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JMU次世代セミサブ型洋上風力発電浮体コンセプトについて (1)

ジャパンマリンユナイテッド(株)
神澤 謙

1.はじめに

近年世界的に脱化石燃料に向けた取り組みが盛んに行われている。中でも実現性、採算性の高い再生可能エネルギーとして洋上風力発電が注目されており、日本においてもカーボンニュートラル実現に向け洋上風力発電産業が急拡大すると見込まれている。当面は産業成熟度の高い着床式が主となるが、今後の更なる風車大型化や遠浅海域が少ないわが国の地域性から、収益性・信頼性の高い浮体式洋上風力発電の実現が重要となっている。
ジャパンマリンユナイテッド(JMU)は日本有数の造船会社であり、商船・艦船などの船舶事業に加え様々な海洋構造物の設計・建造も多く手掛けている。洋上風力発電浮体の実績としては2011年より経済産業省による「福島浮体式洋上ウインドファーム実証研究事業」にて、当社が開発したアドバンスドスパー型浮体コンセプトを用いて5MW風車浮体および洋上変電所浮体の2基を設計・建造・設置し、約5年間に渡り保守を行ってきている。また設計段階で行った連成解析や水槽試験の結果を実海域計測データと比較したところ、非常に高い精度であったことが確認できている。

浮体式洋上サブステーション
浮体式洋上サブステーション
浮体式5MW浮体式風力発電設備
浮体式5MW浮体式風力発電設備

(出展:福島洋上風力コンソーシアムHP http://www.fukushima-forward.jp/index.html

本項では、当社で新たに独自開発した12MW級以上の大型風車に対応した浮体式洋上風力発電向けのセミサブ型浮体デザインコンセプトについて紹介する。

2.浮体形式の比較

洋上風力発電の浮体形式には主にセミサブ型、スパー型、バージ型、TLP型がある。スパー型はシンプル形状で浮体設計が容易、浮体重量も比較的軽量で国内外実績も多くあるが、浮体喫水が深く設置水深が限られ、海象の荒い沖合で風車搭載が必要なため設置費が大きくなる傾向にある。バージ型はシンプル形状で適用水深の制限が少ないが、動揺特性がやや劣るため優位性が得られるのは静穏な海域に限られる。TLP型は浮体が軽量かつ低動揺、また海中占有面積が小さいが、浮体の復原性能を係留で補う性質上係留系の損傷リスクが大きい。そのため十分な冗長性を確保するために係留本数が多くなり設置費が大きくなる傾向にある。またMW級の大型風車浮体の実績がないため、実用化に今しばらく時間を要する。セミサブ型は形状がやや複雑であるが、適用水深の制限が少なく動揺性能も高い。また喫水が浅いため港湾内で風車搭載が可能であり、国内外でも多くの実績がある。
上記のように浮体形式にはそれぞれ一長一短があり最適な形式は設置海域の水深や環境条件によるが、当社では汎用性の高さ、施工性の良さ、実績面などを考慮しセミサブ型に注目し、JMU独自デザインのセミサブ浮体を開発した。


次回に続く-



【著者紹介】
神澤 謙(かみざわ けん)
ジャパンマリンユナイテッド株式会社 海洋エンジニアリング事業部 海洋エンジニア
リングプロジェクト部 洋上風力開発G

■略歴
2017年 東京大学大学院 新領域創成科学研究科 卒業
同年 ジャパンマリンユナイテッド株式会社 入社 現在に至る
  洋上風力発電浮体を始めとした、海洋構造物の開発・設計に従事

LIP.横浜トライアル助成金活用で製品化、筋電センサ “筋肉Phone”特許取得

横浜市では、健康・医療分野のイノベーションを持続的に創出する産学官金のネットワークである 「横浜ライフイノベーションプラットフォーム(LIP(リップ).横浜)」を推進している。
このたび、「LIP.横浜」の取組の一つである「LIP.横浜トライアル助成金」(2018年度)を活用して研究開発した“筋肉Phone”の筋電位検出器及び筋電位検出システムについて、神奈川大学(神奈川区)が特許を取得(特許第6964355号)した。

“筋肉Phone”は、神奈川大学 衣笠竜太教授のアイディアとサルーステック(株)の技術を(公財)木原記念横浜生命科学財団がマッチングしたことにより開発が進んだ。
今回の特許取得により、神奈川大学及びサルーステックは、国内外での用途開発パートナーや販売パートナーなどとの連携を目指し、“筋肉Phone”の用途の提案を募っており、協働して市場創造を行える事業パートナーを探索している。
引き続き、“筋肉Phone”の実用化に向けて横浜市及び木原記念横浜生命科学財団が試作品検証や販路開拓を支援していくとのこと。

