リアルハプティクス®を活用した感触・動作クラウドプラットフォームを開発

 モーションリブ(株)は、リアルハプティクス®とクラウド技術などを活用した感触・動作クラウドプラットフォームをトヨタ紡織(株)と共同開発した。本プラットフォームを用いることで、クラウド上に展開された力触覚情報にインターネット回線からアクセスし、場所を問わず力触覚の伝送・データ化・編集などが可能となった。

 今回開発された技術によって遠く離れた家族や友人とも触れ合えることができ、孤独感やストレスを軽減し心の健康をサポートする効果が期待される。また、地理的な距離が障壁にならないことで、高齢者や障害を持つ人々など移動が困難な方にとっても大きな利益をもたらす可能性があり、個人だけでなく社会全体のウェルビーイングに貢献することを目指しているという。

■横浜市と豊田市を結ぶ5Gネットワークで力触覚伝送の実証実験に成功(画像)
 両社は、今回開発したプラットフォームをトヨタ紡織が持つリラックスシート「Remote Touch Therapy(リモートタッチセラピー)」に搭載し、5Gネットワークを通して横浜市と豊田市間での力触覚伝送とそのコンテンツ化を行う実証実験を行った。その結果、リアルタイムかつ高精細な力触覚伝送に成功し、離れた場所にいる人同士があたかも同じ空間にいるかのような感覚を共有できることを実証した。

 実証実験では横浜市内の拠点から豊田市内の拠点にいる対象者に「優しく肩をさする」などのタッチセラピーを行い、肩の感触などを感じながら、セラピー体験を実現できることを確認した。
 また、それらの動作はプラットフォームを通じてデータ化し、データ化された力触覚コンテンツは操作者がいなくても再現可能であることを実証することができた。

■リアルハプティクスとクラウド技術を組み合わせたプラットフォームを開発
 従来、リアルハプティクスによる高品質な力触覚伝送には特殊な環境構築を必要としていた。今回両社は、リアルハプティクスとクラウド技術やリアルタイム通信技術を組み合わせることで感触・動作クラウドプラットフォームを共同開発し、離れた場所にいる人同士が力触覚を通じて相互に働きかけ、そこで得られた力触覚情報をデータ化し、コンテンツ化することを可能にした。

 本プラットフォームを用いることで、クラウド上に展開された力触覚情報にインターネット回線からアクセスすることが可能となり、どこからでも力触覚の伝送・データ化・編集などが可能となる。例えば、製造業などにおいて熟練技術が必要な作業の自動化を行う際の基盤として活用することができる。

※リアルハプティクス®はモーションリブの所有する登録商標。
※力触覚: 触れた物の硬さや柔らかさを伝える、力と位置変化に関する感覚。
※リアルハプティクス:慶應義塾大学で発明された力触覚伝送技術で、アクチュエータの力加減を自在に制御することができる技術。 この技術により、力センサレスで力触覚をともなう「遠隔操作」「計測可視化・分析」「自動化」「感触の再現・VR」が可能。
※本プロジェクトはリアルハプティクス技術協議会にて慶應義塾大学と推進していた研究開発活動を引継ぎ、リアルハプティクスメンバー会にて開発を行っている。リアルハプティクスメンバー会は(一財)ハプティクス技術協会とモーションリブにて共同運営するリアルハプティクスを事業利用するためのコンソーシアム。

プレスリリースサイト:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000034.000027265.html