サイレックス、低遅延ワイヤレスコンバータ『SC-400ACL』を発表

サイレックス・テクノロジー(株)は、主に産業・医療・測定機器メーカを対象に、当該分野で多く使用されている、RS-422/RS-485、および、Ethernetの省配線化を実現する低遅延ワイヤレスコンバータ「SC-400ACL」を発表した。

従来、産業用途で使われる機器ケーブルをワイヤレス技術で省配線化するには、ワイヤレス規格の制限により発生する、遅延、ジッタ(ゆらぎ)に対して、データ伝送の欠損を抑えながら、安定的に通信を行うことが課題だった。
サイレックスは、自社独自開発のハードウェアとソフトウェアを組み合わせ、遅延・欠損・ジッタの3要素を最適化・低減化するLow Latency Wireless (以下LLW)技術開発に成功した。『SC-400ACL』は、その技術ショーケースとしてRS-422/RS-485シリアル通信に適応することで、配線工事やレイアウト変更等でのケーブル敷設の煩わしさを軽減すると共に運用コストを大幅に削減するという。

■背景―産業用ネットワークの進化
IoTの普及により、工場の製造現場では膨大な数のセンサや製造機器などをネットワークに接続し、リアルタイムで制御することが求められている。これまではリアルタイム性を確保する目的で、PROFIBUSやModbus-RTU、CC-Linkなど、さまざまなフィールドバスが使われてきた。近年では、工場設備やIT/OTシステム間の統合等を目的に、より高速なEthernet/IPやPROFINET、EtherCAT、Modbus-TCPなど産業用Ethernetがシェアを伸ばしている。
しかし、無線接続は有線接続よりもパケットのロスト率が高い上、再送による遅延が発生する。センサやアクチュエータなど入出力デバイスの無線接続では、このパケットロスや再送遅延が課題であり、産業用ネットワークに無線を導入するために、低遅延、低欠損で信頼性の高い無線技術が求められているとのこと。

【SC-400ACLの主な特徴】
■低遅延無線伝送技術 AMC LLW搭載
■産業・医療に組込み実績の多いインテリジェントモジュール「SX-590」を採用
■高速無線LAN規格IEEE 802.11acをサポート。短時間でのデータ伝送を可能にする
■通信インタフェースとしてRS-422/RS-485、および、有線LANをサポート
■ディップスイッチ切り替えによる簡単な無線設定変更

プレスリリース(サイレックス):https://www.silex.jp/doc/PR190805_vol224_SC-400ACL.pdf