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ST、柔軟性と速度を向上させたデュアル・インタフェースNFCダイナミック・タグIC

STマイクロエレクトロニクスは、NFCダイナミック・タグIC「ST25DV-I2Cシリーズ」に搭載されたI2Cインタフェースの性能を強化したことを発表した。これにより、ホスト・システムからST25DV-I2Cに内蔵されたEEPROMへ、より迅速かつ簡単にアクセスできるようになるという。

強化されたST25DV-I2Cは、I2Cインタフェースを介して内蔵のEEPROMに書き込むことで標準のEEPROMと同等の速度を実現する。また、ST25DV-I2Cをより柔軟に活用することができるようになり、システムの部品コスト削減にも貢献。設計時にI2Cアドレスを設定することができ、バス上に他のデバイスを共存させることも可能である。

ST25DV-I2CはNFCフォーラム タイプ5規格に準拠しており、13.56MHzで動作するNFC / RFIDリーダライタやNFC搭載スマートフォンとの非接触通信に対応している。そのため、NDEF(NFC Data Exchange Format)メッセージとのタップ接続など、一般的なユース・ケースを実現できる。また、無線通信機能も強化されており、アービトレーションに対応することで、無線インタフェースを介してEEPROMに書き込まれたデータにより簡単にアクセスすることができる。

最新のST25DV-I2Cは、スマート・メータやアセット管理、ロジスティクスなどの産業用アプリケーションの生産性と効率を向上させると共に、医療機器、スマート・ホーム機器、照明、小売店用スマート・ラベル、およびコンスーマ製品において優れたユーザ体験を提供する。ST25DV-I2Cは、設定、製品のトラッキング、ユーザ機能、メンテナンス、運用終了の管理など、製品の運用期間全体を通じてさまざまなユース・ケースを実現する。

また、高速転送モードやエナジー・ハーベスティングなど、堅牢性と利便性に優れた機能も搭載している。STの革新的な高速転送モードは、256バイト・バッファを利用してホスト・システムのファームウェア更新や、ログ・データ読出しのような大容量ファイルの双方向処理を高速化する。エナジー・ハーベスティング制御回路を内蔵しているため、バッテリレス・アプリケーションのマイクロコントローラやセンサ部品などの駆動用に非安定化出力電圧を供給できる。

ST25DV-I2Cは、NFCフォーラム タイプ5規格に準拠し、最大64KbitのEEPROMを搭載している。また、設定可能なパスワードによるユーザ・メモリの保護や、RFインタフェースで検出したさまざまなイベントに対応するようプログラムできる割込みピンなど、さまざまな機能を備えている。

最新のST25DV-I2Cは、SO-8、TSSOP-8、およびUFDFPN(8ピン / 12ピン)、WLCSP-10を含むチップ・スケール・パッケージで提供される。ST25DV-I2Cは、STのeSToreから購入可能で、無償のサンプルも提供されている。4KbitのEEPROMを内蔵し、SO8パッケージで提供される品種の単価は、1000個購入時に約0.30ドル。

ニュースリリースサイト:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000001192.000001337.html

ファインフィット、移乗・移動ロボット『Keipu-Sb』取扱い、販売開始

テクノホライズン(株)のファインフィットデザインカンパニー(以下、ファインフィット)は、この度、アイザック(株)の介護施設・医療機関向け移乗・移動ロボット『Keipu-Sb』(屋内用)の販売を開始した。

ファインフィットは睡眠見守りシステム「みまもり~ふ」を製造販売しているが、介護施設の現場業務を支援する共通目的のために本製品を販売する。

「Keipu-Sb」は、一般の車椅子に無い「後ろから乗り降りする形」を採用することで、介護者、移乗者双方にかかる負荷の大幅な軽減を実現する。座面の高さをベッドに合わせて調整することができるため、利用者がベッドから直接乗込むことが可能。また、電動駆動+ジョイスティック操作により、360度旋回が可能であり、トイレやエレーベーターなど狭い室内でもスムーズに利用できるという。

【その他特長】
・電動で昇降する座面(高い座面の確保にて、利用者の目線が高くなり、自身の操作による自立支援の実現)
・5段階の速度調整(人の多い場所ではゆっくりと、広い場所では早く等の選択が可能)
・バッテリーの交換により長時間駆動(充電時間 約3.5時間で約3.6km走行可能) (交換バッテリーオプション)
・超音波センサーを採用し、障害物を150cm手前で感知し減速。75cm手前で停止。 (病院、介護施設以外の場所でも利用可能)

