固有の要件を満たす高性能カメラを開発・製造しており、同社は新製品の16Mp産業用カメラ「DDU1607MG/MC」にXGS 16000を採用した。DDU1607MG/MCは、DUAL USB3インタフェースという独自技術により、47fps以上で16Mpのモノクロおよびカラーの解像度を実現する。

XGS 16000は、独自の1:1の正方形アスペクト比で設計されており、カメラレンズの光学円内の画像キャプチャ領域を最大化し、最適な光感度を確保できる。この設計により、市販のCマウントレンズを使用した29 mm2の業界標準カメラフォーマットに対応している。これにより、カメラの物理的な大きさに対して、利用可能な視野とセンサ領域を最適に活用できる。

オン・セミコンダクターは、新しいカメラの設計を簡素化するために、XGS 16000 X-CubeおよびX-Celerator開発キットのカラー版およびモノラル版を提供している。このリファレンスデザインのキットには、MIPIインタフェースへの高速変換サンプルが付属しており、一般的なFPGA評価環境に迅速に統合できるとのこと。

プレスリリースサイト(onsemi):https://www.onsemi.jp/PowerSolutions/newsItem.do?article=1000958

SGST、医療法人一白会にて紫外線照射ロボットの実証実験を開始

(株)SGSTは、新型コロナウイルス対応として医療機関、介護施設、飲食店向けにロボットによる非接触サービス化の展開を進めている。 今般、医療法人社団 一白会の菊地脳神経外科・整形外科(所在地:東京都小金井市)において、クリニック内のウィルス対策に効果的な紫外線照射ロボットの実証実験(POC)を開始した。

【紫外線照射ロボットの概要】
SGSTは新型コロナウイルスを含むウィルスや細菌の不活化に有効とされる紫外線照射ロボットの医療機関や介護施設、飲食店への導入を支援している。紫外線照射ロボットにはUBTECH社製のADIBOT自走式モデルと手押し式モデルの2種類を取り扱っている。日本においては、紫外線照射によるウィルス対策措置として既にいくつかの欧米製品が市場投入されているが、機能比較においても他社製品を上回る強力なウィルス対策性能を発揮するという。

【POC概要】
クリニックにおける紫外線照射ロボット活用の有効性を検証するため、7月24日から2週間にわたり、新型コロナウィルス対応を進める一白会 菊地脳神経・整形外科の協力を得て、紫外線照射の実証実験を行う。

期間:2021年7月24日~8月6日
場所:新型コロナワクチン接種会場とクリニック診察室
内容:紫外線照射ロボットによるワクチン接種会場、クリニック診察室への照射
ロボット:UBTECH社製紫外線照射ロボット「ADIBOT 手押し式モデル」(Total UVC Power=1,240W)

【ロボットソリューションについて】
同社では新型コロナウイルス対応で疲弊する医療スタッフの負荷軽減を目的として、AI搭載のロボットによる非接触サービス化を提案している。紫外線照射作業はネットを通じ管理者のスマホやPCに作業完了レポートが送信され、複数台のロボットを一人の管理者が同時に作業遂行させることが可能となっている。また、規模の大きい病院の場合には、院内の案内係ロボットとしての活用も提案していくとのこと。
医療機関以外では、飲食業における配膳ロボットの活用で人件費削減や非接触サービス化を実現しているという。

ニュースリリースサイト(SGST):https://robotics.sgst.ai/news/news_20210726.html

小型SAR衛星コンステレーション技術を利用した 災害状況把握サービスの社会実装に向けた実証

(株)Synspective※1と、宇宙航空研究開発機構(以下、JAXA)は、「JAXA宇宙イノベーションパートナーシップ(J-SPARC)」※2のもと、「小型SAR(合成開口レーダー)衛星コンステレーションによる災害状況把握サービスの社会実装」に向けた共創活動を開始した。このプログラムでは佐賀豪雨を事例としたSARコンステレーション利用による解析精度向上の実証と、衛星搭載SARの性能向上の実証などを行う。


