ゼロスペック、国交省 SBIRフェーズ3基金事業に採択と次世代浸水検知システムの開発

ゼロスペック(株)は、国土交通省の「令和4年度補正予算 国土交通省 中小企業イノベーション創出推進事業」低炭素推進機構補助金(SBIR)に採択された。

本補助金の採択により、ゼロスペックは京セラコミュニケーションシステム(株)〔以下KCCS〕の協力のもと、同社が提供する浸水センサの電池寿命と対流水圧性能を向上させた次世代浸水検知システムを開発し、社会実装を推進する。2024年8月より北海道内の複数市町村にて実証実験を開始し、低コストかつ簡単に設置可能な次世代浸水検知システムによって、日本全土での防災対策の強化を目指すという。

背景と課題
 近年、大型台風や線状降水帯による豪雨災害が頻発しており、これに伴う浸水被害が深刻化している。地方自治体では、河川水位計や河川監視カメラなどの部分的な情報を元に浸水エリアを推測しているが、電源工事をはじめ各種費用がかかり、広範囲での設置にはハードルが高い状況である。また、災害現場への現地出動には、迅速かつ正確な状況把握が求められ、さらに二次災害のリスクも伴う。これらの課題に対処するため、広域的で戦略的なインフラマネジメントが求められている。

次世代浸水検知システムの特徴と利点
 次世代浸水検知システムに使用されるセンサは、低コストで設置が簡単であることが特徴である。置くだけで防災DXを実現し、多地点の浸水状況をリアルタイムで可視化することができる。これにより、自治体は浸水状況を広範囲かつ高密度で把握することができ、住民への迅速な防災情報の提供や避難情報の早期共有が可能になる。

今後の展望と社会実装の推進
 本プロジェクトは、全国各地から収集された浸水データを中央で共有し、全国レベルでの統合的なリスク把握と避難誘導レベルの向上に活用することを目指している。各市町村における実証実験において、センサの性能や効果を確認しながら、全国の自治体に次世代浸水検知システムを普及させ、より多くの地域で防災対策の強化を図るとしている。

プレスリリースサイト:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000013.000068891.html