その他、「Keipu-Sb」は、ベッドに腰かけた端坐位の状態から前向きに乗りこむことが可能であり、採用の施設においても、移乗サポート他スタッフの負荷を軽減することで、介護施設全体の省力化にも寄与するとしている。

【価格】
・定価900,000円(衝突防止センサ搭載モデル*) 非課税
 *衝突防止センサ無しのモデルも有り。詳細はお問い合わせのこと。
 介護保険適用用具。 TAISコード:01689-000002  商品名:Keipu-Sb

ニュースリリースサイト:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000017.000022806.html

JAL,JALUX,NRIデジタルが共同でOMOによるシームレスな 購買体験の実証実験

日本航空(株)[以下 JAL]、(株)JALUX、NRIデジタル(株)の3社は共同で顧客体験の向上を目的に、JALプラザ TABITUS+ STATION有楽町店の利用客を対象としてOMO(Online Merges with Offline)(*1)による購買体験の実証実験を開始した。

今回の実証実験では、利用客によるWebサイト上での事前の情報登録行動(=オンライン行動)と店舗内での過ごし方(=オフライン行動)から、利用客の困りごとやニーズを推定し、リアルタイムで商品に関する情報やお得なクーポンなどを配信する。店舗内での利用客の回遊状況を把握することで、スタッフからの声がけも可能となる。この取り組みにより、オンラインとオフラインを融合したシームレスな購買体験を利用客に提供するとともに、今後はカスタマージャーニーにおける様々なタッチポイントでパーソナライズなご案内ができるよう、一歩先行く価値の創出を目指すとのこと。
なお本実証実験では、NRIデジタルが開発したSaaSインテグレーションサービス「OMO OnBoard」を採用している。(*2)

■実証実験の概要
1. 場所・期間・対象者
実施場所 :JALプラザ TABITUS+ STATION有楽町店(*3)
実施期間 :2021年9月30日~2021年10月31日 (予定)
営業時間 :月~金10:30~19:30、土日/祝日10:30~18:30(店舗の定休日・営業時間は変更となる場合あり)
対象者 :タビタスステーションLINE公式アカウントの友だち登録をしている利用客の中で、本実証実験への参加に同意した人。

2. 検証内容
①IoTデバイス・センサによる利用客行動の分析
TABITUS+ STATION(タビタスステーション)のLINEより発行されたQRコードを、店舗内に設置されたチェックイン用のタブレット端末にかざすことで入退店の記録を行う。その他、店舗内の3D距離センサ、顔認証機器を用いて、回遊状況、商品棚ごとの滞在時間など、利用客の店内行動を計測する。また、来店前後のWebサイトのアクセス状況と組み合わせることで、オンラインとオフラインを融合させた利用客行動の分析を行う。

②リアルタイムオファーによる利用客の体験価値の向上
お客さまの店舗内の行動に応じて、ニーズやお困りごとを推定し、リアルタイムに以下をLINEにてメッセージ配信する。
・店舗で取り扱いのない商品お取り寄せの案内
・店舗で見た商品で使えるお得クーポンなど

③利用客の意識と行動の分析
リアルタイムオファーにより、利用客の行動に変化が起きているかを検証する。
また店内での行動履歴もあわせて観察することで、利用客の意識と行動の相関を分析。
本実証実験に参加した利用客には退店後にアンケートをLINE配信し、評価を貰う。

本プロジェクトは、JAL Innovation Lab(*4)による実証実験となる。

(*1)OMO(Online Merges with Offline:オンラインとオフラインの融合)とは、オンライン(インターネット)とオフライン(リアル店舗)の境界線をなくして、利用客一人ひとりに最適なサービスを提供し、CXを向上させるという概念のマーケティング手法。