▮筋電センサ “筋肉Phone”
筋肉Phone”は、「筋肉の声を聴く。」をコンセプトに研究開発された。筋肉の動きを電気信号で読みとることで、トレーニングの質的評価や日常生活等において使われている筋肉の把握など、誰もが簡単に筋肉の活動を把握できるセンサデバイス。
今後、アスリートや筋トレマスターだけでなく、逆上がりに悩む子どもから筋力低下などの身体的な変化が気になる高齢者、また、リハビリの効果測定といったヘルスケア用途まで幅広く活用が期待されるという。

※本研究の一部は、(公財)JKAによる「2020年度 機械振興補助事業」も活用している。

ニュースリリースサイト(kanagawa-u):https://www.kanagawa-u.ac.jp/pressrelease/details_22871.html

“ロボ接客 ” ステーキ宮全店に今期中に「Servi(サービィ)」追加導入予定

コロワイドグループの(株)アトムは、2021年12月23日(木)より、ソフトバンクロボティクス(株)の「Servi(サービィ)」に、業界ニーズに合わせたアイリスオーヤマ(株)独自のオプションの追加を可能にした「Servi アイリスエディション」を、(株)USEN-NEXT HOLDINGSのグループ会社である(株)USEN協力のもと、今期中に「ステーキ宮」83店舗にて順次追加導入することで、122店全店舗の導入が完了するとのこと。

【ニュースタンダードな “ロボ接客”】
コロワイドグループでは、新型コロナウイルス感染に伴いスタンダードになりつつある新しい生活様式を鑑み、従業員との接触機会を減らし、少しでも利用客の不安を払拭したいことから、配膳・運搬ロボット「Servi」を導入する。
Serviの動作は滑らかで、料理や空いた食器を安定して運べる。単なる非接触型の配膳というだけでなく、“声を発するロボットが接客する”という新しい体験を提供する。

【人手不足を解消し、お客様満足度の向上を目指す】
外食産業における慢性的な人手不足や少子高齢化の進行に伴い今後も働き手不足が考えられる中、Serviの活用でサービス力を補う。配膳・運搬をロボットが行うことで、出来たての料理やドリンクをいち早く届ける。従業員の負担が軽減するので、多くの時間を他の接客業務に充てる事ができるという。 従業員の集まりづらい昼や夕方の早い時間帯に稼働する事で、営業効率の最大化を図る。既にコロワイドグループでは約80店舗にServiを活用しているが、今期中に追加で100店舗の導入を予定している。

【年内導入店舗】
■ステーキ宮 八王子松木店/前橋東部店/豊科店/長野店/南小泉店/酒田店/館林店/上福岡店/岡崎店/飯田インター店/甲府店/甲府昭和店

今期(2022年3月末まで)、上記含む83店舗に順次追加導入予定に伴い、ステーキ宮122店全店導入完了見込み。

ニュースリリースサイト:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000180.000043111.html

エルテス、IoT活用による早期漏水発見のための実証実験を開始

(株)エルテスはAIG損害保険(株)と共同で、「漏水事故」による被害抑制を目的に、IoTを活用した漏水早期検知の実証実験を北海道で2022年1月1日より開始した。

一戸建・分譲マンションを所有される火災保険の契約者の中から参加者を募り、無償貸与するスマートセンサを漏水が懸念される箇所に設置し、事故発生の際に、参加者が事前に登録したスマートフォンに通知される仕組み。

北海道では漏水事故発生件数が他の地域と比較して非常に多く、本実証実験を通じて、漏水事故の早期発見と被害の拡大防止を図る。実験から得られたデータを活用した新たな商品・サービス等の開発を目指すとのこと。

ニュースリリースサイト(eltes):https://eltes.co.jp/news/release/5160/

SensiML とオンセミ、産業用エッジAIセンシングアプリケーションで協業

SensiML™ Corporationは、オンセミ(onsemi)と提携して、自律的なセンサデータ処理と予測モデリングのための完全な機械学習ソリューションを提供することを発表した。