共創プログラムの実施内容
1. SARコンステレーション技術を活用した災害時状況把握サービス等の社会実装
Synspectiveが運用する独自の小型SAR衛星StriX-αや、今後打上げを行うStriX-β及びそれ以降の後継機において取得するデータや他衛星等により取得されている既存のデータを用いて、災害時状況把握サービス等の社会実装に向けた取組みを行う。

<取組例:佐賀豪雨の解析精度の向上実証を開始>
社会実装を目指した最初の取組みとして、JAXAと連携協定を締結している佐賀県庁、及び災害情報としてドローン及び地上測量情報を提供する株式会社島内エンジニア(佐賀市)と連携し、水災害被害把握の実運用に向けた精度向上の実証を2021年7月より開始した。

Synspectiveでは、昨年、水災害対応のための浸水被害(浸水域、浸水深、被害道路、被害建物)評価する「Flood Damage Assessment(浸水被害モニタリング)」サービスを提供している。
水災害時において広範な地域の被害状況を一次情報に基づいて把握することができる本サービスは、迅速な意思決定への貢献が期待されている。
今回は、Synspective、佐賀県庁、株式会社島内エンジニアおよびJAXAの連携により、小型SAR衛星コンステレーションの活用による、豪雨による浸水被害の解析精度の向上を実証するとのこと。

2. SAR観測の高分解能化・広域化を実現する技術検証
内閣府主導の革新的研究開発推進プログラム「ImPACT」での研究開発成果であるSARセンサの小型化に関するJAXAの知見を活かし、SynspectiveとJAXAはSARセンサの性能向上に係る共同研究を行う。具体的には、Synspectiveが目指す高分解能・広域SAR観測に必要な高出力レーダーの大電力化に係る放電対策の検討をJAXAで行い、SynspectiveのStriX-β及びそれ以降の後継機を使用して宇宙での技術実証を行う。
Synspectiveは、JAXAが有する衛星データ利用に係る知見や衛星技術を組み合わせることで、小型SAR衛星コンステレーション技術を利用した災害状況把握サービスの事業化、さらには自治体等での意思決定に貢献できるサービスの社会実装を目指すとしている。

※1 株式会社Synspectiveについて
シンスペクティブは、データに基づき、着実に進歩する世界の実現を目指し、衛星による観測データを活用したワンストップソリューション事業を行う会社。内閣府「ImPACT」プログラムの成果を応用した独自の小型SAR衛星により高頻度な観測を可能にする衛星群を構築し、その衛星から得られるデータの販売、および、それらを利用した政府・企業向けのソリューションを提供する。

※2:JAXA宇宙イノベーションパートナーシップ(J-SPARC)について
J-SPARCは、宇宙ビジネスを目指す民間事業者等とJAXAとの対話から始まり、事業化に向けた双方のコミットメントを得て、共同で事業コンセプト検討や出口志向の技術開発・実証等を行い、新しい事業を創出するプログラム。2018年5月から始動し、これまでに30を超えるプロジェクト・活動を進めている。事業コンセプト共創では、マーケットリサーチ、事業のコンセプトの検討などの活動を、事業共同実証では、事業化手前の共同フィージビリティスタディ、共同技術開発・実証などの活動を行う。

プレスリリースサイト(synspective):https://synspective.com/jp/press-release/2021/jaxa-synspective/

パナソニック、欧州でスマートガスメーターを用いたユーティリティサービスを展開

パナソニック(株)は、日本国内で培ったガスメーターデバイス技術を生かし、スマートガスメーターの導入が進む欧州において、2021年秋からガスユーティリティサービスの提供を開始する。

エネルギーの安定供給や効率化による環境負荷低減などの観点から、スマートガスメーター市場は大きな伸張が予測されている。特に欧州では、2008年にEUが掲げた環境目標20-20-20(トリプル20)の導入をきっかけに、生活インフラのスマート化が義務づけられるなど各国で導入が進んでおり、業務の効率化、計測データの活用による新たなサービス提供などが期待されている。

スマートガスメーターには、電池のみで長期駆動できる低消費電力性能と高信頼性の両立が求められる。近年、通信キャリアの基地局を用いたNB-IoT※(Narrow Band IoT)など省電力に配慮した通信ネットワークの採用が加速しているが、通信キャリアとメーターごとに契約しなければならないなど、運用面での煩雑さや負担増といった問題も表面化している。
そこで同社は、スマートガスメーター向けの弁や圧力センサ、感震器といったデバイスに加え、NB-IoT接続サービスからデータモニタリング、そして収集データの解析・活用までをワンストップで提供するガスユーティリティサービスを開始する。2021年秋にイタリアから導入を始め、欧州域内で広げていく予定。