(*2)NRIデジタルが開発した「OMO OnBoard」は、Webサイト、スマホアプリ等、顧客との「オンライン接点」で取得した情報と、リアル店舗や展示会等に設置したAIカメラ、3D距離センサ、QRチェックインなどの「オフライン接点」で取得した情報を統合し、顧客の行動に関する情報を時間軸で一覧できる形で可視化するもの。それにより、オンライン・オフラインの行動計測に連動したリアルタイムのアクション(メールやLINEの配信、デジタルサイネージ、接客等)を企業が行うことを支援する。
2021年9月7日付プレスリリース「NRIデジタル、顧客体験の向上を支援するSaaSインテグレーションサービス 「OMO OnBoard」の提供を開始」参照 URL:https://www.nri.com/jp/news/newsrelease/lst/2021/cc/0907_1

(*3)JALプラザ TABITUS+ STATION有楽町店について
“JALのマイルが使える・たまる”JALグループのセレクトショップ。オリジナルトラベルブランド「TABITUS(タビタス)」をはじめ、日本航空公式通販サイト「JALショッピング」掲載のオリジナル雑貨やJALロゴグッズなど、日常のビジネスやライフシーンも快適にしてくれるアイテムが揃っている。自分らしく快適に、<あなたの旅に“心地よさ”をプラスする>逸品を豊富にご用意。
JALプラザ TABITUS+ STATION有楽町店URL:https://www.tabitus.com/shop/

(*4)2018年5月29日付プレスリリース 第18024号「オープンイノベーションの拠点としてJAL Innovation Labを開設」参照
URL:http://press.jal.co.jp/ja/release/201805/004736.html

プレスリリースサイト:https://press.jal.co.jp/ja/release/202110/006259.html

STの、STM32WLマイコンが海南省(中国)のゴム農園の自動化に貢献

STマイクロエレクトロニクスは、システム・オン・チップ(SoC)として提供される世界初のLoRa®対応ワイヤレス・マイクロコントローラ(マイコン)「STM32WLE5*」が、ゴムの樹液採取の自動化を専門とするCIHEVEA社の樹液採取ロボットに採用されたことを発表した。
同社が開発したロボットは、低消費電力ネットワークの使用により、ゴムの木からラテックスを採取する作業の自動化に変革をもたらす。CIHEVEA社は、海南(中国)にある同社のゴム農園に200,000本以上のゴムの木を所有しており、革新的なソリューションを使用した樹液採取の生産性向上および出荷量の増加に取り組んでいるという。

IHEVEA社のゴムの樹液採取ロボットに搭載されたSTM32WLE5マイコンは、高効率・低消費電力の通信ハブおよび制御センターとして機能する。ロボットには、2つの高精度モータと温度、大気圧、湿度などの気象条件をモニタリングする環境センサも内蔵されている。STM32WLE5マイコンは、ロボットが木に固定された状態で、専用のLoRa®アプリケーション・ネットワーク・サーバを介してセンサのデータをメッシュ・ゲートウェイに送信する。サーバでは、農園内のロボットのモニタリング、テスト、デバッグ、調整が可能。プリセットされた条件がすべて満たされると、STM32WLE5マイコンがゴム採取用のモータを作動させ、自動的に木に切り込みを入れる。

CIHEVEA社の新しい樹液採取ロボットは、コスト・パフォーマンスと効率に優れたSTM32WLE5マイコンとLoRaネットワークを活用することで、ラテックスの収穫量を2~3倍に増加させると共に、木へのダメージを最小限に抑えることで生産寿命の延長に貢献する。また、困難かつ危険な樹液採取を自動化することで、労働上の課題解決にも貢献する。

STM32WLE5は、超低消費電力かつ複数の変調方式をサポートするワイヤレス・マイコンで、Arm® Cortex®-M4(最大動作周波数48MHz)、長距離通信が可能なSub-GHz無線、STの実績あるペリフェラルが搭載されている。小型パッケージ(UFBGA、5 x 5mm)で優れた性能を提供し、コスト・パフォーマンスにも優れている。また、スマート農場における堅牢性および性能の要件を満たすことができる。
STM32WLExマイコンは、LoRa®、(G)FSK、(G)MSK、およびBPSK変調方式をサポートするオープン・プラットフォーム。

*STM32は、STMicroelectronics International NVもしくはEUおよび / またはその他の地域における関連会社の登録商標および / または未登録商標。STM32は米国特許商標庁に登録されている。

ニュースリリースサイト:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000001191.000001337.html

オンセミ、厳しい照明条件でもクラス最高のeHDRを実現する 8.3MP・イメージセンサ

オンセミ(onsemi)は、ローリングシャッタと組み込み型ハイダイナミックレンジ(embedded High Dynamic Range、eHDR)技術を搭載した1/1.7インチ8.3メガピクセル(MP) CMOSデジタル・イメージセンサの新製品「AR0821CS」を発表した。

