オンセミは、超低電流で最高精度の電気化学センシングを可能にする、最先端の小型アナログフロントエンド(AFE)の新製品「CEM102」を発表した。
小型フォームファクタと業界で最も低い消費電力により、空気質およびガスの検知、食品検査や農業モニタリングなどの産業、環境、ヘルスケア・アプリケーションや、持続グルコースモニタなどの医療用ウェアラブル機器向けに、多用途でコンパクトなソリューションを実現できるという。
生命科学や環境科学から工業原料や食品加工に至るまで、化学物質を測定する能力は、優れた洞察力を提供し、安全性、効率、意識を向上させることができる。実験室、採鉱作業、材料製造などにおいて、ポテンショスタットや腐食センサなどの電気化学センサは、生産システム内でフィードバックを提供したり、有害物質を管理したりするための重要なツールとして働き、プロセスを適切に機能させるだけでなく、従業員や作業の安全性も確保する。
「CEM102」は、非常に小型で超低消費電力のソリューションを実現でき、電池駆動の電気化学センサを用いたアプリケーションに最適。携帯ガス検知器などの産業用安全機器は、作業員が遠隔地にいる場合や移動が必要なときに、潜在的な危険を警告する。
「CEM102」は、業界で最も低消費電力のBluetooth® Low Energy技術を提供する 「RSL15」 Bluetooth 5.2対応マイクロコントローラと組み合わせて使用するように設計されている。完全なエレクトロニクスソリューションとして機能し、バイオセンサや環境センサが、非常に低いシステム消費電力と広い電源電圧範囲で動作しながら、化学反応で起こった電流を正確に測定できるようにする。この2つのコンポーネントのシームレスな統合は、コンパクトなサイズと業界をリードする電力効率と相まって、電池駆動ソリューションにとって重要な要素である機器の小型化と長寿命化に重要な役割を果たす。
この組み合わせは、オンセミのアナログ&ミックスドシグナル製品ポートフォリオの一部であり、開発を合理化し、次世代のアンペロメトリックセンサ技術の統合と革新を促進するように設計されている。高性能でエネルギー効率が高く、相互接続されたアプリケーションを構築するために最適な柔軟性を提供する。
さらに、このソリューションは、他の製品と比較して、より高い精度、ノイズ低減、低消費電力を実現する。また、部品表(BOM)が簡素化され、較正が容易になり、製造の複雑さも軽減される。
電源電圧範囲が1.3V~3.6Vと幅広いため、システムは1.5V酸化銀電池または3Vコイン電池1個で動作可能である。動作時の消費電流は、ディセーブルモードでわずか50nA、センサバイアスモードで2uA、18ビットADCが連続変換しているアクティブ測定モードで3.5uA。これは、3mAhの電池1個だけで業界で主流となっている医療用ウェアラブル機器のパッチ交換周期である、14日間の動作を実現し、より大型の電池では数年間動作することを意味する。
「CEM102」の特長
● 電気化学測定用の完全2チャンネルソリューション(システムレベル)
● 1~4個の電極をサポート
● 極めて低いシステム消費電流
● 1.3V~1.65Vまたは2.375V~3.6Vの2種類のバッテリをサポート
● 高分解能ADC、連続バイアス設定用の複数のDAC、工場出荷時にトリミングされたシステム
● センサ異常状態およびホストプロセッサウェイクアップの検出
● 小フットプリント:1.884mm x 1.848mmのパッケージ
プレスリリースサイト:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000293.000035474.html