同社は、地震の揺れやガス漏れなどを検知するセンサ技術、ガスを遮断する弁機構など地震多発国ならではの技術を磨き、ガスインフラの安心安全に貢献してきた。さらに、日本国内で培った技術を生かして、フランスやイタリアなど現地のガス会社が行うスマートメーターの導入実証に日本メーカーとしていち早く参画してきたほか、2014年からはイタリアでガスメーターデバイス事業に参入するなど、スマートガスメーター導入の動きに合わせて欧州のニーズに対応した事業を展開してきた。

【ガスユーティリティサービスの特長】
(1)アドバンスド ガスサービス
 169 MHz帯通信/NB-IoT通信機能一体型コントローラー、独自のガスメーターデバイス(弁、圧力センサ、感震器)、そしてスマートメーターから送られてくるログデータを解析・活用した各種サービスを、ワンストップで提供する。
・通信状態
各家庭に設置したメーターの通信状態のモニタリングにより、通信障害発生時の原因特定と早急な復帰をサポート。また、最適な電波強度に個別制御することで、電池を長持ちさせる。
・電池の寿命予測
コントローラーに内蔵する電池の電圧、電流および温度をモニタリングすることで劣化状態を診断。寿命予測により計画的に電池交換を実施できるほか、地図上に残量を表示することで、地域毎の傾向や課題の把握が容易になる。
・ガス管の異常検知
ガスメーターの計測データとガス管情報を組み合わせることで、地域全体のガスインフラの状態を把握することができる。供給圧力データの変動から供給圧の低下地点を導出。ガス漏れなどガス管の異常をいち早く検知する。
・ガスの遮断復旧サポート
地震発生時、ガスメーターの供給圧力データに基づいて「正常」「遮断」「異常発生」の状況を地図上に表示して、ガスインフラの状況を可視化。地震発生後の安全で効率的な復旧作業を支援する。

(2)コネクティビティサービス
 eSIM(Embedded SIM:組み込み型SIM)の採用で、最適な通信キャリアの通信網を選択したNB-IoTの接続サービスを一括提供する。ガス会社は通信キャリアとの個別契約不要で、広域かつ安定した通信環境でスマートガスメーターの利用が可能となり、ガスインフラの運用管理やサービス提供に特化できる。

(3)遠隔検針サービス
 既存のガスメーターに外付けのNB-IoTユニットを組み合わせるだけで、遠隔検針が可能になる。ガスメーターの個別IDと抽出期間を指定すると、クラウドで一括管理されたデータから対象メーターの検針データや異常データを出力する。

※Narrow Band IoT:180 kHzと非常に狭い帯域幅を使用し、通信速度は上り62 kbps/下り26 kbps、狭帯域かつ低速のため消費電力が少なく電池による長時間駆動が可能

プレスリリースサイト(panasonic):
https://news.panasonic.com/jp/press/data/2021/07/jn210721-2/jn210721-2.html

ぷらっとホーム、BIツールを搭載したIoT専用サーバー「OpenBlocks IDM RX1」を発表

2021年7月21日、ぷらっとホーム(株)は、「OpenBlocks® IDMシリーズ」の新ラインナップ、「OpenBlocks IDM RX1」(オープンブロックス・アイディーエム・アールエックス・ワン)を発表した。

■「OpenBlocks IDM RX1」製品特長(※1)