AR0821CSは、厳しい照明条件下においても優れた画質を提供することで、商業用、民生用、産業用アプリケーションの多様なニーズに応える。AR0821CSは、スキャナ/リーダー、マシンビジョンカメラ、ハイエンド・ドローン、ダッシュボードカメラ、スマートビルディングの監視/セキュリティシステムなど、様々な用途に対応する。

AR0821CSは、多彩な機能を備えており、超低消費電力でありながら、8.3MPの解像度の4Kビデオを60fpsで提供する。センサには、オンセミ独自の2.1 µm DR-Pix™ 裏面照射(backside illuminated: BSI)ピクセルデザインを採用し、高い量子効率を実現するとともに、オンチップHDR(eHDR)技術により、140 dBを超えるクラス最高のダイナミックレンジを実現している。高品質の画像データは、処理の必要性を最小限に抑え、より高速でコスト効率の高いカメラシステムの実現に貢献する。

現在、より多くのアプリケーションが情報に基づいた意思決定を行うために、画像データに依存している。AR0821CSの優れたピクセル設計は、明るい日中や低照度の環境下でも詳細な画像を提供することで、これらの要求に対応する。また、AR0821CSは、複数のサブサンプリング・モードを備えており、データ転送量を最適化することで、用途に応じて高速に画像を提供できる。

AR0821CSは、オンセミのコプロセッサ製品「AP1302」をはじめ、オンセミのテクノロジ・パートナーが提供するイメージシグナルプロセッサ(ISP)や、システムオンチップ(SoC)デバイスによりサポートされている。さらに、業界で定評のあるDevSuiteソフトウェアにより、AR0821CSベースのカメラシステムを開発するための統合プラットフォームを提供する。DevSuiteソフトウェアに同梱されるカスタムファームウェアにより、システム開発者は最小限の労力でカメラ設計を完成させ、その製品を迅速に市場に投入できる。

AR0821CSは、オンセミの開発リソースとともに、Basler社のエリアスキャンカメラモジュール「dart」ファミリに採用されている。dartカメラシリーズは、幅広い画像処理アプリケーションを可能にし、最新のマシンビジョン技術を小型で提供している。

AR0821CS は、現在量産中であり、オンセミの正規販売代理店を通じて販売中とのこと。

ニュースリリースサイト:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000160.000035474.html

TE Connectivityのリレー、前例のない水星へのミッションに搭載

TE Connectivityの小型製品が、BepiColombo(ベピコロンボ)宇宙船の欠かすことのできない部品として10月1日に水星に飛び発った。 2018年に開始されたBepiColombo計画は、欧州宇宙機関 (ESA)と宇宙航空研究開発機構 (JAXA)の共同ミッションであり、太陽系で最も小さく、未だ探査のされていない地球型惑星へ、7年間の惑星間飛行を行うもの。 この探査では水星を調査し、より深く理解するという使命があり、 科学ミッションには2つの惑星探査機である、水星表面探査機と水星磁気圏探査機が含まれる。 両探査機とも水星移動モジュール(軌道間輸送機)によって地球から水星軌道に運ばれる。そのモジュールには、TEのKILOVAC K41Rという堅牢且つ高信頼性高電圧リレーが使われた高出力電気推進システムが搭載されている。

KILOVACのリレーは、1970年代に月面着陸装置に初めて搭載されて以来、40年以上にわたって宇宙アプリケーションで使用されてきた。 現在、国際宇宙ステーションやNASAの火星探査「キュリオシティ・ローバー」、さらには宇宙衛星などにも幅広く使用されている。

KILOVAC K41R高電圧リレーは、真空誘電体を使用することで、長さ2.5インチ、重さ1オンスのコンパクトサイズを実現した。 機械的寿命は100万回、動作速度は6ミリ秒と高速で、宇宙用アプリケーションに適した信頼性の高いソリューションとなっている。 高電圧リレーは、宇宙船の姿勢、方向、速度を制御するための電気推進に必要な低電圧と高電圧の電力分配に重要な役割を果たしている。

