ST、IoT機器開発を加速させるSTM32H5マイコン用開発キットを発表

STマイクロエレクトロニクスは、汎用32bitマイクロコントローラ(マイコン)「STM32H5シリーズ」用の開発キット(Discoveryキット)「STM32H573I-DK」を発表した。同開発キットは、豊富な機能を搭載し、さまざまなアプリケーション開発に貢献する。また、STM32H5シリーズは、スマート・センサ、スマート家電、産業用コントローラ、ネットワーク機器、パーソナル電子機器、医療機器など、幅広いアプリケーションにおける高性能処理や、高度なセキュリティの実現に最適な製品であるという。

STM32H573I-DK Discoveryキットを使用することで、アナログ周辺回路やタイマ、ST ART(アダプティブ・リアルタイム)アクセラレータ™、メディア・インタフェース、数値演算アクセラレータなど、STM32H5マイコンに内蔵されたあらゆる機能を活用した開発が可能になる。 これにより、産業用プログラマブル・ロジック・コントローラ(PLC)や、モータ・ドライバ、生活家電向けスマート・コントローラなど、新たな設計の評価を簡単に行うことができる。また、エアコンや冷蔵庫・洗濯機といった生活家電、警報システムのコントローラや通信ハブ、スマート照明制御などのアプリケーションにも最適。

STM32H573I-DK Discoveryキットは、STM32H5マイコンやカラー・タッチパネル・ディスプレイ、デジタル・マイク、各種インタフェース(USB、Ethernet、Wi-Fi®など)を搭載した多機能な開発ボード。また、オーディオ・コーデックやFlashメモリも備えており、拡張シールドやドーター・ボードとの接続用ヘッダも搭載している。

さらに、開発プロセスの簡略化に貢献するSTM32H5マイコン用ソフトウェア・パッケージ「STM32CubeH5」も提供されており、サンプル・コードやアプリケーション・コードなど、STM32H5マイコンを使用したアプリケーション開発に必要なものがすべて含まれている。同パッケージは、STM32Cube開発エコシステムに完全に統合されているため、アプリケーション開発に貢献する追加のソフトウェアも活用できる。また、マイコンの初期化コード自動生成ツール「STM32CubeMX」も提供されている。

2023年3月に発表されたSTM32H5シリーズは、Arm® Cortex®-M33(動作周波数250MHz)を搭載し、STのマイコン向けセキュリティ・ソリューション「STM32Trust TEE Secure Manager」に対応した初のマイコン。Arm TrustZone®セキュリティとSTのSTM32Trustフレームワークを組み合わせることで、信頼性に優れたストレージや、暗号化、認証、およびソフトウェア・アップデート機能を提供する。そのほか、サイド・チャネル攻撃から保護するハードウェア暗号化アクセラレータを搭載するとともに、PSA Certified Level 3およびGlobalPlatform SESIP3仕様に準拠している。

STM32H573I-DK Discoveryキットには、セキュリティ・サービスの使用法を示すサンプルが付属しており、STM32Cube開発エコシステムに含まれるすべての必要なソフトウェア・ツールおよびサポートが統合されている。

STM32H573I-DKおよびSTM32H5マイコンを搭載したSTM32 Nucleoボード「NUCLEO-H563ZI」は、STのeStoreおよび販売代理店から入手可能。STM32H573I-DKの価格は約98.75ドル、NUCLEO-H563ZIの価格は約28.75ドル。

これらの製品に伴い、STM32用のIoTクラウド・ソリューションが近日発表される予定。

ニュースリリースサイト:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000001328.000001337.html