ソシオネクスト、信号処理回路内蔵・超小型60GHz電波式測距センサを開発

(株)ソシオネクスト (Socionext Inc.) は、60GHz帯を使用し、人の位置や動きを内蔵回路で高精度に検知できる電波式測距センサ「SC1240シリーズ」を開発した。サンプル出荷は2022年第2四半期を、量産は2023年の第1四半期を予定しているという。

SC1240シリーズは世界的に供用されている広帯域60GHz無線設備規格に準拠可能な電波式測距センサ。6.8GHz (57.1~63.9GHz) の広帯域を利用した高精度なセンシングと内蔵信号処理回路により、人の位置や動きに加えて微小な動作までを位置情報として検知することができるため、人の動きのトラッキングやジェスチャによる機器操作など高度なアプリケーションへの適用が可能である。

ソシオネクストは、ミリ波帯無線通信LSIや24GHz電波式測距センサなどの開発で培った豊富な経験とノウハウをもとに、測距及び角度演算の信号処理回路を内蔵した広帯域60GHz電波式測距センサを世界に先駆けて開発した。
SC1240シリーズはアンテナ、無線回路、A/Dコンバータ、FIFOメモリ、SPIインタフェース、フレキシブルにデューティサイクルを変化させ消費電力を制御する高機能シーケンサに加え、高性能な測距及び角度演算の信号処理回路、自律起動機能を内蔵することで、高周波や信号処理に関する高度な専門技術を必要とせず容易に3Dの位置情報を利用できる高集積デバイスである。これにより水平面での位置検知に加え高さ方向の情報も容易に入手でき、複数人の人検知や、非接触でのジェスチャ検知などの高精度なセンシングを可能とした。今後SC1240AR3を皮切りに利用者の要望及び用途に合わせた製品展開を図りシリーズ化を進めるとのこと。

ソシオネクストはSC1240シリーズをはじめとする電波式測距センサのラインナップによる高度なセンシング応用を提案し、新たなユーザー体験の実現に貢献することでこの分野におけるマーケットリーダーを目指す。

■SC1240シリーズ仕様
主な機能:3D位置検知(X,y.z座標出力)、3D在不在検知、自律起動、自動間欠測定、 高性能電源ノイズフィルタ、
     11ビットオーバーサンプリング、ADC、高性能シーケンサ
平均消費電力:0.72mW(0.1%デューティサイクル動作時)
送信周波数:57.1~63.9GHz
パックージ/サイズ:FC-BGA/4×7×1.2mm

ソシオネクストでは、HD-PLC第4世代規格であるIEEE1901-2020に準拠したHD-PLC通信用LSI「SC1320A」や、LPWAN 2.0対応の低電力・低コストなIoTタグ用LSI「SC1330A」なども開発しており、本LSIとこれらデバイスとを組み合わせたアプリケーションを提案している。

プレスリリースサイト:https://www.socionext.com/jp/topics/index.html