今回の協業では、SensiML社の開発ソフトウェア「Analytics Toolkit(アナリティクス・ツールキット)」とオンセミの「RSL10センサ開発キット」を組み合わせ、産業用プロセス制御やモニタリングなどの、エッジセンシングアプリケーションに最適なプラットフォームを構築する。
SensiMLのAI機能は、RSL10プラットフォームが提供する高度なセンシング機能やBluetooth® Low Energy接続機能と組み合わせた小さなメモリーフットプリントでサポートされており、高度に動的な生のセンサデータのクラウドでの分析を必要とすることなく、洗練されたスマートセンシングを実現するという。

◇低消費電力の自律型エッジノードアプリケーション
RSL10センサ開発キットは、業界で最も低消費電力のBluetooth® Low Energyコネクティビティを特長としており、RSL10無線機能と幅広い環境センサおよび慣性モーションセンサを、小さなフォームファクターのボードに組み合わせており、SensiML Toolkitと容易にインタフェースできる。
RSL10ベースのプラットフォームとSensiMLソフトウェアを併用することで、データサイエンスやAIの専門知識の有無に関わらず、産業用ウェアラブル、ロボット、プロセス制御、予知保全などのアプリケーションに低遅延のローカルAI予測アルゴリズムを容易に追加できる。 その結果、自動生成されたコードにより、生のセンサデータが発生したその場で重要なインサイトイベントに変換する、スマートセンシングの組み込みエンドポイントを実現し、リアルタイムで適切なアクションを実行できる。
さらに、このスマートエンドポイントは、貴重なインサイトを提供する場合にのみデータ通信することで、ネットワークトラフィックを大幅に削減するとのこと。

提供状況 SensiMLのアナリティクス・ツールキットとオンセミのRSL10センサ開発キットは、それぞれの会社から提供中。 詳細は、SensiML の情報ページ(https://sensiml.com/partners/onsemi)を参照。

ニュースリリースサイト:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000170.000035474.html

JIG-SAW、酒井重工業、熊谷組、自律走行式振動ローラを活用した実証実験を実施

JIG-SAW(株)は、酒井重工業(株)及び、(株)熊谷組と共同で、熊谷組の施工現場において、ASCS for Compaction Equipmentプロジェクト※1の一環として、自律走行式振動ローラを活用した実証実験を実施した。

今回の実験では、自律走行性能の精度を確認するために、予め生成した目標経路に対してどの程度追従できているか(経路追従性)を確認した。
その結果、目標経路からのズレは最大20cm程度で、経路追従性能が極めて高いことが確認された。

さらに、自律走行と有人作業とを比較するため、試験エリア内で規定転圧回数を6回(ラップ箇所は12回)、横断方向に5レーンを設定した。 工区全体の面積を100%とした場合、規定6回で転圧された面積は、有人作業では25.9%、自律走行では91.5%と、約3.5倍に向上している。

また、有人作業では、6レーンの転圧となってしまったが、自律走行では、前述の通り正確な転圧が可能なため、設定通り5レーンの転圧となることから、自律走行式振動ローラにより、現時点で20%の作業の省力化が可能であることが確認できた。
今後は、施工現場への本格導入に向けた取り組みを加速するとのこと。

※1:ASCS for Compaction Equipmentプロジェクトについては、下記を参照。
  https://www.sakainet.co.jp/news/item/20190613gyoumuteikei.pdf

※2: Compaction Meister
 GNSS及びデータクラウドを用いたローラの転圧回数管理、又は振動ローラ用の酒井重工業社加速度応答法
(CCV:Compaction Control Value)による締固め品質用の表示・管理ツール
  https://www.sakainet.co.jp/products/related/compactionmeister.html

ニュースリリースサイト(JIG-SAW):https://www.jig-saw.com/news/20211223/

ams OSRAM、最小のマルチゾーンdToFモジュールを発表 正確な距離測定を実現

ams OSRAMは、より広い視野(FoV)と拡張されたレンジでマルチゾーンおよびマルチオブジェクト検出を可能にした3つの新しいデバイスを発表した。これにより、dToFモジュールのポートフォリオを拡大するという。
dToFセンサ(*1)は、産業、家庭、ビジネスにおける自動化アプリケーションで幅広く使用される重要な技術である。産業用ロボットや家庭用ロボットは、安全な動作をするために、周囲の環境を検知する高度なシステムを必要とする。ams OSRAMのマルチゾーンdToFモジュールである、TMF8820(*2)、TMF8821(*3)、TMF8828(*4)は、検出領域を複数のゾーンに分割し、より高品質でより多くの情報を収集する。その結果、自動ロボットはより多くの「感覚的認識」を獲得し、潜在的な障害物を早期に検知できるようになる。また、システムメーカーにとっても、この新しいモジュールのコンパクトな設計と統合の容易さが利点となるとのこと。

