STマイクロエレクトロニクスは、低消費電力の汎用デュアル・オペアンプ「TSB622」を発表した。
同製品は、車載・産業アプリケーションの堅牢性と設計の柔軟性向上に貢献するという。
TSB622は、ユニティ・ゲインで安定的に動作し、広い動作温度範囲(-40°C~125°C)を備えた車載グレードの製品である。電源電圧範囲が2.7V~36Vと広範なため、同製品を使用してさまざまな電圧仕様を持つ広範なアプリケーションを設計することができる。レール・ツー・レール出力によりダイナミック・レンジが最大化されているとともに、入力オフセット電圧が1mVと低いため、低電圧動作の機器において高精度を実現する。
TSB622は、1.7MHzのゲイン帯域幅(GBW)とチャネルあたり最大でも375μAの動作電流(36V電源使用時)を実現しており、消費電力に比べて高速動作が可能。消費電流が低いため、低消費電力が求められるアプリケーションに最適であるとともに、バッテリ駆動機器の動作時間延長に貢献する。
また、HBM(人体モデル)における4kVのESD耐性を備え、EMI(電磁干渉)耐性も強化されているため、産業機器および車載機器における苛酷な使用環境にも対応することができる。
TSB622は、SO8およびMiniSO8パッケージで提供され、基板面積とシステム全体の部品コストの削減に貢献する。また、2022年7月までに、車載対応のDFN8ウェッタブル・フランク・パッケージでの提供も開始される予定。同パッケージは、自動車産業で要求されるはんだ付け強度に対応する。
TSB622は現在量産中。1000個購入時の単価は、産業グレード対応品が約1.12ドル、車載グレード対応品が約1.34ドル。STのeStoreでは、無償サンプルも入手可能である。
製品詳細サイト(ST):
https://www.st.com/ja/amplifiers-and-comparators/tsb622.html?icmp=tt26943_gl_pron_may2022