タッチエンス(株)は、国立大学法人香川大学と高尾研究室のMEMS触覚センサおよび手触り感の評価方法に関する技術について、ライセンス契約を締結し、新たな触覚センサの開発をスタートすることを発表した。
(※画像は「ショッカクチップ6軸」)
■ライセンス契約の背景
タッチエンスは、2011年に産学官連携のスキームによって誕生し、研究開発段階である触覚センサの量産化を目指して活動している開発型ベンチャー企業であり、すでに第一の触覚センサであるセンサ自体が柔軟に変形する世界初の柔軟触覚センサ技術の製品化・量産化に成功している。
これに続き、2018年にはDEFTA Healthcare Technologies, L.P.等を引受先とした第三者割当増資による資金調達で、第二の触覚センサとなる東京大学 下山研究室のMEMS触覚センサ技術に基づく世界最小の多軸触覚センサの量産化に向けた開発を実行している。
今回、触覚センサ市場をリードしている同社の大学発技術の製品化、ビジネス化の実績・ノウハウを評価する香川大学と、香川大学 高尾研究室の持つ手触り感の計測に特化したMEMS触覚センサ技術を評価する同社の思惑が一致したことでライセンス契約が締結された。本技術は高尾研究室を中心に推進されている、科学技術振興機構(JST)のCRESTプロジェクトから創出された研究成果を用いている。
人間の指先の手触り感検知能力を上回る新しいMEMS触覚センサデバイスを小型・低コストで実現することで、ロボット・美容・ヘルスケア分野での新たな触覚センサ市場の創造を目指すとしている。
■今後の事業展開について
柔軟触覚センサ「ショッカクキューブ」、世界最小の多軸触覚センサ「ショッカクチップ」に加えて、この手触り感計測の触覚センサ「ショッカクプローブ」の共同開発パートナー企業を探索し、2年後に市場投入することを予定しているという。
これらのセンサによって、新しいユーザーインターフェース、より高機能化されたロボットハンド、小型高性能化された美容・ヘルスケアデバイス、医療器具のインテリジェント化といった製品の実現に貢献することで、2025年に100億円の売上を目指しているとのこと。
ニュースリリースサイト:https://www.atpress.ne.jp/news/198126