日本電気硝子(株)が開発した特殊ガラスを用いたレンズアンテナが、滋賀県内で実施されたバスの自動運転・隊列走行の実証実験で採用された。
今回の実証実験で活用されたレンズアンテナでは、隊列走行するバス同士の情報伝達をより安定させ、一般的な移動通信で使用されるアンテナでの課題を解決することに成功した。ミリ波帯での通信を行うことで高速かつ大容量の情報通信が可能となる。
<様々な社会課題を解決>特殊ガラスを用いたレンズアンテナで安定した通信が可能に。
バスの自動運転・隊列走行は、運転手を増やさず輸送人数の増加にも対応することができるため、各地域に応じた交通インフラの整備や次世代モビリティサービスを実現するものとして注目が集まっている。
今回の実証実験では、先頭車と後続車間で情報通信を行うことで、複数のバスの隊列走行・自動運転の実現を目指している。
特殊ガラスを用いたレンズアンテナを使用したことにより、バスの自動運転・隊列走行が抱えていた旋回時の通信の途切れなどの課題を解決し、より安定した情報伝達を可能にした。また、従来用いられていたアンテナに比べてスループット※1を改善し、遅延時間が短縮する成果も得られた。
今回採用されたレンズアンテナは、同社が開発した材料を使用し、今回の実証実験のために新たに設計した製品。同社のレンズアンテナは、必要な条件・機能に応じたレンズ設計が可能で、生活のあらゆる場面での活用が期待されている。
※1 単位時間あたりに処理できるデータ量、通信速度
ニュースリリースサイト(neg):https://www.neg.co.jp/news/20231019-7067.html