オリンパス(株)は外科手術用内視鏡システム「VISERA ELITE III(ビセラ・エリート・スリー)」を、欧州、中東、アフリカ、アジア一部地域、オセアニアおよび日本で、2022年9月以降順次発売する。本製品は、同社とソニー(株)との医療事業に関する合弁会社であるソニー・オリンパスメディカルソリューションズ(株)が技術開発を担当した。
本製品は、がんなどの病変部摘出を目的に、腹部や胸部などに開けた数カ所の穴から外科手術用内視鏡と専用器具を挿入して行う手術(内視鏡外科手術)に使用する。従来機種である「VISERA ELITE II」と「VISERA 4K UHD」の機能を1つのプラットフォームで対応でき、医療現場のニーズに合わせて機能を選択拡充できるシステムである。これにより、医療現場の効率化と内視鏡外科手術の質の向上に貢献するという。
主な特長
1.4Kや3D、IR※1観察などの機能を1つのプラットフォームで対応
2.オープンプラットフォーム化により、院内の最適な運用をサポート
3.フォーカス自動調整と焦点深度の深化により、より高精細な画像取得に貢献
※1 インドシアニングリーン (ICG) という蛍光剤を投与して、近赤外光 (Infra-Red:700-780nmの波長の光)を当てることにより発生する蛍光を観察するための特殊光観察機能
発売の背景
内視鏡外科手術は、患者の身体への負担が少なく回復が早いなどのメリットから、日本では1990年代から急激に増加してきた。現在消化器外科をはじめ、胸部外科、泌尿器科、婦人科など、幅広い医療現場で行われている。同社は手技に応じたさまざまな観察性能のニーズに応えるべく、4K や3D、IR観察などの付加価値の高い機能を提供してきた。
同社は消化器科、泌尿器科、呼吸器科の治療領域におけるリーディングカンパニーとして、患者の診断から治療までの負担低減に貢献する技術の開発に努めている。
今回、ソニーの有する最先端のデジタルイメージング技術と、オリンパスがもつ光学技術や医療機器開発のノウハウなどの知見を活かし、ソニー・オリンパスメディカルソリューションズが製品の基本技術開発を行うことで、3社協業による第 3 弾の製品として発売する。本製品は、4K、3D、IR観察などの機能を1つのプラットフォームで対応可能とし、医療現場のニーズに合わせて、選択拡充が可能。これにより、医療現場の効率化と内視鏡外科手術の質の向上に貢献する。
なお、ソニー・オリンパスメディカルソリューションズの枠組みとともに、ソニーとオリンパスが協力した証として、「Innovation by Sony & Olympus」のロゴを製品に表示する。
ニュースリリースサイト(olympus):https://www.olympus.co.jp/news/2022/nr02388.html