BepiColombo宇宙船ミッションは、イタリアの数学者・技術者であるGiuseppe (Bepi) Colombo(ジュゼッペ(ベピ)・コロン)氏にちなんで命名され、計6回のフライバイイベントを経て、3回目のミッション2025年12月5日までに水星に到着する予定。

ニュースリリースサイト:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000028.000053196.html

ST、超低消費電力STM32U5マイコン用の開発エコシステムを発表

STマイクロエレクトロニクスは、最新のSTM32U5マイクロコントローラ(マイコン)用開発エコシステム「STM32CubeU5」を発表した。
この開発エコシステムには、ソフトウェア・パッケージ、ツール、および評価ボードなどが含まれており、STM32U5マイコンを使用したシステム開発の期間短縮に貢献する。STM32U5マイコンは現在、STの販売代理店よりマス・マーケット向けに提供されている。

STM32U575およびSTM32U585マイコンは、優れた性能と電力効率を提供する最新のArm® Cortex®-M33を搭載し、革新的なセキュリティ技術と低消費電力技術を採用している。最大2MBのFlashメモリを内蔵しており、アクティビティ・トラッカーやスマート・ウォッチといったコンスーマ向けのIoT機器や、生活家電、電力・ガス・水道メータ、産業用の検知・発信機器、携帯型POS端末、インシュリン・ポンプ、血糖値計などに最適とのこと。

STM32U5マイコンは、最新の低消費電力40nmプロセス技術を使用して製造された初のSTM32マイコンで、競合製品よりも、内蔵機能、メモリ容量、動的消費電力、およびスタンバイ電力に優れる。CPUを介さずにダイレクト・メモリ・アクセス(DMA)と主要なペリフェラルを動作させることができるLow Power Background Autonomous Mode(LPBAM)など、新しい低消費電力機能も搭載されている。また、アップデートされたART Accelerator™や、使用されていないマイコンのメモリをオフにする機能、使用の選択ができるDC-DCコンバータおよび低ドロップアウト(LDO)レギュレータなどにより、動的な消費電力を19µA/MHz未満まで低減することができる。

STM32U5マイコン用の開発エコシステム「STM32CubeU5」は、STのウェブサイトとGitHubから入手可能。200以上のサンプル・プロジェクトが含まれ、LPBAM、Wi-Fi®、Bluetooth® Low Energyといった機能を活用するためのソフトウェアが提供されている。OpenBootloaderをサポートしているため、カスタムのブートローダ・コードを簡単に実装することもできる。また、Azure RTOS(ThreadX RTOSを含む)、FreeRTOSおよびCMSIS OS wrapperにより、優れた性能を確保し、産業機器向け認証取得の簡略化にも貢献する。X-CUBE-STLパッケージで提供されるセルフテスト・ライブラリと機能安全のドキュメントは、安全性が重視されるアプリケーションの開発に貢献すると共に、STM32U5マイコンをベースにした製品のIEC61508 SIL認証取得の期間短縮に貢献する。

STM32CubeU5には、サイバー・セキュリティの実装を簡略化し、きわめて効率的な手法でセキュアなIoT機器の開発を行うことができるソフトウェア・パッケージが含まれている。セキュア・ブート-セキュア・ファームウェア・アップデート(SBSFU)用リファレンス・コードや、Arm TrustZone®によるコア内でのアイソレーションを活用したTrusted Firmware(TF-M)のサンプルなどを使用し、PSAレベル3およびSESIPレベル3認証取得に必要なセキュリティ機能を実装可能。
また、STの認証取得済みの暗号化ライブラリ「X-CUBE-CRYPTOLIB」がアップデートされ、よりシンプルなAPIや、暗号化アルゴリズムが追加されている。さらに、セキュア・ファームウェア・インストール(SFI)をサポートしているため、顧客によるファームウェアのプログラミング・プロセスを保護することができる。これらのソフトウェア・パッケージは、サイドチャネル攻撃に対する保護機能の強化や、異常時に機密データを消去するための内部モニタリング機能など、STM32U5マイコンの優れたハードウェア・セキュリティ機能と連動して動作し、POSアプリケーションにおけるPayment Card Industry (PCI)の要件を満たしている。

