工学院、低温動作可能な薄膜トランジスタ型CO2センサを開発

 工学院大学は、薄膜に関する研究を多領域で進めており、相川慎也 教授(電気電子工学科)は、薄膜トランジスタを用いたCO2センサを考案した。
大学発の研究成果でイノベーションを支援すべく、10月15日から18日に幕張メッセで開催されるデジタルイノベーションの総合展「CEATEC 2024」で公開する。

 温室効果ガス削減に向けて、排出の現状を把握する高度モニタリング技術への要請が高まり、ネットワーク化により分散配置可能なIoTガスセンサの開発が急務である。IoT化により、空間カバレッジの向上が期待できるとともに、迅速かつ高感度な検出が可能となりますが、そのためには、センサデバイス自体が安価に作製でき、小型かつ低消費電力であることがキーポイントとなる。
 相川慎也教授が考案した薄膜トランジスタ型CO2センサは、低コスト化と小型化が可能であるとともに、半導体薄膜の極性表面を活用することで従来品より低温動作での高感度化を実証した(図左、図中央)。これは、センサーの消費電力抑制につながる成果である。CH4などの温室効果ガス検知も適用可能なメカニズムと、薄膜の特徴の一つである集積化から、この一台で複数種の温室効果ガスを同時にセンシングすることも理論上可能であるという。

■相川慎也 教授(工学院大学 電気電子工学科)のコメント
 査読付き論文を始め、学術面では実績と根拠がありますが、産業界での本技術の利活用はこれからです。まずは共同研究などでラボレベルから社会実装レベルに近づけ、技術で社会貢献できますと幸いです。薄膜に関する現場での課題や悩みも伺い、引き続き、SDGsの実現など社会課題解決をゴールとする研究に取り組みたいと考えています。

プレスリリースサイト:https://www.kogakuin.ac.jp/news/2024/101091.html