<プレゼンテーションソフトの感覚でカスタマイズできるBIツール「RealBoard」搭載。>
・プログラミングなしに4ステップでIoTデータの可視化が可能で、複数データを一つのグラフでの表示や、3Dリアルタイム表現、カメラのタイムライン画像の表示もできる。
<IoTに最適な時系列データベースで超高速なデータ読込み及び書込み>
・一般的なデータベースに比べ数倍以上と圧倒的な高速読込み、書き込みが可能な、高性能KeyValue型データ機能を搭載。IoT機器から取得した時系列データはデータの値の大きさが揃わないなど特殊性があり、行指向のリレーショナルデータベースでは検索や各種機能の対応が難しい場合があるが、そういった場合でも、超高速で時系列間隔の異なるデータ同士を比較、統合したり、データのCSV出力が可能。
<堅牢でコンパクトなハードウェア>
・HDDやファンといった可動パーツがないファンレス設計で、耐熱、防塵で堅牢。既存ネットワークへの追加購入でも、1Uハーフサイズのコンパクトサイズで置き場所に困らない。

■ラインナップ・価格
<OpenBlocks IDM RX1>
型番:OBSIDMRX1
価格(税抜): オープン(市場想定価格385,000円)(※2)

(※1)IoTシステム構築では、システム構築以外にセンサーなどの設置における調整が必要となり、それらをご用命の場合は、システム業者、設置業者などの別途費用がかかる。
(※2)本体購入時、初年度の保守サポートの申し込みが別途必要。
(※)詳細については下記リンク先を参照のこと。

プレスリリースサイト(plathome):https://www.plathome.co.jp/press-release/20210721-openblocks-idm-rx1/

「バイタル測定スマートウオッチ+AI」を活用した健康見守りの実証実験開始

(株)アドダイスは、2021年6月1日より、愛媛県の「久万高原町立病院」において、バイタル測定スマートウオッチ「ResQ Band(レスキュー・バンド)」および健康を見守る人工知能「ResQ AI(レスキューAI)」を利用した、地域の高齢者及び病院スタッフの健康見守りの実証実験をスタートした。
この実証実験を通じて、高齢化など様々な課題を抱える地方自治体において、また感染症蔓延が常態化したこの世界において、医師・看護師・ケアスタッフなどの見守りのもと、誰もが安心・安全に暮らせる社会を、AIで実現していくという。

同社は、AIデータサイエンティストと医師が、独自開発の「自律型AI技術(名称:ソロモン・テクノロジー)」で、様々な社会課題の解決に挑むスタートアップ。
ソロモン・テクノロジーは、人の健康を守るためにも非常に有効との評価を受け、2018年より、県立広島病院と連携し「がん」の画像診断AIの共同研究を続けてきた。
さらに2020年春、新型コロナウィルス感染拡大を受け、この技術を新型コロナウィルス対策にも活かすべく、医療機関、大学等の研究機関、企業、一般の個人から有志を募り「COVID-19 ResQ(コヴィッド・ナインティーン・レスキュー)プロジェクト」を発足。健康と生命を守る「ライフスタイルAI」の共同研究を続けてきた。
そして2020年秋より、ウェアラブルIoT(ResQ Band)を装着しバイタルを測定、クラウド型のデータ管理プラットフォームに連携し、ソロモン・テクノロジーに基づき開発した人工知能(ResQ AI)で解析し、健康管理や未病対策に役立てる構想の実用化を進めてきた。
ResQ AIは、身体特性だけでなく生活環境、生活習慣をAIで学習し、すべての人に究極の個別ケアを提供するという「ライフスタイルAI」の研究成果である。自律型AIが健康を見守り、安心して人生を謳歌できる社会の実現を目指しているという。

■久万高原町立病院 バイタル測定スマートウオッチ+AI実証実験概要
 導入先:国民健康保険久万高原町立病院(愛媛県上浮穴郡久万高原町久万65番地)
 開始日:2021年6月1日
 目的:健康管理、見守り、クラスタ対策
 利用者:高齢者(訪問診療、訪問介護を受けている人)、病院スタッフ
 実験概要:利用者にResQ Bandを装着して貰い、バイタル測定とAIによる健康見守りを行う。

ニュースリリースサイト:https://ad-dice.com/news/210720_press/

シャープ、I2C通信対応ウェアラブル機器向け超小型近接センサを量産化

シャープ福山セミコンダクター(株)は、I2C通信(※1)対応で業界最小クラス(※2)のウェアラブル機器向け近接センサ(※3)<GP2AP130S00F>を開発、本年5月から量産を開始した。