(*1) https://ams.com/time-of-flight
(*2) https://ams.com/tmf8820
(*3) https://ams.com/tmf8821
(*4) https://ams.com/tmf8828

倉庫の自動化(*5)などの分野だけでなく、家庭にもロボットの活躍の場は広がっている。これらのロボットが支障なく動作し、環境内を動き回れるようにするために、特殊なToFシステムが使用されている。例えば、ロボット掃除機(*6)は周囲にある物体を認識し、障害物を避けて移動する。ams OSRAMの新しいdToFモジュールは、正確な距離測定を可能にする。

(*5) https://ams.com/industrial-robotics
(*6) https://ams.com/haba#household-robotics

TMF8820 dToFモジュール(*2)はFoVを3×3(9)、TMF8821(*3)は4×4(16)、TMF8828(*4)は8×8(64)の個別検出ゾーンにそれぞれ分割している。マルチゾーン検出により、センサFoV内にある障害物の位置を特定することができる。これらの新しいデバイスは、FoVを最大63°まで動的に調整でき、利用者は用途に応じて狭いFoVと広いFoVを選択することが可能。3つのdToFモジュールの検出範囲は、いずれも1センチメートルから5メートルまで。

これらのモジュールは、940nmの垂直共振器面発光レーザー(VCSEL: Vertical Cavity Surface Emitting Laser)(*7)、マルチレンズ光学素子搭載の高感度単一光子アバランシェダイオード(SPAD: Single Photon Avalanche Diode)検出器アレイ、ヒストグラム処理用オンチップマイクロコントローラを1つのデバイスに統合している。2.0mm x 4.6mm x 1.4mmというコンパクトなサイズで、市販のマルチゾーンdToFモジュールとしては最小の製品となっているという。

(*7) https://ams.com/vcsel

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● ams OSRAMの新しいダイレクトタイムオブフライト(dToF: direct Time-of-Flight)モジュールは、光源、検出器、光学素子を1つのコンポーネントに集約
● TMF8820、TMF8821、TMF8828は、複数のゾーンでのターゲットエリアを検出し、極めて正確な測定を実現
● ゾーンごとに複数の障害物を5mの範囲まで検出可能
● 対象用途は、スマートフォンのレーザー検出オートフォーカス(LDAF)、PCのユーザー存在検出、産業、家庭およびビジネスにおける自動化システムのLiDAR(光による検知と測距)センシングなど
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※本リリースは、2021年12月17日にオーストリア・プレムシュテッテンで発表したプレスリリースの抄訳版。

プレスリリースサイト:https://www.dreamnews.jp/press/0000250621/

キーサイト、完全自動運転の実現を加速する、レーダー・シーン・エミュレーター

キーサイト・テクノロジーズ・インク(日本法人:キーサイト・テクノロジー株式会社、以下「キーサイト」)は、レーダー・シーン・エミュレーターを発表した。これにより、自動車メーカーは複雑な実環境での走行シナリオのテストをラボで実施でき、テストのスピードを加速できるという。

先進運転支援システム(ADAS)や自動運転(AD)の実現に必要なレーダーセンサを用いたアルゴリズム開発には、ラボでのフルシーンエミュレーションが不可欠である。キーサイトのフルシーンエミュレーターは、数百個の小型RF(無線周波数)フロントエンドを組み合わせて、最大512個のオブジェクト(物体)と1.5メートルの近距離エミュレーションを実現している。

自動車メーカーは、自動運転アルゴリズムのテストがいかに複雑で、安全性に関わる問題があるか分かっている。キーサイトのレーダー・シーン・エミュレーターは、連続した広い視野角(FOV)で近距離および遠距離のターゲットをエミュレートするフルシーンレンダリングを実現しており、多くのオブジェクトが存在する非常に複雑なシーンでもレーダーセンサを組み込んだ自動運転システムを迅速にテストすることができる。

▮キーサイトのレーダー・シーン・エミュレーターは、ターゲットシミュレーションによるオブジェクト検出を中心としたアプローチから、交通シーンのエミュレーションへと移行する特許技術を採用しており、以下の主なメリットを提供する。

