(株)ルートレック・ネットワークスは、ハウス栽培における地上部環境のモニタリングセンサーをゼロアグリの導入ユーザーと共に開発を行い、販売開始した。これにより同社の開発、提供するAI潅水施肥システム「ゼロアグリ」の管理画面上で、土中の水分や肥料等の地下部環境だけでなく、温度、湿度、CO2等の地上部環境も合わせて見える化ができるようになった。
● 課題、経緯
農業における高齢化や担い手不足といった課題解決に向けて、スマート農業システムの導入・活用が推進されてきているが、未だ普及に関しては多くの課題がある。特に「経営規模に応じた投資対効果」という観点において、国内の施設園芸における97パーセントがパイプハウスを導入しているにも関わらず(※1)、パイプハウス向けに安価に導入できるスマート環境制御機器は多くないという現状がある。また、ハウス内に設置された各種システムの互換性が無く、生産者はそれぞれのシステムを確認制御する必要があり、非効率的となってしまう課題もあった(※2)。
同社が開発を行うAI潅水施肥システム「ゼロアグリ」は、パイプハウス向けのスマート環境制御機器として、地下部を中心とした機能を提供してきたが、上記課題を解決するため、今後包括的に農家をサポートできるスマート農業システムとして機能開発を進めていく。この実現に向けて、自社開発だけではなく、同社のユーザーや地域代理店、他のスマート農業会社と連携をしながら、スピード感を持った対応を実現するとしている。
今回第一弾の取り組みとして、これまで要望の多かったゼロアグリによる地上部のモニタリングセンサー実装を、ゼロアグリのユーザーでもあるノートク・バンガードデバイス社の長嶋智久氏と共同開発をした。パイプハウスの生産者をターゲットとした安価な地上部センサーを提供することで、よりコスト対効果の高いスマート農業システムの導入が可能となる。
※1 農林水産省「施設園芸をめぐる情勢」 (令和4年4月)
※2 令和2年度 関東地域研究・普及連絡会議 資料「スマート農業普及推進上の課題について」参照
● 今回リリースしたセンサー及び地上部モニタリング機能の概要
・温湿度センサー、CO2センサーをセットでご提供
(ゼロアグリ本体にオプションとして導入可能)
・精度向上のため温湿度、CO2ともにファンを搭載
・CO2センサーはNDIR方式(非分散型赤外線吸収法方式)を採用しており、より精度の高い計測が可能
・電源があれば、ハウスのどこにでも設置可能
・取得されたセンサーの情報は、無線通信でゼロアグリのクラウドに送信され、リアルタイムに温度、湿度、CO₂濃度がゼロアグリ管理画面で確認可能に
ニュースリリースサイト:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000014.000060692.html