 ウェアラブル機器市場は、スマートフォン向けなどに採用されているTWS(※4)イヤホンをはじめ、今後、普及が期待されるVRゴーグルやスマートグラス、さらには生体情報のモニタリング機能を搭載した機器などを含む成長分野である。これらの機器では、物理スイッチを搭載せず、機器の着脱を自動的に検知して音楽再生の一時停止などの制御を可能にする近接センサの採用が進んでいる。そうした状況の中、ウェアラブル機器のデザインにより高い自由度を持たせるべく、近接センサの小型化へのニーズが高まっている。

 本センサは、同社が長年のオプトデバイス開発を通じて培ったパッケージ技術や光信号処理技術により、業界最小クラスの本体サイズを実現した。また、平均消費電流Typ.40 μA(※5)の低消費電流設計により、バッテリーの長時間駆動を実現するとともに、独自の外乱光ノイズキャンセル回路(※6)を採用し、太陽光の下など、赤外波長成分が多い屋外環境(※7)においても誤作動を抑制するという。

品 名:近接センサ
形 名:GP2AP130S00F
サンプル価格(税込):100円
量産開始:2021年5月
月産個数:300万個

■ 主な特長
1.超小型・低消費電流設計により、さまざまなウェアラブル機器への組み込みが容易
2.耳などへの着脱を自動検知し、スイッチ操作なしにウェアラブル機器の制御が可能
3.外乱光耐性が高く、屋外でも誤作動を気にせずに使用可能

注釈:
(※1) 2本の信号線で通信する同期式のシリアル通信方式の規格。
(※2) 2021年7月19日現在、シャープ調べ。近接センサにおいて。
(※3) 赤外光を照射して対象物の接近を検知する、受発光素子一体型のセンサ。
(※4) True Wireless Stereoの略。完全ワイヤレスステレオ。
(※5) 回路部(LSI)ならびに発光部(VCSEL)の消費電流の合計。
(※6) 特許第5823624号および特許第6072928号。
(※7) 実証環境:太陽光下10万Luxの場合において。

ニュースリリースサイト(sharp):https://corporate.jp.sharp/news/210719-a.html

圧力真空標準の整備とその普及活動について(2)

産業技術総合研究所
計量標準総合センター
圧力真空標準研究グループ
吉田 肇

3. 国際整合性の確認

世界各国には、国家の決定で指名され、国際度量衡局(BIPM)に登録された国家計量標準機関(NMI)がある。例えば、アメリカ国立標準技術研究所(NIST)、 ドイツ物理工学研究所(PTB)、中国計量科学研究院(NIM)、韓国標準科学研究院(KRISS)などがあり、日本では産総研がNMIとして登録されている。産総研を含む先進各国のNMIでは、前述のような方法で圧力真空計測の国家標準を整備している。そして、それぞれの国家標準同士を比較することで、計測の国際整合性を確保している。国際比較の結果は、BIPMのホームページや学術誌で公開される 18)。各国の国家標準の値が、それぞれが主張する不確かさ(エラーバー)の範囲内で一致した時、国際同等性が確保されたことが確認できたと同時に、参加したNMIは、不確かさの範囲内で圧力の絶対値の測定ができたと結論される。産総研は、これまで22回の国際比較に参加しており、いずれも良好な国際整合性が確認されている。

4. 計量法校正事業者登録制度(JCSS制度)19) と圧力真空クラブ 20)

産総研が保有する圧力真空標準装置は、世界最高レベルの校正精度(世界最小の不確かさ)を目指した装置であるため、複雑で大がかりな装置構成になっている。したがって、圧力真空標準装置は、主に、圧力計・真空計のメーカや校正事業者が保有する社内標準器を校正するために利用される。一般で使用される圧力計や真空計は、これら社内標準器との比較によって校正される。こうした校正(比較)の連鎖によって国家標準へ繋がることを、「計測のトレーサビリティが確保されている」と言う。
近年、計測の信頼性が強く求められる分野では、「ISO/IEC 17025試験所及び校正機関の能力に関する一般要求事項」に基づく、より確実なトレーサビリティの確保が求められるようになってきている 21)。(独)製品評価技術基盤機構によって運営される計量法校正事業者登録制度 (JCSS)19) は、計量法関係法規及びISO/IEC 17025に基づく審査を経て登録された校正事業者が、特別な標章(ロゴ)の入った校正証明書を発行できる制度である。JCSSに基づく標準供給体系を図5に示す。2019年度には、圧力計、真空計、標準リークを併せて、5,507件のJCSS校正証明書が発行されている。
また産総研では、圧力真空クラブを運営し、整備している圧力、真空、リークの標準及び校正サービスや、国内標準供給体系の整備、標準の国際同等性の確保、関連規格の整備等の状況について、JCSS校正事業者や、一般の圧力計・真空計ユーザと情報交換を行っている 20)。興味のある読者は、ぜひご一報いただきたい。