● 全体像の把握:
レーダー・シーン・エミュレーターは、レーダーセンサの広い連続したFOV視野に対応し、近距離と遠距離両方のターゲットエミュレーションをサポートしている。 これにより、レーダーの視界の隙間をなくし、密集した複雑なシーンで複数のオブジェクトを検出・識別するアルゴリズムのトレーニングを向上させることができる。 その結果、全体像に基づいて自動運転車が意思決定を行うことができるようになる。
● 実環境の複雑さをテスト:
レーダーセンサを限られた数のターゲットでテストする場合、走行シナリオが不完全で、現実世界の複雑さを表現しきれない。キーサイトのレーダー・シーン・エミュレーターでは、交通密度、速度、距離、ターゲットの総数を変化させて、実環境の走行シーンをラボでエミュレートすることができる。実走行でのリスクを回避して、一般的なシーンからコーナーケースのシーンまで、繰り返しテストを実施することができる。
● 学習を加速:
キーサイトのレーダー・シーン・エミュレーターは、現状、実際の道路上でしかテストできないような複雑なシーンをラボでテストするための環境を提供する。このテストアプローチにより、自動車メーカーは複雑で再現性のある高密度のシーン、静止しているオブジェクトや動いているオブジェクト、変化する環境特性などのシナリオを早期にテストできるようになり、手動またはロボットによるアンテナの配置の非効率性を感じることなく、ADAS/ADアルゴリズムの学習を大幅に加速することができる。
● シーン解像度の向上:
車両の自動化(自動車技術会(SAE:Society of Automotive Engineers)が指定するレベル4および5の自動化)に向けて、スムーズかつ迅速に移行するためには、道路上の障害物を識別する能力をテストする必要がある。キーサイトでは、ポイントクラウド(オブジェクトごとの多重反射)によって、各オブジェクトの解像度を向上させることで対応している。

キーサイトのレーダー・シーン・エミュレーターは、IPG AutomotiveおよびNordsysとの長年にわたる共同開発により生まれた、自動運転エミュレーション(ADE)プラットフォーム(https://www.keysight.com/us/en/cmp/2020/autonomous-drive-emulation.html)の一部である。ADEプラットフォームは、定義したシナリオに基づき、ADASおよびADシステムに対して、グローバル・ナビゲーション・サテライト・システム(GNSS)、V2X(Vehicle to Everything)、カメラ、レーダーなど、自動車に搭載されている実際のセンサやサブシステムに時間同期の信号を入力できる。
ADEはオープンなプラットフォームであるため、市販の3Dモデリング、ハードウェア・イン・ザ・ループ(HIL)システム、および既存のテストおよびシミュレーション環境と統合することができ、自動車OEMおよび関連企業は、センサフュージョンや意思決定アルゴリズムなどのADAS/ADシステムとアルゴリズムの開発やテストに集中できるようになるとのこと。

ニュースリリースサイト:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000003.000087505.html

ユニ・チャームとCHaiLDが共同研究を開始、乳幼児の良質な睡眠を探る

ユニ・チャーム(株)は、(株)CHaiLD〔チャイルド〕と、育児や保育業務の負担軽減につなげる共同研究を開始した。

共同研究では、CHaiLDと関連のある保育園に通う0~2歳の乳幼児最大300人を対象に、睡眠中の活動量や皮膚表面温度を体動・温度センサで測定し、日々の体調の変化を記録する。そこから得られたデータを解析することによって、家庭と保育施設が共同養育※1を行い、乳幼児にとっての良質な睡眠環境を実現し、乳幼児一人ひとりの適切な睡眠ケアへつなげる。
※1 共同養育とは、性別や世代を跨って、社会全体で子育てをしていくこと

▮共同研究の背景
17ヶ国の乳幼児(0~3歳)比較において、日本の子どもの就寝時刻は遅く、1日の総睡眠時間は最も短いことが報告されている※2。近年では、子どもたちの生活リズムの向上を図るため、文部科学省などが「早寝早起き朝ごはん」を推進するなどし、徐々に改善されてはいるものの、乳幼児の成長に十分な睡眠が確保されていないのが実態である。睡眠は乳幼児にとって重要であり、睡眠不足によって認知機能の発達の遅れや情緒の安定性への阻害などにつながるおそれがある。
そこで今回の共同研究では、共同で行う新規事業の開発を見据え、CHaiLDの保育支援システム「チャイルドケアシステム(CCS:Child Care System)」とお昼寝を見守る「CCSセンサ」を活用し、保護者側は保育園での、保育士側は家庭での乳幼児の睡眠状態を正確に把握することによって、良質な睡眠環境の確保や適切なケアを促していくという。
※2 JA Mindellら、Sleep Medicine、2010年