STM32U5マイコンには、専用のハードウェア開発キットも用意されており、STのウェブサイトおよび販売代理店から入手可能。IoT機器開発向けのSTM32U5 IoT Discovery Kit(B-U585I-IOT02A)は、MEMSセンサによるコンテキスト認識機能や、Bluetooth® LEおよびWi-Fiモジュールを搭載している。また、クラウド・サービスに直接接続することができ、Microsoft社およびAmazon社からリファレンス・ボードとして選ばれている。同キットの参考価格は、約65.00ドル。

また、優れた拡張性を備え、柔軟に試作開発を始めることができるSTM32 Nucleoボード「NUCLEO-U575ZI-Q」、および包括的な機能を搭載した評価ボード「STM32U575I-EV」も提供されている。NUCLEO-U575ZI-Qの参考価格は約23.00ドルで、STM32U575I-EVの参考価格は約348.00ドル。

STM32U5マイコンは、WLCSP(4.2 x 3.95mm)やUQFN48(7 x 7mm)、UFBGA169など、さまざまなパッケージで提供され、大量購入時の参考価格は約3.60ドル。

ニュースリリースサイト:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000001189.000001337.html

OKI、YOKOGAWAグループの航空機用計器事業を取得

OKIは横河電機(株)、横河マニュファクチャリング(株)、と、YOKOGAWAグループの航空機用計器事業を2022年4月1日付けで取得する事業譲渡契約を、10月5日に締結した。

OKIの特機システム事業(注1)は、M&Aやアライアンスを活用して事業ポートフォリオを拡充しながら、1930年代から長年にわたり防衛関連事業で培ってきた技術の民間市場への適用、そして民間市場において強みをもつ各種技術の防衛市場への適用を継続的に進めることを成長戦略としている。このたびの契約で、航空機コックピット用のフラットパネルティスプレイ(多機能液晶表示装置)をはじめとする横河電機のグローバルな航空機用計器事業を取得し、新たに航空機装備品市場へ参入することにより、事業ポートフォリオの拡充を果たす。

横河電機の保有する航空機装備品市場における技術とノウハウ、顧客基盤、海外市場への展開実績などを、OKIの持つ顧客基盤・技術資産と掛け合わせることで、新製品の開発や新たな市場開拓の可能性が広がり、事業の持続的な成長に資するという点で両社の考えが一致し、事業取得を決定した。

今回取得した視認性や操作性に定評のあるディスプレイパネル技術と、特機システム事業の強みである水中音響技術やネットワークセンサ技術などを組み合わせることにより、OKIが得意とするエッジ領域のソリューションの品ぞろえを拡充することができる。あわせて、海外も含めた航空機装備品市場における横河電機の顧客基盤にOKIの独自技術を適用することにより、防衛市場・民間市場の両面で、事業を拡大していく。

OKIのソリューションシステム事業は、2022年度を最終年度とする「中期経営計画2022」において、DX領域売上の倍増をはかるとともに、特機システム事業を中心とするパブリックソリューション領域の拡充に向けた土台作りを進めている。このたびの契約を活かした事業展開を2022年度より本格化し、2024年度には特機システム事業の売上高400億円を目指すという。

注1:特機システム事業
 ソリューションシステム事業のパブリックソリューション領域で、OKIが防衛関連事業で長年培った海洋・音響などさまざまな特徴ある技術を民間事業に適用し、その成果をさらに防衛事業にフィードバックすることで、防衛および民間のお客様の課題解決を担う事業。

プレスリリースサイト(OKI):https://www.oki.com/jp/press/2021/10/z21058.html

ドコモ、業界最高水準の顔認証サービスの提供開始

(株)NTTドコモは、認識精度99.87%※1、認識スピード177ms※2と業界最高水準※3の認識精度・スピードを持つ顔認証機能をAPIで提供する顔認証サービスを法人の顧客向けに10月5日から提供すると発表した。

 本サービスは画像認識ソリューションの開発を支援するクラウドサービス「ドコモ画像認識プラットフォーム」にRealNetworks,Inc.の顔認証エンジン・ソフトウェア「SAFR®︎」を搭載し、APIで連携することにより顧客のシステムやサービスへの顔認証機能の追加を容易に実現する。また、顧客の要望に応じて個社ごとの顔認証を活用したソリューションのシステムインテグレーションを5Gやモバイル端末・ネットワークカメラなど、さまざまなデバイスと組み合わせて提供することも可能とのこと。