図5 JCSSに基づく圧力と真空の標準供給体系(2021年6月現在)。この他に、漏れ検査のための標準リークの校正事業が4者ある。なお、特別に高度な計測が要求される場合、圧力真空標準装置を用いて、一般ユーザの計測器を校正する「依頼試験」という校正サービスもある。

5. おわりに

本稿では、圧力や真空の計測における基準について、その概略を説明した。紙面の都合上、詳しい説明は省略したが、近年では、光の屈折率の変化を利用した新しい圧力真空標準の開発なども進めている 22)
圧力や真空の計測は、幅広い科学技術分野における基盤技術であり、科学技術の進歩に対応して、圧力真空標準も発展してきた。エネルギー、環境、少子高齢化、防災など、現代が直面する多くの社会問題を解決する手段として、科学技術に対して強い期待が向けられ、その中で、圧力や真空の計測に対して、より高度な要求が出てくる場面もあろう。産総研の圧力真空標準やその応用技術が、その時に一助になると幸いである。

発表文献

18) BIPM, Key Comparison Database, https://www.bipm.org/kcdb/

19) 独立行政法人製品評価技術基盤機構(NITE)ホームページ、https://www.nite.go.jp/iajapan/jcss/index.html

20) 圧力真空クラブホームページ、https://unit.aist.go.jp/nmij/nmijclub/pres-vac/pres-vac.html

21) 片桐 拓朗, “ISO/IEC 17025に基づく認定校正とは(1)”, センサイトホームページ, https://sensait.jp/17049/

22) Yoshinori Takei, Souichi Telada, Hajime Yoshida, Kenta Arai, Youichi Bitou, Tokihiko Kobata, Measurement 173 (2021) 108496.



【著者紹介】
吉田 肇(よしだ はじめ)
国立研究開発法人 産業技術総合研究所・計量標準総合センター
工学計測標準研究部門 圧力真空標準研究グループ・主任研究員

■略歴
2004年 北海道大学工学研究科博士後期課程修了、博士(工学)
2004年 (独)日本原子力研究所那珂研究所 博士研究員
2005年より現職、2020年より、産業技術総合研究所 イノベーション推進本部 連携企画部企業・大学室 を併任

極高真空(XHV)技術とその応用(2)

一般社団法人センサイト協議会
常務理事 島田芳夫

4 極高真空の質量分析への応用

4.1 四重極分析計 WATMASS-MPH

四重極方式(QMS)の質量分析計で、通常のQMSではセンサ先端部のイオン源からのガス放出のため高精度測定が不可能な超高真空・極高真空での残留ガス分析が、イオン源の改良によって10-13Pa台の残留ガス分析を可能としている。これを実現するために、1)熱陰極イオン源、センサニップル管に0.2%BeCuを採用しガス放出を大幅に低減 2)グリッドに白金イリジウム合金を採用、ESDガス放出を低減、3)徹底した低ガス化処理による水素の排出 等の改良が行われている。WATMASSの現状の応用分野としては1)超高真空、極高真空での高精度ガス分析、2)表面分析 3)半導体デバイスの劣化とガス放出分析 4)光あるいは電子刺激によるガス分析 5)微量ガス分析 6)封止デバイスのガス分析 7)ガラスのガス透過試験 等がある。
(図-4)

