(株)日立製作所(以下、日立)は、ガス管や下水管などの地中埋設インフラを効率的に保守管理するデジタルプラットフォームを構築した。高感度・低電力センサにより、地中配管などのデータを収集し、デジタル技術を活用することで、地中埋設インフラの保守作業の高度化・効率化を実現します。その第一弾として、本プラットフォームを活用し、水道管の漏水エリアを高精度で瞬時に特定するシステムを開発した。今後、実用化に向け実証実験を進め、2020年度に水道事業者向けサービスを提供開始する予定とのこと。
本システムにより、漏水量を減らし造水コストを低減するとともに、大漏水による断水や道路の陥没事故を未然に防ぎ、安心・安全・快適な都市インフラの構築に寄与するとしている。
漏水検知システムの主な特徴
(1)日々の漏水検知を実現する高感度・低電力センサ
日立が開発した高感度センサを300m間隔で設置することで、漏水による微弱な振動を検知する。また、低電力化を実現する回路技術により、電力消費量を従来比で50%削減。これらにより、センサは内蔵バッテリーのみで5年以上稼動し、広範囲にわたって漏水を日々検知することができる。
(2)誤検知防止と通信負荷低減を実現するデータ分析技術
日立はこれまでの漏水検知に関する知見やノウハウから、漏水時は連続的な一定の振動が発生することを発見し、漏水による振動を検知する高度データ分析技術を開発した。センサに本技術を適用し、自動車や人の往来による振動といったノイズの除去をセンサで処理することにより、通信負荷を低減したデータの収集・分析が可能になる。これらにより、漏水の誤検知を削減し、高精度な漏水検知を実現する。また、センサとの通信は、NTTグループが提供するIoT通信技術 LPWA*(LTE-Mなど)の活用を想定している。
* LPWA(Low Power Wide Area):省電力広域無線通信技術
(3)既存の水道管に容易に設置できるセンサ
日立が開発したセンサには磁石が内蔵されており、追加工事なしで既存の水道管に容易に設置でき、データを収集することができる。これにより、センサーを広範囲の水道管へ設置することができるとのこと。
ニュースリリースサイト(日立):
http://www.hitachi.co.jp/New/cnews/month/2019/04/0425.html