▮チャイルドケアシステム(CCS:Child Care System)とは
園児の登降園記録や保育士のシフト作成など、保育施設の業務全般をサポートする保育施設専用の業務支援システム。
CCSセンサは、保育施設におけるお昼寝時に、園児のおむつに装着して、体の向きを検知する。乳幼児突然死症候群(SIDS)のリスクが高いとされるうつぶせ寝を検知して保育士に知らせるほか、体の向きやお腹の皮膚温度を断続的に記録する。

▮共同研究の概要
チャイルドケアシステム(CCS:Child Care System)とCCSセンサを活用して、乳幼児の睡眠状態や皮膚表面温度の変動状態を把握する。乳幼児の正確な睡眠状態を保護者・保育士が把握・共有して、乳幼児にとっての良質な睡眠環境へつなげる。その結果、乳幼児突然死症候群(SIDS)の回避や、保育士の経験や能力に左右されにくい、質の高い保育サービスへつなげる。

対象:CHaiLDの親会社である株式会社global bridge HOLDINGS直営保育園の乳幼児
 (0歳、1歳、2歳)100~300人
実施時期:2022年1月~3月
実施内容:対象者にCCSセンサを配布し、午睡(お昼寝中)、夜間の睡眠時におむつに装着し、活動量と皮膚表面温度を計測。同時に保護者・保育士がそれぞれ以下を記録する。
・保護者:家庭における体調や機嫌、様子などを記録
・保育士:登園~降園までの体調、機嫌、様子を記録
・保護者・保育士へのアンケート調査
・収集データを解析、研究論文を発表

評価:
・0~2歳児における睡眠時の活動量および皮膚表面温度の推移などチャイルドケアシステム(CCS:Child Care System)とCCSセンサにより収集されたデータの価値の整理
・収集データの活用における留意点等の整理
・エビデンスに基づく保育・育児サポートの検証 等

▮共同研究における両社の役割
ユニ・チャーム株式会社
・評価設計・計画作成
・研究倫理審査
・記録フォーム・アンケート調査案作成
・収集データの解析

株式会社CHaiLD
・計画作成
・CCSセンサ準備、測定環境の整備
・対象者、保護者、保育士の募集・説明
・収集データの解析

ニュースリリースサイト(unicharm):https://www.unicharm.co.jp/ja/company/news/2021/1220-01.html

ストラドビジョンとLG、ARコックピットプラットフォーム開発で提携

先進運転支援システム(ADAS)や、自動運転車両向けの物体認識AIソフトウェア『SVNet』を提供するStradVision, Inc.(ストラドビジョン)は、2021年12月、LGエレクトロニクスと提携し、世界の自動車業界向けにAR(拡張現実)ソリューションをベースにした、先進的なコックピット計器プラットフォームを開発することを発表した。

ストラドビジョンとLGエレクトロニクスは、安全運転において業界をリードする性能、安定性、効率性を提供する、次世代拡張現実ソリューション開発のために緊密に協力している。現在、多くの自動車メーカーが拡張現実ソリューション、特にAR-HUD(Augmented Reality Head-Up Display)の優位性に注目しており、幅広い車種に採用しようとしている。この最新技術は、ナビゲーションやADAS警告などの重要な道路情報をドライバーの視界に投影し、ドライバーが道路から目を離さず、また、進路上の物体の状態をリアルタイムに反映することで、周囲の状況を正確に認識できるという。

■物体認識AIソフトウェア『SVNet』
SVNetは、カメラ映像からディープラーニングによって検知する自動運転車両向けの物体認識AIソフトウェア。自動運転レベル2・3のADAS機能、およびレベル4の自律走行をサポートする。
過酷な気象状況や周囲の明かりが乏しい場合でも、車両が他の車両や車線、歩行者、動物、空き地、交通標識、信号機などの対象物を正確に検出・識別できる。また、LiDARやRADARなどの複数のセンサとの統合によってサラウンドビジョンシステムを構築し、自動駐車の支援も実現する。
SVNetは14種類以上のハードウェアプラットフォームに対応しており、特許取得済みの技術によってネットワークパラメータサイズや必要とする演算量、メモリ使用量を少なくしながら、高い物体検出・認識精度を実現する。製品特性に応じたチップ(SoC)への組み込みや、高価なセンサをカメラに置き換えた利用が可能で、競合他社の製品と比較して、数分の一のコストでADASや量産自動車への提供を可能にしているとのこと。

ニュースリリースサイト(stradvision):https://stradvision.com/ja/lg-arhud_jp/