図-4 WATTMASSとその分析例

4.2 四重極分析計WATMASSの応用例

WATMASSの応用として半導体パッケージ、特に近年その重要性が高まっている車載用MEMSデバイスの信頼性確認のための破壊検査システムが実用化された。これはMEMSパッケージの中に残留不純物ガスが存在するかどうか、パッケージを破壊してガス分析を行うシシテムである。WATMASSは低ガス放出に徹底的にこだわり、真空で封じきった排気ポンプなしの状態で10-7Pa台の真空を1年間保持できる性能を示している。このWATMASSを用いると、計測室の形状と構成をいろいろ変えることにより各種高性能分析を実現する事が出来る。極めて微量なガス分析で、10-15Pa-m3/s(He)という超微少リークを検出、品質の担保に役立っている。この技術は産総研の技術ライセンスの指導を受けているが0.2%BeCuによる極高真空技術によって通常数日かかる真空引きの時間を6~10時間に短縮する事が可能となっている。
(図-5)

図-5 WATTMASSの応用例

5 新しい真空技術応用ーミニマルファブへの取り組みー

ICに代表される半導体の製造工場は高度なクリーンルームを必要とし、また大型ウエハによる同一仕様の大量製造が原則であったが、近年は小ロットの要望が強くなってきている。この要望にマッチする製造システムとして国内では産総研指導の国家プロジェクトとして〔ミニマルファブ〕の開発が進められている。これは半導体の前工程・後工程それぞれの装置を作業毎に分離、小型統一規格サイズの装置としている。これら工程毎の小型統一規格サイズの装置を要望に応じて適時組見合わせて製造トータル工程を実現するものである。ただし現行のミニマルファブで高熱が発生する真空工程では、装置の小型化が難しいとされている。またシリコンデバイスでのAl配線による水分分圧の問題なども提起されている。この様な課題解決に極高真空向けに開発されたBeCuの採用に期待が高まっており、今後この材料を基本にミニマル装置への応用が実現できるべく開発が進められている。
(図-6)

図-6 ミニマル仕様成膜装置(MBE)開発における東京電子の役割

6 まとめ

極高真空を実現する材料、部品技術について解説、その応用例と今後の可能性について記述した。極高真空はまだ限定された応用分野であるが、構造材および部品としての提供も可能であるので、今後の半導体産業、分析機器産業などでの応用が高まってくることが期待出来る。


(文責 一般社団法人センサイト協議会 島田)

この記事に記載された技術・製品に関するご要望・ご質問などは、直接東京電子殿にお願い致します。
https://www.toel.co.jp

真空の圧力測定技術(Pressure measurement method in vacuum)(2)

キヤノンアネルバ(株)
桑島 淳宏

4. ピラニ真空計

気体の熱伝導を利用した真空計として最も汎用的なものがピラニ真空計である.ピラニ真空計の構造を図3に示す.

図3. ピラニ真空計の構造

ピラニ真空計は,電極にフィラメントが接続されているだけのシンプルな構造の真空計である.フィラメントは100-200 ℃程度に通電加熱され,その時の抵抗値でフィラメント温度の測定もされる.フィラメントへ室温の気体分子が入射すると,気体分子は高温のフィラメントから熱を奪いつつ,フィラメントから離れる.そのため,フィラメント全体から奪われる熱量はフィラメントへの入射分子数に比例する.さらに入射分子数は圧力と比例関係にあるため,フィラメントから気体への伝熱量を測定することで圧力測定ができる.伝熱量の測定方法として一般的なのは,フィラメント温度を一定に保つために必要な電力を測定する方法である.圧力が低いほど,フィラメントから気体への伝熱量が少ないため,フィラメント温度を一定にするための電力量も少なくなる.
この真空計は圧力が低くなり,気体への伝熱量がフィラメントの熱放射や電極へ漏れる熱量と同等レベルになると測定ができなくなり,測定下限は10-2 Pa程度である.また,気体分子の種類によって,熱伝導率が異なるため,測定値は気体種に依存する.つまり,熱伝導率の違いを考慮した測定値の補正が必要ということである.市販品の真空計は窒素に対して正しく圧力測定ができるようになっているので,窒素以外の気体の圧力を測定する場合は注意が必要である.

5. B-A真空計(熱陰極電離真空計)

熱陰極電離真空計は気体中の電離現象に基づく真空計である.その中でもベアード-アルパート真空計(B-A真空計)が最も普及している.電離現象に基づく真空計は,気体分子数が少なく,機械的現象や気体の輸送現象による圧力測定が難しい10-2 Pa以下の圧力領域で使用される.図4に熱陰極電離真空計の一般的な構成とB-A真空計の構造を示す.

