HEREと村田製作所、ジャカルタの交通問題の解決に向け提携

HERE Technologies(以下、HERE)は、村田製作所との提携を通し、インドネシアのジャカルタ市当局に対して交通渋滞に関するこれまでにないインサイトや、さまざまな交通関連の問題を監視、予測し、対処する機能の提供を進めることを発表した。

ジャカルタは交通渋滞でよく知られている。 ジャカルタ警察の交通課によると、2022 年には、通勤者は交通渋滞によって1 回の移動につき平均 30 分を失っている[1]。 従って昨年1年間で、推定 45 億米ドルの経済損失がインドネシアにもたらされたことになる[1]。

HEREと村田製作所の協働は、ジャカルタ市のよりスマートで持続可能な交通管理の可能性を広げるものである。 HEREの地図と交通データを、LiDAR 技術を使用した村田製作所のトラフィックカウンタシステムと統合することにより、ジャカルタ市当局は、車両数、分類、流れの方向、速度などのリアルタイム交通データ、交通量のピーク時間、混雑する移動ルートなどの交通パターンに関するこれまでにないインサイトを得ることができる。さらに、都市のモビリティに関するさまざまな課題を監視、予測して、積極的に対処できるようになる。

また、この交通管理システムは、二酸化炭素や気圧センサに基づいて降雨を予測するなど、環境条件を測定し、浸水する可能性のある/浸水しているエリアや通行不能なエリアを特定することもできる。これにより、交通状況に応じて信号機のサイクルを変更することで特に交通量の多い道路での交通のボトルネックを軽減し、事故を最小限に抑えるなど、道路交通のより適切な視覚化と管理が実現したという。

システムの機能が進化し続ける中、ジャカルタ市当局は、交通渋滞が発生する前に最適なルートを積極的に提案するために、過去の交通データを活用する予測分析の導入を検討している。 また、このシステムとインドネシアのスマートシティ構想の統合を進め、交通信号管理や駐車システム、公共交通ネットワークに接続する計画もあるとのこと。

[1] Train ridership rising in Jakarta, as people seek to escape traffic jams, The Straits Times, July 2023
https://www.straitstimes.com/multimedia/graphics/2023/07/jakarta-traffic-jams/index.html

ニュースリリースサイト:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000004.000121823.html