◇サービスの特徴
1.業界最高水準の顔認証技術
 業界最高水準の認識精度(99.87%※1)と認識スピード(177ms※2)を合わせ持つ本サービスは、自動改札や入館ゲートなど、高いセキュリティを必要としながらもウォークスルーで認証が求められるユースケースに対応可能。また、顔画像の登録も正面からの顔画像1枚のみで済み、マスクを着用したままでも高い認識精度(98.90%※4)で認証することができる。

2.属性推定
 顔認証のほか、映像から個人を特定せずに性別・年齢・表情を推定することが可能。そのため、店舗における来店者分析やデジタルサイネージへの属性に応じたコンテンツの出し分けなどの属性推定を用いたソリューションに対応する。

3.柔軟なシステム・サービス連携
 ドコモ画像認識プラットフォームに顔認証機能を追加することにより、顔認証機能をAPIで提供可能となるため、既存の顧客のシステムやサービスと顔認証機能との連携が容易にできる。また、顔画像の登録や認証を行うためのアプリケーションについて、標準クライアントアプリケーションを提供するだけでなく、ソフトウェア開発キット(SDK)の提供も可能なため、すでに用意されているユーザーインターフェースをベースに顧客の用途に合わせて柔軟に開発することが可能。

 本サービスは、研究開発部門・法人部門にて組織横断的にチームを構成し、顧客と三位一体で課題解決を図る「トップガン®︎※5」の取組みにより創出したサービスであるという。

※1 マサチューセッツ大学が公開しているベンチマークテスト“Labeled Faces in the Wild”(LFW)より。
※2 米国国立標準技術研究所(NIST)FRVTにおける2021年度の結果より。
※3 2021年10月5日現在、ドコモ調べ。
※4 2020年3月現在、RealNetworks,Inc.検証結果より。
※5 「トップガン」の詳細は、以下のホームページを確認のこと。
  https://www.nttdocomo.co.jp/biz/special/topgun/
* 「SAFR」は、RealNetworks, Inc.の登録商標。
* 「トップガン」は、株式会社NTTドコモの登録商標。

◇顔認証サービスの概要
1.提供開始日 2021年10月5日(火)

2.顔認証機能について
 本サービスは、業界最高水準の認識精度・スピードを提供するだけでなく、複数人いる場面やメガネ・サングラス着用時、マスク着用時、表情をつくっている時、明るさが不十分といった環境下でも正しく認識することが可能。また、写真や動画などを活用してなりすましで認証される場合でも、特殊なカメラやセンサーを使うことなく、なりすましを検知することが可能。

3.顔認証を活用したユースケース
 顔認証を活用した入退室管理、決済、属性推定を活用した来店者分析、視聴者属性によるデジタルサイネージのコンテンツ出し分けなど、さまざまなユースケースに対応可能。

ニュースリリースサイト:https://kyodonewsprwire.jp/press/release/202110041105

スコットランド・気候変動への対応 ー洋上風力と水素社会ー (1)

スコットランド国際開発庁・英国大使館 松枝 晃

1. Climate Emergency とNet Zero

スコットランド政府(Scottish Government)が気候緊急事態宣言を出したのは2019年4月で、先に2009年に成立した気候変動法(Climate Change(Scotland)Act 2009)を修正して、以来脱炭素化を推進している。同法案による政府のコミットメントとして2030年に-75%、Net Zeroは世界で目標とされている2050年に対し5年前倒しの2045年に達成するとしてる。2020年にアップデートされたアクションプラン 1) では、Coordinated Approachと言う考え方が提唱されている。電力、交通、暖房インフラ、農林業など単独の産業セクターで施策を考えるのではなく、関連するセクターを統合して対応する必要性を説明している。

1)https://www.gov.scot/publications/securing-green-recovery-path-net-zero-update-climate-change-plan-20182032/

図1
図1

2021年11月には、COVID19で一年延びた国連気候変動枠組条約第26回締約国会議(COP26)がスコットランド・グラスゴーで開催される。日本企業では、日立製作所がプリンシパルパートナ(最上位パートナ)になっている。