図4-a. 熱陰極電離真空計の構造
図4-b. B-A真空計の構造

熱陰極電離真空計は,まず,1000 ℃以上に加熱されたフィラメントの熱電子放出により飛び出した電子をフィラメントとグリッド間の電場で加速する.加速された電子と衝突した気体分子は電離しイオンとなる.イオンは電位の低いイオンコレクターに引き寄せられ,イオンコレクターから電子を奪い中性化する.この時,イオンコレクターに電流が流れるため,この電流値を測定することで気体分子数,すなわち圧力を測定することができる.このイオンコレクターが金属細線になっているのがB-A真空計の特徴である.細線である理由は,グリッドから発生する軟X線が照射される面積を減らし,雑音電流を最小限にするためである.図5に熱陰極電離真空計の軟X線と雑音電流の関係を示す.

図5. 軟X線による電流の発生

フィラメントからグリッドに向かって加速された電子は,グリッドと衝突すると制動放射で軟X線を発生させる.この軟X線がイオンコレクターに入射すると,光電効果でイオンコレクターから電子を放出させる.この時,気体分子イオンが衝突したときと同様に電流が流れるため,この電流が雑音となってしまう.気体分子数の少ない10-5 Pa以下の圧力では,イオンコレクターの表面積が大きいと,イオンによる電流より,軟X線が発生させる電流が多くなり,圧力測定が困難となる.そこで,イオンコレクターを表面積の少ない細線とし,軟X線の影響を軽減することで10-8 Pa台までの測定を可能とした真空計がB-A真空計である.
熱陰極電離真空計は高温のフィラメントを使用しているため,メーカーの指定している圧力以上で真空計を通電した場合,フィラメントが損傷・断線する可能性が高く,注意が必要である.また,気体分子により電離確率の大小があるため,測定値に気体種依存性があり,ピラニ真空計と同様,測定値の取扱いには注意が必要である.

6. まとめ

最後に真空計の選定や運用に関するポイントを述べる.表4に本稿で解説をした真空計の特徴と接ガス部の材料をまとめた.

表4. 各真空計の特徴 8)
※接ガス部:真空側の測定気体と接する部分

本稿で解説していない真空計にも測定方式や構造に由来するメリット・デメリットがあり,選定や運用をするうえで,それを理解していると長期的に安定した測定が行える.また,各メーカーより大気圧から10-8 Paまで測定可能となるよう,適切な測定方式の真空計を組合せて一体化された複合真空計が販売されているので,それを利用するのもよい.ただし,どのような測定方式の真空計であっても,接ガス部使用材料と測定対象の気体が化学反応を起こすと,反応生成物の堆積やフィラメント・電極の消耗などで寿命が著しく短くなる.真空計選定の際には,その点に注意を払う必要がある.

参考文献

1) 熊谷寛夫, 富永五郎編著:真空の物理と応用, 裳華房.

2) 日本真空学会編:真空科学ハンドブック, コロナ社.

3) 関口 敦:トコトンやさしい真空技術の本, 日刊工業新聞社.

4) 日本真空工業会編:真空ポケットブック, 非売品.

5) 日本工業規格 JIS Z 8126-1:1999 真空技術-用語- 第1部:一般用語.

6) 日本工業規格 JIS Z 8126-3:2018 真空技術-用語- 第3部:真空計及び関連用語.

7) 川﨑洋補:各種全圧真空計の特徴とメンテナンス, Vac. Surf. Sci. 61 (2018) 514.

8) 大沼永幸:隔膜真空計の原理と技術, Vac. Surf. Sci. 64 (2021) 174.

9) 秋道斉:種々の真空計とそれぞれの測定原理, J. Vac. Soc. Jpn. 56 (2013) 220.



【著者紹介】
桑島 淳宏(くわじま あつひろ)
キヤノンアネルバ株式会社 コンポーネント開発部

■略歴
2008年 キヤノンアネルバ株式会社へ入社
    ·真空コンポーネントの開発に従事