図3
図3

図2
図2

2. 洋上風力

2-1. プロジェクト概要

脱炭素を達成する為のベースとなるのが電力の脱炭素化であるが、スコットランドでは風力発電、特に今後の貢献度の観点で浮体式洋上風力となる。これは、スコットランドの洋上風力リソースがヨーロッパ全体の25%を占める事に由来する。現在(2021年半ば)既に決まっている(稼働中・計画を含む)洋上風力サイトを図4に示す。
合計で10.5GWの設備容量で、内稼働中が約0.9GWである。青の矢印で示されたHywind、Kincardine、Pentland等は浮体式の洋上風力である。
これに加えて現在入札が行われているのがScotWind Leasing Roundでの用地で図5の濃青で示す15か所である。その内、青の円で囲まれた5か所は浮体式専用のサイトなる。 その他も深度が60mを超えている所もあり浮体式或いは着床・浮体併用となる。

図4 既存のサイト
図4 既存のサイト
図5 Scot Wind サイト
図5 Scot Wind サイト

2-2. Clusterとサプライチェーン

洋上風力の開発・建設・運用を支える企業を中心としたクラスターにDeep Wind Cluster 2) がある。英国内では最大級のもので、図6にある様に位置的にはMoray湾を中心とする。図5の洋上風力サイトへの対応が容易な所となっているが、スコットランド全体をカバーする。現時点(2021年9月初旬)で623のメンバ企業からなる。メンバは36社のデベロッパ(図7)、400を超えるサプライチェーン企業、港湾企業、大学・研究機関、地方自治体等からなりインターネット上で公開されている。日本企業も数社含まれる。
2)https://www.offshorewindscotland.org.uk/deepwind-cluster/

図6 Deep Wind Cluster
図6 Deep Wind Cluster
図7 デベロッパ
図7 デベロッパ

2-3. Custerのサブグループ

Deep Wind Clusterの中には3つのサブグループがある。いずれも洋上風力において重要なサブテーマ領域であり、各サブテーマにフォーカスする事で、メンバの保有する技術や専門性をより現場に適したものにする事を目的としている。

O&Mサブグループ:オペレーション&メンテナンスは今後20年以上にわたって必要になる機能で、雇用の観点からも重要なものである。このテーマに係るサブグループには、現在120のメンバが存在する。BEIS 3) のデータによると、現在1GWの洋上ファームに対してO&Mの年間固定費・変動費の合計が50milGBP(約90億円)である。2030年頃にUK全体年間約2bnGBP(約2800億円)規模、2050年頃にはWind Farmの容量は増えるが、O&Mのコスト低減も要求され年間約4bnGBP(約5600億円)規模と試算されている。
風車のブレードの大型化、対風速度の増加によるブレード浸食、より沖合に行く事でのアクセス時間の延長、作業可能時間ウインドウの減少などの課題が発生し、この為のInnovationが求められる。
3) Department for Business, Energy & Industrial Strategy(英国政府ビジネス・エネルギー・産業戦略省)

FOWサブグループ:浮体式洋上風車のサブグループで、214のメンバからなる。現在中心となる構造形式とその技術をもつメンバ企業を図8に示す。

実際には、各種の変形があり水深により最適な浮体構造は異なるようで、現状デファクトになる様な構造形式はない。サブグループには様々な技術を持った企業がおり、ここでは個別に示さないが、Webページに写真が掲載されており、参照されたい。
(https://www.offshorewindscotland.org.uk/deepwind-cluster/floating-offshore-wind-subgroup/)

図8
図8 主な浮体構造形式と企業

Power2Xサブグループ:洋上風力発電の電力を送電網に供給すると言うビジネスの先にある、電力を変換して水素、アンモニア、エネルギー貯蔵、メタノールジェット燃料などを扱うビジネスを検討するサブグループ。現在70のメンバが参画している。英国で2050年迄には必要となるであろう電力は75-100GWと推定され、UK海域の洋上風力の容量は600GW以上あると推定される。その多くはスコットランドの海域にあり、Power2Xの可能性は大きい。この中で特に期待されているのは、水素のビジネスである。

次回に続く-



【著者紹介】
松枝 晃(まつえだ あきら)
英国大使館・スコットランド国際開発庁
上席投資担当官

■略歴
金沢大学 工学部 電気工学科卒、
1981年オリンパス光学株式会社(当時)。研究開発部門で回路設計、新規事業開拓、オープンイノベーション等経験。
2010年スコットランド国際開発庁。センシング技術を中心に日本スコットランド間の技術案件を担当。
2012年から海洋関係。北海のSubsea技術と日本の海洋関連技術のコラボレーションを促進。